プロ野球05年度の表彰選手が4日、決まった。最優秀選手(MVP)にはパ・リーグが沢村賞に輝いたばかりのソフトバンク杉内俊哉投手、セ・リーグは阪神金本知憲外野手が選ばれた。新人王は、セ初の200本安打を達成したヤクルト青木宣親外野手、パは2ケタ勝利を挙げたロッテ久保康友投手が受賞した。青木は首位打者と新人王、さらにベストナインと史上初のトリプル受賞となった。
セ・リーグ | パ・リーグ | |||
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首位打者 | 青木宣親 | ヤクルト | 和田一浩 | 西武 |
本塁打王 | 新井貴浩 | 広島 | 松中信彦 | ソフトバンク |
打点王 | 今岡誠 | 阪神 | 松中信彦 | ソフトバンク |
盗塁王 | 赤星憲広 | 阪神 | 西岡剛 | ロッテ |
最多安打 | 青木宣親 | ヤクルト | 和田一浩 | 西武 |
最高出塁率 | 福留孝介 | 中日 | 松中信彦 | ソフトバンク |
最優秀防御率 | 三浦大輔 | 横浜 | 杉内俊哉 | ソフトバンク |
最多勝利 | 下柳剛 | 阪神 | 杉内俊哉 | ソフトバンク |
黒田博樹 | 広島 | |||
最多奪三振 | 三浦大輔 | 横浜 | 松坂大輔 | 西武 |
門倉健 | 横浜 | |||
最多セーブ | 岩瀬仁紀 | 中日 | 小林雅英 | ロッテ |
最優秀中継ぎ投手 | 藤川球児 | 阪神 | 菊地原毅 | オリックス |
最優秀投手 | 黒田博樹 | 広島 | 斉藤和巳 | ソフトバンク |
正力松太郎賞 | バレンタイン | ロッテ | ||
沢村賞 | 杉内俊哉 | ソフトバンク |
[注]最優秀投手はセがベストナイン、パが最高勝率(13勝以上)。
セ・リーグ | パ・リーグ | ||||||||||
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名前 | チーム | 点数 | 回数 | 名前 | チーム | 点数 | 回数 | ||||
金本知憲 | 阪神 | 894 | 初 | 杉内俊哉 | ソフトバンク | 466 | 初 | ||||
MVP得票内訳 | |||||||||||
名前 | チーム | 1位 | 2位 | 3位 | 点数 | 名前 | チーム | 1位 | 2位 | 3位 | 点数 |
金本知憲 | 阪神 | 148 | 46 | 16 | 894 | 杉内俊哉 | ソフトバンク | 55 | 55 | 26 | 466 |
藤川球児 | 阪神 | 43 | 76 | 57 | 500 | 松中信彦 | ソフトバンク | 56 | 39 | 48 | 445 |
今岡誠 | 阪神 | 18 | 68 | 83 | 377 | 渡辺俊介 | ロッテ | 53 | 29 | 27 | 379 |
下柳剛 | 阪神 | 2 | 6 | 15 | 43 | 斉藤和巳 | ソフトバンク | 4 | 12 | 21 | 77 |
赤星憲広 | 阪神 | 2 | 6 | 8 | 36 | ズレータ | ソフトバンク | 1 | 12 | 15 | 56 |
青木宣親 | ヤクルト | 1 | 6 | 8 | 31 | 小林雅英 | ロッテ | 1 | 6 | 0 | 23 |
小久保裕紀 | 巨人 | 1 | 0 | 0 | 5 | 西口文也 | 西武 | 0 | 1 | 6 | 9 |
岩瀬仁紀 | 中日 | 0 | 0 | 5 | 5 | 今江敏晃 | ロッテ | 0 | 2 | 1 | 7 |
久保田智之 | 阪神 | 0 | 0 | 4 | 4 | 福浦和也 | ロッテ | 0 | 2 | 0 | 6 |
高橋由伸 | 巨人 | 0 | 1 | 0 | 3 | 西岡剛 | ロッテ | 0 | 1 | 3 | 6 |
黒田博樹 | 広島 | 0 | 0 | 2 | 2 | 小林宏之 | ロッテ | 0 | 1 | 1 | 4 |
新井貴浩 | 広島 | 0 | 0 | 2 | 2 | 和田一浩 | 西武 | 0 | 1 | 1 | 4 |
ウィリアムス | 阪神 | 0 | 0 | 1 | 1 | 久保康友 | ロッテ | 0 | 1 | 0 | 3 |
太陽 | 阪神 | 0 | 0 | 1 | 1 | 松坂大輔 | 西武 | 0 | 0 | 3 | 3 |
三浦大輔 | 横浜 | 0 | 0 | 1 | 1 | 里崎智也 | ロッテ | 0 | 0 | 1 | 1 |
阿部慎之助 | 巨人 | 0 | 0 | 1 | 1 | フランコ | ロッテ | 0 | 0 | 1 | 1 |
無効3票 | 堀幸一 | 千葉ロッテ | 0 | 0 | 1 | 1 | |||||
菊地原毅 | オリックス | 0 | 0 | 1 | 1 | ||||||
白票 | 0 | 5 | 10 | 25 | |||||||
無効1票 |
[注]1位=5点、2位=3点、3位=1点
セ・リーグ | パ・リーグ | ||||
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名前 | チーム | 票数 | 名前 | チーム | 票数 |
青木宣親 | ヤクルト | 209 | 久保康友 | ロッテ | 161 |
中田賢一 | 中日 | 3 | 中村剛也 | 西武 | 8 |
矢野謙次 | 巨人 | 1 | ダルビッシュ有 | 日本ハム | 1 |
該当者なし | 2 | 無効 | 1 | ||
無効 | 3 |
セ・リーグ | パ・リーグ | |||||||
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名前 | チーム | 票数 | 回数 | 守備位置 | 名前 | チーム | 票数 | 回数 |
黒田博樹 | 広島 | 69 | 初 | 投手 | 杉内俊哉 | ソフトバンク | 126 | 初 |
下柳剛 | 阪神 | 51 | 渡辺俊介 | ロッテ | 30 | |||
三浦大輔 | 横浜 | 44 | 斉藤和巳 | ソフトバンク | 7 | |||
藤川球児 | 阪神 | 44 | 西口文也 | 西武 | 2 | |||
岩瀬仁紀 | 中日 | 2 | 松坂大輔 | 西武 | 2 | |||
上原浩治 | 巨人 | 1 | ||||||
工藤公康 | 巨人 | 1 | ||||||
矢野輝弘 | 阪神 | 196 | 2 | 捕手 | 城島健司 | ソフトバンク | 153 | 6 |
谷繁元信 | 中日 | 7 | 里崎智也 | ロッテ | 14 | |||
