横浜の吉見は右打者の内角を効果的に突いて5回1失点。先発入りをほぼ確実にした。打線は機動力を絡めて得点し、共に3安打した村田と古木の振りの鋭さが目を引いた。ロッテの小野は生命線の制球が定まらず13安打で7失点。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
横浜 | 0 | 1 | 1 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 |
千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
韓国が米国に7−3で快勝した。韓国は李承Yの今大会5号となる先制本塁打、崔煕渉の3点本塁打などで大量リード。6投手の継投で米国の反撃をかわした。韓国は2勝0敗、米国は1勝1敗となった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
米国 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 |
韓国 | 2 | 0 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | x | 7 |
牛島監督が2段モーション禁止の統一見解を、あらためて審判団に求めた。9回にロッテ小林雅の投球フォームを見た上で指摘。三塁側ベンチとほぼ同じ角度から見ていた木内三塁審判に「どうなっているのか」と直接質問をぶつけた。同監督は「手を上げて止まって、その後で足も止まっている。あれがセーフなら何も(制限)なしにして欲しい」と、試合後の会見でも訴えた。横浜では三浦、クルーンらの主力投手が、2月の春季キャンプ期間中に一連の動作で投げるフォームへと修正。「厳しくやるなら絶対(違反を)取らなければならないし、やらないなら(昨年と)変えないでやればいい。現場は戸惑う」と話していた。
横浜牛島監督の指摘を受けた小林雅は、冷静な対応に終始した。試合後、報道陣から伝え聞き「僕は分かりませんよ。審判の方が判断することですし」と話した。キャンプ中には足を上げる際にバランスを崩して整え直す時、止まったように見えると審判から指摘されていたという。だが、この日は2段モーションではない自信を持っていた。
開幕投手の候補だった小野が乱調だった。4回までに4失点し、5回には被安打4で3失点。計13安打7失点に「悪いところが分かっているだけに、自分自身に腹が立ちます。次回、課題をクリアできるように頑張るだけです」と話した。バレンタイン監督は「いいところにも投げているが、相手打線が良かったかな。そんなに心配していない」とかばったが、迫った開幕へ不安を残した。
米国戦の誤審騒動から一夜明け、三塁走者だった西岡が、あらためて判定に疑問を呈した。「小学生でも分かるようなジャッジだったのに」と、諦めた様子で話した。この日は米国戦で左足を負傷したため、守備練習には参加せず、打撃練習だけを行った。「少し休んだだけ。明日(メキシコ戦)は大丈夫です」と軽傷を強調。
2次リーグ最終戦の韓国戦に先発予定の渡辺が、ブルペンで25球の投球。昨季まで同僚だった李承Yの活躍はテレビで観戦。「ずっと好調ですから」と警戒を強める。最終戦は、準決勝進出をかけた重要な1戦になる可能性が高い。韓国とは2度目の対戦になり「点はやれないし、2度負ける訳にはいかない」と引き締めていた。
日本プロ野球組織(NPB)が今季導入のイニング間2分15秒、投手交代2分45秒の時間制限の実施方法について運用を協議。セは控え審判が、パは試合に立ち会う職員が計測することとし、今後さらに細部を決める。
日本代表チームは13日、前日12日の米国戦で覆った判定について、大会を運営するワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI)に対して「質問と要望書」を提出した。質問は「ルール解釈ではなく、アウト、セーフの判定であるにもかかわらず、米国チーム監督の抗議を受けた後に協議して判定を変えた。これは野球規則9・02に抵触するのではないか。これに対する見解を文書で返答して欲しい」というもの。
