わたしはかもめ2005年鴎の便り(10月)

便

10月20日

千葉のRUN

◇赤星60、西岡41、セパ盗塁王対決

阪神は60盗塁の赤星、ロッテは41盗塁の西岡と、今シリーズは両リーグの盗塁王が参戦。朗リーグの盗塁王がシリーズに出場するのは03年(赤星、井口)以来9度目だ。両選手を比較すると、盗塁内訳は赤星が二盗56、三盗4に対し西岡は二盗33、三盗7、本盗1。盗塁成功率は赤星8割3分3厘、西岡8割2分で、盗塁後に得点したケースは赤星30度、西岡21度。両者共8割を超える高い成功率を記録し、盗塁の半分が得点に絡んでいる。

2人の盗塁は酔う警戒だが、盗塁阻止率では阪神が上回っている。主戦の矢野は阻止率4割3分4厘で、チーム全体では12球団1位の4割1分7厘を記録。先発が予想される井川、下柳、福原、安藤の4人と組んだケースの矢野は阻止率5割3分3厘だった。一方、ロッテは里崎が阻止率4割を記録したものの、橋本は2割5分。渡辺俊とのコンビでは2人合わせて阻止率3割5分7厘、小林宏とでは1割5分4厘の低阻止率だったのが気にかかる。

両チームの盗塁成績
球団選手名盗塁-盗塁死成功率
阪神赤星60-12.833
鳥谷5-5.500
金本3-1.750
藤本3-1.750
チーム78-31.716
ロッテ西岡41-9.820
小坂26-11.703
大塚7-5.583
サブロー6-3.667
チーム101-48.678

両チームの盗塁阻止率
球団選手名許盗塁-盗塁刺阻止率
阪神矢野43-33.434
野口5-1.167
チーム49-35.417
ロッテ里崎21-14.400
橋本18-6.250
チーム39-20.339

◇黒木だ久保だ、第5戦先発は?

第5戦の先発候補、黒木と久保が実戦登板した。黒木はケース打撃で打者21人に5安打と好投。バレンタイン監督は「いいボールを投げていた。変化球が良かった」と話した。久保はフェニックスリーグ(宮崎)で6回2/3を13安打8失点。「結果は良くなかったが久し振りの登板で打者との感覚がつかめた」と手応えを口にした。

◇31年ぶりグッズ続々

ロッテの31年ぶりパ・リーグ優勝グッズが続々と発売される。リーグV記念のTシャツ、フラッグ、タオルなど。日本シリーズでも、阪神との対決を盛り上げる意味でも「阪神対決Tシャツ」などを企画。球団営業では「ファンにも優勝の喜びを味わって欲しいし、共に戦って欲しい」と話していた。

ページトップ

ロッテ秘密兵器は早坂!21歳快足スイッチ[ニッカン]

◇9番抜擢で1番西岡と俊足ツープラトン連続攻撃!!

ロッテが22日に迫った日本シリーズで、秘密兵器を投入する。リーグ優勝を決めた17日のソフトバンク戦で、今季初出場で活躍した早坂圭介内野手(21)を抜擢。堀、小坂の状態が良くないため、スタメンの可能性も含めて早坂を9番セカンドで起用し、1番・西岡との快足スイッチ打者コンビで阪神を揺さぶる構えだ。20日、千葉マリンで行われたケース打撃でも俊足をアピールした。一方、この日、甲子園での合宿を終え千葉に入った阪神は、岡田監督が1番赤星をキーマンに指名。機動力対決ムードも高まってきた。

◇秘密兵器だ

早坂の快足に、チームがわいた。ケース打撃では黒木から右前打、小宮山から左前打と広角に打ち分けた。バントをからめた攻撃では二塁、三塁へ滑り込んだ。バレンタイン監督の標榜するスピード野球をアピール。「状態はいいですね。試合に出してもらえたら、足を見せたい。相手は阪神?どんどん走りたいですね」と貪欲に語った。