古田敦也 | ヤクルト | 3 | ||||||
阿部慎之助 | 巨人 | 3 | ||||||
新井貴浩 | 広島 | 88 | 初 | 一塁手 | ズレータ | ソフトバンク | 146 | 初 |
ウッズ | 中日 | 57 | 福浦和也 | ロッテ | 11 | |||
シーツ | 阪神 | 55 | 松中信彦 | ソフトバンク | 7 | |||
佐伯貴弘 | 横浜 | 8 | カブレラ | 西武 | 2 | |||
清原和博 | 巨人 | 1 | フランコ | ロッテ | 1 | |||
荒木雅博 | 中日 | 108 | 2 | 二塁手 | 堀幸一 | ロッテ | 81 | 初 |
種田仁 | 横浜 | 93 | 石井義人 | 西武 | 51 | |||
藤本敦士 | 阪神 | 5 | 西岡剛 | ロッテ | 17 | |||
仁志敏久 | 巨人 | 3 | 平野恵一 | オリックス | 10 | |||
木元邦之 | 日本ハム | 5 | ||||||
中村剛也 | 西武 | 2 | ||||||
今岡誠 | 阪神 | 180 | 初 | 三塁手 | 今江敏晃 | ロッテ | 142 | 初 |
新井貴浩 | 広島 | 13 | 小笠原道大 | 日本ハム | 17 | |||
岩村明憲 | ヤクルト | 12 | バティスタ | ソフトバンク | 4 | |||
小久保裕紀 | 巨人 | 4 | 石井義人 | 西武 | 2 | |||
中村剛也 | 西武 | 2 | ||||||
井端弘和 | 中日 | 185 | 3 | 遊撃手 | 西岡剛 | ロッテ | 106 | 初 |
鳥谷敬 | 阪神 | 16 | 川ア宗則 | ソフトバンク | 41 | |||
宮本慎也 | ヤクルト | 6 | 小坂誠 | ロッテ | 11 | |||
二岡智宏 | 巨人 | 2 | 阿部真宏 | オリックス | 5 | |||
中島裕之 | 西武 | 4 | ||||||
金本知憲 | 阪神 | 201 | 5 | 外野手 | 和田一浩 | 西武 | 161 | 3 |
青木宣親 | ヤクルト | 147 | 初 | 宮地克彦 | ソフトバンク | 142 | 初 | |
赤星憲広 | 阪神 | 142 | 2 | フランコ | ロッテ | 88 | 初 | |
福留孝介 | 中日 | 108 | サブロー | ロッテ | 52 | |||
前田智徳 | 広島 | 21 | カブレラ | ソフトバンク | 23 | |||
金城龍彦 | 横浜 | 3 | 大村直之 | ソフトバンク | 8 | |||
高橋由伸 | 巨人 | 2 | 新庄剛志 | 日本ハム | 8 | |||
多村仁 | 横浜 | 1 | 李承Y | ロッテ | 6 | |||
清水隆行 | 巨人 | 1 | ベニー | ロッテ | 4 | |||
矢野謙次 | 巨人 | 1 | ガルシア | オリックス | 4 | |||
礒部公一 | 東北楽天 | 2 | ||||||
赤田将吾 | 西武 | 1 | ||||||
谷佳知 | オリックス | 1 | ||||||
稲葉篤紀 | 日本ハム | 1 | ||||||
指名打者 | 松中信彦 | ソフトバンク | 159 | 初 | ||||
ズレータ | ソフトバンク | 7 | ||||||
山ア武司 | 東北楽天 | 1 |
プロ18年目にして初のベストナインに輝いた堀の口から、力強い言葉が飛び出した。今季はプレーオフで腰を痛め、日本シリーズを制した第4戦では三塁へ進塁する際に足首をひねった。それでもこの日は「今年は(受賞の)チャンスだと思っていたし、終盤に取れると思った。あと5年は現役生活を続けたい」と、新たない良くをかき立てられていた。
久保には、入団前に掲げた大目標を狙い通りに手にする結果となった。「嬉しい。必ず取りたいと思っていた賞」とほおを緩めた。ロッテ投手では日本一となった74年の三井雅晴以来の、縁起のいいタイトルだ。
松坂世代の1人だが、6年間の社会人(松下電器)生活を経てのプロ入り。若い選手には負けたくなかった。といって、自分1人でつかんだタイトルとは思っていない。「強いチームに入って強い仲間とできた。捕手、野手に守ってもらったし、周りの投手がすごいんで自分も頑張れた」。周囲への配慮を忘れない。
プロ入りした際の目標は新人王ともう1つ「日本一になりたい」があった。それをいきなり1年目で同時につかんでしまった。来季からの目標がなくなってしまう?「目標をどう立てるか。う〜ん、1年間通して1軍でローテーションを守れる投手になりたい」。プレーオフ、日本シリーズでは出番に恵まれなかった。そんな反省が浮かんだのかもしれない。
12月には神戸市在住の森永洋子さん(25)と入籍する。来季は一家の主としてマウンドに立つ。「(ロッテの)今年の強さを証明したいです」。最後は力強く言い切っていた。
今季のイースタン、ウエスタン両リーグの表彰が4日、札幌ドームで行われ、日刊スポーツ選定の「努力賞」はロッテ竹原直隆(25)阪神赤松真人(23)両外野手が受賞した。竹原はイースタンの最多本塁打(23本)、赤松はウエスタンの首位打者(3割6分3厘)最多盗塁(29盗塁)最高出塁率(4割4分4厘)のタイトルを獲得。賞状と副賞として大塚ベバレジからクリスタルガイザー6ヶ月分が贈られた。竹原は「来季は1軍定着が目標」と発奮。赤松は「1軍で表彰してもらえるように頑張りたい」と喜びを口にした。
合意はしているが、まだサインしていないというロッテ監督問題の当事者、ボビー・バレンタイン監督が、ロッテからの正式オファーを「1週間以内に」と求めた。4日、札幌ドームで行われたプロ野球コンベンションで「まだ言葉でも、書面でもオファーはない。あと1週間のうちに何かあるのを期待している」と話した。
この日、バレンタイン監督は札幌ドームへ出発する前、宿泊するホテルの周囲を愛車のマウンテンバイクで散策した。その際、報道陣に「私はまだオファーを受けていない。新聞に書かれていた(金銭的な)ことは本当じゃない」とアピール。その上で「これまでの代表や代行との話し合いの内容?それは今、言うべき時じゃない。事態の推移を見守ろう」と話した。
一方、瀬戸山隆三代表は、出席したオーナー会議後に「一切喋るなと言われてますから。何か方向があればこちらから連絡します」と話した。去り際「報告は近々か?」という問いに、軽くうなずいた。近日中にもロッテからオファーがあり、監督が正式に受諾することになりそうだ。
