プロ野球12球団選手が甲子園出場経験がある「甲子園」と、出場できなかった「熱闘」に分かれて対戦した「ベストプレーヤーマッチ2005」が5日、札幌ドームで行われ、甲子園未出場組が7−3で勝った。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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甲子園未出場組 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 7 |
甲子園出場組 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 3 |
守備 | 名前 | 打 | 得 | 安 | 点 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 | |||
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1 | 中 | 青木(ヤ=日向) | 5 | 1 | 1 | 0 | 三ゴ | 遊ゴ | 遊ゴ | 左二 | 遊ゴ | ||||||
2 | 遊 | 川ア(ソ=鹿児島工) | 5 | 0 | 1 | 0 | 遊ゴ | 二ゴ | 左安 | 二ゴ | 一ゴ | ||||||
3 | 一三一 | 新井(広=広島工) | 5 | 1 | 2 | 0 | 中安 | 遊安 | 三振 | 三ゴ | 三ゴ | ||||||
4 | 指 | 金本(神=広陵) | 1 | 0 | 1 | 0 | 右安 | ||||||||||
打指 | 松中(ソ=八代一) | 1 | 1 | 1 | 0 | 左安 | |||||||||||
打指 | 小笠原(日=暁星国際) | 3 | 0 | 1 | 1 | 右飛 | 右安 | 左飛 | |||||||||
5 | 左 | 清水(巨=浦和学院) | 4 | 0 | 2 | 0 | 右飛 | 右安 | 三邪 | 中安 | |||||||
打左 | 矢野(巨=国学院久我山) | 1 | 0 | 0 | 0 | 左飛 | |||||||||||
6 | 三一 | 木元(日=京都西) | 4 | 1 | 0 | 1 | 三邪 | 遊ゴ | 投ゴ | 右飛 | |||||||
三 | 土橋(ヤ=印旛) | 1 | 0 | 0 | 0 | 右飛 | |||||||||||
7 | 右 | 稲葉(日=中京) | 4 | 2 | 3 | 3 | 右二 | 右本 | 中安 | 遊飛 | |||||||
8 | 捕 | 相川(横=東京学館) | 3 | 0 | 1 | 0 | 三振 | 右安 | 中飛 | ||||||||
捕 | 日高(オ=九州国際大付) | 1 | 0 | 0 | 0 | 三邪 | |||||||||||
捕 | 里崎(ロ=鳴門工) | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||||||||
9 | 二 | 塀内(ロ=三瓶) | 4 | 1 | 2 | 2 | 右本 | 二安 | 二直 | 遊飛 | |||||||
計 | 42 | 7 | 15 | 7 |
守備 | 名前 | 打 | 得 | 安 | 点 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 | |||
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1 | 中 | 赤星(神=大府) | 5 | 0 | 3 | 1 | 三失 | 左安 | 遊ゴ | 左三 | 左安 | ||||||
2 | 二 | 荒木(中=熊本工) | 4 | 0 | 0 | 0 | 右邪 | 三ゴ | 三振 | 三振 | |||||||
打 | 平野(オ=桐蔭学園) | 1 | 0 | 0 | 1 | 二ゴ | |||||||||||
3 | 左 | 福留(中=PL学園) | 5 | 0 | 0 | 0 | 左飛 | 投ゴ | 左飛 | 一直 | 二ゴ | ||||||
4 | 指 | 佐伯(横=尽誠学園) | 3 | 0 | 1 | 0 | 投ゴ | 三振 | 中二 | ||||||||
打指 | 和田(西=県岐阜商) | 1 | 0 | 1 | 0 | 左安 | |||||||||||
5 | 三 | 今岡(神=PL学園) | 3 | 0 | 0 | 0 | 中飛 | 遊ゴ | 二ゴ | ||||||||
三 | 宮本(ヤ=PL学園) | 1 | 0 | 0 | 0 | 遊併 | |||||||||||
6 | 一 | 北川(オ=大宮東) | 4 | 0 | 1 | 0 | 三安 | 遊ゴ | 二ゴ | 二飛 | |||||||
7 | 右 | 礒部(楽=西条農) | 4 | 1 | 2 | 0 | 二ゴ | 右安 | |||||||||
8 | 捕 | 實松(日=佐賀学園) | 1 | 0 | 1 | 0 | 四球 | 右安 | |||||||||