31年ぶりのリーグ優勝を決めたソフトバンクとのプレーオフ第5戦(17日)では、まさにラッキーボーイとなった。ベテラン堀が腰を痛め、早坂が2回の二塁守備から緊急で途中出場した。プレーオフ直前に2軍から昇格した21歳は、今季1軍初体験ながら大一番の試合でおくせずにプレーした。「緊張はしていた」というが、4回に杉内から俊足を生かしてプロ初安打となる三塁内野安打。7回の守備では2死二塁で一、二塁間を抜けようかというゴロを横っ跳びでつかむ美技。相手の追加点を阻止するビッグプレーとなった。

プロ3年目で、1軍出場は一昨年の14試合だけ。阪神にもデータは少ないとみられる。だが50メートル走は5秒6と、チームでは盗塁王の西岡らと並ぶ俊足の持ち主だ。「子供の時からずっと、リレーではアンカーだった」という。シリーズは故障を抱える小坂、堀の出場が微妙。場合によっては9番二塁・早坂、1番遊撃・西岡と、同じ21歳のヤング快足スイッチ打者の連続攻撃が可能となる。

今季のロッテの盗塁数は101とリーグ最多。早坂が加われば、さらに機動力が増す。バレンタイン監督は「いい内容で練習がこなせた。早坂?一生懸命やっている。彼の見せているものは非常にいい」と目を細めた。早坂は昨秋、くしくもバレンタイン監督に「やってみてはどうか」と勧められて右打席に挑戦。両打ちに転向した。阪神の井川、下柳ら左腕相手にも出場のチャンスが広がる。「プレーオフで満足してはいない。もっと活躍してビールかけをもう1度、やりたい」と、秘密兵器は大舞台を前にどこまでも前向きに話した。

早坂圭介(はやさか・けいすけ)
1984年(昭和59年)6月19日、神奈川県生まれ。横浜商工から02年ドラフトで8巡目指名で入団。1年目の03年に14試合に出場し、2盗塁。同年イースタン盗塁王(22盗塁)。昨年もイースタンで30盗塁をマークした。今年はイースタンで73試合に出場し打率2割5分8厘、34盗塁で2年ぶりに盗塁王。176センチ、63キロ。右投げ両打ち。今季推定年俸500万円。

ページトップ

ロッテ初戦先発は清水濃厚、中8日万全[ニッカン]

ロッテのエース清水が、日本シリーズ開幕戦のマウンドに立つ。プレーオフ第2ステージ第2戦でソフトバンク打線を7回2失点に抑えた右腕は、22日初戦での先発が濃厚となった。前回の登板から中8日とあくだけに、20日、千葉マリンのブルペンでやや多めの約90球を投げ込んだ。「普通のピッチングですよ。体が軽かったし、間隔があいていたからね」。万全の状態で初戦を迎える。

ページトップ

ボビー“ラッキーシフト”初芝・三塁[スポニチ]

31年ぶりにパ・リーグを制したロッテのボビー・バレンタイン監督(55)が20日、22日に行われる阪神との日本シリーズ第1戦で、今季限りで引退する初芝清内野手(38)を三塁で先発起用する方針を明かした。ソフトバンクとのプレーオフ第2ステージ第5戦で逆転の突破口を開いたベテランを三塁に、二塁には今江敏晃内野手(22)を回す“ラッキーシフト”で日本一を狙う。

“ボビー・マジック”が、いきなり初戦で吹き荒れる。日本一を争う大舞台で、今季限りでの引退を決めた初芝を三塁に起用し、二塁には三塁のレギュラーである今江を回す。31年ぶりのリーグ制覇を決めた瞬間の“ラッキーシフト”で挑むことを決めた。