プロ野球コンベンションが4日、札幌ドームで開かれ、MVP(最優秀選手)、新人王、ベストナインなど各表彰が行われた。新人王はセがヤクルト・青木宣親外野手(23)、パはロッテ・久保康友投手(25)。受賞者は例年は日本シリーズ終了2日後に発表されたが、今年はコンベンションに合わせて発表された。
札幌ドームで行われたプロ野球コンベンション。球界関係者だけでの“祭典”が今年から野球ファンの前で初めて開催された。まるで日本レコード大賞のようにその場で受賞者を発表。オーナー会議が長引き、プレゼンテーターが根来コミッショナーからソフトバンク・王監督に代わるハプニングもあったが、会場は熱気に包まれた。
主役はヤクルトの青木だった。94年イチロー(オリックス、現マリナーズ)以来、史上2人目の200本安打を達成。セ新人王はもちろん、最多安打(202)に首位打者、ベストナイン、さらに会長特別賞と、晴れ舞台に両リーグ最多の5度も上がる活躍ぶりだった。
「何とか200本打つことができてよかった。どんな賞をいただいても嬉しい。来年は今年以上の活躍をしたい」。今年以上の活躍とは“イチロー超え”にほかならない。狙うは日本球界では史上初の2年連続200本安打、さらにイチローが持つ210安打のプロ野球記録の更新。「来年はどちらも達成するぐらいの気持ちでやりますよ」と燃えており、イチローからも「記録を背負う宿命に対して、そこから逃げることなく立ち向かって欲しい」とエールを送られている。来年は古田新監督のユーティリティープレーヤー育成方針から二塁手も兼任。中堅手だけでなく、二塁手でのベストナイン、そして初の盗塁王も目指す。
パの新人王はロッテ・久保が文句なしの受賞だ。ロッテの新人では55年ぶりの2ケタ10勝を挙げ31年ぶりの日本一に貢献。“松坂世代最後の大物”の呼び声通りの活躍に「入団前から必ず獲りたいと言ってたので素直に嬉しい」。新人王と共に目標だった日本一も1年目に達成し「来年の目標をどう立てていいのか…」と苦笑い。プライベートでも森永洋子さん(25)=神戸市在住=と8年間の交際を実らせ12月に結婚予定。「長く付き合っているし安心できる人」と、ほおが緩みっぱなしだった。
コンベンションに先立って札幌ドーム内でイースタン、ウエスタン表彰式が行われた。ファーム選手権で阪神を下して9年ぶり6度目の優勝で“兄弟日本一”に輝いたロッテ・古賀2軍監督はペナントを手に「1年間通じてコンスタントな力を発揮できた」と感慨深げ。また、スポーツニッポン新聞社からロッテ・竹原、阪神・赤松にそれぞれ新人賞が贈られた。
球団史上6人目の新人王に選ばれた久保は満願の笑みを見せた。
高校卒業後6年の社会人生活を経て入団したプロで10勝3敗、防御率3.40。“松坂世代最後の大物”という呼び名に相応しい活躍を見せた。
先発投手陣が豊富なだけに「何とかついていかないと」と必死に取り組んだ結果が、1年を通じてのローテーション死守につながった。
ロッテの投手では昭和25年の荒巻、同49年の三井に次いで3人目。いずれも、チームは日本一に輝いており、今季も“ジンクス”通り。
日本一に新人王と入団前に描いていた夢を2つも実現させたとあって、「来年の目標をどう立てていい分からない」と苦笑い。それでも「来季はさらに強くなったロッテの一角を担いたい」とV2を誓った。
日本一のロッテからは、ベストナインに4選手が選ばれた。二塁手の堀は18年目で初受賞。パ・リーグで最も遅咲きの受賞となった。堀は「今年がチャンスだと思っていた。1度はどうしても取りたかった賞ですからね」。今季は規定打席に到達し、打率3割をマーク。チームの勝利に貢献したことが評価された。
2005年度ペナントレースの両リーグMVP、新人王、ベストナインが4日、セ・パ両野球連盟から発表され、新人王はセがヤクルト・青木宣親外野手(23)、パがロッテ・久保康友投手(25)が選ばれた。ベストナインでは巨人からの受賞者が12年ぶりにゼロとなり、プロ18年目のロッテ・堀幸一内野手(36)がパ・リーグ史上最も遅い初受賞を果たした。
セ・リーグに彗星のごとく現れた安打製造マシンが、文句なしの新人王に選ばれた。ヤクルトの青木が積み重ねた安打数は202本。あのイチロー以来となるシーズン200本安打をマークし、ダントツの得票数209票を集め、生涯1度しか手にできないタイトルを獲得した。
満面のスマイルというより、少しだけ戸惑っていた。「去年とは比べものにならないぐらい、生活が変わってしまった」。引きつった笑顔が初々しい。昨年はわずか10試合に出場して打率2割だった男が2年目に大ブレーク。首位打者に輝いて、取り巻く環境も激変した。「ガムシャラにやって200本達成できた。つかんだというものはないけど…」。ひたむきに努力を重ねて最高の結果につなげた。
来季からは古田新監督のもとで二塁にも挑戦する。もちろん、2年連続の首位打者のタイトルに加え、外野手として初受賞したベストナインを今度は二塁でも奪えるように汗を流す。「どんな賞をいただいても嬉しいですから。今年以上の活躍をして、何とか優勝に貢献したい」。慢心せずにニューヒーローは進化する。
プロ18年目のロッテ・堀が、二塁手部門で初のベストナインを獲得した。18年目の初受賞はパ・リーグ史上、最も遅咲き。「ベストナインは1回はどうしても取りたかった。本当に嬉しいです」と感無量の表情を浮かべた。
今季は遊撃手としてベストナインに輝いた西岡、小坂と二遊間を争った。シュアな打撃でロッテ打線のキーマンとなり、打率3割5厘をマーク。「今年はチャンスと思っていた」と話す通り、西武・石井義に30票差をつけて堂々の受賞となった。
休養を取らせながら好調を維持させるバレンタイン監督の用兵術も光った。今季は念願の優勝、日本一も経験。今後の目標を聞かれた堀は「あと5年は現役を続けたい」と決意を新たにしていた。
来季の去就が注目されるロッテのボビー・バレンタイン監督(55)が4日、球団に対して、新条件の提示期限を1週間以内とすることを求めた。これを受けて、球団は近日中に重光オーナー代行、濱本球団社長、瀬戸山球団代表が協議。出来高を含め最大3年総額15億円の大型契約を、早ければ週明け、遅くとも1週間以内にバレンタイン監督に提示することとなった。
愛するチームから、最大級の評価を受けたい。ボビーの心はメジャーより、ロッテにある。札幌ドームでコンベンションに参加したバレンタイン監督は「今後、1週間以内に状況は変わるだろう。1週間以内に何かしらの動きがあることを期待している」とタイムリミットを通告した。
一方で、球団側との解釈の相違も浮き彫りとなった。球団の説明によると、10月31日に3年契約を提示したが、正式契約には至らなかった、とされていた。しかし、バレンタイン監督が「文書でも口頭でも(ロッテから)正式なオファーは受けていない」と反論したため、再提示は契約の細部を明記した文書形式となる見込みとなった。
