ロッテが延長戦を制し3連勝、貯金を今季最多の9とした。ロッテは同点で迎えた延長10回、巨人4人目の福田を攻め、四球と安打で無死一、三塁とすると、福浦が適時打を放ち勝ち越しに成功。続くベニーも適時打を放ちリードを広げ、最後は守護神・小林雅が抑え、巨人に連勝し首位を守った。小林雅は18個目のセーブをマーク。巨人は先発・工藤が7回を3失点に抑え、打線も5回に李が11号2ランを放つなど一時は逆転したものの救援陣がリードを守りきれず、チームは3連敗。4月7日以来となるリーグ2位に陥落した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | |
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千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 6 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
福浦が決勝打を放った。10回表無死一、三塁から左前に運んだ。根元がスタートを切ったのは見えたが「余裕があったら見逃したけど、打つ気満々だった」と話す。この日は3安打の活躍。「一時期よりも良くなってきた」と好調をキープしている。
ルーキー根元がボビー采配に応えた。東北福祉大の同期、巨人福田から、延長10回にヒットエンドランを決めた。入団時から早く対戦したいと話すなど、先に1軍で活躍していた福田を発奮材料にしていた。「バントとエンドラン両方頭にあった。向こうはずっと1軍でしたし」と満足そうだった。
風船ガムを大きく膨らませ、ボビーは勝負に出た。同点の延長10回無死一塁、カウント1−2。西岡が走り、打席の根元はバントの構えから打って出た。「ストライクを取りに来ると思ったからね」。指揮官は福田の心理を見透かした。超攻撃的なバスターエンドラン。中前に弾む打球を見て、勝利を確信した。
攻めの姿勢は崩さない。無死一、三塁からの3球目。今度は一塁走者とのランエンドヒットだ。福浦の三塁線を破る決勝適時打が、ボビーの頭脳からはじき出された最終回答だった。
繰り出すマジックは余裕にあふれていた。打率1割台と絶不調のパスクチ、サブローをスタメンに抜擢。長いシーズンを見据え、2人の復調を願って起用した。両者はそろって貴重なソロアーチ。サブローは「(不振脱出の)いいキッカケになりそう」と手応えをつかみ、狙いは的中した。
継投策も万全だった。左腕に弱い巨人に対して、加藤、藤田を投入。「出番は増えると思って、心の準備はできていた」と加藤。7回から3イニングを無失点でしのぎ、10回の攻撃につなげた。
貯金は今季最多の9となり、両リーグ1番乗りで30勝到達。西岡は「監督の采配は今日もスゴかった」とうなった。「素晴らしいチームになってきたね」とスタンドに手を振ったバレンタイン監督。漆黒の左翼席はボビーのタクトにいつまでも酔いしれていた。
予想を裏切る展開でG党をぼう然とさせた。延長10回、“ボビー・マジック”が見事ハマッてロッテは巨人に連勝。両リーグ1番乗りで30勝に到達、さらに貯金を今季最多の『9』に伸ばした。
「(福田が)最初の打者を四球で出していたからね。うまくストライクを投げてきてくれれば、と思った」とバレンタイン監督。まさにそこが勝負の分かれ目だった。
延長10回無死一塁。走者は俊足の西岡で絶好の勝ち越し機。セオリーなら送りバントだが、ボビーは新人の根元(東北福祉大)にエンドランを指示。バスターの体勢から鋭くバットを振り抜くと打球は中前打となり無死一、三塁。この後、福浦が当然のように左前決勝タイムリーを放った。
「監督にはいつも驚かされる。今日の采配もすごかった」というのは西岡。根元も「(エンドランが)あると思っていた」とはいえ実際はサインにいったん打席を外し、気持ちを落ち着かせる光景もあったほど。
味方でさえ驚くボビー采配なら、巨人が幻惑されるのも無理はない。「素晴らしいチームになってきているね」とバレンタイン監督はご満悦。2位のソフトバンクが敗れて2ゲーム差。昨年のアジア王者がいよいよ独走態勢に入ってきた。
清水が6回5安打4失点。序盤こそ無難な立ち上がりだったが、4回に西岡のタイムリー失策などで失点すると、5回には元同僚の李承Yに特大の2ランを浴びた。清水は「4回はちょっと力んだ。5回の2失点はボクのミス。失投です」とガックリ。それでもチームの勝利に「次、頑張ります」と落ち込まずに前を向いた。
