わたしはかもめ2005年鴎の便り(10月)

便

10月26日

日本シリーズ…阪神2−3千葉ロッテ(甲子園)

ロッテが史上5度目の4連勝で31年ぶり3度目の日本一に輝いた。ロッテは2回に李の3号2ランで先制すると、4回にも李が適時打を放ち、この3点をセラフィニ−小野−藤田−薮田−小林雅の5人の継投で守り切った。なお、李はシリーズタイの1試合4安打。阪神は6回に今岡・桧山の連続適時打で2点を返すが、反撃もここまで。阪神はシリーズ最少の22安打4得点。ロッテは4試合では最多タイの44安打、最多の33得点。MVPには4試合で10安打を放った今江が選ばれた。

123456789R
千葉ロッテ0201000003
阪神0000020002
今江
「本当に楽しかったです。プレーオフがしんどかった分、気を楽にして臨めました。日本シリーズはおまけだと思って、結果を気にせずやれたのが大きかったです。ラッキーボーイは僕でしたね(笑)。バント処理は、まさかランナーが飛び出しているとは思わなかったので、嬉しかったです。アジアカップでも頑張ります。」
「韓国でもチャンピオンになっているし、日本でもチャンピオンになれました。2年間色々あったけど、今日の試合で全てを返したという気持ちです。本塁打の場面は、去年の自分だったらストレートだけを待って、変化球に空振りしていたと思います。けれど、今年は投手に合わせて自分のスタイルを変えたので、その成果だと思います。金コーチ、高橋コーチのおかげです。」
セラフィニ
「大事な試合で投げさせてもらって、しかも、勝つことができてとても嬉しいよ。甲子園の雰囲気は最初の3試合である程度、イメージすることができていたから苦にならなかった。むしろ、楽しめたと思う。今年1年の集大成だと思って投げた。ストレート、変化球ともに思い通りにいったと思う。1球1球、丁寧に投げたから、結果がついてきたと思う。今年は本当にボクにとって最高の年になったよ。」
小林雅
「(前回登板から)間隔が空いて、最初はバタバタしたけど、落ち着いて投げられた。いいコンディション、いい気持ちでシリーズに臨めました。最初のバッターを歩かせて、二塁打を打たれるよりも四球の方が全然いい。(矢野は)100%バントだと思った。とにかく1死二塁から立て直そうと開き直りました。あのプレーオフの経験が活きています。いや、活かさないとダメでしょう。」
「勢いだとか試合感覚だとか、色々言われたけど、勝ったということは、やはり自分達に力があったんだと思います。日本一は自信を持ってやってきた結果ですから。(左足首は)大丈夫、もう終わったから。」
藤田
「いい流れのまま、勝ちたかったので、今日勝てて良かったですよ。セ・リーグの方がテレビに映るけど、これでパ・リーグの中継ぎ陣の名前も上がったと思います。」
薮田
「1年間やってきたことが出せました。今日も緊張感なく、いつも通りのマウンドでした。プレーオフを戦い抜いて大きな自信がつきました。実感?ん〜、嬉しいけどまだないかな。」
小野
「嬉しい。最高です。勝てて良かったです。今日はちょっとバタバタしてしまいましたが、それが僕の持ち味ということで勘弁してください(笑)。」
渡辺俊
「プレーオフの経験が良かったですね。あれがあったから日本シリーズもしっかり戦うことができました。今江はすごいですよ。」
里崎
「第1戦で内角を攻めたのが、相手に力強さを印象づけたと思います。いいリードができて、投手陣も応えてくれました。今日は自分が配球を間違えなければと思っていたので、間違いはなかったと思っています。」
フランコ
「米国時代にはワールドシリーズで敗れたが、やっと1番になれた。信じられない。」
初芝
「ムフフ…(笑)。疲れました。日本一になってバットを置くと言っていたので、有言実行できたことが何よりです。」
西岡
「守っていて阪神は怖さを感じました。それでも、ピッチャーが本当の良く投げ、打線も打ったと思います。プレッシャーを感じず、最後まで野球を楽しめました。自分達は勢いだけでなく、本当に強いチームだと思えます。」
福浦
「『やった!』という感じですね。キャンプの時、監督に日本一をイメージしろと言われた時は、正直そこまで考えられなかったんですけれど…。今は本当に嬉しいです。」
サブロー
「個人的にもチームにとってもいいシーズンだったと思います。もう幸せです。パ・リーグの強さを見せられたと思います。これでプレッシャーから開放されます。4番?監督が1番ビックリしているんじゃないですか。」
ベニー
「アメリカでは、なれなかったチャンピオンになれた。最高な気分。次はアジアチャンピオンだよ。」
バレンタイン監督
「まさにマリーンズらしさを出した。素晴らしい守備、素晴らしい攻撃、完璧なピッチング。最後の試合で出せたことは満足だ。世界中どのチームとも渡り合える。今すぐに飛行機でアメリカへ行き、真のワールドシリーズを戦いたい気持ちだ。」
4試合シリーズでの新記録
個人最高打率=.667(今江)
個人最多安打=10(今江)
個人最多本塁打=3(李)
個人最多塁打=17(李)
個人最多長打=5(李:二塁打2、本塁打3)
チーム最多得点=33
チーム最多二塁打=11
チーム最多本塁打=9
チーム最多塁打=84
チーム最多長打=21(二塁打11、三塁打1、本塁打9)
チーム最多打点=30
チーム最高防御率=1.06
チーム最多併殺=7
個人一塁手最多併殺=5(福浦)
個人三塁手最多併殺=2(今江)
個人遊撃手最多併殺=5(西岡)
4試合シリーズでのタイ記録
個人最多三塁打=1(橋本)
個人最多盗塁刺=2(西岡)
個人最多犠飛=1(ベニー)
個人最多死球=2(福浦)
チーム最多安打=44
個人最多セーブ=1(小林雅)
個人二塁手最多併殺=3(塀内)

◇途中交代

ロッテ堀幸一内野手(36)が日本シリーズ4回戦(甲子園)の5回の走塁中、左足首を捻挫。病院には行かず、アイシング治療した。

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酔った酔った

◇シャンパン240本、ビールは4000本

ロッテナインが日本一の美酒に酔った。神戸市内のホテルでの祝勝会。重光オーナー代行の挨拶に続き、バレンタイン監督が「甲子園で勝ってビールかけをしようとしている壇上で、皆さんを見渡している。その夢が実現した」。小林雅の「日本一、最高!」の乾杯の音頭でシャンパンファイト、ビールかけがスタート。用意されたシャンパンはリーグ制覇した際と同じ「バレンタイン」の銘柄で、ファンの背番号「26」にちなんで260本、ビールは4000本。ナイン、球団関係者歓喜のシャワーで瞬く間に泡と消えた。

バレンタイン監督のメアリー夫人
「とても興奮したわ。本当に素晴らしい気分。4連勝で勝てるなんて思いもしなかったけどホークスに勝った後、ナインは日本一になりたい気持ちに溢れ、自信をつけたみたいだった。だから素晴らしいプレーができたんでしょう。」

◇初芝花道を飾る

チーム一筋の初芝が、17年間のプロ野球生活にピリオドを打った。アジアシリーズが残っているが「断るつもり。そこまで気持ちは入らない。この優勝で終わり。日本一で終わります」。引退表明後は「日本一になってユニホームを脱ぐ」と宣言していただけに「有言実行になってよかった。一安心だよ」と、穏やかな表情で話した。

◇小坂と黒木も感激

出場のなかった小坂、黒きも感激しきりだった。プレーオフ第1ステージに右太ももを痛めた小坂はシリーズに出場できなかったが「この中にいられるだけで嬉しいです」。黒木も登板はなかったが「(日本一は)いいねえ。勢いなんかじゃないですよ。強いです」と笑顔だった。

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POの激闘が勝因

第2戦の完封勝利で優秀選手に選出された渡辺俊は、プレーオフでの死闘を勝因に挙げた。「ソフトバンクとの第3戦(逆転負け)があって、その後の2試合、みんなで苦しみながら戦った。あの経験が生きたと思う。僕自身、日本シリーズは冷静に投げられた」。アジアシリーズも残っており「そう、まだ終わりではないので気持ちは切らないでいきたい」と、初のアジア王者をも見据えていた。

「KONAMI CUPアジアシリーズ2005」
初代アジア王者を決める大会で、ロッテが出場すると26日、コミッショナー事務局が発表した。初戦で韓国リーグを制したサムスンと対戦。同大会は日本、韓国、台湾が各プロ野球優勝チーム、中国はナショナルチームが参加。11月10日に開幕し、決勝は13日。総当りでリーグ戦を行い、上位2チームが決勝戦を行う。9回まで引分の場合、リーグ戦では延長はあるが4時間を超えて新しいイニングには入らない。決勝戦は決着がつくまで戦う。全試合でDH制を採用。会場は全て東京ドーム。将金総額1億円で、優勝は5000万円。

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初9位以下日本一

選手会が発表したロッテの今季年俸総額は19億3492万円。1位は巨人の38億7274万円で、ロッテは12球団中9位になる。選手会が年俸を発表するようになった88年以降、年俸総額が9位以下のチームが日本一になったのは初めてだ(97年ヤクルト、03年ダイエーが8位で日本一)。選手会発表の数字には外国人選手が含まれておらず、李、ベニーら外国人選手5人の年俸合計4億9000万円(推定)を加えるとロッテは24億2492万円になる。今季のロッテは公式戦で84勝したから1勝が2887万円。1勝当たりの単価が最も高いのは巨人の7966万円で、ロッテは12球団で唯一2000万円台だった。

今季の年俸総額とチーム成績
順位球団年俸総額成績
1巨人38億7274万円5位
2中日28億8491万円2位
3横浜28億4875万円3位
4ソフトバンク27億2124万円2位
5阪神25億4550万円優勝
6西武22億5335万円3位
7日本ハム21億6430万円5位
8ヤクルト20億8210万円4位
9ロッテ19億3492万円優勝
10楽天16億6164万円6位
11オリックス16億4540万円4位
12広島15億3210万円6位

[注]年俸は選手会発表。外国人選手は除く。

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最強マリンガン

ロッテが4連勝で50、74年に次いで31年ぶり3度目の日本一。バレンタイン監督は、外国人監督では初のシリーズ制覇となった。無傷の4連勝は02年巨人以来7度目(4戦4勝は5度目)で、シリーズ初出場で4連勝の監督は75年上田監督(阪急)02年原監督(巨人)に次いで3人目。ロッテは第4戦も先制逃げ切りで、相手に1度もリードを許さないで優勝したのはシリーズ史上初めてだ。ロッテは4失点でチーム防御率が1.06。51年巨人、60年大洋の7失点を抜くシリーズ最少失点となり、防御率も51年巨人の1.20を抜いて歴代1位。チーム打率が歴代2位、得失点差29は90年西武、02年巨人の20点を抜いて最多と、ロッテの強さだけが目立った。

シリーズのチーム打率、チーム防御率5傑
順位球団年度打率(試)球団年度防御率(試)
1西武90.336(4)ロッテ051.06(4)
2ロッテ05.326(4)巨人511.20(5)
3西武82.322(6)巨人531.55(7)
4ヤクルト01.317(5)ヤクルト971.59(5)
5ヤクルト97.312(5)大洋601.75(4)

[注](試)はその年のシリーズ試合数

日本シリーズ4連勝
球団監督星取相手
57西鉄三原脩○○○△○巨人
59南海鶴岡一人○○○○巨人
60大洋三原脩○○○○大毎
75阪急上田利治※△○○△○○広島
90西武森祇晶○○○○巨人
02巨人原辰徳※○○○○西武
05ロッテバレンタイン※○○○○阪神