重光代行は4日、球団に“緘口令”を敷き、瀬戸山代表らはボビーの契約問題に関して沈黙を貫いた。「契約が決まったら、話をします」と同代表。再提示にボビーが納得すれば、来週中にも去就問題は決着する。
来季の去就が注目されるバレンタイン監督は球団からの正式なオファーについて「まだもらっていない」と否定。その上で「今後、1週間以内に状況が変わるだろう」と期待を込めた。一方、オーナー会議のため、札幌入りした重光オーナー代行、瀬戸山球団代表は、監督の契約について協議した模様。同代表は「そのことについては、一切話せない」と口を閉ざした。
ロッテが高校生ドラフトで4巡目指名した細谷圭内野手(17)=太田商=の入団が決まった。契約金3000万円、年俸500万円で契約した。
ロッテ・久保康友投手(25)が、神戸市在住の森永洋子さん(25)と結婚する。今オフに入籍する予定。
31年ぶりにロッテを日本一に導いたバレンタイン監督の去就が注目される中、札幌市内で行われたオーナー会議に出席した重光昭夫オーナー代行(50)が4日、今回の騒動に対して初めて口を開いた。
会場入りする際、指揮官との契約交渉が難航していることを指摘された重光オーナー代行は「そうですね」と険しい表情で話した。重光オーナー代行は10月31日に瀬戸山球団代表を通じて、水面下でバレンタイン監督に3年総額12億円の条件での続投を打診。しかし、1日に都内で行った直接交渉では、バレンタイン監督が3年総額15億円を要求し、話し合いは物別れに終わっていた。それでも、今後の交渉に向けては「再検討?そうなると思います」と年俸を上積みすることを示唆した。
所用のためオーナー会議を中座した重光オーナー代行は、去就問題に関しては無言を貫き、そのままタクシーに乗り込んだ。会議終了後の瀬戸山代表も「そのことについて一切話すなと言われた。メディアを通じての会話になるので、これについては話さない」と、今後は水面下で交渉を進めていく方針を示した。
札幌ドームで開催されたコンベンションに参加したバレンタイン監督は「文書でも言葉でも正式なオファーはない」と繰り返したが、最後は「この1週間以内に状況は変わる。何かしらの動きがあることを期待している」と意味深発言。近日中にも球団側から提示される新たな条件提示に、ボビーはどう対応するのだろうか。
オーナー会議では現行の野球協約の全面改定を進めることを決議し、今後は早急に「協約改定委員会」(仮称)を設置して叩き台をつくることになった。宮内議長は協約が50年の2リーグ制分立時の古い内容が残っていることを指摘。「球団の株式状況や資本市場の動き、企業経営の環境などに照らして改定を進めたい」と話した。
協約が発効したのは1951年。問題が生じる度に条文の追加や手直しは行われたが、昨年の球界再編でも不備が指摘され、今回の阪神球団株の上場は想定外。現在の社会情勢に沿っていないことから改定の必要性に迫られていた。具体的には各球団から1人ずつ委員を選出。宮内議長は「各球団の考えを理解しながら、有識者会議の提言も組み入れ1年をめどに叩き台をつくりたい」との見通しを語った。
協約改定について、協調から競争の時代への適応を強く訴えていた根来泰周コミッショナー(73)も「私の見た目でも疑問があった。それらも提示し、いい協約にしたい」と力を込めた。
楽天による2重支配の問題、また村上ファンドが提案した阪神球団の株上場については共にオーナー会議で継続審議となったが、根来泰周コミッショナー(73)が進める野球協約改正については基本的に承認されることが確認された。
2つの主な議題は結論が先送りされたが、両問題に対しては、大筋で合意を見た。具体的な期限、また改正の内容については明かされなかったものの、今後は小委員会を設立して検討。コミッショナーの権限強化をはじめ、組織や球団の参加資格などについても新たな規則を明文化する。
2重支配と球団株上場についても何らかの形で規制を行う方針。楽天・三木谷、オリックス・宮内両オーナーが異論を唱えてはいるが、他の10球団は規制すべきという意見で一致。現行の野球協約の第22条の2で「オーナー会議の議決は、出席全員の四分の三以上の同意を必要とする」と明記されていることから、9球団以上の同意があれば議決は可能だ。
これまでは全会一致を原則としていた日本球界だが、経済行為をタテに協約違反でないことを主張する2球団に対し、数の論理で対抗することもあり得る状況になってきた。
阪神の手塚昌利オーナー(74)は阪神電鉄本社の西川恭爾社長(66)と共にオーナー会議に出席。電鉄筆頭株主の村上ファンドが求める球団株上場案に反対し、野球協約に「球団上場禁止」を盛り込むよう提案した。西川社長は「球団は必ずしも安定した事業ではない。上場すれば(株主に)配当しなければならず、配当しないほうがチームを強化、育成しやすい」と話し「球団経営の自由度を確保し、ファンの期待に沿うには上場しない方がいい」と主張した。阪神は7日午後、ファンサービス向上のための甲子園球場改修計画を正式発表する。その場で上場反対に加え、上場の是非を問うファン投票を実施しない方針も表明するとみられる。
フジテレビがヤクルト球団の20%、フジテレビの子会社のニッポン放送が横浜球団の約30%株式を保有している点について、オーナー会議は野球協約183条に抵触する恐れがあるとして、根来コミッショナーに文書で“善処”を要請することを求めた。根来コミッショナーは9月にフジテレビに事情を聴き、両球団に対しても実質的な支配権を有していないことを確認し、会議に報告したが、楽天とTBSの2重保有の問題が生じたことで、持ち合いに否定的な意見が各オーナーから相次ぎ「お考えをもう1度変えていただく」(宮内議長)ことになった。
プロ野球のオーナー会議(議長=オリックス・宮内義彦オーナー)が4日、札幌市内のホテルで開かれた。楽天が横浜球団の親会社であるTBSの株式を大量保有したことが試合の公正確保を定めた野球協約違反とされた問題は、楽天・三木谷浩史オーナー(40)が徹底抗戦。宮内オーナーも援軍に回ったものの、肝心のTBSの株取得では銀行に取得した株の約半分を担保として差し入れていることも判明。資金面、また時間的にも窮地に追い込まれている実情が明らかになっている。
強引ともいえる手法に孤立無援のはずだった三木谷オーナー。助け舟を出したのは宮内オーナーだった。楽天と横浜の対立を軸に進んだオーナー会議。野球協約183条違反問題は3時間40分の会議のうち、2時間以上にも及んだという。