ロッテは27日、東京ドームで巨人と対戦。走った西岡も、打った根元も驚きのボビーマジックで接戦を制した。延長10回、先頭・西岡が四球で歩くと、打席に入った根元にバレンタイン監督が出したサインはヒットエンドランだった。「最悪、走者を進められればいい」と途中出場のルーキーは開き直ると、東北福祉大の同級生・福田の4球目を中前へ。無死一、三塁とし、福浦、ベニーの連続適時打で試合を決めた。
延長戦はこれで今季5勝1敗。西岡は「巨人は100%バントと思っていたんじゃないですか。ボビーの采配はいつも凄いが、今日は本当に驚いた」と目を丸くした。セ、パの首位対決に連勝し、3連勝で貯金を今季最多の9に伸ばしたバレンタイン監督は「2人とも足が速いし、根元がうまいバットコントロールを見せてくれた」と両リーグで30勝1番乗りにご機嫌だった。
苦しんでも負けない。ロッテが逆転勝ちで、両リーグ通じて30勝1番乗りだ。
ボビー采配がさえる。4−4の同点で迎えた延長10回表。先頭打者の西岡が四球で出塁すると、定石は犠打の場面で、攻め手を緩めない。2、3球目は犠打のサインだったが、4球目にバスターエンドランに変える。バレンタイン監督は「西岡を歩かせていたし、根元には3球目までストライクが来なかった」と意図を説明した。
西岡は「ジャイアンツは100%送り(バント)だと思い込んでいたのでは」と振り返る。ルーキー根元が中前打で応え、無死一、三塁と重圧をかけると、続く福浦の3球目に再び一塁走者の根元がスタートを切った。左前打で一気に三塁に。ランエンドヒットの形で決勝点を奪い、結果的に2者連続で無死一、三塁のチャンスをつくった。続くベニーの右前打で2点を勝ち越した。
中盤に2点のリードを許したが追い付き、これで延長戦は今季5勝1敗。接戦では抜群の勝負強さを誇る。バレンタイン監督は「素晴らしいチームになりつつある」と自信たっぷりに話した。
これぞボビーマジックだ。勝敗を分けた同点の延長10回、先頭のロッテ・西岡が四球で出塁した。マウンドは新人の福田。打席の根元には送りバントを命じるのがセオリーだ。だが、ボビーの目がギラッと光った。
「西岡が四球で歩いたし、根元にも3球連続でボール性の球。ストライクを取りにくる」。出したサインはヒットエンドラン。根元も期待に応えて中前へはじき返し、俊足の西岡は一気に三塁へ到達した。この時点で勝負は決まった。
福浦、ベニーの連続適時打で2点を勝ち越し、最後は守護神・小林雅が締めて両リーグ30勝1番乗り。指揮官も「いい投手陣に支えられて、いいチームに成長している」と笑顔で自画自賛だ。
ビッグプレーを成し遂げた西岡、根元は平然と「最初からエンドランは頭にあった」と口を揃えた。セオリーにこだわらない柔軟な発想−これが王者たる所以なのかもしれない。
福浦は「四球とエンドランでつないでくれたチャンス。犠飛でもいいと思った」と言いながら、計ったように三塁線を抜く巧打で勝ち越し打を放った。それまでの4打席では好機を広げる2安打。最後は自ら決める勝負強さも発揮し「いいところで打てて良かった」。日々打順が変わる打線の中、不動といえる3番打者がその理由を見せつけた。
ロッテはセ、パの首位対決に連勝し、貯金は最多の9とした。4回までの2点のリードを守備のミスなど自滅で失う形で吐き出した上、清水が昨季までともに戦った李承Yに失投を勝ち越し2ランされた。
ロッテらしからぬ慎重さを欠いた展開だったが、最後はバレンタイン監督の采配とそれに応えた選手の地力で上回った。同監督は同点の10回無死一塁で根元にはバントではなくエンドラン。「ストライクが少なかったから」と制球に苦しむ福田の弱みを突き、中軸の前にチャンスをお膳立てした。
7回からの継投策も的中。「チームとして素晴らしい形になりつつある」と接戦での強さに目を細めた。
ロッテのヴァル・パスクチ外野手(27)が13日の広島戦以来となる4号ソロを放った。4回無死から、工藤のストレートをバックスクリーン右に運んだ。「久々の1発。伸びてくれたね。この何日かは練習の時からいい感じで打てていたんだ。だからこの球場も何となくいいイメージを持っていた。僕を応援してくれている人達のためにも打てて良かった」と話した。
左足に自打球を当てて欠場していたロッテの今江が、4試合ぶりに先発復帰した。前日26日は途中出場だったが無安打に終わり「痛みはもうそんなにないけど、バッティングの内容が悪過ぎる」と反省していた。少年時代は巨人ファン。テレビでの全国中継もあり、出場を心待ちにしていた。