[注]※はシリーズ初出場監督

◇勢いじゃない実力だ、改革元年に新しい風

村田兆治氏
「『続き』を見せてくれてありがとう。プレーオフを制してのリーグ制覇から、そして31年前、私の時代の日本一からしっかりとつながった。阪神を力でねじ伏せる見事な勝利だった。球団と選手、ファンが一体となって戦った。信じてやってきたことが報われたと思う。選手の思い切りのよさ、積極性もあって、こういう勝ち方ができた。勢いではない。実力をつけての勝利だ。バレンタイン監督は選手のモチベーションを高め、バラエティーに富んだメンバーを組んだが、まさにみんなでつかんだ優勝だろう。今年は改革元年、その区切りの年にロッテが新しい風を吹き込んでくれた。若い選手が多いチーム、これからは常勝軍団を目指して欲しい。ロッテにしてやられたチームは悔しさいっぱいで立ち向かってくる。特に投手達は自己管理をしっかりして、来季に備えてもらいたい。」
金田正一氏
「ロッテの力はすごかった。先発は駒が揃って、打線も阪神の投手の速い球をぶった叩いていた。阪神は待つ時間が長くコンディションに悩んでいたと思う。勢いは恐ろしい。米大リーグのように(制度を)セ、パ共通にすべきという課題は残ったが今は喜ぶ時。素直におめでとうと言いたい。」
日本シリーズ球団別成績
球団出場優勝-敗退優勝率
巨人3020-10.667
西武2012-8.600
ヤクルト65-1.833
オリックス124-8.333
ソフトバンク134-9.308
ロッテ53-2.600
広島63-3.500
横浜22-01.000
日本ハム21-1.500
阪神51-4.200
中日61-5.167
近鉄40-4.000
松竹10-1.000
根来コミッショナー
「ローマは1日にして成らず、と言いますが、長年にわたって球団を支えてくださってきた経営陣、オーナー、先頭に立ってファンの獲得、サービスに努力されたバレンタイン監督、ご精進を重ねられた選手。この三位一体の結果と深い敬意と祝儀を表します。プロ野球の将来展望を示す勝利だ。また栄えある第1回の『KONAMI CUPアジアシリーズ』の日本代表としても、アジアNO.1の座を勝ち取って欲しい。」
パ・リーグ小池会長
「日本一おめでとう。31年ぶりのシリーズ制覇の喜びは格別のものでしょう。シリーズを通してマリーンズの戦力の充実ぶりは際立ち、ここぞという場面で必ず発揮された勝負強さは歴史に残る素晴らしいものでした。この上はアジア制覇の期待がいよいよ高まります。」
セ・リーグ豊蔵会長
「あきれるばかりの千葉ロッテの強さに圧倒されました。選手の力を十二分に引き出したバレンタイン監督の手腕に脱帽します。阪神にとっては短期決戦の怖さを見せ付けられたシリーズでした。プレーオフを戦ったロッテに比べ、日本シリーズまで間があいて調整が難しいこともあってか、投打共ほとんど実力を発揮できないまま、相手の勢いに飲み込まれてしまった感じです。残念ながらセ・リーグはこれで日本シリーズ3連敗となってしまいました。阪神だけでなく、セ・リーグ各チームの奮起を促し、捲土重来を期したいと思います。」
日本ハム・ヒルマン監督
「日本一になったチームと来季も、ペナントレースで戦えることをとても光栄に思うと共に、新たな目標に向かって闘志がわいています。」

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千葉も美酒に酔う、マリン周辺300人万歳[ニッカン]

ロッテが本拠地移転から14年目で初の日本一の瞬間を迎えた千葉マリンスタジアム球場周辺には300人のファンが集結。勝利の瞬間、「万歳」「やった」と抱き合って歓声を上げ、互いにビールをかけ合って美酒に酔いしれた。千葉市花見川区のスポーツパブ「マリーンズ26+ONE」でも約200人のファンが肩を組んで大声援。

堂本暁子千葉県知事
「『千葉!ロッテ!マリーンズ!』とこだまする熱烈なファンの声援。選手のファインプレー、集中打、相手打線を黙らせるナイスピッチング。日本一おめでとうございます。600万県民に大きな夢を元気を、ありがとうございました。」
鶴岡啓一千葉市長
「4連勝での日本一、お見事の一言です。監督、コーチ、選手が一丸になった戦いの結果です。本当におめでとうございます。また、今日まで日本一の応援をしてくれたファンの皆様に感謝しています。ありがとうございます。」

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ロッテVご祝儀4000万円!全社員に1万円[ニッカン]

東京・西新宿のロッテ本社が本当に揺れた。阪神を破り、31年ぶりの日本一を勝ち取った26日、社員300人以上が本社5階の社員食堂に集結。優勝が決まると、社員が抱き合って跳びはね、フロアが揺らいだ。興奮の中、ユニホームを着た社員らが社始まって以来の本社内ビールかけを行い、制服姿の女性社員もぬれて喜んだ。同社では、優勝記念に全社員約4000人に1万円ずつ金一封を配ることを検討している。

午後9時30分すぎ、阪神最後の打者藤本を小林雅が三振に取ると、300人以上の社員が総立ちの社員食堂には絶叫と地鳴りのようなジャンプの音が鳴り響いた。ロッテの応援歌「L・O・T・T・E、オーッ、ロッテ!」のロッテコールが鳴り響く中、1斗だるの鏡開き。ユニホームを着た男性社員らは、バレンタイン監督の立ち姿の看板を持ち出し、テレビに映る甲子園球場での胴上げと一緒に、何度も監督の看板を胴上げした。

騒ぎは10分経過しても収まらない。男性社員に制服姿やレインコート姿の女性社員も加わって瓶ビールで「本社史上初」という社内ビールかけに突入した。この日、社員食堂には生ビール280リットルと缶ビール、瓶ビールが持ち込まれ、社員らが顔を赤くして、球団の快挙を喜んだ。

4連勝での31年ぶりの日本一達成に、ロッテ本社は全社員に金一封を包む計画だ。関係者によると、全国約4000人の社員に最低1万円ずつ、計約4000万円を贈ることを重光武雄社長が検討中だという。「社長は太っ腹だが、金一封なんて、創立何十周年記念とかの記念でなければ出ない。異例中の異例です」。販売戦略部の社員によると「今年はどこへ行っても明るい話題ばかり。商売的にも五重丸ですよ」と本社の業績面でも大きな影響があったという。27日には、JR千葉駅と海浜幕張駅で「コアラのマーチ」1万個を無料配布し、地元ファンに感謝する。

「2005 日本シリーズ優勝、ご声援ありがとうございます」の垂れ幕が掛かった本社ビルでは、試合終了から1時間たっても、ロッテコールが鳴り響いていた。

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李、先発3戦連発![ニッカン]

2シーズンの成長の証しだった。2回2死二塁。ロッテ李がカウント1−3から、内角高めスライダーを振り抜いた。美しい放物線が右翼席中段へ飛び込む。「大舞台で、大事な試合で打てて本当に嬉しい」という先制弾が、阪神ファンの大声援を一瞬にして静まらせた。

「自分のスタイルを捨てられなかった去年なら、あそこで直球を待っていた」。力勝負の韓国と違い、日本の投手はカウント1−3、2−3でも変化球を投げてくる。昨年は14本塁打と対応しきれなかった日本流の攻めも、金コーディネーターや、高橋1、2軍巡回コーチとの対話で順応。今季は30発をマークした。この日の一打も「去年の野球観を全て捨てたので、必ず変化球がくると信じていた」と読み切ってのものだった。

松静(ソンジョン)夫人は風邪のため、千葉の自宅でテレビ観戦していた。李は今シリーズ、先発した3試合で3本塁打。この日はチームの全3打点を叩き出した。第3打席には三塁を欲張り憤死したが、セーフならサイクル安打ともなる活躍で優秀選手賞を獲得。テレビの向こうに十分アピールした。

次は古巣サムスン(韓国)などと戦うアジアシリーズが待っている。「試合をやる以上は勝ちたい。2年前より少しでも実力をつけた姿を韓国のファンとサムスンの人達に見せたい」。今年で2年契約が切れるが、既にロッテは契約延長を希望。韓国の英雄は日本でも地位を確立し、アジアの英雄へと羽ばたいていく。

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小林雅、歓喜の手記[ニッカン]

現在の、最大の目標を達成することができて、嬉しい。最後はめったに三振を取れないので、ちょっと狙ってました。登板間隔が空いてちょっとバタバタしたけど、走者を出した時は、矢野さんが100%バントでくると思ったので、1死二塁なら大丈夫だと思っていた。

試合の最後に投げられるということは、楽しい。この日だけでなく、これほど勝利の瞬間にマウンドにいられる投手はほかにいない。初勝利、復活勝利、移籍勝利…。ウイニングボールを自分が渡せることが楽しい。

だから、結果を引きずることはしない。ソフトバンクとのプレーオフで4点リードを守れなかったことがあったが、自分のパフォーマンスをした結果。悔しかったが、クヨクヨしてもしようがない。それで僕の野球が終わる訳じゃない。ビールを少し飲んで寝た。抑えても、打たれても、生活のペースは変わらない。

あの時は4−0になり、勝って当たり前の雰囲気があった。早く終わりたい、終わらせなきゃ、という気持ちが生まれた。プロになって初めてだった。いつもは何人、何球かかっても勝ちで終わらせればいい、と思ってきた。4点差で心のスキが生まれてしまった。失敗して、本当にいい経験をしたと思う。リベンジの状況をつくってくれたみんなに感謝している。あれ以上の経験はないと思う。

振り返ってみると、自分の体をしっかりケアできたことが良かったと思う。実は大学4年秋のリーグ戦前に疲労性の腰痛になり、試合でほとんど投げることができなくなった。それまでトレーニングや体のケアをあまり意識していなかった。プロには行きたかったが、社会人野球に進んで体のことをしっかり自分でできるようにしたいと思った。

社会人で取り組んだ経験が今でも生きている。ランニングの中にもハイパワー、ミドルパワー、ローパワーというのがあり、体がこういう時はこうしよう、というように分かってきた。さらにプロでは140試合近くある。その中で、1年間の流れ、体の疲れの波がというものがある。今年もウエートトレをほぼ毎日、試合前に30分から40分やってきた。鍛えるというより筋力を維持する感覚。量は朝起きた時の感覚で決める。キロ数、回数、セット数は毎日メモしている。

抑え投手は毎日、試合に参加できる。投げても、投げなくても、そのための準備をしているから、充実している。おかしな言い方になるかもしれないが、たかが野球じゃないですか、と思う。仕事ではない。やっていて楽しいし、結果が出るのが1番楽しい。そのためには練習しなくちゃいけない。野球が楽しくなくなったら、150キロ投げられようが、どんなにいいパフォーマンスができてもやめようと思う。失敗がなければ、楽しいとも思えない。これからも、楽しむために野球をやっていたい。

小林雅英(こばやし・まさひで)
1974年(昭和49年)5月24日、山梨県生まれ。都留から日体大、東京ガスを経て98年ドラフト1位でロッテ入団。今季は46試合に登板し2勝2敗、防御率2.58、29セーブで初セーブ王。5月17日の広島戦では史上最速となる7年目312試合で通算150セーブを達成。アテネ五輪では長嶋ジャパンのクローザーも任された。182センチ、78キロ。右投げ右打ち。家族は夫人と1女。

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今江MVP打率.667[ニッカン]

ナインと肩を組み、今江が跳ね上がる。そして抱き合う。グラブを右手に持ったまま、全員とはしゃぎまくった。初戦から8打席連続安打のシリーズ新記録を打ち立て、歴代1位の打率6割6分7厘。文句なしのシリーズMVPだ。

ヒーローインタビューでも笑顔が輝く。「本当に最高の気分。ここまできたら、思い切って楽しんでやろうと思ってました」。今江の勢いが、そのままチームの風になった。それでも「みんながMVPだと思ってます」と、謙虚さは変わらなかった。