声の主は議長を務めた宮内オーナー。この日の会議で三木谷オーナーは「まだTBSを支配してもいないウチだけを批判するのはおかしい」と横浜と楽天の2重支配“疑惑”について必死に弁明したが、巨人・滝鼻オーナーからは野球協約に則りコミッショナーが違反事実の解消を指令し、制裁を科すべきとの強硬論も出た。そんな、まさに四面楚歌の状況で宮内オーナーだけが“救いの手”を差し伸べた。
宮内オーナーは三木谷オーナーと同じ経営者の観点。親会社優先で、必要なら球団を切り捨てる選択肢もありうるということだ。また球団株上場も「阪神が決めることでオーナー会議で決議すべきではない」と主張。これに対し、10球団は上場に反対。三木谷オーナーは上場反対は主張せず、ここでも共闘のトーンを色濃くした。
企業買収を経済行為とし、球団もその一部と考えるオーナーと既存の球界秩序を重んじる勢力に球界が割れた。援軍を得た三木谷オーナーは「責任ある対応を果たすためにも徹底的に戦う」と強気に言い切り、この日のオーナー会議は結論を持ち越す形で継続審議されることが確認された。
ただ、継続審議で他の10球団が納得したのには理由がある。楽天がTBS株取得問題で時間的にリミットが迫っていることが明白だからだ。
楽天が取引銀行の新生銀行、あおぞら銀行に対して、保有するTBS株の約半数にあたる1671万株を融資の担保として差し入れたことが、関東財務局に提出した大量保有報告書によってこの日、判明した。すでに1110億円あまりをTBS株購入に投じている楽天は、金利などの負担を考えると、より短期に問題決着を図らなければならなくなった訳だ。
TBSは既に楽天の提案に対して強硬姿勢をとるなど、経営統合問題で勝算を得ており、楽天の撤退、すなわち球団の2重支配問題も、時間が長引けば自然消滅するのでは、との観測があるのは間違いない。
宮内オーナーという援軍を得たものの、時間的には追いつめられた感の楽天・三木谷オーナー。その強気の姿勢はいつまで保たれるのか−。
親会社の株問題が、そのままオーナー会議にも飛び火した。横浜と楽天。会議では両者による激しい“舌戦”が繰り広げられたという。
「協約183条にそって結論をだすべきだ」。横浜・若林オーナーは向かいのテーブルに座る楽天・三木谷オーナーに強い口調で切り出すと、一気に攻勢に出た。横浜の親会社、TBSとの経営統合を目指す楽天。若林オーナーによると、三木谷オーナーは、TBS・井上社長とのこれまでの交渉で「横浜の売却話を持ち出した」と内幕を暴露。三木谷オーナーが「私はそんな話はしていません」と否定すると、さらに「(巨人の)渡辺球団会長も(三木谷オーナーから横浜の売却話が)あったといっている。渡辺さんが嘘をついているんですか」と畳みかけ、三木谷オーナーが黙り込む場面があったという。
横浜側は会議で再三、楽天による球団の2重支配を指摘。これに対し、三木谷オーナーも負けてはいない。「どうして違反になるんだ」と語気を強め、「183条条約のただし書きの適用になる」と主張。最終的にはオリックス・宮内オーナーの仲裁で“舌戦”は収まったが、出席者の1人は「激しい議論だった」と振り返るほどだった。
楽天とTBSの株問題の先行きは、不透明。三木谷オーナーは会議後、「言いたいことはいった。僕は徹底的に戦う」と宣言。横浜と楽天のバトルは今後、一層ヒートアップしそうだ。
オーナー会議の次回開催日時は未定だが、年末か年明けになりそう。TBSと楽天の経営統合問題が決着した時点で、楽天がTBS株を保有し続ける場合には、楽天と横浜両球団の取り扱いを決める必要を迫られるためで、「年内か、年を越すか。そのあたりで臨時オーナー会議になるんじゃないか」とは巨人・滝鼻オーナー。
プロ野球オーナー会議が4日、札幌市の札幌プリンスホテルで開かれ、横浜の親会社TBSの筆頭株主となり、球団2重保有の疑いが指摘されている楽天・三木谷浩史オーナー(40=本社会長兼社長)が反論に転じた。巨人など大勢は野球協約違反を指摘したが、議長のオリックス・宮内義彦オーナー(70=本社グループCEO)の援護射撃もあり、制裁決議を回避、継続審議に持ち込んだ。
三木谷オーナーは「オーナー会議に向けての御提案」と題した2重保有に関する資料を配布。例外規定が適用されているフジテレビと子会社ニッポン放送のヤクルト、横浜球団株保有に「ニッポン放送、フジテレビも横浜、ヤクルトに役員を派遣しているではないか」と訴えた。資料にはソフトバンクの関連会社ソフトバンク・インベストメントによるフジテレビ株保有も記載されていた。
この書類を元に三木谷オーナーは反論に転じた。「協約の中にあるのは公正な試合を行うということ。私は八百長したり、変なトレードをしたりはしない」とし「楽天と楽天球団は別法人。横浜に影響を及ぼすことはない。なぜ楽天だけを問題にするのか」と球団2重保有を禁じた協約183条ただし書き(例外規定)適用を訴えた。
10月21日の実行委員会では楽天以外全球団が協約違反との見解を示し「1対11」だったが、この日は「2対10になった」とロッテ・瀬戸山球団代表。ヤクルト・多菊球団社長は「助け舟を出したのが議長」と話した。
オリックス・宮内オーナーが「協約の形式より精神を重んじるべき」と三木谷オーナーの援護射撃を行ったのだ。宮内オーナー、三木谷オーナー共に既存の概念を打ち砕き新しい価値観で事業を拡大している。「M&Aは数ヶ月で決着がつく。親会社の推移を見守るべき」とまとめ、楽天とTBSの経営統合問題の経緯をみた上で再協議との結論で落ち着いた。
横浜の若林オーナーは「ウチ(TBS)の社長の井上に会った時は(横浜球団の)売却話を出しているんですよ」と三木谷オーナーを批判。「協約を殺す気か」と不満が残る結果となった。
土俵際で残った三木谷オーナーも「野球を人質にとっているイメージがある」と漏らした。親会社の経営が子会社(球団)の問題で障害をきたしているとの不満が口をついたが、帰京後は広報を通じて「言いたいことは存分に言いつくせた」と話した。
フジテレビ問題には根来コミッショナーがあらためて文書で善処を要望することになった。4時間近い論戦の末の延長戦。根来コミッショナーは「次回オーナー会議(12月か1月)までの解決を期待する」と話したが、結論は先送りになっただけだった。
プロ野球オーナー会議が4日、札幌市内のホテルで行われた。注目された楽天の球団2重保有問題については、三木谷浩史オーナー(40)が「TBSへの支配力はない」と説明したが、オリックスを除く10球団が協約違反と主張。宮内議長が次回来年1月のオーナー会議までの継続審議とし、楽天とTBSの経営統合の推移を見守ることでまとめ、決議を先送りした。
4時間弱に及んだオーナー会議は、その大半を楽天の球団2重保有問題に費やした。会見では、宮内議長が「協約違反である疑いが強いが、親会社の経営戦略に影響を及ぼすような決定をオーナー会議で決議していいのか−という話になった」と結論を先送りしたことを明かした。
