わたしはかもめ2005年鴎の便り(12月)

便

12月29日

8つの失敗、小林雅

日本一の守護神が、8つの救援失敗で年俸アップを逃した。29日、ロッテ小林雅英投手(31)が千葉マリンで契約更改を行い、現状維持の2億3000万円を保留した。今季は史上最速で150セーブを挙げるなど29セーブで初のセーブ王を獲得。3度の胴上げ投手になり、31年ぶりの日本一の原動力になった。大幅アップも期待されたが、希望額とは3000万円ほどの開きとみられ、入団1年目以来の保留。「年を取ると野球をやる年数が少なくなる。時間をかけても気持ちよくサインしたい」と、初の越年が決定した。

瀬戸山球団代表は「彼の額から考えると、失敗が8つあるし、査定そのものはダウンになる」と話す。5月6日の横浜戦でサヨナラ負け、8月18日の西武戦では延長12回にサヨナラ本塁打を浴びた。リーグ優勝が懸かったプレーオフ3戦では、9回に4点を奪われて同点に追い付かれたが、瀬戸山球団代表は「プレーオフはマイナス査定にほとんど入っていない」と説明した。

希望額との開きを埋めるために、球団側は出来高も提案。だが小林雅は、項目が浮かばないと拒否した。セーブ数は、優勝しても試合展開によって増減があり、成功率については「守っている選手に変なプレッシャーがかかるから」と説明した。救援陣の評価については、それぞれ役割が別としながら「先発の方が数字が出るし、評価が分かりやすいのは分かる。何ホールドとか何セーブとかを目指す人はいない」と訴えた。

今季は優勝争いの中でストッパーの役割を果たした自負がある。「今までオリンピックとかでしか味わえなかったものを、自分のチームでプレッシャーを感じながらできたのはいい経験」と話す。来季に向け、1月4日からは自主トレも開始する予定。次回交渉は未定だが「譲れないものがある」と長期戦も覚悟した。

(1)初失敗
5月6日横浜戦
1点リードの9回裏無死一塁から登板し、四球、犠打後に村田に左前サヨナラ打を浴びる。
(2)延長11回
7月10日楽天戦
1点を勝ち越した直後の11回裏から登板し、2死三塁から吉岡に中前適時打を浴びる。結局4−4の引き分け。
(3)同点本塁打
7月18日日本ハム戦
2−1とリードした9回から登板。1死から小笠原に同点ホームらを浴びる。チームは延長11回に勝ち越し。
(4)2日連続
7月19日日本ハム戦
1点リードの9回に稲葉に同点ホームランを浴びる。チームは10回に勝ち越し、勝ち投手になる。
(5)2失点
8月9日日本ハム戦
2点リードの9回から登板。1点失った直後の2死一塁から代打小田に同点打を浴びる。チームも延長12回4−6で敗戦した。
(6)サヨナラ弾
8月18日西武戦
4−4の延長12回から登板し、先頭打者の代打フェルナンデスに右越えサヨナラ本塁打を浴びる。
(7)途中降板
9月20日ソフトバンク戦
2点リードの9回から登板し、1死一、二塁から本間に中前適時打を浴びて1失点。直後に降板し薮田に交代した。
(8)プレーオフ
10月15日プレーオフ第3戦
ソフトバンク戦。4−0で迎えた9回から登板。5安打と押し出し四球で同点に追い付かれた。
小林雅のコメント
「サインしませんでした。差はそんなにないけれど…。インセンティブでその差を埋めようという話しになったのですが、セーブ数ではチーム状況で変わってしまうし、成功率も守っている人達に変にプレッシャーを与えてしまうことになるので合意しませんでした。抑えのインセンティブは難しいということです。そんなに大きなアップを求めている訳ではないのですが…。保留は1年目に契約の内容を確認するために保留したことがありますが、金額で保留するのは初めてですね。今年は7年間のプロ生活でチャンピオンになった最高のシーズンでした。でも、個人的には失敗しているので100点は付けられないですね。それにチームもシーズンは2位だったので、来年は1位で通過してマリンで胴上げをしたいです。プレーオフの第3戦では4点差を追いつかれましたが、今考えるといい経験。それが第5戦、日本シリーズのパフォーマンスにつながりました。来年にもそれが生きると思います。」

