わたしはかもめ2006年鴎の便り(3月)

便

3月4日

北海道日本ハム3−6千葉ロッテ(札幌ドーム)

ロッテはレギュラー獲得を狙う大塚が2安打で4打点とアピールした。主軸のサブロー、ベニーも共に2安打。先発・バーンは3回を3安打4四死球で2失点と制球に不安を残した。日本ハムは、新人の八木が3回5失点と乱調だった。

123456789R
千葉ロッテ0230000016
北海道日本ハム0201000003
バーン
「投げた感じはよかった。修正していくところもあったので調整していく。」(3回2失点)

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WBC…1次リーグA組

◇台湾3−14日本(東京ドーム)

野球の世界一を争う第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次リーグA組のアジアラウンド第2日は4日、東京ドームで行われ日本は台湾に7回まで14−3、2試合連続のコールド勝ちで米国で行われる2次リーグ進出を決めた。日本は先発の松坂が制球に苦しみながらも4回1失点にまとめた。打線は1回に多村の2試合連続の3ランで先制。加点も効果的で5回には打者一巡で6点。12−3の7回には松中の適時二塁打などでコールドの規定の10点差以上に広げた。日本は5日にA組1位をかけて韓国と対戦する。

123456789R
日本311061214
台湾01000203

◇韓国10−1中国(東京ドーム)

韓国が投打に中国を圧倒し連勝を飾った。打の主役は3番に入った李承Y。今季から「本拠地」となる東京ドームで初回に先制犠飛、3回に2ラン、6回に適時打、8回にはこの日2発目となるソロ。4安打5打点の活躍を「コンディションはそれほどでもないが、昨日勝ったことが勢いにつながった」と笑顔で振り返った。李に引っ張られた打線は18安打で10点の猛攻。投げても5投手で2安打リレー。中国打線をソロ本塁打による1点に封じた。

123456789R
中国0000000101
韓国10310221x10

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ロッテ主力8人欠きながら15安打で快勝[ニッカン]

WBCに8人を送り出しても、アジア王者は強いんです−。ロッテが控え選手を含めたオーダーを組みながらも日本ハムを圧倒した。15安打で快勝したバレンタイン監督は「シーズンに向けての準備段階だが、激しい競い合いを実戦で感じてくれている」と話した。

サブロー、ベニーが2安打ずつ放ち、順調な仕上がりをアピール。そして「準レギュラー」の大塚が2安打4打点と勝負強さを見せつけた。3回までに日本ハムルーキーの八木から5点を奪って早々に試合を決めた。「サブロー、ベニーもいい仕事をしている。大塚は打撃だけではなく、走塁も良かった」と指揮官は目を細めた。5回にはサブローが三盗を決めるなど、足でも揺さぶった。

新しい力も台頭している。6回から4番手としてマウンドに上がった3年目のうちが2回を無安打に抑え込んだ。7回にはスライダーで3者連続三振を奪って日本ハムの追撃の芽を断ち切った。「変化球が特に良かった」とプロ未勝利の内は首脳陣の期待に応えた。主力8人を欠きながらもバレンタイン監督は「通常であれば今、なかなか出られない選手もしっかりと活躍している」と連覇に向け手応えを感じていた。

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ボビー快勝そっちのけ、西岡を絶賛[スポニチ]

投打が噛み合っての快勝にも、バレンタイン監督はWBC1次リーグの中国戦で決勝3ランを放った西岡の活躍に興奮冷めやらぬ様子。前夜はススキノに出掛けることもなく宿舎でテレビ中継を見ていたそうで「(壮行試合から)いいスイングをしていたし、ホームランも出ると予想していた」と鼻高々。さらに「彼はさらなる成長を見せてくれている。とにかく彼自身が日本代表でプレーすることにエキサイトしているのが手に取るように分かるよ」と続けた。

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ボビー手応え連勝発進!WBCで活躍の西岡にも満足げ[サンスポ]

主力不在でもオープン戦2連勝スタート。ロッテ・バレンタイン監督は「サブローもベニーも、しっかりと自分の打撃をしてくれた。内も今までで1番いい投球を見せてくれた」と、投打のヒーローをほめた。WBCで活躍する西岡についても「大きな成長を遂げてくれている」と満足げ。“ボビー・チルドレン”に手応えを感じていた。