西武とのプレーオフ第1ステージ第2戦で小坂が右太腿裏痛を訴え戦線離脱。ソフトバンクとの第2ステージ第5戦が行われた17日には、堀が持病の腰痛を悪化させて途中交代となった。阪神との初戦を2日後に控えたこの日の練習でも、この二遊間コンビは別メニュー調整。まさに緊急事態だが、それさえも追い風にしてしまうのがバレンタイン監督だ。

「堀と小坂が回復に向かっていることは喜ばしい。しかし、ウチにはよいオプションがたくさんある。今江が二塁を守る可能性はある。それも1つのオプションだ」。阪神の初戦は左腕・井川の先発が決定的。そこで白羽の矢を立てたのが、ソフトバンクとの第5戦で8回に代打出場し、バティスタと川崎の激突を誘ったボテボテの三塁内野安打で、奇跡の逆転を演出したプロ17年目の初芝だった。

「きっと日本シリーズまでには(堀、小坂も)治してくると思う。でも出場する準備はできている。もちろん選手だからね」と周囲の気持ちに配慮するが、自らのバットで日本一に貢献したい気持ちは誰よりも強い。95年には打点王となり、03年には代打で7打席連続安打の日本記録をマークした勝負強さは今も健在だ。「自分はツキだけの男だから…」と笑ったが、初芝の持つ運こそがチームの勢いを加速させる。

◇清水が開幕投手

清水がシリーズ開幕投手の大役を務めることになった。この日はシーズン中と同様に登板2日前のブルペン投球。本番さながらに90球を投げ込み「(13日の最後の登板から)少し間隔が空いていたからね」と汗をぬぐった。今季チームトップの15勝で開幕候補にも名前が挙がっていた渡辺俊は、第2戦先発が濃厚だ。

◇バレンタイン監督、自信満々

バレンタイン監督が自信をみなぎらせた。本拠地での練習を見守り「するべきことをみんながしている。いいチームだ」とご満悦。シリーズ決戦は大リーグ・メッツを率いた00年ワールドシリーズ以来だが「当時のメッツとロッテは似ている。ブルペンなら、このチームが上」と自信満々だった。21日は本拠地でのチーム練習後、ナイター練習を行う阪神を直接視察する予定だ。

ページトップ

浜風なんの!千葉のほうが!ボビー『屋根なし対決』に自信[サンスポ]

22日から日本シリーズが開幕する。ロッテと阪神、共に屋外球場を本拠地とする球団同士の日本シリーズ。ドームとは違い、天候も試合の行方を左右する要因となるが、ロッテのボビー・バレンタイン監督(55)は風対決は大歓迎。浜風はどちらに追い風となり、逆風となるか。風に乗った方がシリーズを制す!

浜風なんて、どこ吹く風だ。敵地の不利など関係ない。バレンタイン監督が、甲子園に乗り込んでの戦いに、自信をのぞかせた。

バレンタイン監督
「浜風?試合中にそんな風は吹くかもしれないけど、少なくともウチの選手は“風が吹いている”と驚くことはないでしょう。」

指揮官は悠然と語り笑顔をみせた。常時、風速10メートル前後、時には15メートル近い“暴風”の中でペナントレースを戦ってきたロッテには、セ各チームが苦しむ甲子園の浜風など気にもならない。

甲子園の浜風は右翼から左翼方向へ吹く。つまり右翼方向への打球は押し戻され、左翼方向は伸びる傾向。それでも特有ではあるが、一定方向への緩やかな風だ。

しかし千葉マリンは海岸に隣接しており、グラウンドには海風が吹き込んでくる。中堅から本塁方向へ強く吹き、バックネットに跳ね返り戻ってくる。野手にしてみれば高い打球は吹き込む風でブレーキがかかるが、低い打球は跳ね返る風に乗り伸びてくる複雑な仕組みだ。阪神の野手が千葉マリンでフライに右往左往することはあっても、ロッテの野手は甲子園で高く上がった飛球も楽々キャッチ。ロッテに地の利はあっても阪神にはない、というのがバレンタイン監督の思惑だ。

