世間をにぎわせる駒大岩見沢OBがここにもいた。ロッテのルーキー古谷拓哉投手(24=日本通運)が21日、ゲーム形式のシート打撃に登板。プチ吹き荒れる「ヒグマ旋風」の勢いに乗れとばかり、打者7人をパーフェクトに封じた。
即戦力左腕の名に恥じない。5つの外野飛球はいずれも差し込まれ、塀内を空振り三振に仕留めた。1軍に合流してまだ4日。2軍スタートだったがその間、カット系のスライダーを磨いて昇格の声を待った。「ドラフト前に見たビデオと同じ。球団の将来を担う投手」(バレンタイン監督)、「まとまった投手」(井上投手コーチ)と首脳陣の評価も上々だった。
この1週間、同窓生の活躍に目を奪われた。16日には、共にエースと4番で甲子園に出場した北村隆雄さん(札幌大4年)が泥棒を取り押さえる大手柄。「メールが届いてビックリ。そんなに足が速いヤツではなかったけど」。またトリノ五輪スケルトン18位の稲田勝(27)は野球部の先輩。「テレビで応援しました。やっぱり名前を聞くと嬉しい」と母校愛に心動かされた。
母校野球部は最近、同じ系列でライバルでもある駒大苫小牧に勢力逆転を許す。「情けない」と憤慨していたが少し留飲を下げたようで「試合なら結果でいいけど、内容には納得してない。もっと練習します」とOBの1人として刺激を受けていた。
ロッテ・重光昭夫オーナー代行(51)が21日、鹿児島・鴨池キャンプを訪問。自軍からWBC日本代表に8人が選出される一方で、選手派遣を渋った球団を批判。「監督のわがままを許してはいけない」と他のオーナー陣に毅然たる態度を求めた。
重光オーナー代行は8選手の代表入りを誇りに感じながらも「国の代表の戦いなのに、選手を出し渋るチームがいるというのは…。球界の発展を思うのならばおかしい」と表情を曇らせた。既にバレンタイン監督も“不平等”な選出方法に不満を募らせている。球団の最高幹部と現場トップの意思は一致した。
中日などが代表選手の派遣に消極的だったが、同代行の怒りの矛先はオーナーに向けられた。「監督の意向を抑えられないオーナーが駄目」と最高責任者が現場の意見にあっさり従ってしまう実態を糾弾した。
今後は7月のオーナー会議でオーナー職のあり方を問いただしていく予定。「オーナーは毅然としてやっていかなければならない」アジアNO.1軍団の“総帥”の鼻息は最後まで荒かった。
国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」へ向け21日、日本代表の福岡合宿がスタート。ヤフードームで練習を開始した。チームリーダーとして期待されるマリナーズ・イチロー外野手(32)が、フリー打撃や強肩でチームを引っ張った。1次リーグへ向けて頼もしい発言も飛び出し、早くも戦闘モードだ。
ワクワクしていた。この日が待ちきれなかった。数え切れないほどの重圧と戦ってきたイチローだが、初めて袖を通した日の丸ユニホームは、また格別だった。
練習後の会見で、野球少年のように笑顔をはじけさせた。日本をはじめ、世界でも多くの大リーガーが出場辞退しているなか、初志貫徹で合流した王ジャパン。「僕が日本でプレーしていた時にいなかった選手も多くて、刺激になった」と、初練習の感想を語った。
その張り切りぶりは練習中のプレーでもわかった。フリー打撃では29スイングで安打性打球が20本。居残り特打も行い、33スイングで安打性打球18本を放った。サク越えも3連発を含め8本。「意識して(スタンドに)放り込むときもあるし、そうでないときもある」。天才らしくサラリと言ってのけた。
守備練習でもハッスルプレーは変わらない。外野からレーザービームを発射。あまりに強肩すぎて(?)捕手のはるか頭上を越えていく場面もあったが、その1直線の軌道にはチームメートも「すげぇ…」と息を飲むしかなかった。
リーダーとしての自覚もある。練習前はだれよりも早くミーティング室に現れ、最前列に座った。グラウンドに出てくウオーミングアップでも先頭。言葉ではなく、背中でナインを引っ張った。
最後には冷静沈着な男の口から、驚くほどに強気なコメントも飛び出した。それほど自信がある。それほど頼もしい仲間とも出会えた。「いくらでも期待してください!!」。
世界最高のリードオフマンが、日本国民に夢を与えてくれる。
もう1人のメジャーリーガーの大塚(レンジャーズ)は、ブルペンで30球を投げて調整した。「抑えでも、中継ぎでも、どこでも1イニングをしっかり投げます」と、守護神の座にこだわらないフォア・ザ・チームを強調していた。
王監督が24、25日の日本選抜との試合と、26日のロッテとの練習試合の先発投手を明かした。「24日から上原、松坂、渡辺俊と考えている」と明言した。練習試合に先発した投手はそれぞれ中6日の間隔で、3月3日の中国戦、4日の台湾戦、5日の韓国戦でマウンドに立つ。王監督は「(3人で)そのままいければ1番いい。でも野球は1人ではできないし、まして球数制限もある。自分の投球をして欲しい」と話した。