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ロッテ・内また!完全[報知]

◇2回猛アピール

ロッテは3年目の内がまたも猛アピールを見せた。4番手で登板し、2回をパーフェクト。7回には金子、マシーアス、川島をいずれもスライダーで3者連続三振に斬った。

2月28日の台湾戦に続く“完全投球”。「今日はカウント(を取りにいく)球も勝負球も良かった。調子はすごくいい」と笑顔を見せた。バレンタイン監督も「ファンタスティック。過去に見たどの投球と比べても良かった」と絶賛した。

一昨年オフ。指揮官から今江、西岡と並んで05年シーズンのキーマンに指名されながら、故障やフォームを崩して、1度も1軍で投げることなく、歓喜の瞬間を遠目で眺め続けた。ボビーのロッテ復帰が決まった03年秋に“ドラ1”で入団した期待の星が大きな輝きを放つ。

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多村2戦連発、ストロング先制3ラン[スポニチ]

まぎれもなく「ストロング」だ。プレーボールから10分余り。多村のバットが東京ドームに快音を響かせる。豪快な先制3ランが後のない台湾を完璧に沈めた。

多村
「率直に嬉しい。チャンスをつくってもらったので、好球必打で思い切り振りにいった。」

絶好調の西岡の中前打と、松中の死球などで迎えた初回2死一、三塁。0−1から2球目を待つ多村の頭の中は「真っ白」だった。無心のスイング。「来たボールに自然にバットが出た」という。次の瞬間、台湾ナインが肩を落とす中、多村はベースを踏み忘れないよう慎重にダイヤモンドを駆け抜けた。

3日の中国戦の第4打席から、四球を挟んで2打数連発の3ラン。王監督も「あの3ランが台湾全体にグサッと突き刺さり、こっちは勇気づけられた」と言う通り、横浜高の後輩・松坂を強烈に援護し、チームに2戦連続2ケタ安打&2ケタ得点を呼んだ。「大輔が投げてたし、いいところで打ててよかった」。

プロ12年目。このWBCに懸けていた。昨年6月に交通事故を起こして1ヶ月近くもチームを離脱。だから思い切り野球をやって、日本に貢献したい−。今オフは無休で備え、自主トレからメジャー使用のボールを使ってマシン打撃。壮行試合では単打ばかりの3安打(10打数)だったが、3日の試合中に谷繁から「今までの打ち方じゃない。タメがない」とアドバイスを受けて豪快な打撃が戻った。

2月8日には二女・風香ちゃんが誕生。「娘の顔が僕の活力」という28歳は、5回に左翼ファウルグラウンドでフェンスに激突しながら好捕する美技も演じた。ストロングに打ち、スピーディーに守った5番打者。「3連勝してアメリカに行きたい」。多村のバットは王ジャパンの1位通過に照準を定めていた。

◇松中弾丸マルチ

主砲・松中が目の覚めるような一撃で締めくくった。9点差の7回無死一塁だ。郭泓志の外角直球をとらえた鋭い打球は左中間へコールド規定の10点差に届く、適時二塁打となった。「点差が開いていたけど直球をしっかりとらえようと意識した」。5回には右翼フェンス直撃の1打も放ち2試合連続マルチ安打と乗ってきた。

◇台湾、日本は想像以上

1次リーグ敗退が決まり、林華韋(リン・ファウェイ)監督は「日本は我々の想像を上回る力だった。今後、多大な努力をしないと追いつけない」と話した。イチローが開幕前に話した「今後30年は追いつけないと思わせたい」に似た談話で完敗を認めた。終盤に用意した剛腕・郭泓志(グォ・フンジ)を大差で投入する展開。98年のAAA(16〜18歳)アジア選手権決勝で松坂と投げ合った左腕も輝くことはなかった。

◇王さん、台湾の成長期待

王監督がゆかりの深い台湾代表にエールを送った。台湾戦後の会見では「(大差で負けたことは)結果的には台湾にとってプラスになると思う。上のレベルで戦うことが、大事」と語った。今も父・仕福さん(故人)と同じ台湾国籍。台湾と日本のスポーツ交流に尽力し01年には台湾総督府から「三等大綬景星勲章」も受賞した王監督は台湾の成長を期待していた。