実際に今年5月の千葉マリンでの交流戦3戦の合計の失策数はロッテ1に対し阪神は4つも犯した。6月の甲子園での対戦では阪神1とロッテ2で差はなかった。

バレンタイン監督
「向こうも(千葉マリンが)初めてではないだろうし、どっちの球場だからとは思わないよ。」

“プレーオフ男”の里崎を筆頭に、ロッテナインは気を緩めないが、風を制す者がシリーズを制すといわれる今シリーズ。ロッテ悲願の日本一へ、浜風は追い風となる。

◇打者・小林宏は2打数無安打

交流戦打率3割の“恐怖の9番打者”小林宏がこの日のシート打撃で打席に立ったが、2打数無安打。小宮山の前に三振と遊ゴロに終わった。「全然ダメですね。福岡で早出特打ちしたんですけど…」と首をひねった。第3−5戦は舞台が甲子園となるため投手も打席に立つ。第4戦に先発濃厚な右腕は、自らのバットで虎にダメージを与えられるか!?

◇久保が実戦で手応え

第5戦に先発が有力視される久保がフェニックスリーグ中日戦で先発。6回2/3で103球を投げ、13安打8失点と内容は今1つだったが「結果はよくなかったけど、久し振りの登板で打者との感覚がつかめました」とプレーオフは登板機会がなかっただけに手応え。千葉マリンで結果を聞いたバレンタイン監督も「しばらく投げていなかったから、投げるチャンスがあってよかった」と話した。

ページトップ

第5戦は黒木!シート21人5安打雄叫び[報知]

◇“ライバル”久保1ヶ月ぶり実戦8失点で脱落

最後の“甲子園チケット”はジョニーの手に渡る。日本シリーズ第5戦(甲子園)の先発の座をかけて、ロッテ・黒木知宏投手(31)が20日、本拠地・千葉マリンで行われたシート打撃に登板。打者21人を相手に5安打に封じた一方、もう1人の先発候補だった久保康友投手(25)はフェニックス・リーグ、対中日戦(清武)に登板したが6回2/3を投げて8失点と炎上した。

静まり返ったスタジアムに、黒木の唸り声が響いた。先頭・諸積をカーブで見逃し三振を奪うと、後は連打を1度も浴びない安定した投球で、凡打の山を築く。貫録の67球で、悠然とマウンドを降りた。

一方で“ライバル”の久保は変化球のキレが悪く、13被安打で8失点を喫した。「間隔があいていたので厳しかった」9月24日の楽天戦(フルキャスト宮城)以来の実戦登板。空白期間の長さを嘆いたが、黒木は同23日以来のマウンドにもかかわらず、きっちり照準を合わせて結果を残した。

ロッテは既に第1戦から清水、渡辺俊、小林宏、セラフィニの順で確定。第5のイスをかけて、久保と黒木が争っていたが、かつてのエースが急浮上した。

打撃ケージ裏から熱視線を送ったバレンタイン監督も「今日で投げるリズムを取り戻した。特に変化球が良かった」と称賛。練習後は、無言のまま車に乗り込むなど、既に大一番を見据えているジョニー。燃える男の雄叫びが、甲子園に響き渡りそうだ。

ページトップ

セ関係者から「予告×」岡田監督明かす[ニッカン]

阪神岡田監督は20日、ロッテ・バレンタイン監督が希望する予告先発について、セ・リーグ関係者から反対の要望を受けたことを明かした。「関係者から電話があった。セ・リーグとしてはやって欲しくないみたいやな」。予告制度を取っていないセが、パの予告先発を取り入れるのはいかがなものかというもの。岡田監督は「最終的には監督会議で決める」と話した。バレンタイン監督は19日に仮に監督会議で予告先発なしが決定した場合でも、独自に予告先発することを明言している。

ページトップ

USEN、横浜と資本提携も視野に[スポニチ]