井口(ホワイトソックス)の辞退を受けて代表入した宮本(ヤクルト)は、アテネ五輪の主将らしく大声を出してチームを盛り上げた。「やはり日の丸のユニホームを着ると、気持ちは引き締まりますね。イチロー君を中心に世界一を目指して頑張ります」と意気込みを語った。
昨年の日本一メンバーの核弾頭・西岡(ロッテ)も、元気に練習参加。西岡は二塁、遊撃のどちらもこなすが、王監督の構想では二塁が有力。キャッチボールも二遊間を組む川崎(ソフトバンク)と行い、コンビネーションを高めた。「僕はまだ若いので、どんどん動いて初日から張り切っていると思われるようにしました」とアピールしていた。
韓国代表は巨人の李承Yも参加して約2時間半、連係プレーなどを行った。元中日の宣銅烈投手コーチは、日本に対して「イチローを出塁させると、投手も捕手も大変」と警戒。さらに宣コーチは「台湾戦に全力を注ぎ(3戦目の)日本戦は楽に臨みたい」と語った。韓国のエース、朴賛浩(パドレス)、元オリックスの具台晟(メッツ)ら米大リーグでプレーする選手は随時チームに合流予定。25、26日に韓国ロッテと練習試合を行う。
重光オーナー代行が鹿児島キャンプを訪問した。同オーナー代行は、前夜にバレンタイン監督と食事。そこで話題になったのがWBCだった。ロッテは12球団最多の8選手が抜けるが、その一方で選手の提供に消極的だった監督がいたことに「球界の発展を考えればおかしい」と牽制。「監督の意向を抑えられないオーナーではダメ」と他球団のオーナーにも苦言を呈した。
日本野球連盟の松田昌士会長(70)が21日、08年北京五輪の日本代表監督にソフトバンク・王貞治監督(65)が就任する可能性を示した。都内で行われた同連盟理事会、評議員会に出席した同会長は五輪代表について「選考を進めている段階で、監督はかなりのところまで決まってきている。本人の承諾はまだだが、WBC終了後には具体的な話ができると思う」と話した。ソフトバンクと1年契約の王監督の来季去就は未定で、複数の関係者が代表監督の最有力候補に挙がっていることを認めた。
12年ロンドン五輪では野球競技が除外され「16年五輪にはいかなる形でも復活させる。北京五輪では何としても野球の素晴らしさをアピールしないといけない」と松田会長は強調。04年アテネ五輪で代表監督を務めた長嶋茂雄巨人終身名誉監督はリハビリ中。08年北京は盟友の王監督が指揮を執る。
プロ野球の野球協約改定委員会が21日、東京都内で開かれ、今月2日に改定項目を検討した作業部会での協議内容が報告された。社団法人日本野球機構と日本プロ野球組織(NPB)とを1体化させる方向を確認したほか、NPBの組織強化についても意見交換した。今後はコミッショナー権限なども含め、3月に開催する作業部会でたたき台をまとめ、各球団の意見を盛り込みながら条文化を図っていく方針。
パ・リーグ小池会長がロッテ鹿児島キャンプを視察に訪れた。練習前には円陣の輪に入りナインに挨拶。「去年のロッテの勢いには感心しました。WBCには8人の代表を送り込んだ。それだけ王監督はロッテ勢に期待しているということ」とエール。練習ぶりも熱心に見守りながら、「バレンタイン監督は常にプラス思考だから。今年も若手の成長を手助けするでしょう」と話した。
豪州キャンプを振り返ったバレンタイン監督が、日本人シェフの必要性を強調した。「私は希望したのだが、どこかで誰かがその要望を却下してしまった」と不満の色を浮かべた。現地調達した米が選手、関係者の舌に合わず不評。監督は「来年も行くなら(日本人シェフを)連れて行くことになるでしょう」と、この日のキャンプ視察に訪れた重光オーナー代行に訴えていた。
リーグ活性化を願い、パ・リーグ小池会長が「野茂待望論」を口にした。この日、ロッテの鹿児島キャンプを訪問。「清原、中村のオリックスもそうだが(リーグ全体で)マスコミの露出は増えそうだ」と喜んだ。さらに去就未定の野茂(前3Aコロンバス)についても「パ・リーグのどこかに入ったら大変な話題になるな」と意味深長なコメント。報道陣が色めき立つと「オレから働き掛ける訳にはいかないし、発言は慎重を期さないと」と、希望的観測であることを強調した。
野球協約の改定を目指すプロ野球の協約改定委員会が21日、都内のホテルで開かれ、NPB(日本プロ野球組織)と社団法人日本野球機構を一体化させる考えで合意した。この日は作業部会(2日)で協議した項目の報告を受け、組織に関する基本的な部分を1年をメドにまとめていくことを確認した。根来委員長(コミッショナー)は「まだ改革の入り口。組織をしっかりして改革を強力に進めていく前提」と話した。今後は、来月の作業部会で条文づくりの叩き台をまとめ、12球団の意見を求めていく。