捕 | 藤井(楽=近大付) | 1 | 0 | 0 | 0 | 中飛 | |||||||||||
捕 | 橋本(ロ=宇和島東) | 1 | 1 | 1 | 0 | 右二 | |||||||||||
9 | 遊 | 西岡(ロ=大阪桐蔭) | 3 | 1 | 1 | 1 | 捕邪 | 捕邪 | 左安 | 左犠 | |||||||
計 | 37 | 3 | 11 | 3 |
名前 | 回数 | 打者 | 球数 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
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三浦(横=高田商) | 1 | 4 | 16 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
斉藤(ソ=南京都) | 1 | 5 | 16 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
三井(西=足寄) | 1 | 4 | 15 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
福盛(楽=都城) | 1 | 5 | 8 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
菊地原(オ=相武台) | 1 | 3 | 13 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
江尻(日=仙台二) | 1 | 4 | 13 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
林(巨=市船橋) | 1 | 5 | 12 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 |
永川(広=新庄) | 1 | 3 | 7 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
小林雅(ロ=都留) | 1 | 6 | 14 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
名前 | 回数 | 打者 | 球数 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
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ダルビッシュ(日=東北) | 2 | 10 | 22 | 4 | 1 | 0 | 0 | 2 | 2 |
朝倉(中=東邦) | 1 | 9 | 20 | 6 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 |
坂元(ヤ=浦和学院) | 1 | 4 | 11 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
久保(ロ=関大一) | 1 | 4 | 10 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
真田(巨=姫路工) | 1 | 6 | 19 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
高橋聡(中=高岡一) | 1 | 3 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
一場(楽=桐生一) | 1 | 3 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
藤川(神=高知商) | 1 | 3 | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
プロ野球12球団選手が甲子園出場経験がある「甲子園」と、出場できなかった「熱闘」に分かれて対戦した『ベストプレーヤーマッチ2005』が5日、札幌ドームで行われ、甲子園未出場組が7−3で勝った。
稲葉(日本ハム)が本拠地で大活躍。2回にチームメートのダルビッシュから右中間フェンス直撃の二塁打、3回には特大3ランなど3安打3打点。「ダルビッシュには試合前に“真っすぐをお願いします”と頼んでおいた。キレイなまっすぐを投げてくれた。ホームランはうまく打てました。自画自賛です」。MVP級の働きに笑顔をみせていた。
本拠地での先発となったダルビッシュ(日本ハム)は2回で4安打を浴び2失点。チームメートの稲葉には直球勝負を挑んだが、二塁打された。9月18日以来となる地元マウンドに「力の差です。楽しく投げさせてもらいました」。今季は5勝(5敗)にとどまったルーキー。「オフは色々とやろうと思っています」と2年目の進化を誓っていた。