継続審議とした理由については「M&Aは3年も5年もかからない。数か月で動きがあるもの。1つの経営統合体が2つの球団を持つことは意図していないことだろう。(経営統合の)方向性が出たり、動きが止まったりしたら考えればいい。そのときは三木谷オーナーもいい解決策を出してくれる」と期待を込めて説明した。
会議では、三木谷オーナーが現状ではTBSへの支配権がないことを強調。「協約第183条(に違反するかどうか)ではなく、その精神を問題にすべき。公正な試合を確保するのに何か支障をきたしているか」と横浜に関与する意思がないことを訴えた。「なぜ楽天だけ議論されるのか。過去にも間接所有はあった」とも付け加えた。
ところが、他球団は一様に協約違反を主張した。議事進行のため宮内議長が継続審議としたが、実質は「10対2」(ロッテ・瀬戸山代表)だった。巨人の滝鼻オーナーは「明確に違反している。宮内議長が『楽天とTBSの結論を見てから適用を決めたい』と話した。議長裁定とでもいうのかな」と不満をにじませた。
他の出席者には「宮内議長が三木谷オーナーの肩を持った」と映ったようだ。阪神球団の上場問題についても宮内議長は大勢を占めた「禁止」論に対して「何が悪いんだ」と反対を唱えた。三木谷オーナーは明言せず、「態度を表明するのを嫌がっているようだった」(中日・白井オーナー)と歩調を合わせているような印象を与えた。
オリックスとタッグを組んだとしても楽天の劣勢は変わらない。宮内オーナーの温情で、三木谷オーナーは時間的猶予をもらった。限られた時間は少ない。
阪神が親会社のトップを伴い、球団株上場の反対を主張した。この日のオーナー会議に、手塚昌利オーナー(74)と共に西川恭爾電鉄本社社長(66)が出席。村上ファンド問題の経過説明を行うと共に、野球協約に「球団上場の禁止」を盛り込むよう提案した模様だ。
親会社の株式を巡る問題が噴出する中で、村上世彰氏(46)と直接会談した西川社長が出席。「球団の経営で自由度を確保するためには上場しないことが最もいい。ファンの期待に添えるはず」と説明。株主配当にも言及し「勝ち負けによって配当が安定したものでなくなる。上場しないことでチームの強化、育成がやりやすくなる」と、パの球団から容認意見が出るなかで、上場がチームの繁栄を妨げることを主張した。
球団株の上場に関し、村上ファンドが提案したファン投票については「球団の公式ホームページの掲示板などで十分聞いたことになっている」と同社長は説明。大掛かりなアンケートをしないなどの方針を、甲子園の改修計画を発表する7日に明らかにする。
筆頭株主である村上ファンドの投資顧問会社の株式を、オリックスが45%保有する2重支配について、手塚オーナーは「(宮内オーナーから)説明があったが、理解できなかった」と困惑。「こちらから踏み込んでいく問題ではない」と話すにとどめた。
オリックスの宮内義彦オーナー(70)が4日、村上ファンドに絡む、阪神との“2重保有疑惑”を一蹴した。この日のオーナー会議で、一部オーナーから説明を求められ、「(系列の運用会社に)40%以上を出資しているが、ファンドマネジャー(運用家)が投資していることなので、流れが分からない。複数支配しているとか言われる筋合いはない」と断言。議論の余地を挟ませないほど、理路整然と訴えた。
オリックスは、阪神電鉄株を大量保有した村上ファンドに出資。さらに、以前から宮内オーナーと、同代表の村上世彰氏との付き合いもあったことから、野球協約に反するという指摘や、誤解もあった。「阪神に関してはファンド(投資会社)が買った初めてのケース。後ろにいるみたいに言われていたが、オリックスとしては関係ないと認識している。追加の質問もなかった」と、激しい議論には及ばず、一応の理解を得られた形で収束した。
「オレは燃えてきた。徹底的にやるよ」楽天・三木谷オーナーは帰りの車に乗り込むと宣言した。プロ野球オーナー会議では2重保有が違反にならない183条のただし書きの適用を訴えた。「1番重要なのは、公正な試合。八百長はしない、変なトレードはしないということ」と言い、不正防止のための宣誓書にサインすることを提案した。
実行委員会では協約違反だとして1対11の四面楚歌で終わったが、オーナーとして言われっ放しで済まさなかった。「ニッポン放送はヤクルトに、フジテレビは横浜に役員を派遣している。私共は(TBS株を)19%保有しているだけ。おかしいことは他にもある。楽天の問題だけをセンセーショナルに議論するのはいかがなものか」と主張した。
巨人・滝鼻オーナーから「横浜を売るとだれかに言ったか」と巨人・渡辺会長が明かした問題点を指摘されると「どこどこに売却すると言ったことはない」と答え、その“疑惑”を他球団から攻撃された。最終的には議長のオリックス・宮内オーナーが擁護する形で、継続審議となった。
「何となく野球が人質にされてるようなイメージがする」と親会社の問題を会議に持ち込もうとする横浜の動きをけん制。「結論は時期尚早。できるだけ早く、親会社同士の話し合いがつけばいい」とTBS経営陣にプレッシャーをかけた。
「敵前逃亡はしない。球界の危機に立ち上げた球団だし、東北も盛り上がっている。責任ある対応をする」とあらためて球団オーナー職の辞任を否定。1年前のオーナー会議では、新規参入が承認されるのを場外で待っていた。議場の中に入ったからには本業と同じく、1歩も引かずに主張を繰り返していく。
横浜の若林貴世志オーナー(63)=TBS副社長=は、結論が見送られた楽天問題に「(TBS株が)買われた時点で結論を出さないとおかしくなる」と不快感をあらわにした。
口調は淡々としていたが、言葉には怒りが込められていた。楽天によるTBS株大量取得で巻き込まれた野球協約の違反騒動。横浜サイドは1日でも早い解決を望んでいた。しかし、結論は先送り。具体的な今後の会議日程など、先の予定も不透明。それでも「(楽天側が)183条に違反していると私は言い続ける。スポーツ精神のもとで参加しているのだから、183条のもとで議論してよかった」。さらに「野球協約を“殺す”のかと言いたい」と野球協約の順守を強調し、引き続き球団保有していく構えを見せた。
会議では、横浜サイドが受け身になることはなかった。その一方で「楽天側にダメージがあった。(三木谷オーナーは)色々主張していましたけど(他球団のオーナーに)やられていた。そういう雰囲気でした」と“敵”を分析。結論は出なかったが、他球団の後押しと、今後の手応えを感じているようだった。
野村楽天は反ボビー野球!来季から楽天監督となるシダックスの野村克也GM兼監督(70)が4日、東京・神宮室内での練習後、今季圧倒的な強さで日本一に輝いたロッテ・バレンタイン監督の指導法に言及。選手をノセるボビー野球とは逆の方法で、チーム再建に乗り出す決意を示した。