頂上決戦の気負いなどなかった。「楽しかった。プレーオフに勝ったので気分的にも楽になった。日本シリーズはオマケみたいな感じで。結果なんて気にしんとね」。積み上げてきた野球を実践するだけだった。

バットだけではない。9回裏無死一塁の守備で、矢野の犠打の構えに三塁から猛ダッシュ。小フライを足から滑り込んでつかみ、そのまま一塁へ送球。併殺を完成させた。小林雅とグラブを合わせたのが、日本一を確信した瞬間だった。

打撃の好調を守備の安定が支えていた。今季初めは、ステップがうまく踏めず悩んでいた。右足を大きく引き半身の態勢で構える独特のスタイルを導入。憧れでもある中村紀の形を参考にしていた。左足を引いて構え、ステップして打球に合わせる中村紀の形を、逆にするとうまくいった。

後半戦からは正対して構えるように変えた。左右どちらの打球に対しても素早く反応できる。そして、日本一を手繰り寄せるステップで魅せた。だが「1回(打球を)はじいてますから。来年、しっかりやらんと」と進化を止めない。

公私ともに充実の1年だ。14日に男児が誕生し、12月には結婚式も控えている。バレンタイン監督は「まだ(ミスターロッテ)ジュニアだったが、今季築き上げた成績はどのファンの心にも残るだろう」と賛辞を贈った。真のミスターロッテへ、これからも走り続ける。

◇年少3位、22歳2ヶ月

第1、2戦で8打席連続安打の今江がMVPを獲得した。今シリーズの今江は15打数10安打で打率6割6分7厘。66年柴田(巨人)が6戦シリーズでマークした5割6分5厘を抜くシリーズ最高打率を記録した。今江は現在22歳2ヶ月で、58年稲尾(西鉄)の21歳4ヶ月、56年豊田(西鉄)の21歳8ヶ月に次いでシリーズ史上3番目の年少MVPとなった。

シリーズ打撃5傑
順位選手(所属)年度打-安
1今江敏晃(ロッテ)05415-10.667
2柴田勲(巨人)66623-13.565
3南村不可止(巨人)51516-9.563
4李承Y(ロッテ)05411-6.545
5オマリー(ヤクルト)95519-9.529

日本シリーズの1試合4安打
選手(所属)年度回戦
与那嶺要(巨人)525
川上哲治(巨人)535
豊田泰光(西鉄)587
岡本伊三美(南海)591
吉田義男(阪神)627
森昌彦(巨人)637
長嶋茂雄(巨人)661
土井正三(巨人)691
黒江透修(巨人)696
柴田勲(巨人)701
黒江透修(巨人)705
テリー(西武)826
高橋慶彦(広島)847
駒田徳広(巨人)871
辻発彦(西武)902
橋上秀樹(ヤクルト)926
鈴木尚典(横浜)982
駒田徳広(横浜)985
佐伯貴弘(横浜)985
大塚光二(西武)986
井端弘和(中日)042
今江敏晃(ロッテ)051
今江敏晃(ロッテ)052
李承Y(ロッテ)054

◇サブロー迷いなくなった

4番サブローは、大舞台で打撃をつかんだ。4安打4打点1本塁打で優秀選手賞に輝いた。シーズン序盤は2軍で、プレーオフでも不振に苦しんだ。「プレーオフの分も楽しめた。僕は4番でも重圧を感じる必要はないと考えた」。シリーズでは結果だけでなく内容でも納得できたようで「自分の形がはっきりしてきた。これからは何か言われても迷わないと思う」と、自信たっぷりの表情で話した。

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ロッテYFK無安打リレー[ニッカン]

9回裏2死。ロッテ守護神・小林雅が最後の打者藤本をスライダーで空振り三振に仕留めた。クルリと振り向きざまに、右拳を握り締め、雄たけびを上げた。この回先頭の片岡をストレートの四球で歩かせた。ソフトバンクとのプレーオフ第3戦の悪夢がよぎる。試合後「正直、またかと思った」と里崎は冗談交じりに話したが、同じ過ちは繰り返さなかった。続く矢野のバントを三塁小フライで併殺に仕留め、ピンチを切り抜けた。

阪神が誇る「JFK」のお株を奪うロッテの救援トリオ「YFK」が31年ぶり日本一を支えた。1点差に迫られた7回には「F」の藤田がわずか13球で3者凡退に仕留め、傾きかけた流れを断ち切った。「いい流れのまま勝ちたかった。一時はロッテを出たいと言ったこともあったけど、ロッテで優勝できて良かった」と、感無量の表情で話した。

8回には「Y」の薮田だ。フォークと直球を高低に散らし、阪神クリーンアップを抑えた。今季は中継ぎで51試合に登板して7勝を挙げた鉄腕。昨年から東海大でメンタルトレーニングを学び、セルフコントールできるようになった成果を大舞台で披露した。「夢みたい。いい自信になりました」。ロッテナインの夢は、アジア王者へ向け、まだ終わらない。

小林雅英(こばやし・まさひで)
1974年(昭和49年)5月24日、山梨県生まれ。都留から日体大、東京ガスを経て98年ドラフト1位でロッテ入団。今季は46試合に登板し2勝2敗、防御率2.58、29セーブで初セーブ王。5月17日の広島戦では史上最速となる7年目312試合で通算150セーブを達成。アテネ五輪では長嶋ジャパンのクローザーも任された。182センチ、78キロ。右投げ右打ち。家族は夫人と1女。

◇橋本&里崎ナイス

捕手のツープラトンは最終決戦でも鉄壁だった。スタメンの橋本は先発セラフィニを好リード。日本一に「まだちょっと信じられない気持ちですね」。6回途中からマスクをかぶった里崎は「キーマン(金本、今岡)を抑えるのが重要だった。ソフトバンク戦同様、打たせちゃいけない人を抑えることができた」と満足げだった。

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日本一!ボビーの子供達![ニッカン]

◇史上最もワンサイドな4連勝

31年ぶり日本一のドアを、力強く開けた。ボビー・バレンタイン監督(55)率いるロッテが、阪神を3−2で下し、無傷の4連勝で31年ぶり3度目の頂点に立った。MVPに輝いた今江をはじめ若手がのびのびとプレーし、シリーズ3号の先制2ランを放った李ら外国人勢が勝負強さを発揮。今シリーズ初めて接戦となったが、1点差で振り切った。バレンタイン監督は前回指揮から昨季9年ぶりに復帰し、今季が2年目。これまでの常識を覆す独特の起用法を貫き、圧倒的な強さを見せつけて、外国人監督として初の栄冠を手にした。

踊るように、跳び上がりながら、バレンタイン監督が三塁側ベンチを飛び出した。小林雅が空振り三振を奪うと、マウンド上にできた黒いユニホームの固まりは、勢いで一塁方向に流れた。誰彼構わず抱き合うと、二塁付近で日本一の胴上げだ。「伝統ある野球の聖地。優勝を決めるのに相応しい場所」と称えた甲子園の夜空に、リーグ制覇と同じく3度、舞った。慣れない前回とは違い、両腕を突き上げながら満喫した。自ら考えた今季のチームスローガン「BUILDING OUR DREAM!(夢をみんなで!)」をその手につかみ取った。目が潤んでいた。

バレンタイン監督
「スバラシイ、イチバン、スバラシイデスネ。1時間、空中に浮いている感覚だった。グレートな、グレートな、グレートな年になった。息子が生まれた時ぐらい、幸せでいっぱいだ。この日を、これからずっと噛み締めて生きていきたい。」

4戦全て1度もリードを許さなかった。10−1、10−0、10−1、そして3−2。競っても強かった。「まさにマリーンズらしさが最後に出た」。若手とベテラン、そして「ボビー・ファミリー」と呼ばれる外国人選手達の力が結集され、噛み合った。2回にフランコが二塁打で口火を切り、李が右翼へ先制2ラン。右翼フランコは3回にスライディングキャッチの美技。投げては、セラフィニが好投。監督独自のルートもあり獲得した外国人勢が、期待に応えた。さらに次代を担う今江、西岡の好守もあり4併殺。自慢の救援陣も危機を抑えた。

バレンタイン監督は31年ぶり日本一をもたらすと共に、日本球界に新しい風を送り続けた。「毎日同じメンバーだったら誰が監督をやってもいい」という考えから貫く日替わり打順に象徴される、采配面だけではない。昨年、ロッテ復帰と時を同じくして球界再編騒動が起こった。改革にも声を大にした。「若手でもう1つチームをつくればいい。12球団でリーグをつくり、スポンサーを募って冠をつけてはどうか。若手育成へ、活性化が必要だ」と唱えた。また、この日は世界大会について「代表チームでなく真の世界一決定戦を行うべき。1年を戦い抜いたチームが対戦すべきだ」と持論を語った。

頭脳も体もアグレッシブだ。以前にも増して野球を楽しみ、日本の生活にとけ込んだ。交流戦中、名古屋では愛知万博、金沢では兼六園などを訪れ「日本文化に触発された」。教本「ステップ・アップ・ジャパニーズ」で語学も上達、日本語でゲキを飛ばし続けた。

はしも器用に操り、寿司の中でもウニが大好物。遠征先にも自分のマウンテンバイクを送って走り回った。いいものは日米関係なく吸収する。78年のメッツ時代にミズノ社の名人、坪田信義氏が作成したグラブを使用。今年もつくってもらい、千葉マリンの監督室に大切に保管している。95年来日時に「1000本ノック」という日本流の練習に驚き戸惑った監督は今、自然体で日本のいいところ、受け入れられないところを分け、生かしている。

表彰式後、グラウンドでメアリー夫人から頬に祝福のキスを受けると、表情を緩めた。次は11月、アジアシリーズに臨む。「世界中どのチームとも渡り合える力がある。今すぐ空港へ行って、真のワールドシリーズが戦える場所へ向かいたいぐらいだ」。この日がピークじゃない、ボビー・ロッテは世界一チームを目指していく。

セラフィニ
「大事な試合で投げさせてもらって、しかも勝つことができて嬉しい。丁寧に投げたから、結果がついてきたと思う。今年は本当に最高。」
フランコ
「やっと1番になれた。信じられない。」
ベニー
「米国でなれなかったチャンピオンになれた。最高だ。」
西岡
「チームの雰囲気は本当に良かった。(アジアシリーズは)日本の代表として絶対に負ける訳にはいきません。」
小野
「今日(第4戦)は昨日より球は良かった。これで強いということを証明できた。」
久保
「勢いだけじゃないですよ。本当にこのチームは強い。」
「リーグ優勝の方がしびれたけど、やはり嬉しいね。ここまで長かったねえ。でも苦労が一気に報われたような気がするよ。」
主なシリーズ新記録
項目記録これまでの記録
個人最高打率.667今江.56566年柴田(巨)
チーム最高防御率1.06ロッテ1.2051年巨人
チーム最低防御率8.63阪神7.4102年西武
個人最多暴投3江草204年長田(西)ら6人
※個人最多安打10今江902年二岡(巨)
※個人最多本塁打3202年清原(巨)ら4人
※個人最多塁打171402年二岡(巨)ら2人
※個人最多長打5402年カブレラ(西)ら2人
※チーム最多得点33ロッテ2902年巨人
※チーム最多二塁打11ロッテ1090年西武
※チーム最多本塁打9ロッテ602年巨人
※チーム最多塁打84ロッテ6690年西武、02年巨人
※チーム最多長打21ロッテ1502年巨人
※チーム最多打点30ロッテ2902年巨人
※チーム最多併殺打6阪神459年南海
※チーム最低打率.190阪神.19890年巨人
※チーム最少打数116阪神12560年大毎
※チーム最少得点4阪神760年大毎
※チーム最少安打22阪神2590年巨人
※チーム最少本塁打0阪神260年大洋など3チーム
※チーム最少塁打24阪神3360年大毎
※チーム最少長打2阪神360年大毎
※チーム最少打点4阪神760年大毎
※チーム最多併殺7ロッテ659年巨人