当該プレーでは二塁塁審がセーフと判定したが、米国チームの抗議を受け、球審がアウトに覆した。野球規則9・02(c)では、裁定を下した審判員から相談を受けた場合を除き、他の審判員の裁定に対して変更を求めたり異議を唱えたりすることは許されないとしている。
また、要望は「公正な運営のため参加16ヶ国・地域から審判、運営委員を出せば疑念を招かずにすむ」と、第2回大会へ向けて根本的な改善に言及している。長谷川コミッショナー事務局長は「大会前から我々は審判について合同でやるべきと提案してきた。次回大会へ向け、そうした体制を整えるべきではないかと提案しました」と語った。
エースの真価を発揮する舞台が巡ってきた。15日に先発予定の渡辺俊が韓国を、李承Yを止める。「どうしても負ける訳にはいかない」そこには温和で飄々とした普段の姿はなかった。
同じ過ちは繰り返さない。この日は左翼ポール際のブルペンで25球。全球種を制球よく投げ込んだ。「もう韓国打線のことは分かったし、自滅はしない」1次リーグの韓国戦ではシンカーの制球に手こずり、3死球を献上。事実上、宝刀を欠いても4回2/3を1失点でまとめたが「今度はシンカーもいつも通り使います」と“完全体”で挑むことを宣言した。
ブルペンでは「李承Y!」と声を出し、絶好調の大砲封じを想定。内角高めへの直球、タイミングを外すカーブ、そして外角低めへ沈むシンカーと「イメージはできています」と自信をのぞかせた。「1点もやらない。(韓国に)2度も負ける訳にはいかないんです」。サブマリンが奇跡のシナリオの主人公となる。
12日の米国戦で、右足甲に死球を受けたWBC日本代表の松中信彦内野手(32)=ソフトバンク=が13日、米アナハイム市内の病院でMRI(磁気共鳴画像)検査などを受け、打撲と診断された。骨には異常がなかったが、痛みが残っているためアイシング治療を続ける。14日のメキシコ戦(エンゼル・スタジアム)は、出場できる見込み。
不本意な敗戦から一夜明けたこの日、絶対に負けられないメキシコ戦を前に、イチローは「表情は晴れやかだったし、(敗戦を)みんなそれなりに消化していると感じました」と、ナインが気持ちを切り替えていることを代弁した。米国戦では先頭打者アーチでチームを勢いづけた。「言葉で表現するより行動を起こすことが大事だと実感しました」メキシコ戦の先発はローアイザ。02年にメジャー通算400本目の安打を放ち、通算でも19打数7安打(打率.361)と相性のいい相手だ。単打でもいい。イチローの1本が王ジャパンに勇気を与える。
横浜は先発・吉見が5回1失点の好投で、開幕ローテをほぼ手中にした。売り出し中の吉村が2安打の活躍。村田、古木も3安打でアピールした。ロッテは開幕投手最有力の小野が、5回13安打7失点の大乱調。打線もつながらず、10残塁の拙攻だった。
これまでの苦労は一体、何だったのだろうか。考えれば考えるほど、牛島監督の怒りはこみ上げてきた。9回、ロッテの守護神・小林雅の投球モーションを目にした時だった。両手を上げて、いったん降ろす。そして左足を上げると同時にまた振り上げる。一連の動作ではなく、一時静止している、いわゆる“2段モーション”に映った。
「小林雅のあれがOK?ベンチから見ると(動きが)止まっている。本当に厳しくやるんだったら、あれは(違反と)とらなきゃ、アカン」。試合後、すぐにベンチと同じ角度で見ていた木内三塁塁審に確認したが、答えは「動きは止まっていません」だった。
エースの三浦にクルーン、ローテ左腕の土肥や吉見、中継ぎエースの川村…。主力級が秋季キャンプから、一連の動作でないと審判団から指摘され、徹底的にフォーム修正を余儀なくされてきた。それなのに目の前で疑わしい投球を見せられ、問題なしという判断。指揮官の怒りも当然だ。「こちらにとっては死活問題。ずっと苦しんでやってきた。セ(リーグ)だけが厳しい。審判の見解が違うなら(ルール適用を)やめた方がいい」と2段モーション禁止の撤廃を求めるほど、気持ちは収まらなかった。