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西岡、連夜のお立ち台[スポニチ]

2夜連続のお立ち台。またしてもヒーローに選ばれたのは代表最年少21歳の西岡だった。

「力がみなぎってます」。初回、チーム初安打を中前に運ぶと2死一、二塁から三盗に成功。多村の先制弾につなげた。5回にも中前へ2点打。2安打2盗塁2四球、初戦と合わせ6打数4安打7打点で2次リーグ進出に貢献した。

昨年はロッテを31年ぶりの日本一に導いた西岡はさらに進化した。スピードだけではなく、メジャーと対戦するWBCを見据えてパワーアップ。ウエートトレーニングなどで5キロの増量に成功し、イチローの“最強恋人”の座を射止めた。「明日、もう1回勝って1位通過でアメリカに行きたい」。イチローの陰に隠れるどころか、イチローよりも光り輝いている。

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里崎もり立てた[スポニチ]

里崎が攻守にもり立てた。「(松坂)大輔がいいところを出せるようにと思ってリードした」と粘投を引き出すと、打っては5回の右前適時打を含む2安打1打点。それでも浮かれる様子はなく、韓国戦に向け「もう1度アメリカで戦うことになるので情報収集もしていく。その上で勝って優位に立ちたい」と気を引き締めていた。

◇和田代役は明暗

登板を回避した和田毅に代わり、2番手で登板した薮田と小林宏の結果は対照的だった。2番手・薮田は6球で1回を3者凡退に仕留め「自分のピッチングができました」と納得顔。一方、3番手の小林宏は2暴投もあり、1回3安打2失点と乱れた。「今日は言うことはないです。球が真ん中に集まったし力みすぎた」と反省ばかりを口にしていた。

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王JAPAN快勝!2次リーグ進出[ニッカン]

王JAPANが、台湾に14−3の7回コールドで快勝し、2次リーグ進出を決めた。初回、多村仁外野手(28=横浜)の先制3ランで主導権を握ると、15安打に機動力を絡め圧倒した。先発松坂ら投手陣も、必勝を期す台湾を抑えた。米アナハイムで12日(日本時間13日)から始まる2次リーグでは、1次リーグB組突破確実の優勝候補で、世界一への第1難関・米国代表と対戦する。日本代表は5日、中国を破り同じく2次リーグ進出を決めた韓国とアジアNO.1の座をかけ激突し、6日に勇躍渡米する。

王JAPANの強さを、まざまざと見せつけ、アメリカ行きの切符をつかんだ。王監督が笑った。「戦前に皆さんが予想した貧打線が、まさかね」。1次リーグを前に「スモールベースボール」改め「ストロング&スピーディー野球」と命名した野球は、2戦連続コールド勝利という形になって表れた。

多村の、2試合連発となる1発が台湾をのみ込んだ。初回2死一、三塁。カウント1ボールからの2球目を左翼スタンドに運んだ。「頭が真っ白になった。打った瞬間に手応えがあった」。昨年まで2年連続30本塁打以上を記録している多村も、嬉しさを隠せない。この多村の長打力には王監督も舌を巻く。「940〜950グラムの重いバットでガツンと振ってる。少々の球には負けないし、球が飛ぶ」と福岡合宿中から多村の打撃に注目した。だからこそ5番に起用した。「1試合目で韓国がアメリカ行きをほぼ決めたので、我々もこの試合に勝って、決めよう、と臨んだ。多村君の3ランは台湾の胸にグサッと突き刺さっただろう。チームに緊張感もあったが、見事に吹き飛ばしてくれた」と、王監督は価値を認めた。

台湾が矢継ぎ早に繰り出す8投手に、打線は襲い掛かった。15長短打に西岡、川崎らの盗塁、イチローの鮮やかな好走塁などを交えて圧倒した。昨年12月、王監督は私用で台湾を訪れた。現地の球界関係者から「日本と台湾でアメリカに行きましょう」と激励を受けたが、勝負に私情は挟まない。「将来的にも台湾にはプラスになっただろう。もっと練習しなくちゃいけない。練習しなければ表現できない。日本は表現できるんだから」と、試合後にはエールを送った。