横浜ベイスターズ買収に名乗りを上げている有線放送大手のUSENの宇野康秀社長(42)が20日、都内のホテルで行われた決算説明会で、買収問題について初めて言及した。

テレビカメラ12台、報道陣約200人を前に「現時点ではファンの気持ちや、TBSの意思などを把握できておらず、今後の動向の中で機会があれば」とTBS側から打診があった場合には積極的に話し合いに応じる考えを示し「場合によっては資本の関係や経営に近い関係を構築して何か一緒にできれば」と横浜との資本提携を考えていることを明らかにした。

「ブロードバンド(高速大容量)通信事業をやっており、試合放映は視聴者獲得で有力なコンテンツ(情報の内容)」と球団買収の効果を説明。「ベイスターズは試合そのものの価値も高いが、試合以外でも色々展開できる」と評価した。

宇野社長は、TBSに経営統合を申し入れている楽天の社外取締役に就いているが、三木谷社長と横浜の買収問題で話したことがあるかどうかについては「通常の取締役会で会っただけでベイスターズの話はしていないし、今後もしない」と完全否定。TBSの株取得に関しても「現時点では持っていません」と話した。

◇若林オーナー、USEN映像配信には検討の余地示す

若林オーナーはUSENが横浜買収に意欲を表明したことに対し、球団売却の意思がないとした上で「ソフトとしての野球に興味をお持ちなんだなと素直に受け取った」と語った。USENの映像配信サイト「GyaO(ギャオ)」での試合中継には「頭から拒否するようなことはない」と来季からの検討の余地を示唆した。また、21日の実行委員会に関し「いつもの実行委とは違う。経営的な問題で何かあったら発言してもらえるようお願いした」と峰岸球団社長を出席させることを明言。30日の秋季練習視察(横須賀)に向けては「選手、スタッフに一連の騒動について説明します」と話した。

ページトップ

USENが横浜ベイスターズ買収に意欲!宇野社長が正式表明[サンスポ]

有線放送大手USENの宇野康秀社長は20日の決算説明会で、TBS傘下の横浜ベイスターズについて「場合によって資本関係などを構築できたらいいと思っている」と述べ、買収への意欲を正式表明した。

宇野社長は「現時点ではファンの気持ちや、TBSの意思などを把握できておらず、今後の動向の中で機会があれば」とTBS側から打診があった場合には積極的に応じる考えを示した。ただ、TBSは球団を売却する考えはないとしている。

球団買収の効果として、宇野社長は「ブロードバンド(高速大容量)通信事業をやっており、試合放映は視聴者獲得で有力なコンテンツ(情報の内容)」と説明。「ベイスターズは試合そのものの価値も高いが、試合以外でもいろいろ展開できる」と評価した。

宇野社長は、TBSに経営統合を申し入れている楽天の社外取締役を務めているが、USENがTBS共番組配信などで友好関係を築いているため役員会決議には参加していないと説明。「(楽天とTBSは共に)大事なパートナーなので、友好的に良い形で落ち着いてくれるよう願っている」と述べた。

株式市場などではUSENがTBS株を取得しているとの観測が出ていたが、宇野社長は今年に入ってから買ったことはないと否定。民放との資本提携について「テレビ局から要請がないのに敵対的に参加していくことはあり得ない」と言明した。

◇若林オーナーは柔軟姿勢

横浜の若林貴世志オーナー(63)=TBS副社長=はUSENの宇野社長の発言に対し、球団を売却する意思はないとした上で、「(映像配信など)相手の話を聞く場面は出てくると思う。頭から拒否する必要はない。資本の提携?そこまでは…。それはTBSとUSENさんの話になる」と柔軟姿勢を示した。同社からは今夏にも映像配信サイト「GyaO(ギャオ)」での試合中継の配信の申し入れがあり、TBSは断っているが「ネット中継は地上波もやっている。地上波と競合する以上、検討しないと…」と説明した。