今更やり方を変えるつもりはない。プロ監督として通算1309勝を積み重ねたプライドがある。「オレはほめない。照れ屋だし、恥ずかしがり屋だからね。『素晴らしいねえ!』は長嶋さんだから似合うんだ。オベンチャラを言うのは続かない」。野村監督は今季38勝97敗と惨敗に終わった楽天ナインの意識改革について、厳しいノムラ流を貫く姿勢を語った。
今季のロッテは、バレンタイン監督が失敗をとがめず、気分よくプレーさせることで日本一に輝いた。それにも「弱いチームが強いチームと同じことをやっては追いつけない」とキッパリ。攻撃、走塁、盗塁から各守備の技術に至るまで、緻密でミスを許さないノムラ野球を徹底させる構えだ。
苦い思い出がある。阪神監督時代、選手の自主性を重んじたところ、チームの統率が乱れ今岡ら主力選手との確執も表面化。3年連続最下位の屈辱を味わった。「阪神はファンやマスコミに甘やかされている。だから怒るとスネちゃうんだ」。ヤクルト監督時代は古田、池山らを厳しく叱咤しながら育成した実績がある。怒りは、期待の表れ。杜の都に名将の怒号が響くたび、楽天は確実に強くなる。
来季から楽天の指揮を執る野村監督が“GM”兼任に意欲を見せた。既に高校生ドラフトが終了し、18日の大学・社会人ドラフトでは日産自動車の梵の1巡目指名を内定しているが「梵?大学出て3年目やろ。何で今頃獲りにいくんや。いい選手は大学から光ってるもんやけどな」と苦笑。「野手は何とでもなるが、プロで働くピッチャーはほとんどが天性。それに投手は100%勝負に絡んでくる。そう考えるとやっぱり投手を獲らないかん」。その上で「今年は編成に手を付けるにはもう手遅れ。(球団の)言いなり」と来季からは自ら“GM”としてチーム編成にかかわる強い意向を示した。
野村監督が“反ボビー流”をあらためて打ち出した。選手を褒め、乗せることで日本一に輝いたバレンタイン采配を「今の時代に合っているんだろう」と評した上で「オレは昔気質で反骨精神の塊。だから選手を絶対に褒めないし、けなす方。まあ楽天でも(選手からの)反発はあるだろうが、ヤクルトでも古田なんかはいち早くこの性格を察知してくれたからな」と時代への迎合を否定していた。
05年ベストナインが発表された。パはロッテから日本シリーズMVPの今江敏晃三塁手ら4選手が選ばれ、堀幸一二塁手は最も遅い18年目で初受賞。セは阪神から打点王の今岡誠三塁手ら4人、広島から最多勝の黒田博樹投手と本塁打王の新井貴浩一塁手が初めて選ばれた。オリックスは阪急時代を含めて39年ぶり、巨人は12年ぶりに受賞者が出なかった。
今季のイースタン、ウエスタン両リーグの表彰が4日、札幌ドームで行われ、日刊スポーツ選定「努力賞」はロッテ竹原直隆(25)阪神赤松真人(23)両外野手が受賞した。竹原はイースタンの最多本塁打(23本)、赤松はウエスタンの首位打者(3割6分3厘)最多盗塁(29盗塁)最高出塁率(4割4分4厘)のタイトルを獲得。共に今後の活躍が期待される新人で、賞状と副賞として大塚ベバレジからクリスタルガイザー6ヶ月分が贈られた。
去就問題で揺れるロッテのボビー・バレンタイン監督(55)は4日、新たなコメントを避けた。この日、札幌市内で「私はまだオファーを受けていない。(一部の)新聞に書かれていた(金銭的な)ことは本当じゃない」と話した。だが、この日はそれだけ。「代表や代行との話し合いの内容?それは今、言うべき時じゃない。事態の推移を見守ろう」と話すにとどまった。
楽天監督に就任するシダックス野村克也GM兼監督(70)が4日、「野村流」指導法を貫くことを宣言した。ロッテを31年ぶりに日本一に導いたバレンタイン監督の采配が注目されるが「選手を褒めたことがない。それで反骨心をあおる。褒めるのは長嶋。私は長嶋にはなれない」と新天地でも厳しい姿勢で選手と接していく構えを示した。戦術面でも「ロッテと同じことをやっていたらいつまでも勝てない。弱いなりの戦い方がある」と打倒ライバルに自信をみせた。
プロ野球オーナー会議が4日、札幌市内のホテルで行われ、楽天が横浜の親会社TBSの筆頭株主になり野球協約違反が指摘されている問題を協議したが、結論は出さずに継続審議とした。
会議の議長を務めるオリックス宮内義彦オーナーは会見で「協約に抵触の疑いが強いという意見が多かったが、次回のオーナー会議まで(楽天とTBS統合問題の)推移を拝見させていただき、その結果によって次のステップに進みたい」と話した。
また、「村上ファンド」が阪神電鉄の筆頭株主となり、阪神タイガースの球団株上場を求めている問題に関しては、否定的な意見が大勢を占めたが、こちらも上場禁止などの決議までは踏み込まなかった。
楽天が横浜の親会社であるTBSの筆頭株主になり、野球協約183条(他球団の株式所有)の違反を指摘される問題で、三木谷浩史オーナー(40)が反撃に出た。4日、札幌市内のホテルで行われたオーナー会議で、楽天本社と球団は別法人と強調。「本社同士の話なのに、野球が人質にされている感じ」などと持論を展開し、2重支配を否定した。一方でフジテレビとニッポン放送の問題にも矛先を向けた。会議では宮内議長が楽天とTBSの経営統合の推移を見守る「議長裁定」の助け舟で決議に至らなかった。10月21日の実行委員会で11球団が協約違反で一致していた楽天問題はひとまず、「先送り」された。
実行委員会で11球団から「違反」と指摘された三木谷オーナーが反撃した。球界全体の逆風を感じながら、TBS株買い占め問題が中心となった4時間に及ぶ議論の「主役」として、主張し続けた。
協約に抵触する可能性は認めている。だがフジテレビがヤクルト、ニッポン放送が横浜の球団株を所有している前例がある。TBSを親会社とする横浜との球団2重保有問題について、楽天だけが「悪者扱い」されることに異を唱えた。
議論は平行線のままだったが、三木谷オーナーの主張は一貫していた。席上で用意していた資料を配布。横浜・ヤクルト問題のほか、村上ファンドのオリックス・阪神問題など、考えられる球界の問題点を図解にし、視覚的にも訴えた。
183条の見解については「公正な試合、八百長をしないためにある。ただし書きも、利害関係がなければ成立すると思っている。八百長をしない誓約書は自分で提案しました。すっと流されましたが」。仮に球団2重保有とされた場合も、他球団への支配は一切及ぼさない。最低限の約束事として誓約書の作成を提案したが、先送りにされた。
TBS問題は長期化の様相だ。にもかかわらず、楽天と横浜の2重保有問題に焦点が当たっている事態に「何となく野球を人質にされているイメージがある」と例えた。