◇諸積は現状維持で白旗

3度目の契約更改交渉に臨んだが、前回提示から400万円増となる現状維持の2700万円でサインした。今季は87試合に出場し、主に守備固めをこなした。年俸アップを希望したが「これ以上ごねるとすぐにクビになるかもしれないから」と白旗。「来年はスーパーサブとしてやれること信じてハンを押した」と話した。来季3年契約の2年目となる福浦も、1億8000万円プラス出来高で契約を更改した。

諸積のコメント
「サインしました。現状維持まで上積みしてもらいました。評価はしてもらっていたのですが、金額に反映されていなかったので…。自分的にはアップもと思っていたのですが、サインしちゃいました。正直疲れました…。来シーズン、スーパーサブとして、しっかり評価してくれると言うことなので、それを信じたいと思います。(フーッとため息をついて)今の気持ちはこんな感じです。」

◇いい1年でした

千葉市内の球団事務所で仕事納め。冒頭で瀬戸山球団代表がスピーチ。「6冠でチームの成績は良かったし、赤字も30億円を切ることができた素晴らしい1年だった。来年は選手の年俸も上がるので、ますます売り上げを上げてもらいたい。新しい企画も考えていく」と話し、笑顔で1年を締めくくった。

◇豪キャンプ日程を発表

ロッテは29日、来年2月に行うオーストラリアキャンプの日程を発表した。1月28日に日本を出発し、2月14日までジーロングに滞在。13、14日にはオーストラリア選抜チームとの交流試合を予定している。15日にメルボルンから第2次キャンプ地となる鹿児島にチャーター機で移動する。

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初芝監督「采配ミス」

今季限りで現役を引退したロッテの初芝監督は、接戦の末でのサヨナラ負けに「監督の采配ミスですね」と苦笑いを浮かべた。予選2試合、準決勝と圧倒的な力で勝ちあがった。決勝でもスクイズや内野の併殺プレーなど、きっちりした野球を披露。交流戦、リーグ、日本一、アジア一などタイトルを総なめにした兄貴分に続き、ジュニア部門までの完全制覇はならなかった。

◇NPB12球団ジュニアトーナメント決勝(福岡ドーム)

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日本一ロッテが仕事納め[ニッカン]

31年ぶりの日本一となったロッテは29日で業務を終了した。瀬戸山球団代表は職員に対し、「素晴らしい1年だった。来年はビッグチェンジの年。V2を目指して頑張りましょう」と挨拶した。

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小林雅現状維持、甘くないロッテ[報知]

日本一に輝いたロッテが、今年最後の契約更改で厳しさと優しさの両面を見せ、2005年を締めくくった。ロッテのストッパー・小林雅英投手(31)と諸積兼司外野手(36)が29日、千葉マリンで契約更改交渉。今季年俸2億3000万円で最多セーブ(29セーブ)の初タイトルを獲得して日本一に貢献した小林雅は、まさかの現状維持提示を保留。一方、3度目の交渉に臨んだ諸積は切実な訴えが実り、当初の20%減提示から巻き返して現状維持でサイン。悲喜こもごもの?マークのついた仕事納めとなった。

ショックの色をにじませながら、小林雅は交渉の席を立った。初交渉は完全決裂。「去年は現状維持でサインしてますし、今年は譲れないラインがある」提示は2億3000万円の現状維持。希望額は2億6000万円以上とみられ、その差は3000万円を超えた。

今季は46試合に登板して29セーブ、防御率2.58。最多セーブの初タイトルも獲得した。大幅増を目指していたが、提示はアップどころか現状維持。7年ぶりの保留となった小林雅は「大きな金額を求めている訳ではないんですが…」と苦悩の表情を浮かべながら、首をかしげた。

20セーブ、防御率3.90と低調だった昨季は現状維持で更改。今季は昨年の成績を大きく上回り、優勝も勝ち取った。全ての面で上積みが見込めただけに、昨年同様の現状維持提示は理解できなかった。