[注]※は4試合シリーズでの記録

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ロッテ、アジアシリーズ初戦はサムスン[ニッカン]

初代アジア王者を決める「KONAMI CUP アジアシリーズ2005」に、ロッテが出場すると26日、コミッショナー事務局が発表した。初戦で韓国リーグを制したサムスンと対戦。同大会は日本、韓国、台湾が各プロ野球優勝チーム、中国はナショナルチームが参加。11月10日に開幕し、決勝は13日。総当たりでリーグ戦を行い、上位2チームが決勝戦を行う。9回まで引き分けの場合、リーグ戦では延長はあるが4時間を超えて新しいイニングには入らない。決勝戦は決着がつくまで戦う。全試合でDH制を採用。会場は全て東京ドーム。賞金総額1億円で、優勝は5000万円。

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ロッテ祝勝会、ビール4000本[ニッカン]

ロッテナインは日本一を決めたあと、神戸市内のホテルに移動し、優勝記念Tシャツを着て、祝勝会に臨んだ。重光オーナー代行の挨拶に続き、バレンタイン監督が「優勝にかかわった人を見ながら、ビールかけをすることを春のキャンプで思っていた」と話した。選手会長・小林雅が「日本一、最高だ。お疲れさまでした」と音頭を取ると、31年ぶりの日本一を祝うビールかけがスタートした。用意した240本のシャンパンと4000本のビールは瞬く間に泡と消えた。

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ロッテ中継ぎ陣が好投[ニッカン]

ロッテ自慢の中継ぎ陣の藤田、薮田が1点差に追い上げられた直後、勝負どころの7、8回をしのぎ、抑えの小林雅にバトンタッチした。7回から登板した藤田は「いい流れで来ていたので、パンパンといきたかった」と打者3人で完璧に抑えた。薮田は8回、先頭の鳥谷に四球を与えたが、シーツを投飛。チェンジアップで金本、直球で今岡を2者連続三振に仕留め無失点で切り抜けた。「最高の場面で自分の持っている最高のものを出せた」と満足そうだった。

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当然のMVPロッテ今江[ニッカン]

第3戦まで打撃でチームに貢献したロッテ今江は、この日は無安打に終わったが守備でチームを勝利に導き、見事に最高殊勲選手(MVP)を獲得した。1点リードの9回裏無死、同点の走者を一塁に置き、小フライとなった矢野のバントを猛然と突っ込み捕球。すかさず一塁に送球して併殺に仕留め、サヨナラの芽を摘んだ。「本当に楽しめました」とシリーズを振り返り、心地よい疲労感に浸った。第1戦に初打席本塁打を放って連夜の4安打で8打席連続安打のシリーズ新記録をマーク。4試合で10安打、打率6割6分7厘も共にシリーズ新。「ラッキーボーイは僕でしたね」と、最年少でMVPに選ばれ胸を張った。「ミスターロッテ」有藤の背番号8を受け継いだ。まだ22歳の伸び盛り。このシリーズは、チームの新たな顔となる男にとって序章にすぎないのかもしれない。

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ボビー感激「夢叶った」[ニッカン]

藤本のバットが空を切るのを見届けたロッテナインが、右腕を突き上げた小林雅に殺到さた。阪神に4連勝。バレンタイン監督の体が3度宙を舞った。「素晴らしいです。本当に最高の気分だ」。感激と興奮が指揮官の体を包み込んだ。躍進の陰に用意周到な準備があった。対戦相手のクセや弱点を徹底的に調べ上げ、統計学の専門家を同行させてデータを分析させた。実は阪神との頂上決戦も想定し、既に昨年からスコアラーを阪神戦に派遣。交流戦があった今季は全146試合に張り付け勝利の鍵を「金本攻略」に絞った。第1戦は清水が金本の胸元を遠慮なく突き、第2戦は渡辺俊が緩い変化球で幻惑した。相手の4番を封じ、阪神打線を寸断した。第3戦は大量リードで藤田と薮田を投入。不慣れなマウンドを体験した2人はこの日も好救援を見せた。バレンタイン監督の叫び声が夜空に響く。「夢が叶った」。全員で勝ち取った31年ぶりの夢だった。

◇ボビー、世界一決定戦を提案

ロッテのバレンタイン監督は26日、日本シリーズ優勝チームと大リーグのワールドシリーズ優勝チームによる対決の実現を求めた。バレンタイン監督は日米で監督を務めてきた経験から「日本のプロ野球はメジャーリーグと同じレベルに達している。日米で真の世界一を決めるべきだ」と私見を述べた。理想的な開催地としてハワイを挙げた。現在は日米の選抜チームによる試合が実施されているが「シーズンを1年間戦い抜いたチーム同士が戦うことに意義があると思う」と話した。

◇デビルレイズ、再びボビー待望論

再びバレンタイン監督待望論が沸き起こった。退団したピネラ監督の後任人事に忙しく、この日は候補の1人であるエンゼルスのマドン・ベンチコーチとの面談を終えた。だがデ軍公式ホームページは「バレンタイン監督との面談も希望している。日本シリーズ終了後には会談が行われるだろう」と報じた。同監督はロッテと3年契約を結んでおり、来季が契約最終年となっている。

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ロッテ、4連勝で31年ぶり日本一[スポニチ]

一気に頂点に上り詰めた。ロッテは26日の日本シリーズ第4戦で阪神を3−2で破り、史上7度目の4連勝で74年以来、31年ぶりの日本一を達成した。李承Y内野手(29)が全3打点を挙げ、継投で逃げ切り。ボビー・バレンタイン監督(55)は外国人初の日本一指揮官になった。同監督の手腕と熱いファンの後押しで日本一に輝いた新生マリーンズ。彼らこそが今年のプロ野球の「顔」だった。

甲子園が背番号2を優しく包んだ。左翼席のマリーンズファンだけではない。阪神ファンからも拍手が起こった。バレンタイン監督は3度、高く舞った。

12球団の監督で1人だけに許されるインタビュー。日本語で叫んだ。「千葉ロッテハ、イチバンスバラシイデスネ!」。そして続けた。「最高に幸せだ。まるで1時間ぐらい宙を浮いていたようだった。この最良の日をこれからの人生でも毎日噛み締めていきたい」。最後はファンへの感謝の言葉だった。「マリーンズファンの皆さん、貴方達がベストです」。

4試合で1度も阪神にリードを許さない完全勝利。3試合連続2ケタ得点を挙げて迎えた第4戦は胃の痛むような競り合いだった。そんな展開だったからこそ、ロッテの強さが際立った。初回1死一、二塁で金本を左飛に打ち取る。絶好の先制機に4番が凡退した阪神は、最後までロッテに追いつくことができなかった。4併殺を喫した阪神と得点すべき時に得点したロッテ。金本はシリーズ4試合でわずか1安打、今岡は2安打だ。阪神の得点源を完璧に封じ込めた。指揮官は膨大なデータを「ボビー・マジック」という閃きに変え、史上7度目の無敗優勝につなげた。

チームには「統計アナリスト」のポール・プポ氏(58)が常に帯同する。同氏がプレーオフ期間中から阪神の公式戦146試合を計100時間以上もかけてテレビモニターで分析し、阪神を丸裸にした。そのデータを生かした。

一方でグラウンドでは選手を優しく見守る。積極的なミスで怒ることはない。プレーオフ第2ステージでは重圧と闘う選手に「エンジョイ・ベースボール」を呪文のように唱えた。シーズン中にも連敗が続くと遠征先では誰よりも真っ先にバスを降りて、ナインのお尻にタッチして出迎えたこともある。

「チームは家族」というのが方針だ。今季はサブロー、小林宏、李、黒木、今江らに子供が誕生した。そんな時は必ずナインを集めて「我々のファミリーがまた1人増えた」と叫んで喜びを分かち合った。多忙な時間の合間を縫って自らデパートに足を運んだ。そして子供の名前が刺繍されたアルバムを手渡した。

交流戦を制し、パ・リーグを制し、日本シリーズを制して3冠になった。だが登るべき頂はまだ残っている。11月10日から始まるアジアシリーズ。そして大リーグのワールドシリーズ優勝チームとの真の世界一決定戦だ。「日本のプロ野球はメジャーリーグと同じレベルに達している。日米で真の世界一を決めるべきだ」。バレンタイン監督にとって、それは夢ではない。まず目指すは4冠。そして世界へ。マリーンズとバレンタイン監督の戦いが終わった訳ではない。

◇25分間、歓喜の祝勝会

日本一祝勝会がロッテ宿舎の新神戸オリエンタルホテル10階のテラスで行われた。会場には瓶を落としても割れないように人工芝が敷かれ、指揮官の名前と同じ銘柄のシャンパン「バレンタイン」がリーグ優勝時と同じ260本、ビールは900本多い4000本が用意された。選手会長・小林雅の音頭で午後11時50分にスタートすると清水の1本締めまで宴は25分間。バレンタイン監督は「史上最高の試合をしたので我々にはパーティーをやる権利がある」とラッパ飲みしながら歓喜に酔っていた。

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小林雅三振締め!YFKが日本一[スポニチ]

最後の1球は得意のスライダーだった。9回2死無走者。小林雅は藤本のバットに空を切らせると右拳をアッパーカットのように天高く突き上げ、里崎と抱き合った。

「集中していけました。日本一になれて最高です」。リードはわずか1点。先頭の片岡をストレートの四球で歩かせたが「開き直った」と続く矢野の送りバントを三飛で併殺に。一瞬にしてピンチを切り抜けると、最後はビシッと締めくくった。

シリーズ4戦目で初の接戦となったが、ロッテには阪神のJFKに負けないパ最強リリーフトリオ、YFKが控えていた。まず左の藤田が7回を3人で片づけると、8回は右の薮田が無失点。守護神にバトンを渡した。藤田は98年の1年目から中継ぎでチームを支え続け、薮田は昨年からセットアッパーに。精神面の弱さもあったが「ボビーの励ましとプラス思考のおかげで生まれ変われた」と言う。小林雅もプレーオフ第2Sの王手をかけた第3戦で4点リードをソフトバンクに追いつかれる大失態。だが「あれはいい経験になった。リリーフの大変さが分かった」と31年ぶり日本一の胴上げ投手になった。

YFKだけではない。先発陣はシーズンで2ケタ勝利投手を6人も輩出。プレーオフ第1Sから清水、渡辺俊、小林宏、セラフィニの4人で回した。シリーズまでの通算11試合でこの4人は全て5回以上を投げ、3点以内に抑え込んだ。小野は中継ぎに回り、第5戦に先発予定だったルーキー久保は先発機会がないまま終わった。「投手陣は力を出し切ってくれた。今まで私が見た中で最高の投手陣がいます」とバレンタイン監督。アジアシリーズでも日本最強の投手力を見せつける。

◇里崎歓喜の抱擁

7回からマスクをかぶった里崎は、リーグ優勝の時と同様にマウンド上で小林雅と抱き合って喜びを爆発させた。この日は2打数無安打でシリーズの打率は.143だったが、ソフトバンクとのプレーオフからは8試合で3本塁打8打点と勝負強さを発揮。「雅さんと抱き合えて本当によかった。最高です。アジアシリーズも頑張りたい」と興奮を抑えきれない様子だった。

◇セラフィニ粘投

先発のセラフィニが再三走者を出しながらも5回1/3、5安打2失点で勝利投手に輝いた。「大事な試合。今年の集大成だと思って投げた。勝てて本当に嬉しい」。今季は来日2年目で初の2ケタ勝利。ポストシーズンはプレーオフ第2ステージも含めて大活躍だっただけに「僕にとって今年は最高の1年になったよ」と喜びを爆発させた。

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李、4安打!次は古巣とアジア一決戦[スポニチ]