◇巨人・渡辺会長が一転「売却?そんな訳にはいかん」

巨人・渡辺恒雄会長(79)は20日、都内ホテルで会食後に取材に応じ、有線放送大手、USENが横浜買収に動いていることについて「TBSが横浜を売るなんて話はないよ。今年中に売却?そんな訳にはいかんだろうな」と話した。同会長は以前、横浜売却の可能性を示唆していたが、これを180度方向転換する発言。同じホテルには会合出席のためTBS・井上社長も姿を見せたが、渡辺会長と同席した清武球団代表は「話はしていない。別の会合じゃない?」と接触を否定した。

ページトップ

USEN宇野社長、横浜買収正式表明[報知]

◇ネットで試合中継「視聴者獲得の有力なコンテンツ」

有線放送大手「USEN」の宇野康秀社長(42)が20日、横浜ベイスターズ買収への意欲を正式表明した。20日の決算会見で「資本、経営に近い関係を構築して、ご一緒していけたらと思う」と発言。同社が運営する無料動画サイトで横浜の試合を中継すれば、より地域色が高まるとの見通しも披露。球団経営への意欲をにじませた。

トップの“横浜愛”は本物だった。宇野社長はこの日、都内のホテルで「USENグループ合同決算説明会」に出席。質疑応答で報道陣から横浜買収の意思を問われると「ベイスターズさんと、場合によっては資本、経営に近い関係を構築して、何かとご一緒していけたらと思う。前向きに考えている」と初めて自らの口で話した。

楽天のTBS株大量保有問題に端を発した横浜の売却騒動。現在のところTBS側は「売却の考えはない」と言い、同社長も「現時点では球界全体の動向も分からないし、ファンの気持ちやオーナー会議の問題、TBSの意思もまったく把握できていない。今後の動向の中で(買収の)機会があれば」と慎重な姿勢を見せた。

ブロードバンド(高速大容量)通信事業を展開する同社にとって、球団買収は「視聴者獲得の有力なコンテンツ(情報内容)」と宇野社長は説明。運営する無料動画サイト「GyaO(ギャオ)」で試合を試験中継した実績をあげ「視聴者から大きな反響があった。時間の制限がなく、試合後もいろいろな展開ができるので、放映そのものに価値がある。チームもこれから強くなる可能性が高い」と評価した。「他の球団よりも横浜(を買収したい)か」との質問にも「今のところ、そうです」と並々ならぬ意欲を示した。

ネットによるプロ野球中継のメリットについても「ソフトバンクのホークス戦中継は多くの地元(福岡)の人が見ていると聞く。地域の誰でも全試合を見られる環境をつくることで、球場に行くだけでなくネットでも『地元ファン』という意識が高まるのではないか」と熱く語った。

一方、楽天のTBS株取得問題については「今後、楽天、TBSのどちらか一方の側に立つことはない。個人的には両方とも大事なパートナー。いい形で落ち着いて欲しい」と話した。宇野社長はTBSに経営統合を申し入れている楽天の社外取締役を務めているが、自らのTBS株保有については否定した。また、既に楽天の三木谷浩史オーナーと会ったことを認めたが「(楽天と共同で設立した動画配信サービス)ショウタイムの通常の取締役会でお会いしただけ。横浜、TBSの話はしていない」と説明した。

◇横浜・峰岸社長「手を組むのは難しい」

楽天のTBS株大量保有によって球団売却が取り沙汰されている横浜の峰岸進社長(63)は20日、買収に意欲を見せたUSENと手を組むことは「難しい」と話した。USENはブロードバンド配信のコンテンツとしてのプロ野球を高く評価しているが、TBSは「売るつもりはない」との方針を変えていない。峰岸社長は「利害関係が親会社とバッティングしている以上、難しい」と業務提携レベルでも合意できないとの見方を示した。