疑問符を投げかける守護神に、球団はシビアな説明を繰り返した。「査定はダウン。優勝や選手会長であることを考慮して、現状維持になった」と瀬戸山球団代表。「今年は救援失敗が8回もある。昨年は(数字が悪いとはいえ)アテネ五輪にも出場しながら51試合に登板してくれた」と今季の安定感の欠如と昨年の目に見えない活躍とを合わせると、2年連続の現状維持は妥当との見解を示した。

球団は出来高での妥協案を出したが、ストッパー歴6年の右腕はこれを拒否。「抑えは特殊なポジションで(出来高に)見合った項目がない。セーブ数、登板数は(展開によって)流動的だし、成功率を項目にしたら守備の人にプレッシャーがかかる」と話した。

「(自費での)海外キャンプはお金がかかるので、考えないといけない」と同僚の藤田同様、鹿児島2軍キャンプ合流も視野に入れている小林雅。ロッテの越年者は6人。日本一軍団の“銭闘”は2006年も続く。

◇甘〜いロッテ、諸積、20%減から巻き返した

驚異の粘りが奇跡を起こした。3度目の交渉に臨んだ諸積は、2700万円で更改。「サインしてしまいました…」と表情は暗かったが、初回交渉の20%減から現状維持まで巻き返した。

球団の反応は速やかだった。今季は主に守備固めとして87試合に出場。「(3度目の交渉で)精神的にきつくなってきました。酒の量が増えて、家族に迷惑がかかる」とふさぎ込む諸積に対して、球団は数字に表れない貢献度を再検討し、思い切って現状維持を提示した。

瀬戸山代表は「小林雅と比べたら、額が小さいからね」と説明。当初はアップを狙っていた諸積は「立場上、これ以上ゴネると、すぐクビになるから…」と最後まで自虐的だったが、20%減俸からの現状維持復帰は、ロッテの契約更改で最大のミラクルだった。

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小林雅ア然…31年ぶり日本一&セーブ王獲得も“ゼロ回答”[サンスポ]

日本一の守護神があ然、ぼう然…。ロッテ・小林雅英投手(31)が29日、千葉マリンスタジアム内で契約更改交渉に臨み、現状維持の2億3000万円を保留した。今季は初めてセーブ王に輝き、チームは31年ぶりの日本一。選手会長としてチームをまとめた。それでも“ゼロ回答”。希望額とは、少なくとも3000万円以上の開きがあるとみられ、今後も“乱戦”は必至の情勢だ。

その表情はこわばっていた。怒りを完全に通り越してあきれモード。小林雅がため息をついた。

小林雅のコメント
「希望とは、まだ開きがある。何もにも莫大な金額を求めている訳ではない。何回(交渉を)やっても妥協はしません。」

日本一+タイトル獲得+選手会長−セーブ失敗=現状維持。予想もしない回答だった。抑えとして29セーブをあげ、自身初のタイトル獲得。31年ぶりの日本一に貢献し、リーグ優勝でも日本シリーズでも、最後にマウンドに立っていた。数字には表れないが、選手会長としてチームを1つにまとめあげた。

はたから見れば、日本一の大功労者。しかし、球団の評価は違った。「査定そのものはダウン。リードを守れなかった試合が8度あった」とは瀬戸山球団代表。シーズン中の査定ポイントは、昨年を下回っていたという。

プレーオフ第2ステージ(対ソフトバンク)の第3戦で9回に4点差を逆転されたが、ポストシーズンは基本的にプラス換算。この試合が大きなダウンポイントになった訳ではない。ただ、このような“セーブ失敗”が、シーズン中に多かった。“優勝手当て”などが加わって現状維持。これが球団の言い分だ。

溝を埋めるため、球団はインセンティブ(出来高制)を提案。しかし、小林雅は納得しない。「37セーブで最下位の年もあった。チームの状況によって変わってくる」。数字を設定しにくいという理由で拒否した。

入団以来、初めての越年。「ゆっくり時間をかけたい。そういう年があってもいいと思う」。その声はかすかに震えていた。次回交渉は未定。打者を抑える小林雅vsその守護神の年俸を抑える球団。長期化は避けられそうにない。