1次リーグ突破は確信していた。試合前練習で米国代表の1次リーグの開幕投手が、パドレスの奪三振王、ピービに決定したことを報道陣から聞いた。2次リーグで対戦する可能性があるだけに、王監督はすぐに動いた。「ピービーってどんな投手だい?」。打撃ケージの横にいたイチローをつかまえ、早速、生情報を入手した。1次リーグ前には、福岡で携帯用デジタルオーディオプレーヤーに音楽をダウンロード。ハイドン、バッハ、モーツァルトなどのクラシックにビートルズなど約700曲を収録。米国までの長時間のフライトに備えた手作業だった。

6日の渡米は決定した。だが、これで終わりじゃない。5日にはアジアNO.1をかけた韓国との全勝対決が控える。日本には2試合で32点を奪った勢いがある。引き分けでは大会規定(失点率)により韓国が1位だが「勝ちゃいいんでしょ?」。王監督はサラリと言ってのけた。

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多村2試合連発!美技も魅せた!後輩・松坂に大きなプレゼント[サンスポ]

一振りで、台湾の望みを打ち砕いた。1回2死一、三塁、多村の完璧なミート音が、東京ドームに響きわたる。左中間最深部へ、横浜高の4年後輩の松坂に、大きな3点をプレゼントした。

多村
「打った瞬間に頭が真っ白になったほど気持ちよかった。ボールに素直にバットが出た。」

喜ぶ本人だけでなく“世界の王”も脱帽のアーチ。「台湾は何がなんでも勝ちにきていたが、あれが相手にグサッと突き刺さった」。松坂の内角球を、死球に当たりにくる闘志を見せた台湾が、多村には3四球とまったくの逃げ腰。その3四球も全て得点に結びつけ、2試合連続コールド勝ち、計32得点の大爆発の立役者になった。

一昨年40本塁打をマークした和製大砲だが、代表では定位置が用意されていた訳ではない。当初は、国際経験豊かな和田一が有力だった。だが、合宿から好調をアピールし、前日3日の中国戦では2ラン。この日も貴重な1発に加えて、5回には邪飛をフェンス際でジャンピングキャッチ。「ボクは守備も売りですから」と、たった2試合で日本に欠かせない戦力だと証明した。

まさに「調子のいい選手を前面に出して戦う」王監督が待望した男。「進塁させない、点を取らせない守備と、チャンスで返す、チャンスを作るバッティングをするだけ」。1番難しいことを、いとも簡単に言ってのける多村が、いまや王ジャパンの中心になろうとしている。

◇西岡が絶好調!2安打2打点2盗塁

西岡が2安打2打点2盗塁。2日連続でお立ち台にあがった。5回の走塁で相手野手と接触、倒れ込んだ場面について問われ「すいません。あれは全然痛くないです」と観衆の笑いを誘った。しかし試合後は、しっかりアイシング。ノリノリの21歳は「アメリカやドミニカが偵察に来ているかもしれない。向こうに嫌な選手と思われたい」と2次リーグを見据えていた。

◇松中1打点で4番の存在感

松中が2安打1打点と4番の存在感をみせた。この2試合で3四死球と、相手投手陣の徹底マークも受けたが「(4番を任され)結果が求められている中で、しっかり打てた。今は打線がいい形でつながっている」。アトランタ五輪とシドニー五輪で果たせなかった世界一の夢へ、確かな手応えを感じていた。

小笠原
「すごい打球というより失速だと思う。自分の役割を果たせていると思う。韓国には勝って、向こうに行きたい。」(左翼の左を抜く三塁打を含む3安打)

◇和田毅が左ひじ張りで登板回避

台湾戦の2番手に予定されていた和田毅が左ひじの張りのため、登板を回避した。ブルペンでキャッチボールはしたが、大差がついた試合展開で大事を取ったという。和田毅は「ひじがちょっと。不本意ですが、ここで無理するより、向こう(米国)に行って投げられるように」と説明。王監督は「(2次リーグまで)時間はあるから、十分回復するチャンスはある」と話した。

◇台湾・林監督が日本絶賛

台湾は2連敗で1次リーグ敗退が決定。競り負けた前日の韓国戦と違い、この日はコールド負けを喫した。林華韋監督は「我々のパフォーマンスもよくなかったが(日本は)想定を上回る実力があった。両チームの健闘を祈りたい」と完敗を認めた。大会前にエース候補のヤンキースの王建民が出場辞退するなど、理想通りのチーム編成はできなかった。林華韋監督は「どれ位かは分からないが、影響はあったと思う」と本音ものぞいた。