さらに「1番重要なのは変な試合をしない。変なトレードをしないこと」と強調。球団オーナー職の辞任についての質問も出たが「敵前逃亡になる。楽天は球界が危機の時に立ち上げた球団で、地元の東北も盛り上がってくれている。責任ある対応をとらなければ」と、さらに意を強くした。
約1年前の11月2日、球界再編で新規参入を果たした。何もないところからスタートした球団は昨年以上の苦境に立たされている。オーナー会議には1人しか出席できないが、島田社長や米田代表など球団関係者8人で札幌に乗り込む総力戦だった。オリックス宮内オーナーの「議長裁定」が飛び出し、TBSとの経営統合問題の推移を見ることで、10球団による逆風はひとまずしのいだ。楽天はこの難題をどう解決するのか。三木谷オーナーの手腕が問われる。
横浜若林オーナーは会議後、不満をあらわにした。「TBSと楽天、親会社の推移をもう少し見守ってみよう、がこの日の結論。最後まで詰めきれなかった。野球界の一員としては、結論が先送りになるのは不満。(拡大解釈で)協約を殺すことになるか、と本当は言いたい。今の問題は今の協約で結論を出すのが筋」と語った。三木谷オーナーから謝罪があったかについては「ありません」と答えた。あらためて俎上に上ったニッポン放送所有の横浜球団株については「スポーツの公正を考えると、基本的に解消した方がいいんじゃないかという話になった。決定には従うつもり」とした。
また同オーナーから横浜市内の球団事務所で報告を受けた峰岸球団社長は、怒り心頭。「(楽天が)183条に違反しているかどうか、実行委員会でもきちんと出した結論が(オーナー会議で)出せなかったのは寂しい」と声を絞り出した。「協約を守ろうとしないなら最初からルールはいらない。(投手の)2段モーションだって守らなくていいことになる」と協約厳守の徹底を訴えていた。
楽天問題の余波が、フジテレビにも飛び火した。4日、札幌市内のホテルでオーナー会議(議長・オリックス宮内オーナー)が行われ、楽天の2球団支配の疑いなどが議論された。楽天三木谷オーナーは、フジテレビとニッポン放送の関係を持ち出すなどして「特例」を求めた。だが、これによって決着しかけていたフジテレビ問題も差し戻しとなった。楽天のM&A(企業合併、買収)によるTBSとの経営統合問題は推移を見守られるだけでなく、フジテレビにも対応を迫ることになった。また球団株の上場問題は、否定的な認識を確認するも、野球協約で禁止するなどの決議には至らなかった。
1度は決着しかけた問題が蒸し返された。宮内議長は会見で「フジテレビとニッポン放送の株式保有についても、それぞれ20%、約30%というのは相当に高い比率であって考えていただくことになった。根来コミッショナーが書面などで(フジサンケイグループに)お願いをする」と説明した。
横浜株を30.77%持つニッポン放送が、ヤクルト株を20%持つフジテレビの完全子会社となった。これも他球団の株式所有を禁じる協約183条に違反するという見方があり、7月のオーナー会議で議論された。その後、同コミッショナーがフジテレビを訪れ球団に関する考えを聞いたが、先方からは「現状を変えるつもりはない」と返答を受けた。両社ともに球団の筆頭株主ではないこともあり、コミッショナーは球団を支配しないという誓約書の提出、球団に派遣する役員の引き揚げで収める考えだった。実行委員会では、その方法に異論は出なかった。
しかし、楽天は「フジテレビとニッポン放送が認められているのだから」という理由などを挙げ、楽天とTBSのケースも認めるよう主張。親会社を含めた株式問題については、今後も様々なケースが出てくる可能性が高い。フジテレビとニッポン放送の件を認めては、前例として残り今後の対応に制約が出てくる。そのため解決寸前で差し戻し。巨人滝鼻オーナーは「フジサンケイグループはNPB外の人ですから。強制的にどうしろとは言いづらい。だが183条に照らして善処するように要望する。どちらかに手放してくれということなんでしょう」と説明した。
楽天とTBSについては、協約違反という意見が多数を占めた。中日白井オーナーは「協約も時代に即していないが、違反は明白。楽天が早急に改善すべき」、広島松田オーナーも「183条のただし書きを適応する以前の段階で株式を保有していることが違法と思っている」などと語った。実行委員会と同様に楽天が孤立しかけたが、宮内議長が助け船を出して継続審議になった。宮内議長は会見で「M&Aは3年も5年もかかるものではない。数ヶ月で相当の動きが出るのだから、推移を見てから次のステップに進もうとなった」と説明した。
ただ、フジテレビ問題を容認しなかったことからも、株の持ち合いについて厳格に臨む姿勢は明らか。次回オーナー会議は1月の予定だが、キャンプインまでには現状の解消が求められそうだ。
オリックス宮内義彦オーナー(70)が4日、球団株式の上場禁止案には猛反発した。阪神電鉄株を大量取得した村上ファンドが要求する阪神球団株上場問題は、オーナー会議でも反対意見が続出した。宮内オーナーは「阪神さんのことは阪神さんが決められること。上場しないとおっしゃっているのでできないでしょう」と見解を示した。しかし、「上場全面禁止」を新たに協約に盛り込もうとする阪神の提案には強く抵抗した。
「(株式上場は)新しいビジネスモデルを構築できる可能性もあり、一切、考えられないと言い切ってしまうのは尚早ではないか」とストップをかけた。中日白井オーナーは「宮内議長は株の上場禁止に激しく反対していた。三木谷さんは態度を明確にしたくないような印象を受けた」と、オリックスと楽天だけが阪神提案に賛成しなかったことを明かした。
オリックスが村上ファンドに出資していることで「間接支配」にあたるのではと指摘されたことについては「ファンドが資金をどう運用するかは完璧に秘密を保たなければならず、株主であっても全く分からない。(阪神電鉄株取得は)オリックスには関係ないこと」と強調した。
広島松田オーナーは、会議内で売却問題には触れなかった。説明をしたかという問いに「そういう機会はなかった。皆さん、売却はしませんということをご理解されている。(売却は)絶対にしません。できる限り、健全な形で球団が永遠に続くように頑張る」と語った。ライブドアとの接触については「相手先と会ったことは1回もない。連絡を頂いたこともない」とあらためて否定し「今後も会うつもりはない。誤解を生む可能性がある」と語った。
オーナー会議では、コミッショナーの諮問機関である有識者会議からの3つの提言も行われた。
で、宮内議長は「いずれもオーナー会議として注目している問題」と前向きに受け止めた。1については、選手会との折衝、年金問題など諸問題にも対処していくことになる。