◇V2目指して頑張りましょう…仕事納めで瀬戸山球団代表

31年ぶりの日本一と初代アジア王者に輝いた今季の仕事納め。チームの快進撃とともに約39億円あった球団赤字は10億円近く削減された。瀬戸山球団代表は「素晴らしい1年だった。V2目指して頑張りましょう」と挨拶。ただ「さらに営業の売り上げをあげていかなければ」と気を引き締めるのも忘れなかった。

◇豪州キャンプ

ロッテの豪州春季キャンプの概要が発表された。1月28日にメルボルンへ出発し、キャンプ地のジーロングで2月1日から14日まで行い、豪州選抜チームとの交流試合も行う予定。15日に帰国し、2次キャンプ地の鹿児島に入る。

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小林雅、ダウン査定にガックリ越年[スポニチ]

ロッテの守護神・小林雅英投手(31)が29日、千葉マリンで契約更改交渉に臨み、現状維持の2億3000万円の提示を保留した。今季は29セーブを挙げプロ7年目で「最多セーブ」を初めて獲得。ただ球団側は、日本一&タイトル料は8度の救援失敗によるマイナス査定で“相殺”されると説明している。希望額とは3000万円の差があり、初の越年も決定した。

31年ぶりの日本一を締めたマウンドとは対照的に、小林雅の表情は険しかった。「サインしていません。お互いにもう1度考えようということになりました。僕としては大きな金額を求めている訳ではないけれど…」。

プロ7年目にして初の「最多セーブ」を獲得。さらに選手会長としてナインを引っ張り、ブルペンでは全試合スタンバイした。それが希望を下回る現状維持の提示。瀬戸山球団代表は「トータルではダウン査定だった。ベースが大きいので期待しているものが大きい。日本一、アジア制覇などのご祝儀を含めて現状維持」と大幅昇給が相次ぐチームの中で、あえて厳しい査定となった背景を説明した。

マイナス材料となったのは8度の救援失敗。ソフトバンクとのプレーオフ第2ステージ第3戦でも9回、4点リードを守り切れなかった。「対象はシーズン中だけ。あの試合は査定に含まれていない」(球団関係者)と言うが、01年から3年連続で30セーブ以上を挙げた右腕としては、物足りない内容ではあった。

球団からは譲歩案として、セーブ数や救援成功数、投球回数を対象とした出来高契約を提示された。しかし、小林雅は「37セーブを挙げた02年でもタイトルは獲れなかった。チーム成績も最下位(5位)を争っていた。クローザーにインセンティブはそぐわない」と拒否し「(両者の差はベースとなる)金額で埋めてください」と瀬戸山代表にお願いした。

「譲れないラインはある。年明けにゆっくりやればいい。何回でも交渉の席へ足を運びたい」。ルーキー時代の99年オフ以来となる2度目の保留。そして初の越年に通算166セーブのプライドがにじみ出ていた。

◇諸積、粘って現状維持確保

3度目の交渉に臨んだ諸積が前回提示から400万円増となる2700万円の現状維持でサインした。それでもプロ12年目のベテランは「疲れました。1年でも長くプレーしたいのでこれ以上、ゴネるとクビになるかもしれないので…」と苦笑い。瀬戸山代表は「雨の日には、グラウンドでヘッドスライディングをしたり、ファンを楽しませてくれた」と“パフォーマンス代”も含まれていることを明かした。

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ロッテ、西武など4球団仕事納め[スポニチ]

31年ぶりの日本一に輝いたロッテは29日、千葉市内の球団事務所で仕事納めを行い、充実の1年を締めくくった。また、西武、オリックス、ソフトバンクも仕事納めとなった。

◇ロッテ、赤字削減の目標達成

瀬戸山球団代表が職員50人を前にスピーチを行った。今季は球団赤字の削減に成功。38億円の赤字から29億円となり、年頭に掲げた目標は達成した。「来年、選手の年俸は上がる。もっと営業を頑張って売り上げを伸ばさなくてはならない」と話し「チームは日本一になったが、フロントも日本一を目指そう」とV2へ力を込めた。

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