ロッテが前身の毎日オリオンズ時代以来、50年ぶりとなる3試合連続完封を逃したものの、対楽天5連勝。貯金を1とし、3位タイに浮上した。ロッテは2回に里崎の適時打で先制すると、4回ベニー、8回にも橋本の適時打でリードを広げた。投げては、先発・清水直が7回を6安打無失点に抑え、3人目の小林雅が9回に得点を許したものの、リーグトップタイとなる8個目のセーブを挙げた。楽天は、先発朝井が8回を9安打奪三振9で完投したが、打線が援護できなかった。なお、礒部が史上240人目となる1000本安打を達成。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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東北楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
千葉ロッテ | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | x | 3 |
ロッテがぐいぐい調子を上げてきた。エース清水直行投手(30)が7回無失点で試合をつくり、楽天に3−1と快勝。惜しくもチーム50年ぶりの3試合連続完封勝利はならなかったが、危なげない勝ちっぷりで3連勝を飾った。開幕直後を除けば今季初の貯金をゲットし、やはり初の3位にも浮上。日本一に輝いた昨年も4月下旬から12連勝しており、今年もここから一気にノッていきそうだムードが漂ってきた。
何度ピンチを招いても点はやらない。清水は、7回でマウンドを降りるまで先頭打者を3度出した。しかし「1点も点はやらないで、とにかく0でいこうと思った。0点で抑えれば負けない」。7回無死二塁のピンチを切り抜けると、右手でグラブを叩いて雄たけびを上げた。
3試合連続完封なら、球団史上50年ぶりの快挙だった。だが9回に守護神小林雅が1点を失い、大記録は逃した。それでも清水は「3−1でも3−2でも勝てばいい」と気に留めない。
開幕直後は、好投しても勝利につながらなかった。4日オリックス戦では0−1完投負け。清水が先発した開幕直後の3試合で、味方の援護はわずか計3点だった。ここにきて流れは確実に変わった。15日からは打撃陣の奮起で4連勝。今度は久保−小林雅、小林宏の連続完封に続き、投手陣の踏ん張りで3連勝だ。ここ10試合で8勝2敗とペースを上げ「今はピッチャーが頑張る時。長いシーズン、持ちつ持たれつ」と下降気味の打撃陣を思いやった。
要所でカーブを決め、直球との緩急を駆使した。「2回から全力でいった」と、2回1死一、二塁のピンチでは沖原をこの試合最速、外角低め148キロ直球で見逃し三振に切って取った。「WBCの時から使っていたけどブルペンでも1番練習している。収穫があった」。バレンタイン監督も「特にカーブが良かった」と絶賛した。
試合後にも、大きな仕事が待っていた。29日から発売する「やるしかないねん」Tシャツ(2500円)のPRだ。ヒーローインタビューに立てば、オーロラビジョンで宣伝することが決まっていた。自ら毛筆で書き込んだ言葉は、入団以来、清水を支えてきた思い。「マウンドに立ったら“やるちかない”と。この世界に入った時から思っていた」。取材を終えると、ファンの待つ球場玄関前のステージへ。お披露目の日に、下を向く訳にはいかない。「勝ってやろうと思っていた」と叫び、ファンの大声援を浴びた。
一時、借金が5まで増えたが、この勝利で貯金1。5位まで沈んだ順位も3位まで急上昇だ。昨年はこの時期に12連勝し、波に乗った。苦しい時期は乗り越えた。「ここで終わりじゃない。ここから始まりです」。お立ち台に上がったエースの言葉が、頼もしく千葉マリンに響き渡った。
4月18日以降のロッテの星取り | ||||||
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月日 | 05年 | 06年 | ||||
相手 | スコア | 順位 | 相手 | スコア | 順位 | |
04-18 | 日 | ●4−10 | 2 | 楽 | ○8−3 | 5 |
04-19 | 日 | ○4−1 | 2 | 楽 | ○17−2 | 5 |
04-21 | 日 | ●2−4 | 5 | |||
04-22 | 楽 | ○5−1 | 2 | 日 | ○3−2 | 5 |