◇日本△だと2位通過

WBCアジアラウンド事務局は4日、同率チームの順位決定方法に関する規則変更を発表した。

同率で並んだ場合に

(1)
直接対決で勝つ
(2)
失点が少ない
(3)
自責点が少ない
(4)
打率が高い
(5)
くじ引き

の順で上位を決めるとしていたが、2と3は延長戦やコールドゲームによる不公平が出るため、失点、自責点をそれぞれイニング数で割った失点率と自責点率に変更された。

この方法によれば、2試合を消化した時点での失点率(1イニングあたり)は日本が0.33に対し、韓国は0.06。5日の日本−韓国が引き分けの場合は韓国が1位、日本が2位となる。

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薮田6球料理!自身も納得[サンスポ]

先発の松坂をリリーフした薮田が5回を僅か6球でピシャリ。台湾の反撃ムードを断った。「今日は自分のピッチングができたと思う。(松坂の)球数の関係もあって用意はしていました。行けといわれたところで、自分の力を発揮するだけですから」と納得の表情。アジア王者のセットアッパーが貫禄を見せつけた。

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小林は制球定まらず3安打2失点[サンスポ]

6回に登板した小林は3安打2失点。制球が定まらず、台湾打線につかまった。「ボールが真ん中に集まってしまった。力みすぎました」と反省しきり。2月26日のロッテ戦(ヤフードーム)を発熱のため欠場したが、1日の巨人戦(東京ドーム)では2回をピシャリ。復調をアピールしたが、本番の初登板はホロ苦いものとなった。

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ド派手に進出決定!全勝で米本土だ[デイリー]

野球の世界一を争う第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次リーグA組のアジアラウンド第2日は4日、東京ドームで行われ、王JAPANが2次リーグ進出をド派手に決めた。日本は台湾に7回までで14−3とコールド規定の10点差以上を付け、2試合連続のコールド勝ち。米国で行われる2次リーグ進出を決めた。中国を10−1で下した韓国も連勝で1次リーグを突破。日本は5日にアジアラウンド1位を懸けて韓国と対戦する。

指揮官の表情が自然と緩んだ。コールド連勝で、米アナハイムでの2次リーグ進出が決定。順当勝ちとは言え、大きな重圧をはねのけての第1関門突破に、王監督は「一般的に言えば、ほっとしているというところです」と素直な気持ちを打ち明けた。

指揮官が勝因として真っ先に挙げたのが、初回の多村が放った特大先制弾だった。2死一、三塁。真シンで叩いた打球は強い弾道で左翼席中段に突き刺さった。

「余計なことは考えず、来た球にバットが出た。手応えがあって、気持ちよかった」。会心の笑顔で振り返った頼れる5番の2戦連発弾。王監督は「チームの緊張感を吹き飛ばす見事な3ラン。あのホームランが我が軍を勇気づけ、台湾にとっては大きな痛手となった」と絶賛した。

試合は一挙6得点の5回で決めた。結局、7回で計15安打14得点。長短打に足を絡めた理想の攻めに、王監督は「戦前の皆さんが予想した貧打線からすると、あんな形になるとはね」と満足顔。急ごしらえの“ストロング&スピーディー”だが、開幕直前に書き換えた看板に偽りはなかった。

“世界の王”は台湾の英雄だ。これまでも台湾球界の発展に貢献。今大会では自身が率いる日本代表が台湾の2次リーグ進出を阻んだが「自分たちより上のレベルと戦うことで、色々勉強になったと思う。これからも練習して欲しい」と“後輩”にエールを送った。

次は1位通過をかけた日韓の全勝対決だ。王監督は「『3つとも勝って、必ずトップで抜けてアメリカに行くんだ』と言ってきた。選手にも、もう1度念を押す」と気合を入れ直した。

失点率の差で、1位通過には引き分けは許されない。「とにかく、勝てばいいんでしょ」と王監督。5日のアジア最終戦。ドリームチームを編成した韓国をも撃破し、『アジア最強』を証明して、王JAPANは米本土に乗り込む。