セの新人王、青木(ヤクルト)は6回の第4打席で左中間二塁打。「何とか1本打ててよかったです」とシーズン202安打の実力を証明してホッ。ベンチではシーズン中からバットを交換する仲、同い年で九州出身のソフトバンク・川崎と談笑。6日午後に松山入りし、秋季キャンプに合流する。
パ・リーグ東西対抗に続き、一場(楽天)が8回に登板。シーズンは終わっているが、140キロ台の直球をコンスタントにマークし、明大−早大の六大学野球でも対戦したヤクルト・青木の遊ゴロをはじめ、3人完全で抑えた。「青木サンから“お前、(球が)速くなったな”といわれましたよ」と1学年上の“先輩斬り”にニンマリだった。
伏兵・塀内(ロッテ)がスター揃いのなかで観衆のド肝を抜いた。2回2死二塁の場面で右翼席に先制2ラン。公式戦でもなかった“今季1号”に「たまたま。何のプレッシャーもなかったので…」と照れ笑い。故障の小坂に代わっての出場で結果を出し、バレンタイン監督も満足顔だった。10日開幕のアジアシリーズでも、今季出場15試合の24歳がカギを握りそうだ。
松坂(西武)はコンディションが万全ではなかったため、試合には出場しなかったが、同期の杉内(ソフトバンク)と共にランナーコーチを務めた。「ジャンケンで負けた方が(ベンチから遠い)三塁コーチをやりました。点が入ったし、仕事はしましたよ。見ている人が楽しんでくれたならよかった」。新企画となった今回の試合に満足そうだった。
ボビー・チルドレンの勢いが止まらない。甲子園見出場組の9番で出場した伏兵、ロッテ塀内が見事なアーチをかけた。故障中の小坂の代替出場だったが、2回2死二塁で“元超有名高校球児”ダルビッシュから、右翼席へ先制2ラン。「振ったらたまたま当たりました。(バレンタイン監督も見ていたし)打てて良かったです」と喜んだ。
愛媛・三瓶高から99年ドラフト4位で入団。推定年俸はこの日の出場選手中最低の550万円だ。「そういうの、最近ずっと思ってるんです」と自虐的なコメントで笑わせたが、この活躍で大舞台出場の可能性もさらに高くなった。現在、二塁堀が腰を治療中。バレンタイン監督は「塀内は振れていたね。でも彼が良い打者というのは知ってるから。アジアシリーズで使うことも前から考えていたよ」と明言した。塀内も「準備だけはして、しっかり頑張ります」とアジア王者へ向けて活躍を誓っていた。
ロッテ勢は、甲子園出場組の「9番・遊撃」として出場した西岡も、3打数1安打&犠飛と活躍した。本来は遊撃の宮本(ヤクルト)が三塁へ入り、西岡と三遊間を組む場面もあった。「宮本さんとか、二塁荒木さん(中日)みたいなすごい選手に囲まれて、出られるのは光栄。良い勉強になるし、次の試合にもつながる」とアジアシリーズ制覇へも意欲を見せていた。
ロッテ・バレンタイン監督が、7日の合同トライアウトを視察する。5日、ベストプレーヤー戦後に「具体的に取ろうという選手はまだいない。だが支配下登録選手に空きがあるし、見てみたい」と話した。昨年同様、補強面でも精力的に動き回るつもりだ。
去就が注目されるロッテのバレンタイン監督が7日に行われるトライアウト(鎌ケ谷)を自ら視察することになった。「登録に空きがあるし、来季の戦力となるか見ておきたい」。あくまでロッテ残留を基本線にしているが、メジャー3球団が依然、獲得に前向き。契約延長を待たずに、来季に向けた戦力整備に着手することになる。
メジャー3球団から次期監督候補として挙げられ、来季の去就が注目されているロッテのバレンタイン監督が、早ければ8日にも都内で重光昭夫オーナー代行と契約交渉を行うことが5日、分かった。
重光オーナー代行は韓国出張から8日に帰国予定で、バレンタイン監督は「1週間以内にオーナー代行、瀬戸山代表とミーティングを行う。帰国後、会えると嬉しい」と話し、10日開幕のアジアシリーズ(東京ドーム)を前にした8、9日に交渉を行うことが濃厚だ。4日のオーナー会議に出席した重光オーナー代行は既に打診した3年総額12億円といわれる条件を見直すことを示唆している。
日本プロ野球組織(NPB)の根来泰周コミッショナー(73)はオーナー会議から一夜明けた5日、札幌ドームであらためて野球協約改定への意欲を示した。今月10日の実行委員会をメドに、12球団の担当者や専門家で組織する協約改定小委員会を発足させたい意向。1年以内に新協約をまとめあげる構えの根来コミッショナーは「早くしないと時間がない」と話した。
また前日4日のオーナー会議の感想として「当事者が議長を務めるには無理がある」と話した。現在の議長はオリックス・宮内オーナーで、前日は自身も球団経営権の問題にかかわっていた。
「時代は変わり、オーナー同士が激しい議論を交わす場となった。議長の発言は影響力があるし、一方で議長本人も意見を言いづらい」。昨年の球界再編の際、野球協約22条に「議事整理をコミッショナーに委任できる」との条文を追加したが「外の人間が議長を務めることも必要だろう」と改善策を検討していた。
根来泰周コミッショナー(73)が、オーナー会議の進行方法を変える必要性に言及した。5日、ベストプレーヤーマッチが行われた札幌ドームで、前日4日の会議を振り返った。