ベンチを勢いよく飛び出した。チームの全打点を叩き出したヒーローは、歓喜の輪の中心に飛び込んだ。甲子園の夜空に両手を突き上げ、その身をゆだねた。チームを4連勝へ導いたのは、李承Yの研ぎ澄まされた“勝負強さ”だった。

甲子園が悲鳴を上げたのは2回だ。2死二塁の先制機で打席が回ってきた。全て変化球でカウント1−3。狙いを変化球に絞った。内角スライダーをパーフェクトのタイミングで強振。誰もが打った瞬間にそれと確信した先制2ランは、虎党で埋まった右翼席中段に突き刺さった。

「去年までなら、あそこで直球を待っていたけど、絶対に変化球がくると思ってた。日本の野球に慣れた証拠だね。」

己のスタイルに信念を持って臨んだ来日1年目の昨季は14本塁打。打席での柔軟性を意識した今季は30本塁打をマークした。4回には適時二塁打で貴重な追加点を挙げるなど4安打3打点。6回には左中間を破る一打で三塁を狙って憤死したが、これが三塁打ならサイクル安打となる猛打で存在を輝かせた。

圧倒的な強さでの日本一。出場権を得たアジアシリーズには、アジア記録の56本塁打を記録した03年まで在籍した韓国のサムスンが出場する。千葉マリンでのシリーズ第2戦の後、偵察に訪れた古巣のスコアラーと会食した際には、決戦の地である東京ドームでの再会を誓った。シリーズでスタメン出場した3試合で3本塁打を量産し、その約束を果たした。

韓国人として、ロッテの一員としての誇りがある。「古巣との対戦でも試合である限り勝ちにいく。韓国のファンに成長した姿を見せたい」。次のステージはアジアNO.1を決める大舞台。そこでの役目は十分に分かっている。アジアの大砲に休息はない。

◇11月10日からはアジアシリーズに

日本、韓国、台湾、中国の優勝チームが参加する初のアジアNO・1決定戦「KONAMI CUPアジアシリーズ2005」は11月10日から東京ドームで行われる。日本シリーズを制したロッテと韓国のサムスン、中国リーグの選抜チームの出場が決定。台湾からは29日の台湾シリーズで対決する誠泰−興農の勝者が出場する。試合形式は4チーム総当たりでリーグ戦を行い、上位2チームが決勝に進出。2チーム以上が同率で並んだ場合、

(1)
当該チーム同士の勝敗
(2)
総失点の少ないチーム
(3)
総得点の多いチーム

などの順に順位を決定する。全試合DH制を採用。優勝チームには賞金5000万円、準優勝チームには3000万円が贈られる。

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今江、最高打率.667でMVP![スポニチ]

待ち切れなかった。9回2死。1球毎に遊撃の西岡を見て、笑みを押し殺した。そして迎える歓喜の瞬間、今江はマウンドへダッシュ。愛称「ゴリ」のいかつい顔に浮かぶ笑みこそ、ロッテ快進撃の象徴だった。

今江
「もう最高の気分。でも、みんながMVPだと思っています。楽しかった。本当に楽しんで野球をできました。」

シリーズの流れを決めMVPをつかんだ。第1戦の初回、シリーズ初打席初本塁打となる先制ソロ。そこから「奇跡に近いという感じだった」という8打席連続安打のシリーズ新記録を打ち立てた。さらに4試合で個人最多安打の10安打(15打数)に、個人最高打率となる.667。ロッテが起こした激流は今江なしでは語れない。

三塁手のシリーズMVPは70年の巨人・長嶋以来2人目の快挙。「そうなんですか。まあ、いやいや。(打球は)あまり飛んできてないし、1回はじいてるから(第3戦、記録は内野安打)」。そう照れながら、無安打だったこの日は1点差の9回無死一塁で好守を見せた。矢野の送りバントが小飛球になると、猛然とスライディングキャッチして併殺を完成させ、阪神の息の根を止めた。

「野球をしたくて仕方ないという選手」とバレンタイン監督が称した野球小僧は、まだ22歳と2ヶ月。野手では56年の西鉄・豊田の21歳8ヶ月に次ぐ史上2番目の若さでのMVPだ。そんな今江も家庭に帰れば守るべき家族がいる。14日に長男・陸斗(りくと)君が誕生。「うちの息子は癒やし系」と目尻を下げ、動画を保存した携帯電話を眺め緊張をほぐした。

今季はオープン戦から極度の不振。それでもバレンタイン監督は使い続けてくれた。「監督に会えて幸せ。悪いときも使い続けてくれて、こうやって結果が出た。今は野球ができる喜びでいっぱい」。MVPの賞金、副賞の乗用車は総額で850万円。でも、今江がつかんだものは、お金には換えられないほど大きなものだった。

◇初芝有終美酒

今季限りでの現役引退を表明している初芝が有終の美を飾り、喜びを噛み締めた。「最後に日本一になれて本当に良かった」。この日は出番がなかったが、ソフトバンクとのプレーオフ第2ステージ第5戦では1点を追う8回に代打で逆転の口火を切る三塁内野安打を放ち優勝に貢献。アジアシリーズの出場については「断ります」と話し「これで終わりにしたい」と17年間の現役生活にピリオドを打った。

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ボビー・ロッテ完全V!虎を圧倒!1度もリード許さず4連勝[サンスポ]

ついにやった。最強ロッテが31年ぶりの日本一だ。ボビー・バレンタイン監督(55)に率いられたマリーンズが阪神に4連勝。史上初めて1度もリードされることなく、日本シリーズを駆け抜けた。ロッテの日本一は昭和49年以来、3度目(前身の毎日含む)。若い力で頂点をつかんだボビーのチームが、黄金時代への道を歩み始めた。

もう1度、舞うことができた。ボビーの険しい表情が一気に緩む。バレンタイン監督率いるロッテが阪神を4タテ。31年ぶりの日本一に歓喜する選手の波に飲み込まれ、至福のときを味わった。

「シーズン最後の試合に勝つことが夢だった。選手は、気持ちを前面に出して戦ってくれた。全力を尽くしてくれたみんなに感謝したい」。史上初の3試合連続2ケタ得点で圧勝し、3連勝で迎えた第4戦。接戦となったが、自慢のブルペン陣『YFK(薮田、藤田、小林雅)』のシリーズ初の揃い踏みで、阪神打線を退けた。

レギュラーシーズンで披露した125通りのオーダー。ポストシーズンでも大胆な選手起用が的中し“ボビー・マジック”を炸裂させた。それでも、選手には「野球を楽しみなさい」と“エンジョイ・ベースボール”を強調。普段着野球で最高の結果を導き出した。

米国人監督として初の日本一。ワールドシリーズでも指揮を執った名将は、自信を前面に押し出してチームを率いた。弱音を吐くことは皆無。20年以上つきあったランペン守備走塁コーチでさえ「落ち込んだ様子を見たことがない」と証言する。

典型的なイタリア系。明るく、陽気で、周囲が煙たがるほどの自信家で…。ところが、誰も知らない“もう1人のボビー”もいたのだ。その男は、毎朝歯ブラシを握りながら、鏡に映る孤独な自分にこう問いかけていた。「昨日を楽しんだか?楽しんでなかったら、今日は違う自分でいるんだぞ」。

祖国を離れ1人暮らし。悩みを打ち明ける家族もそばにいない。千葉市内のマンションで、遠征先のホテルで、自分で自分を励まし続けた。選手の前では頼れるボスであり続けたい−。弱気の虫を押しつぶして、必死にチームを盛り上げた。

どうしても勝ちたい理由が、もう1つあった。それは「息子に胴上げを見せたい」という気持ちだ。15日のプレーオフ第2ステージ第3戦。応援に訪れた長男ロバート・ジョン・ジュニアさん(22)は大学の講義のため、最後の観戦の予定だった。しかし、優勝まであと1人と迫りながら、まさかの逆転負け。翌16日に愛息は帰国。父ができることは、午前5時に起きて空港に送っていくことだけだった。

でも、もう1回チャンスが巡ってきた。迎えた今回の日本シリーズ。「勉強してる場合ではない」とジュニアも再来日した。再び訪れた胴上げを見せる機会を、今度はユニホームを着たたくさんの“息子”達が、生かしてくれた。

「息子が生まれたときくらい幸せだよ。グレートな年になった。この日の喜びを毎日噛み締めていきたい」。試合後、選手と抱き合って喜びを分かち合ったボビー。夢を見続けてきたその目が、多くの息子達を見つめながら初めて潤んだ。

バレンタイン監督の夫人のメアリーさん
「とてもエキサイティングだった。全ての感情の中で、最高の気分です。」
監督の長男・ロバート・ジョン・ジュニアさん
「自分は野球経験がないけど興奮したよ。ワンダフル!!」

◇データBOX

(1)
ロッテが4連勝で31年ぶりの日本一。負けなしでの日本一は史上7度目で、4戦4勝で決めたのは5度目。共に平成14年の巨人(対西武)以来3年ぶり。1度もリードを許さなかったのはロッテが初めて。
(2)
初采配監督の日本一はバレンタイン監督で史上15人目。昨年の西武・伊東、中日・落合と同様、初采配監督同士のシリーズとなったが、2年連続でパ・リーグ球団が制した。勝率2位球団の日本一も2年連続。

◇ボビーに“長期政権”依頼

ロッテがボビー・バレンタイン監督(55)に“長期政権”を依頼することが分かった。バレンタイン監督は現在、3年契約の2年目だが、メジャーの監督に復帰する場合の選択権はバレンタイン監督にあるため、既に今オフはドジャースやデビルレイズなどメジャー数球団が、監督候補として調査に動いている。「求められる人材がいることは、嬉しいこと」と重光オーナー代行は話すが、引き止めに向けて着々と準備。数日以内に、再来年以降の延長を含めた再契約を打診する方針だ。

◇千葉市民栄誉賞の受賞が確実に

31年ぶりにチームを日本一に導いたロッテのバレンタイン監督が、千葉市民栄誉賞を受賞することが26日、確実になった。千葉市関係者は「日本一になったら、千葉市を背負って戦い抜いた功績は大きい。当然、検討すべき問題でしょう」と話した。昨年アテネ五輪日本代表メンバーだった小林雅、清水の2人が市民栄誉賞を受賞しており、実現すればチームで3人目。バレンタイン監督に、もう1つ勲章が加わることになる。

◇払い戻し

日本シリーズ第5戦以降の入場券の払い戻しは、27日から購入した各店舗で受け付ける。払い戻しの期間は1週間。

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今江MVP!三塁手ではミスター以来35年ぶり[サンスポ]

文句なしのMVPだ。8打席連続安打のシリーズ記録を打ち立てたロッテ・今江敏晃三塁手(22)が、MVPに選ばれた。三塁手としては、昭和45年の巨人・長嶋茂雄氏以来の快挙。チームの栄光の背番号「8」を背負う将来の“ミスター・ロッテ”が、文字通り、球界のミスターの背中を追っていく。

最後は、ミスターばりの動物的カンで、虎の息の根を止めた。1点リードの9回無死一塁。今江は、矢野のバントが小フライになると、猛然とスライディングキャッチ。一塁に送球して併殺を完成させた。土壇場で披露した思い切りのいいプレーで、日本一を揺るがぬものにした。

「まさか一塁ランナーが飛び出しているとは思わなかった。でも冷静にプレーできました。MVP?本当はみんながMVPだと思います」。最後まで“シリーズの華”であり続けた。打って、守ってチームを乗せた。当然のようにMVPに輝き、お立ち台では今年1番の笑顔を見せた。

今年はバレンタイン監督の熱い期待に応えた。調子が悪くても起用し続けたボビー。居残り特打でも「いいバッターなんだから、自信を持ちなさい」と声をかけてくれた。「監督は乗せるのがうまい。それに乗せられた感じ。一緒にいられて幸せです」。最高のシリーズを戦った22歳の若武者は“オヤジ”に感謝する気持ちでいっぱいだ。