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王JAPAN連夜のコールド!2次リーグ進出[報知]

◇WBC1次リーグA組

「王JAPAN」が2試合連続コールド勝ちの圧倒的な強さで2次リーグ進出を決めた。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)1次リーグの台湾戦で、日本は初回に多村の2戦連発となる3ランで先制。その後も攻撃の手を緩めず、15安打に4盗塁をからめて14得点と「ストロング&スピーディー」打線がその威力を見せつけた。5日は同じく2次リーグ進出を決めた韓国とアジア1位の座をかけて対戦する。

世界一が夢ではなく、現実味を帯びてくる。「ストロング&スピーディー」を合言葉に、日の丸打線が連日の猛打ショーを展開した。「戦前の皆さんの予想していた貧打線からすると、まさか、あんなねえ」。王監督が目を丸くし、おどけてみせた。15安打14点で、2試合連続のコールド勝ち。圧倒的な破壊力で、アジアラウンドの突破を決めた。

アテネ五輪では、サヨナラ勝ちで辛くも振り切った台湾をパワーで圧倒した。「チームの緊張感を見事に吹き飛ばしてくれる3ランだった。台湾の胸にはグサッと強く突き刺さり、我が軍は勇気づけられた」と、振り返ったのは、初回2死一、三塁、5番・多村の先制アーチだった。ノリノリの打線は、2、3回にも1点ずつ加点すると、5回には打者10人の猛攻で一挙6点。その後もヒットパレードは止まらず、2試合の合計では、計30安打の32点をたたき出した。

「第1戦で韓国が、アメリカ行きを決めてたので、我々もこの試合を勝って何とかと思っていた」。まずは1次リーグ通過を決め、ホッとした表情の指揮官。この日も、1人で、デーゲームの韓国・中国戦をスタンドから偵察する姿があった。福岡合宿から連日、先乗りスコアラー役を率先して務めているが、その表情には全く疲れはない。「父は本当に野球場が好きなんです」。二女の理恵さんが漏らしたことがある。王監督にとっては、ホテルの自室でくつろぐより、球音の中で過ごす方がリラックスできるのかもしれない。

いよいよ6日には、成田空港からチャーター便で飛び立ち、13日からの2次リーグへ向け、米国に乗り込む。試合前、打撃ケージ裏のイチローの元へ、背番号89が歩み寄った。「ピービーってどんなピッチャーなの?」米国代表の1次リーグの先発ローテーションが決まり、2次リーグと、準決勝の2度、パドレスのエースであるJ・ピービーとの対戦が濃厚となったからだ。

心の底から野球を愛する65歳。ベースボールの本場での戦いに胸をときめかさずにいられない。「ここで弾みをつけていって、その勢いで一気呵成にと思っている。トップでアメリカに行くんだと試合前に選手に言うつもりでいます」。5日の韓国戦も、重要な戦い。アジア王者の勲章が、王JAPANの勢いを加速させる。

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俊介、平常心で

5日の韓国戦に先発する渡辺俊は2次リーグ進出が決まっても平常心で臨む。試合後「あまり気にしないでいく」と話した。目標はもちろん3連勝での1位通過だ。昨季までロッテに在籍していた韓国李承Yの中国戦での2本塁打も、テレビで観戦した。決戦への準備を着々と進めている。

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西岡、痛いフリ

前日に勝ち越し3ランを放った西岡が、この日も2安打2盗塁と活躍し、2日連続でお立ち台に上がった。5回の走塁時には相手野手と交錯してうずくまったが「実は全然痛くなかったんです。オーバーリアクションをしてしまったんで、このまま痛そうなフリしとこうかなと思った」と、爆笑を誘っていた。

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順位決定方法を変更

◇失点→失点率

WBCアジアラウンド事務局は4日、同率チームの順位決定方法に関する規則変更を発表した。

同率で並んだ場合に

(1)
直接対決で勝つ
(2)
失点が少ない
(3)
自責点が少ない
(4)
打率が高い
(5)
くじ引きで勝つ

の順で上位を決めるとしていた。しかし2と3は延長戦やコールドゲームがあった場合に不公平が出るため、失点、自責点をそれぞれイニング数で割った失点率と自責点率に変更された。

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