21日の実行委員会では複数球団株の保有を禁じた野球協約183条に抵触する恐れについて議論される模様だが「主張すべきところはする」と同社長。協約を素直に解釈すれば、楽天がTBS株を買うこと自体が協約違反に当たる。「明らかに違反になると知りつつ動く(株を買う)ことは協約は想定していない。183条の解釈は1つであるべき」と話し、TBS−横浜側は協約違反にならないとの立場を改めて強調した。

◇根来氏21日の実行委員会で意見へ

プロ野球の根来泰周コミッショナー(73)は20日、村上ファンドによる阪神電鉄株所有問題、楽天によるTBS株所有問題など一連の「親会社の株騒動」について、21日の実行委員会で意見を述べる用意があることを明かした。この日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で「議長(小池唯夫パ・リーグ会長)から指名があれば話す」と明言。小池会長は以前から「(コミッショナーの)話を聞きたい」としており、楽天側の事情説明、横浜側の見解などを含め、議題に挙げる方向だ。

また、根来コミッショナーは実行委員会に「プロ野球有識者会議」の決議案を報告する見込み。有識者会議では激動する一般社会の流れに野球界が対応するため、コミッショナー職の権限強化を強く求め、村上ファンドについても話題になっていた。同コミッショナーは実行委、11月4日に開催されるオーナー会議の決定を尊重する姿勢だが、村上ファンドが提案した阪神球団の上場については「上場の中身が分からないから、議論できない」と話している。

ページトップ

21日実行委員会は協約改正が焦点

実行委員会が21日、千葉市内のホテルで行われ、野球協約改正について検討される。20日、根来コミッショナーは東京・内幸町の事務局で取材に応じ「委員会には出席します。議長から求められれば有識者会議の提案などを発言します」と語った。阪神や楽天、TBSなど球団親会社の問題が続出しているが「協約を変えない限り今起きている問題をビシッと整理はできない」などと、あらためて協約改正に乗り出す考えを口にした。

根本的な改正は着手したとしても時間がかかるとみられ、同時に個々の問題解決も図らなければならない。楽天が、横浜の親会社であるTBSの筆頭株主になり、野球協約183条で定める他球団の株式所有に抵触する可能性が高い。根来コミッショナーは「報道を見る限り、楽天、TBSともに現状は違反になるという認識を持っているようだ。だから、その違反を解消するためにどうするかだ」と語った。

ただ株問題は球団レベルの実行委員会で処理できる内容ではなく、11月4日のオーナー会議が本番になる。根本的な協約改正と、現状問題の解決。2つの作業を同時に進めていく。

ページトップ

USEN宇野社長は「動向次第」

有線放送大手USEN(東京)の宇野康秀社長(42)が20日、決算説明会で横浜について「場合によっては資本の関係や、経営に近い関係を構築できたらいいと思っている」と興味を示した。ただし「現時点では私達の一方的な考えでありますので、ファンの気持ちやTBSさんの意思などは把握できておらず、今後の動向の中で機会があれば。(今は)その段階ではない」と楽天、TBS、また横浜球団をとりまく環境を見守っていくことを示した。前日には同社幹部が横浜球団買収に前向きな姿勢を示したが、同社トップが表明した形だ。

横浜に関しては「試合そのものの価値も高いが、試合以外でも色々展開できる」と評価している。同社長はまた、楽天の社外取締役を務め、さらにTBSとも番組配信で友好関係を築いていることから「(楽天の)役員会には参加してない。(楽天、TBSは)大事なパートナーなので良い形で落ち着いてくれるよう願っている」と話した。

◇若林オーナー売却否定

横浜若林オーナー(TBS副社長)は、USENが横浜球団買収に意欲を表明したことに、球団売却の意思がないとした上で、「ソフトとしての野球に興味をお持ちなんだなと素直に受け取った」と語った。USENの映像配信サイト「GyaO(ギャオ)」での試合中継には「頭から拒否するようなことはない」と来季からの検討の余地を示唆した。

ページトップ