04-23 | 楽 | ○12−4 | 2 | 日 | ●1−4 | 5 |
04-24 | 楽 | ○6−0 | 1 | |||
04-25 | 西 | ○8−2 | 1 | オ | 1−0 | 5 |
04-26 | 西 | ○7−1 | 1 | オ | 5−0 | 4 |
04-27 | 西 | ○7−1 | 1 | |||
04-28 | 楽 | ○3−1 | 3 | |||
04-29 | ソ | ○6−5 | 1 | 楽 | ||
04-30 | ソ | ○2−1 | 1 | |||
05-01 | ソ | ○15−3 | 1 | |||
05-02 | ソ | |||||
05-03 | 楽 | ○4−3 | 1 | ソ | ||
05-04 | 楽 | ○10−0 | 1 | ソ | ||
05-05 | 楽 | ●1−7 | 1 | オ |
小林雅が最終回に1点を失い、50年ぶりとなるチームの3試合連続完封勝利を逃した。2死2ストライクと追い込みながら、沖原に適時二塁打を浴びた。試合後、チームメートやコーチとハイタッチしながら「意識しました」と明かした。橋本は「だいぶ本人は意識していたみたい。もっと大事な場面でああいうことにならないように、自分も気をつけたい」と話した。
バレンタイン監督が、日本球界の2軍システムについて言及した。龍太郎、南の入団会見の最後に切り出した。「どの球団もマイナーチームが1つしかない。各九段がもう1つずつ増やせば、素晴らしい才能を持った選手が、より試合に出てファンに見てもらうことができる。それがプロ野球全体のレベルアップにつながる」と持論を展開した。
トレードで横浜からロッテに移籍した龍太郎投手(25)と南竜介外野手(24)が28日、入団会見を行った。02年自由獲得枠で入団した龍太郎は、横浜ではプロ通算1勝と結果が出なかった。「先発か中継ぎかどちらかはっきりした状態で投げたかったけど、かなわなかった。今回はチャンスだと思っている」。強肩の南は「びっくりしたけど、ロッテは素晴らしいチームだし、プレーできることを誇りに思う」と話した。背番号は龍太郎が51、南は65。
ロッテから横浜に移籍する山北茂利投手(28)も入団会見を行い「不安はありません。うすれかけていた必死さ、がむしゃらさを持って仕事をしたい」と意欲を語った。背番号は27。
パ連盟は28日、前日までに終了した第1期の観客動員数、試合時間を発表した。開幕から全77試合の観客動員数は139万2577人で、1試合平均は1万8085人と昨年より8.1%アップした。最大アップは西武の31.1%で、日本ハムの20.5%、ロッテの11%と続く。清原、中村が加入したオリックスは3.9%アップした。減少は2球団で、ソフトバンクは2.9%減、楽天が3.7%減だった。ただ、ソフトナンクは1試合平均2万6248人と、唯一2万人を超えており動員数は際立っている。
パ村田事務局長は「全体的に各球団の努力が反映されている結果になっている。WBCの勢いのまま開幕できた点もあるし、新庄、清原選手ら各球団の話題もあった」などと分析した。
また、全77試合の試合平均時間は3時間16分と、昨年の年間トータルより4分短縮された。
ロッテ里崎が先制適時二塁打を放った。2回1死一塁から朝井のシュートを左中間に運んだ。この日は「6番・DH」で出場。「追い込まれていたけど、低めのボールをうまく打つことができました。今日はDHなので打つしかないので、最初の打席でいきなりタイムリーを打つことができて良かったです」と話す。ただ、そのまま一気に三塁を狙ったが封殺され「いけると思ったんですが、遅かったですね」と苦笑いした。
横浜からロッテに移籍した龍太郎投手(25)と南竜介外野手(24)が28日、千葉マリンで入団会見を行った。02年自由獲得枠で入団した龍太郎は、横浜では通算1勝。「(横浜では)先発か中継ぎかどちらかはっきりした状態で投げたかったけど、かなわなかった。今回はチャンスだと思っている」。強肩が売りの南は「ロッテは素晴らしいチームだし、プレーできることを誇りに思う」と話した。背番号は龍太郎が51、南は65。
バレンタイン監督は「今回は素晴らしい右の投手と外野手を獲得することができた。チームとして幸運で幸せ」と歓迎した。またロッテから横浜に移籍した山北茂利投手(28)も会見。「必死さ、がむしゃらさを持って仕事をしたい」と意欲を語った。背番号は27。