現在は野球協約22条の3に定められた通り、オーナーの中から1名を議長として議事を整理しており、今年はオリックス宮内オーナーが務めている。だが、問題の多様化を理由に「利害関係のない第3者が議長を務めるべき」と私見を述べた。また、発足が決まった野球協約の改訂委員会は年内にも動きだしたい考えも示した。
根来コミッショナーは「以前はよかったかもしれないが、様々な業種が入ってきた今は、価値観の異なる企業が意見を戦わせなければいけない。議長は利害関係のない別の人を置くべきではないかと思う」と私見を述べた。前日の会議でも各オーナーから様々な意見が出る中で「宮内さんも議長では、自分の意見が言いにくかったように思った」と振り返った。同コミッショナーは、これまでの野球界は「協調社会」で、今後は「競争社会」になるという持論を持つ。利害を議論する上で、1人のオーナーが議長役を務めることに無理が出てきたという訳だ。
それほど前日の議論は白熱した。楽天の2球団支配だけでなく、解決間近だったヤクルト株を持つフジテレビと横浜株を持つニッポン放送との関係も蒸し返された。さらに球団株の上場問題…。諸問題はプロ野球界の中だけで収まらなくなってきた。根来コミッショナーは「昨年の球団合併を契機としてプロ野球は社会性を帯びてきた。いい面もあるが、難しい面も多い」と語った。決議機関や方法も含め、全てを検討して見直す必要が出てきたことは間違いない。
野球協約の改正は、オーナー会議で承認された改訂委員会を発足させる。10日の実行委員会でメンバーを人選する予定で、同コミッショナーは「できるだけ早く動きだしたい」と年内の活動開始を希望した。今起きている株問題にとどまらず、球界のあり方について広く議論していく必要がありそうだ。
プロ野球の根来泰周コミッショナー(73)が激論のオーナー会議から一夜明けた5日、札幌ドーム内で「球団と利害関係がない第3者が会議の議長を務めるべき」との考えを示した。
オーナー会議は株の持ち合い問題で紛糾した。オリックス本社が村上ファンドの投資顧問会社・MACアセットマネジメントの株式を45%保有。村上ファンドが阪神電鉄の株の約4割を持っていることで、間接支配を禁じた野球協約に抵触していると指摘された。
オリックスの宮内オーナーは会議の議長を務めながら、当事者として事情を説明したが、議事進行に不満を訴える声も多かった。根来コミッショナーは「宮内さんはかえって気の毒だった。利害関係がある人が会議に入ると、十分にものが言えない」と振り返り、中立の立場の人間が議長を務めることの必要性を説いた。プロ野球有識者会議からはコミッショナー職の権限強化も報告され、協約改定と共にオーナー会議の形式も変わってきそうだ。
その日、彼が解放されたのは午前3時30分過ぎだった。今江敏晃内野手(22)。8打席連続安打の日本シリーズ新記録もあり、MVPに選ばれた若武者は日本一を決めた夜、マスコミから引っ張りだこになった。
共同記者会見、テレビ、ラジオ各局の特番、スポーツ雑誌の取材。ビールかけの後から深夜まで20件のインタビューが彼を待っていた。仲間達はすでに祝勝会のため、神戸の街へと繰り出していた。疲れもあったはず。しかし、彼は取材を一切、断らず、最後まで丹念にこなした。
結局は仕事を全て終えた時には、もう街での宴は解散。MVP男のみが仲間達と喜びを分かち合えないという悲しい結果になった。が、当の本人は意外にもケロッとした表情を見せていた。
「インタビューが多いのは光栄ですよ。全く注目されなかったボクにとっては、すごく嬉しい。新聞に自分の名前が大きく載っていると本当に嬉しくなるし、本当に自分のことかなあとも思う。有名な雑誌に載るのが憧れだった」。ゴリラに似ているということから『ゴリ』の愛称で親しまれる今江は独特の人懐っこい笑顔を見せ、そう口にした。
マスコミ嫌いと言われる選手がプロスポーツ界に多くなっている今日、いつまでもこの初心を忘れないで欲しいと思う。もちろん、過剰な報道に閉口することもあるだろう。マナーを心がけない一部の報道関係者には腹が立つこともあるだろう。しかし、プロ選手は報道されてこそ輝くのも事実だ。今江なら、どんなに活躍してもマスコミとの良い関係を築ける素質を持っていると思う。
日本一の夜、待ち構えていた取材攻勢に彼が示した姿勢は、まさにその証拠で、MVP選手に相応しいものだったと私は誇りに思っている。結局、次の日は朝7時からテレビの朝番組を2本、1時間にわたって生出演。一睡もせずに帰りの新幹線に乗り込んだ。
そんな濃密な時間を過ごした今江が日本一の喜びをかみ締めた瞬間。それは新幹線が名古屋を過ぎ、車窓に大きな山が姿を現した時だった。「なぜかちょうど富士山が見え出した時に自然と目が覚めました。日本一の山がボクらに『おめでとう』と祝福してくれているように感じて涙が出そうになった」。
帽子のツバの裏には油性フェルトペンで『頂点』とハッキリとした文字で書かれている。中学時代から好んで使っている言葉だ。まさに1つの山の頂点に上り詰めた。そして、もっともっと高い山を探し始めている。(広報・梶原紀章)