この日は、4戦目にして初めて3タコに終わったが、これもご愛嬌。第1戦、シリーズ初打席で先制アーチ。第2戦では2試合連続4安打。1、2戦で8打席連続安打の新記録をマークするなど、ヒット10本を連ねた。

今季“ミスター・ロッテ”有藤道世氏の背番号「8」を引き継いだ。そして、このシリーズで“もう1人のミスター”の歴史も受け継いだ。三塁手としては、昭和45年の巨人・長嶋以来のシリーズMVP獲得。「マジッすか?」。京都出身ながら、子供の頃から巨人ファン。あのミスター・ジャイアンツの足跡に並んだのだ。

「記録はたまたま、バットに当たってくれた感じ。奇跡に近いです。本当にシリーズは楽しめました」。中学時代から、帽子のツバに「頂点」の2文字を入れ続けた男。いま、確かに目標を達成してみせた。

◇スン様3発!優秀選手

韓国が生んだ最高級のスラッガー・李承Yが、日本シリーズの舞台で輝いた。2回に貴重な先制2ランなど、この日のチームの全打点を挙げる活躍。シリーズ通算3本で優秀選手に選ばれた。

「この2年間は期待に応えられないときもあったけど、今日、全て返すことができたと思う。」

アジア・ナンバーワンの“56発男”としてロッテに入団した昨季は日本の野球に馴染み切れずに、14本に終わった。今季はバレンタイン監督がスカウトし、野球監督歴も持つ金コーディネーターと二人三脚で、公私にわたって面倒みてもらった。「この1年間、金さんと高橋コーチに見守ってもらえたのが大きい」と笑顔をみせた。

次は日本のチャンピオンとしてアジア・リーグが待っている。ここでは古巣・三星との対戦も待っている。「勝ちにこだわる。2年前より実力をつけた姿を、三星や韓国のファンにみせたい」。韓流大砲はもはやロッテには欠かせない存在となった。

データBOX
李承Yは史上21人目(24度目)の1試合4安打。同僚の今江も第1、2戦に各4安打しておりチーム2人目。昭和44、45年の巨人、平成10年の横浜(3人)に次いで4度目。

◇務め果たした!4番・サブロー

8月中旬から4番を任されたサブロー。この日は4タコに終わったが、シリーズを通じて、本塁打あり、マルチ安打ありと、“つなぐ4番”として務めは果たした。「自分は4番であって、4番でないようなもの。個人的にも、チーム的にも、いいシーズンでした」と充実感たっぷりだった。

◇西岡4戦連続ヒット

核弾頭の西岡は盗塁失敗もあったが、4戦全て1番に座って安打を放ち、赤星との盗塁王対決を制した。「チームの皆さんに感謝です。周りに支えられて野球ができた」と感無量。アジアシリーズではアジアの盗塁王を目指すが、「かなり疲れてるんで、1度休んでから」とまずは美酒に酔いしれていた。

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守護神・小林雅が胴上げ投手!セラフィニもグッジョブ[サンスポ]

最後はこの男しかいなかった。守護神・小林雅の全身全霊、139キロのスライダーで藤本を三振。右拳を振り上げた。「集中していました。いい気持ちで投げることができた。三振は狙いました。滅多に取れないんですけどね」。

この1年間、何度も相手の最後の望みを断ち切ってきた右腕は、笑顔をみせた。今シリーズ初登板の9回、先頭の片岡にストレートの四球。誰もが4点リードを守れなかったソフトバンクとのプレーオフ第3戦(15日)の悪夢の再現を感じた。

だが「悪夢なんてよぎっていません。そのすぐ後(第5戦)に投げて結果を残していましたから。あれははいい経験でした」。プレーオフで鍛えられたハートは微動だにしなかった。続く矢野をバント失敗の併殺に打ち取ると、きっちりと3人締めてみせた。

小林雅だけでない。無敵の投手陣だった。球団史上初の6人の2ケタ勝利投手。日本シリーズでも濃霧で7回コールドとなった初戦はエース清水直が無失点。第2戦はサブマリン・渡辺俊が完封。敵地で迎える緊張の第3戦は小林宏が好投。そして、この日は左腕・セラフィニが粘る阪神打線を食い止めた。

もう1人の2ケタ投手・小野は中継ぎで奮闘し、新人・久保の出番がなかったほどに強かった。中継ぎエースの藤田、薮田もいた。終わってみれば、今シリーズでは1度もリードを許さなかった。

頼もしすぎる投手陣。小林宏は語ったことがある。「(渡辺)俊ちゃんが勝てば頑張ろうと思うし、(清水)直さんが好投すれば励みになる」。1年目の久保でさえ「1度も失敗できない。いい投手がたくさんいるので」と緊張感から解放されることなく1年を過ごした。投手陣の中に芽生えた競争心と危機感が“快投劇”を演出していた。

「常に素晴らしい力を出し切ってくれた。今までで最高の投手陣だ」。日米通算18年のキャリアを持つ指揮官が投手陣全員に最高級の賛辞を贈った。

前回優勝の昭和49年はこの日に投げた小林雅とセラフィニが生まれた年。歴史は動いた。投手王国のロッテが新時代到来を告げた。

セラフィニ
「大事な試合で投げさせてもらって、しかも勝つことができて嬉しい。ことしは、ボクにとって最高の年になったよ。」
里崎
「第1戦で内角を攻めたのが、相手に力強さを印象づけたと思う。いいリードができて、投手陣も応えてくれた。」
データBOX
セラフィニは初登板初先発で初勝利。外国人投手では昭和36年南海・スタンカ、同39年阪神・バーンサイト、同60年阪神・ゲイル、平成7年ヤクルト・ブロス、同8年オリックス・フレーザーに次いで6人目。

◇11月20日に優勝パレード

優勝パレードは11月20日、JR千葉駅の周辺で行われる予定になっている。コースはまだ決定していないが、31年ぶりの日本一に、多くのファンが詰め掛けることは間違いない。現在、千葉市の人口は約92万人。100万人を超える観衆が集まるかもしれない。その後、千葉マリンで『ファン感謝デー』を行い、改めて優勝報告を行う。また、V旅行はベニーの故郷でもあるハワイに内定している。

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18年目のベテラン堀、傷だらけの栄光…引退・初芝も涙[サンスポ]

走ることはできない。左足を引きずりながら、必死に歓喜の輪に向かった。ヤングパワーが炸裂したシリーズにあって、18年目のベテラン堀も喜びに体を震わせた。

「長かったです。一生忘れられない日になりました。足が痛くて(胴上げでは)監督に触れられなかったけど…。」

5回、一塁線を破る二塁打を放ち、走塁の際に左足首を捻挫。そのままベンチに下がった。プレーオフ第2ステージも腰痛に耐えながらの出場。シリーズ1、2戦は欠場したが、今季104試合で、.305をマークしたレギュラーとして、輪の中で日本一の瞬間を味わいたかった。

老朽化し閑古鳥が鳴いていた川崎球場をホームに、球界のお荷物といわれた苦難の時代を知る数少ない生え抜き。

ついに日本一を勝ち取ったロッテナイン。セレモニーでチャンピオンフラッグを持つ顔にも自然と笑みがこぼれる。

「今のロッテのファンは日本一だよ。選手もあれだけの声援の中でプレーできるんだから幸せに感じないと」。絶対的エースも大砲もいないチームのリーダーとして、若手達を引っ張った。

そしてもう1人、暗黒時代を知るベテランが目に涙を浮かべていた。今年で引退する17年目の初芝だ。

「最後のシーズンで日本一になれて、本当に嬉しいです」。第2戦の7回に代打で三ゴロに終わったが、プレーオフ第2ステージ第5戦、この男のヒットがなければ、ロッテがシリーズ覇者の位置に立っていたかは分からない。

堀が痛い足を抑えながらこう言った。「若い選手の勢いといわれるけど、勢いだけじゃない。若いヤツもベテランも、みんな全力でプレーした結果だよ」。鮮やかな4タテ日本一。31年間の悔しさがあるからこそ、こんなに喜べる。

金田正一氏(31年前のロッテ監督)
「ロッテの力はすごかった。先発は駒が揃って、打線も阪神の投手の速い球をぶっ叩いていた。阪神は待つ時間が長く、コンディションに悩んでいたと思う。勢いは恐ろしい。米大リーグのように(制度を)セ、パ共通にすべきという課題は残ったが、今は喜ぶ時。素直におめでとうと言いたい。」
31年前にロッテ日本一の記事を書いたサンケイスポーツ・長谷川吉幸記者
「バレンタイン野球は当時の金田野球と非常によく似ている。金田監督が勝つために1番考えたことは『お客さんを呼ぶ』こと。キャンプでは球場に来ている新婚さんと写真を撮ったり、チャンスの時には三塁コーチとして四股を踏んだりして、お客さんを呼ばせた。それが選手を奮い立たせることにつながった。今、見ていると、ボビーもファンを大事にしている。31年前のロッテと同じだね。」
根来泰周コミッショナー
「プロ野球の将来展望を示す快挙。長年球団を支えた経営陣やオーナー、先頭に立って努力されたバレンタイン監督、精進を重ねた選手。この三位一体の結果に深い敬意を表します。」
小池唯夫パ・リーグ会長
「シリーズを通して戦力の充実ぶりは際立ち、ここぞという場面での勝負強さは歴史に残る素晴らしいもの。選手全員の力が結集した優勝を称えます。」

◇遠い日本一

ロッテは昭和49年以来31年ぶりの日本一。30年のブランクは確かに長かったが、新規参入の楽天を除く現11球団で最も日本一から遠ざかっているのは中日。リーグ優勝こそ昨年だが、日本一となると唯1度、昭和29年。これ以降半世紀以上、51年間シリーズ制覇がない。最近でも平成11年日本一のダイエー(現ソフトバンク)が南海時代の昭和39年Vから34年のブランクを経て日本一。平成10年の横浜も大洋時代の昭和35年Vから37年間のブランクがあった。ロッテが優勝したことにより、「リーグ優勝」から最も遠ざかっているのは日本ハムで、昭和56年を最後に今年でブランクは24年。

◇空白の30年間

昭和48〜53年(金田正一監督)
49年に後期優勝。プレーオフで阪急に3連勝し、リーグ優勝。日本シリーズでも中日を破り24年ぶり2度目の日本一に。その後は3位2度、4位2度
同54〜56年(山内一弘監督)
54年に2位。55、56年と2年連続前期優勝を果たしたものの、共にプレーオフで敗退。任期を1年残しながら辞任した
同57、58年(山本一義監督)
57年5位。58年には落合博満が史上4人目の3冠王を達成するが、球団最低勝率の.361で最下位
同59〜61年(稲尾和久監督)
59、60年と2位になるが、同61年4位で辞任。落合が中日に移籍する一因となった
同62〜平成元年(有藤道世監督)
現役を退いた昭和61年のシーズン終了後に監督に就任。チーム生え抜きの“切り札”として期待されたが、1年目は5位。2年目、3年目も最下位に終わり、球団初の2年連続最下位となった
平2、3年(金田正一監督)
12年ぶりにカムバックしたが、1年目は5位。翌年も最下位と低迷
同4〜6年(八木沢荘六監督)
千葉に本拠地を移転した4年から監督を務めたが、初年度は首位に26.5差で最下位。その後も5位2度で辞任
同7年(バレンタイン監督)
球団初の外国人監督。10年ぶりのAクラス入り(2位)を果たした。翌年はメッツ監督に就任
同8年(江尻亮監督)
シーズン中に体調不良で1週間、検査入院。復帰初戦で球団創設3000勝を達成するが、5位に終わり辞任
同9、10年(近藤昭仁監督)
2年連続最下位。10年にはプロ野球ワースト記録となる18連敗を喫する
同11〜15年(山本功児監督)
就任して以来4、5、5、4、4位と5年連続のBクラス
同16年〜現在(バレンタイン監督)
16年は日本ハムに0.5ゲーム差の4位。今年はレギュラーシーズン2位ながらプレーオフで勝ち抜き、31年ぶり5度目のパ・リーグ制覇、同3度目の日本一に導く