試合後、三塁塁審を務めた木内九二生審判(40)は「(小林雅の動作は)止まっていません。ベンチからでは感じ方が違ったのではないでしょうか」と説明。まだ個人によってばらつきがあるように見えるが「セ・パで会議をしているが、統一はされています。そんなに両リーグの差はありません。今日のことも、きちんと報告して話し合います」と話していた。
ロッテ・小林雅は、横浜・牛島監督から“2段疑惑”をかけられたことについて、「審判の判断に従うだけ。審判は『止まっていない』と言っている?それなら、その通りだと思う。ほかに僕から言うことはない」と話した。春季キャンプでは審判団と相談しながら投球練習を行い、「投球時にバランスを崩し、立て直そうとすると、止まっているように見える」となど指摘されたという。
小野が5回13安打7失点と大乱調。昨季に続き、先発ローテの一角として期待されるだけに「自分自身に腹がたちました」と唇を噛んだ。試合後はビデオを入念にチェック。次回の先発に備えていたが、バレンタイン監督は「球はいいところにきていた。相手打線がよかったということ。きっちり調整してくれると思う」と心配していなかった。
日本代表は13日、前日の米国戦で審判が判定を覆したことについての質問書と要望書を、選手団の長谷川一雄団長(コミッショナー事務局長)名で大会主催者であるWBCIに提出した。
日本は米国戦で、8回に三塁走者・西岡がタッチアップで勝ち越しのホームインをしたが、離塁が早いとの米国からの抗議で判定がアウトに変更された。質問書では「米国・マルティネス監督がアピールした後に判定が変わったのは野球規則9・02(審判員の裁定)の(c)に抵触するのではないか」として、文書での回答を要求した。
また、要望書では、3年後の第2回大会に向けて、参加国の全てから審判員や運営委員を出して公正な競技運営を図るように求めた。特に審判員は今回、全員が米国のマイナーの審判員。日本側は1次リーグ開催前から公正さを保つため、他国からの審判員の派遣を要望しており、長谷川団長は「審判員は参加16ヶ国から出し、自国の試合にはかかわらないようにするのが当然。これからのために文書を残しておきたい」と説明した。
WBCの親善大使を務めるトミー・ラソーダ氏はキューバ―ドミニカ共和国戦の前、前日の日本−米国戦の“疑惑の判定”について言及。「私はそのプレーについては見ていないので、何も言えない。ただ、ジャッジが変わったことについては大いに失望している。そして長年の友人であるサダハル・オーに大変申し訳なく思っている」と話した。
日本代表が不可解な米国戦の判定変更から一夜明けた13日(日本時間14日)、遅ればせながら反撃に出た。
まず主催者に質問書と、次回大会での公平な運営を求める要望書を提出。質問書は「米国監督がアピールした後に判定が変わったのは、野球規則9・02『審判員の裁定』(c)に抵触するのではないか」という趣旨。文書での回答を要求したが、主催者側は米国−韓国戦前に「まだ書面を見ていないが“提訴試合”などにはならない」と判定を支持する見解を示した。
一方、この日の練習後には、タッチアップをアウトと判定された西岡が「審判は代わりに小学生を立たせた方がマシ。もう1回、ルールを勉強した方がいい」と過激発言。しかし、米国では公な場での審判批判はタブー視されており、現場にいた米国メディアを通じて、この発言が審判団に伝わると今後は判定が不利になる恐れがある。
小池百合子環境相は14日午前の会見で、WBCの日本−米国戦で、審判の判定変更で勝ち越し点を逃したことについて「米国はベースボールとフェアネス(公正)の国だと思っていたが、どうやら違うようだ。非常に残念に思っている」と述べた。竹中平蔵総務相は「こういう試み(WBC)自体が初めてで、審判を今後どうするかなど改善していくことになるのではないか」と指摘した。
WBCにイタリア代表で出場し1次リーグで敗退したロッテ・パスクチが、チームに合流した。6番右翼で先発出場し、3打数無安打だった。バレンタイン監督は「少し時差ボケがあるだろうけど、試合に出て感覚をつかんでもらいたかった」と説明していた。