◇千葉ロッテマリーンズ球団史

昭和24年9月21日、毎日新聞社が日本野球連盟に加入を申請。その後、日本野球連盟が解体、太平洋野球連盟(パシフィック・リーグ)に参加。球団名が毎日オリオンズとなる。1年目でリーグ優勝を果たし、初の日本シリーズでも松竹を破って日本一。32年11月に大映と合併、毎日大映(大毎)オリオンズとなる。39年に東京オリオンズと改称。44年、ロッテと業務提携し、球団名がロッテオリオンズに。49年に金田監督のもと、2度目の日本一に輝く。27年から東京都をフランチャイズとしていたが、この年から52年まで仙台宮城球場が本拠地。53年、川崎球場へ移転。平成4年、千葉移転に伴い、球団名を現在の千葉ロッテマリーンズに改称した。新規参入の楽天を除く現11球団の中では最も長期間、リーグ優勝から遠ざかっていた。

重光武雄代表取締役会長(オーナー)、重光昭夫代表取締役オーナー代行、濱本英輔取締役社長、瀬戸山隆三取締役球団代表。本拠地は千葉マリンスタジアム(3万人収容)。

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サブロー“4番”に燃える!アジアシリーズ11・10開幕[サンスポ]

11月10日から13日まで東京ドームで開催される「KONAMI CUP アジアシリーズ2005」に、日本シリーズ制したロッテが日本代表として出場することが決定した。同大会は日本、韓国、中国、台湾の4大野球リーグの優勝チームが集い、アジアNO.1を決める。ロッテは10日サムスン(韓国)、11日台湾代表、12日中国選抜と対戦し、初代アジア王座を目指す。

日本シリーズに勝ったことで、ロッテがアジアシリーズに進出することが決まった。日本の代表として戦うことについて、バレンタイン監督は「パ・リーグの代表として戦ったのと同様に、日本の代表として勝利したい。全力で臨みます」とやる気十分。“4番”を任されるサブローは「負けられません」と意欲を燃やしていた。

◇韓国が野球用語を是正へ

韓国野球委員会(KBO)は、韓国野球100周年記念事業の一環として、日本語から派生した野球用語の是正に向けて野球用語委員会を設置することを明らかにした。韓国野球では「三振」や「死球」など日本語から派生したものが多い。委員会は「ホームラン」など英語の表現をそのまま使ったものも対象に検討し、韓国のファンに分かりやすい用語に変更する方針。

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ロッテ広報・梶原紀章さん喜び手記[サンスポ]

元サンケイスポーツ記者で、現在ロッテのチーム付広報を務める梶原紀章さん(29)が日本一の喜びを語った。昨年までは阪神の担当記者とあって、この日本シリーズは感慨深げ。チーム内部から見た今年1年間、阪神選手との交流なども振り返った。

日本一、最高に嬉しいです!!自然と涙が出てきました。

最初は緊張しましたね。春のキャンプから広報をしているんですが、ホテルでの食事のときも、どこに座ったらいいか分からなくて。でも(小林)雅さんとか、選手の方から食事に誘ってくれました。すごく気を遣ってくれたんです。

今思えば、開幕戦に負けたときが1番辛かったですね。相手は新規参入球団の楽天。注目されてたんで絶対勝とうって言ってたのに、1−3で惜敗。今年もダメか、みたいな雰囲気を感じましたよ。それでも、みんな楽しそうに野球をやっているのが印象的で、他のチームのようなピリピリ感がないんです。

ただ、チームの裏側が見えてしまうことで、辛いこともありました。例えば、ある選手が右足首をケガを押して出ていた場合、故障を公表できない。ヒーローになると試合後、立って10分以上話してもらわないといけない。その辺が心苦しかったです。

昨年、球団広報になるかどうか迷っているとき、最後まで気にかけてくれた1人が阪神の赤星でした。今年も交流戦で戦ったとき、電話で「カジがベンチで働いてる姿が見えて、泣きそうになったよ」と言ってくれた。この言葉は嬉しかったです。その前の1月には岡田監督にも送別会を開いてもらい「日本シリーズで会えたらいいな」と話していました。人生って不思議ですね。

あと嫁にも感謝しています。社会人6年目、マンションを買って半年。お腹に子供がいながら、転職を認めてくれました。色々悩んだけど、ロッテに来て本当に良かった。阪神に勝って日本一。最高の1年になりました。

梶原紀章(かじわら・のりあき)
昭和51年8月18日、熊本県生まれの29歳。東京・郁文館高−関西大を経て、平成11年に産経新聞社に入社。大阪サンケイスポーツのプロ野球担当となり、イチローがメジャー行きを決めた12年のオリックスなどを担当した。平成13年からは阪神担当を務め、阪神選手との交流も深い。今季からロッテの球団広報。既婚。

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ボビー・ロッテ圧倒的日本一![報知]

◇日本シリーズ第4戦

31年ぶりの待ちに待った日本一だ。ボビー・バレンタイン監督(55)が外国人監督として初めて日本プロ野球の頂点に立ち、敵地・甲子園で3度、宙に舞った。シリーズ史上5度目の4タテで、第1戦からリードを許さないままの4連勝は史上初。圧倒的な強さで、セの覇者・阪神を下した。総得点33、総失点4の完全Vで、1974以来3度目の栄光を勝ち取ったロッテは、11月10日からアジアNO.1の座をかけて、アジアシリーズ2005(東京ドーム)に挑む。

◇虎を4タテ魔術

夢に届いた。跳び上がった。分厚い胸に最高の、最強の戦士が飛び込んでくる。誰彼かまわず抱き合った。浜風を切って、ボビーは歓喜渦巻くマウンド付近へ小走りした。信じ続けたナインの手が、天高く名将の体を押し上げる。3度、夜空が近づいた。「I feel Wonderful!最高の気分だ。1時間くらい宙に舞っている気がしたよ」。右手にはウイニングボール。目には歓喜の証しが込み上げる。土の香りは涙の味にかき消された。

最後まで選手を信じ切った。今シリーズ初の接戦となった第4戦。「みんなが気持ち、心を前面に出してくれた」。昨年、極度の不振に見舞われたアジアの大砲・李承Yが3号&3打点と火を噴いた。苦手の左投手でも代打は送らず、リベンジの総決算を信じた。1点差の9回には小林雅を送り出し、感動のフィナーレ。「ウチらしさが最後の最後まで出た。息子が生まれた時と同じくらい、最高の気分だ」と驚異の4連勝フィニッシュを振り返った。

初心を取り戻すため、“原点”に帰った。敵地に乗り込んだ24日夜。バレンタイン監督は神戸市内の鉄板焼き店の片隅で、物思いにふけっていた。94年秋、ロッテの広岡GM(当時)と初対面した店だった。座ったのは、11年前と同じ席。「あの時から日本でのチャレンジが始まったんだ。思い出の場所だよ」。異国での挑戦を決断したあの日から長い月日が流れた。「10年前、日本に連れてきてくれた広岡さんにも感謝したい」とお立ち台で声を詰まらせた。95年の退団は同GMとの確執が原因。だが、同時に恩人でもあった。恩義を重んじる米国人は、世紀をまたいでジャパニーズドリームを手に入れた。

「春のキャンプから夢を持って戦ってきた。夢とは、シーズン最後の試合(日本シリーズ)で勝つことだった」。未来の日本一戦士が、今年初めて集結した1月31日。バレンタイン監督は全選手をキャンプ地・鹿児島の宿舎の一室に招集。前代未聞の約束を交わした。

バレンタイン監督
「11月にはアジアNO.1をかけた戦いがある。優勝、日本一を決めた後に、アジアシリーズに向けた全体ミーティングを開くことを告げておく。」

時は、吐く息の白い1月。チームは9年連続Bクラスと低迷していた。当時にしてみれば、あまりにも現実離れした日本一宣言。だが、弱いチームだからこそ、勝者の哲学を植え付ける必要があった。「大事な試合を戦うことは楽しくてやめられないことだ。ベストを尽くせばチームは強くなっていく。そして夢は作られていく」。ボビーがマイクを置いた時、弱小軍団の目つきは変わっていた。熱い思いは届いた。全員が共有した1つの壮大な夢、日本一。ロッテ、最強への挑戦がスタートした。

プライドを注入 長年の課題だった貧打は最強打線に変わった。猛打で交流戦V、リーグV、そして猛虎との頂上決戦では4戦合計33得点。代名詞の日替わり打線は、全選手が必要不可欠な戦力だったための産物だ。戦力の壁を超えるモチベーションは最大の武器となり、歴戦の強者をのみ込んでいった。

「私はチームにプライドを注入する。私は負けず嫌いなんだ」。就任時に固めた決意は結実した。敗北の屈辱からはい上がり、野球の楽しさを満喫し、勝利の喜びに満たされた。「最高の思い出の1つになった」と感極まったバレンタイン監督。お立ち台では「ワタシのチームはイチバンです!」と絶叫した。2000年、メッツ時代のワールドシリーズでは、あと一歩で届かなかった「NO.1」の称号を勝ち取った。ロッテは強くなった。ボビーが注ぎ込んだ勝者のプライドは、王者の誇りとして未来永劫、受け継がれていく。

◇日本一の美酒に酔った ビール4000本!!“バレンタイン”260本!!

31年ぶりの日本一に、祝勝会も沸きに沸いた。ビールかけの会場となった神戸市内のホテル10階の特設会場には、中瓶ビールがリーグ優勝時より900本多い4000本、監督と同じ名前のシャンパン、“バレンタイン”が260本、樽酒が3樽用意された。午後11時45分、重光昭夫オーナー代行の「1年間応援してくださったファンの皆さん、ありがとうございました。監督、選手、ご苦労さまでした」。の挨拶のあと、バレンタイン監督が登場。「皆さんも選手も、ありがとうございましたと、おめでとう!」と絶叫すると、もう爆発寸前。フライングで始まってしまう一幕もあったが、その後、小林雅選手会長の「日本一最高です!ありがとうございました!」の音頭であらためてビールかけがスタート。ビールタンクを背負った今江、三つ編みのお面をかぶった諸積らを中心に大はしゃぎで、日本一の美酒に酔いしれた。

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今江6割6分7厘MVP[報知]

◇日本シリーズ第4戦

22歳2か月のロッテ・今江敏晃内野手が、野手としては1956年の豊田泰光(西鉄=21歳8ヶ月)に次ぐ史上2番目の若さで日本シリーズのMVPに輝いた。三塁手の受賞も70年の長嶋茂雄(巨人)以来になった。初戦の第1打席から8打席連続安打の快記録を作った今江は、トータル15打数10安打の打率6割6分7厘の大暴れ。この夜の第4戦こそノーヒットに終わったものの、闘志溢れる守備でチームの4連勝に貢献した。

屈託のない笑顔に、猛虎党も思わず心を許した。MVPのお立ち台。360度を黄色く染めた甲子園は、今江に向けられた惜しみない拍手とコールに包まれた。22歳2ヶ月でのMVP受賞は、野手では豊田の21歳8ヶ月に次ぐ史上2番目の若さ。三塁手の獲得も長嶋(巨人)以来、史上2人目の快挙になった。「いいお土産ができて本当に良かったです」。テレビを通じて応援してくれた妻・幸子さん、そして14日に生まれたばかりの長男・陸斗君へ思いをはせた。

ラストゲームで快音は響かなかった。しかし、守備でチームの土壇場危機を救ってみせた。1点リードの9回無死一塁。矢野の送りバントに猛然とダッシュをかけた。小フライをスライディングキャッチ。素早く一塁に送って併殺が完成。阪神の息の根を止めた。「まさか(走者が)飛び出しているとは思わなかった。嬉しかったですね」。中村(ドジャース3Aラスベガス)の華麗な守備に憧れ、目標のタイトルを「ゴールデングラブ賞」と公言するに相応しい美技だった。

レコードずくめのシリーズだった。史上13人目の初打席初本塁打に始まり、初戦での4安打は史上初。8打席連続安打、4試合決着での打率6割6分7厘、10安打はいずれも新記録だ。

シーズン序盤、チームが快進撃を続ける中で、1人バットは湿っていた。そんな中、ボビーは特打に励む背番号8に「君はいい打者なんだから、自信を持て」と優しい言葉をかけた。「うまく乗せられましたね。あんな監督がいてくれて嬉しいですよ」。指揮官への感謝の思いが溢れ出た。支えとなったバレンタイン監督も「2年間、監督として1軍に一緒にいられたことを幸せに思う」と最上級の言葉で今江を褒めたたえた。

歩みはまだ止まらない。11月にはアジアシリーズが待ち受ける。「何でもいいから1番になりたい」という思いから帽子のつばに記した“頂点”の2文字。「頑張ります」今江は短い言葉に決意を込めた。

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YFK!無安打締め[報知]

◇日本シリーズ第4戦

ロッテは2回1死からフランコが右翼線二塁打。2死後、李の右越え3号2ランで先制。4回には1死二塁で李が、阪神2番手・能見から左中間二塁打を放ち追加点を挙げた。阪神は1回、赤星、鳥谷が連続安打した無死一、二塁の先制機にクリーンアップが凡退。5回も無死一、二塁のチャンスをつくったが、浜中が三振、赤星が二ゴロ併殺に倒れて得点できなかった。ようやく6回に1死一、二塁から今岡、桧山の連続タイムリーが出て2点を返したが、終盤はロッテの小刻みなリレーに封じられた。

感動のフィナーレを飾ったのはもちろん、守護神だった。9回を迎えリードは1点。満を持してマウンドに登った小林雅の耳には、奇跡を信じる虎党の大声援は一切入らなかった。

先頭に迎えた代打の片岡を四球で歩かせ、炎上したプレーオフ第2ステージ第3戦の悪夢がよみがえる。だが、経験が右腕を強くさせていた。「二塁打を打たれるよりも全然いい。100%バントだと思ったし、1死二塁から立て直そう」。苦い思いと引き替えに手に入れた「開き直り」という武器をここ1番で使った。

犠打を試みた矢野の打球は、気持ちが勝った分だけフライになった。今江が捕球し、一塁走者の久慈が飛び出していたため、併殺が完成。そこで大勢は決した。最後の打者、藤本から「狙って」空振りの三振を奪うと、右の拳を突き上げて、こみ上げる感情を爆発させた。

「間隔が空いていたから少しバタバタしたけど、集中できていた。(第2ステージで)いい経験をさせてもらったし、(シリーズまで)期間がなかったことでイレ込むこともなかった」。先発の好投もあり、大事な場面で巡ってきたシリーズ初登板も「登板がない間、ブルペンで微調整ができた」と前向きにとらえた。

守護神へのレールをつないだのは自慢の中継ぎ陣だった。7回からは藤田。関本の代打、藤本を左飛、浜中を捕邪飛に打ち取ると「塁に出さないように1番気をつけた」という続く赤星もキッチリ抑え、反撃の糸口さえつかませなかった。

8回からは薮田。無死から鳥谷に四球を与えたが、シーツ以下クリーンアップを抑えきった。「何より勝ったことが最高」と答えた右腕を含む投手陣を「今まで見た中で最高の投手陣だ」とバレンタイン監督は手放しで称えた。大一番で猛虎打線を無安打に抑えた「Y(薮田)」「F(藤田)」「K(小林雅)」はまぎれもなく、日本一の「勝利の方程式」だった。

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李4戦3発!シリーズタイ1試合4安打[報知]

◇日本シリーズ第4戦

これまでの悔しさが喜びを倍増させた。李は歓喜の輪の中で、がっちりバレンタイン監督と抱き合った。「日本でも優勝できて本当に嬉しい。2年間、期待に応えられなかったこともあったけど、今日1日で返したという心境です」。普段は決して自分を褒めない男が、胸を張った。

アジアの大砲がプライドを捨てた。2回、2死二塁。カウント1−3。「去年までなら直球を待っていたけど、絶対変化球で来ると信じていた」と杉山のスライダーを狙い打ち。右翼席に消える先制2ランが日本一への懸け橋となった。第2打席以降も安打を放ち、シリーズタイの1試合4安打。4試合シリーズでの3本塁打という新記録も達成し、優秀選手賞に輝いた。

失敗は2度繰り返さない。昨季、年間56本塁打のアジア記録を引っ提げ加入したが、日本野球に慣れず打率2割4分、14本塁打と期待を裏切った。今季から韓国時代の恩師・金コーディネーターが来日し、日本野球を一から研究。高橋慶彦1、2軍巡回コーチにもつきっきりで教えを受けた。「昨年はどうしても自分のスタイルを変えたくなかった。2年目になって相手に合わせることを覚えた」と今季は30本塁打と成績はアップ。「このシリーズの3本は誇りに思う」。大事なシリーズで最高の結果を出せたのは、李本人の努力の成果だった。

挑戦はまだ終わらない。来季のロッテ残留こそ「1番自分を必要としてくれるチームを慎重に選びたい」と明言は避けたが、11月10日から始まるアジアシリーズには古巣・サムスンが既に出場を決めている。「2年前より実力をつけた姿を、チームメート、韓国のファンにも見せたい」。アジアの大砲が日本一の勲章を胸に、さらなる飛躍を誓った。

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セラフィニ粘投!先発全員が勝ち投手[報知]

◇日本シリーズ第4戦

阪神ファンの大歓声をBGMに、セラフィニが快投を演じた。「甲子園の雰囲気はイメージできていた。楽しんで投げられたよ」。6回1死一、二塁のピンチを招いて降板も、5回1/3を5安打2失点。先発の役目を果たして小野にバトンを渡した。

何度も窮地を救われたリリーフ陣を信じ、戦況を見つめた。小林雅が火消しに成功すると、ベンチを飛び出して仲間と抱き合った。日本シリーズに初登板先発した外国人投手としては、1996年のフレーザー(オリックス)以来9年ぶりの勝利。助っ人としての名誉より、チームの栄誉に力となれたことが誇らしい。

高い角度から常時140キロ台の速球を高低に散らし、切れ味鋭いスライダーで内外角を突いた。「直球、変化球ともに思い通りに投げられたよ」。1回無死一、二塁の危機は猛虎のクリーンアップを仕留めて脱出。3回は赤星に二盗を許しても落ち着いていた。先頭打者を出した4回と5回は併殺で切り抜け、阪神の反撃の芽を摘み取った。

先発ローテーションを守り、11勝を挙げたシーズン。「今年1年の集大成だと思って投げた。今年は最高の年になったよ」。最後の舞台で最高のパフォーマンスを披露した。

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ボビー心は世界一「日米王者決定戦を」[報知]

日本一を決めたバレンタイン監督が、日米の覇者による「真のワールドシリーズ」の開催を求めた。「日米のチャンピオンで、真のワールドシリーズを開催すべき」と主張し、今後も開催に向けて訴えていく方針を示した。

バレンタイン監督は以前から、来年3月にMLBが主催する国別対抗戦ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の意義を疑問視。「国のオールスターの試合ではなく、シーズンを戦い抜いた者(クラブチーム)同士の試合をすべき」と力説した。

開催地や金銭面のネックについても私見を披露。「ハワイなら日米の中間地点だし、日本の皆さんも来れるでしょう。テレビ放映権は史上最高の料金になるに違いない」と話した。

「日米の野球は同レベルに達していると確信している」と同監督。日本一を決めた試合後は「今すぐ米国に行って真のワールドシリーズをやりたい。ウチは世界のどのチームとも渡り合える」と締めくくった。日米で優勝経験のある名将は、夢の対決実現に向けて尽力していくつもりだ。

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楽天・三木谷オーナーがTBS株買い増しも「横浜に影響力ない」[サンスポ]

楽天イーグルスの三木谷浩史オーナー(40)=楽天社長=は26日、東京・港区のホテルで記者会見を開き、TBS株を買い増して19.09%としたことを明らかにした後、「現段階でウチ(楽天)が横浜ベイスターズに影響力があるとは思えない」と21日の実行委員会同様、協約違反には当たらないことを強調。来月4日のオーナー会議で再び議論する意向を示した。

TBS株の買い増しを発表した楽天・三木谷社長だが、この日の会見でも球団に対するスタンスに変わりはなかった。

三木谷オーナー
「(野球協約)183条の基本理念は公正な試合の確保ということです。現段階で、ウチ(楽天)が横浜ベイスターズに影響力があるとは思えない。」

複数球団の保有を禁じた野球協約には、抵触しないという考えを改めて強調した。

21日に行われた実行委員会では、楽天以外の11球団が“協約違反である”という統一した認識を示した。

しかし、同オーナーは「公開企業が親会社である以上、何らかの形で(他球団の親会社の)株を取得することは十分にあると思うし、これまでもあった」とヤクルト球団の株を保有するフジテレビが、横浜の球団株を持つニッポン放送を子会社化した事例を挙げ、183条のただし書きが適用されるべきであると主張。「(11月4日の)オーナー会議でしっかりと議論させていただきたい」と話した。

また一部報道で、横浜球団の売却先について根回しを行っていたとされたことに関して、「そういうことは一切ありません」と否定。ただしその上で、今後TBSとの経営統合が実現した場合については、「検討しなければならない」と売却が視野に入っていることも示唆。経済&放送業界を揺るがす買収劇に、球界の緊迫感も高まっている。

◇TBS井上社長「横浜は売らない」

TBSの井上社長が初めて、自身の口で「横浜は売らない」と断言した。野球協約に抵触しているかについて「11月4日にオーナー会議があるが、そこでの議論を見守りたい」と語ったが、若林オーナー(TBS副社長)は「実行委員会で協約違反と出た株を何故買い増すのか。4日には結論を出してもらう」と語り、抵触していないとする楽天側と一触即発の様相になってきた。またこの日、横浜市の中田宏市長が会見で「約1週間前に三木谷社長に市民球団として横浜に残すよう電話し、社長は“球団が横浜からなくなることはない”といわれた」と明らかにした。

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三木谷オーナー「協約違反」に反論[報知]

楽天の三木谷浩史オーナー(40)が26日、東京都内のホテルで会見し、楽天本社のTBS株保有状況を発表した。21日の実行委員会で、横浜の親会社であるTBS株の保有は、協約違反にあたると、指摘されたことについて「野球協約183条の基本的な理念は、公正な試合の確保。我々(楽天)が現段階でとても横浜に対して不公正な試合をする影響力があるとは思えない」と反論。「(新規参入の)原点に立ち戻ると、地方(東北)を元気にするというのが大きなテーマ。オーナー会議でしっかり議論していきたい」と11月4日のオーナー会議に一歩も引かない姿勢で臨む意向を示した。

また、横浜の売却先を確保していると報道され、友好関係にあるUSENが名乗りを上げていることについては「根回しは一切しておりません。TBSのコントロール権を得た訳ではない。僭越な話」としながらも「もし(TBSとの)共同持ち株会社ができた暁には検討しないといけないだろう」と横浜売却案も視野に入っていることを認めた。

◇“本拠は横浜に”横浜市長と約束

横浜市の中田宏市長は26日の記者会見で、横浜ベイスターズの親会社、TBSの筆頭株主となった楽天の三木谷浩史社長と電話で話し「球団が横浜からなくなることはない」と、言われたことを明らかにした。中田市長によると、三木谷社長は電話で「今の段階では(TBSとの経営統合という)ビジネスの話で、球団問題は結果として出てくるもの」とした上で、球団移転については「それは大丈夫」と述べたという。

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