ソフトバンクが今季3度目の4連勝で貯金を今季最多の12とし、4月4日以来の単独首位に浮上した。2−2で迎えた8回、ソフトバンクは代打・本間の押し出し四球、的場の走者一掃適時二塁打など一挙5点を加え、ロッテを突き放した。先発・斎藤和が4年連続の2ケタ、両リーグ通じてハーラー単独トップとなる10勝目をマーク。自身4連勝で、昨年から対ロッテ5連勝となった。ロッテは、2回に里崎の2年連続10号ソロで同点。6回にはフランコの適時打で逆転するが、2004年5月9日〜5月15日以来の6連敗で貯金は6。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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福岡ソフトバンク | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0 | 7 |
千葉ロッテ | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 |
2回2死から里崎が同点に追いつく10号ソロを放った。明らかに右方向を意識したスイングで追い込まれてから2球ファールにした後の8球目、中に入ってきた高めのストレートを今度は思いきり良く引っ張り、鋭いライナーで左翼席に叩き込んだ。 24日の西武戦で滑り込んだ際に左手を打撲し、4試合ぶりの出場。「手の痛みは気合で大丈夫。3試合休んで迷惑をかけたのでチームに貢献したかった」と、復帰戦での1発に顔がほころんだ。
ロッテが今季ワーストの6連敗を喫した。1点リードの7回表1死二塁で先発の成瀬から藤田にスイッチ。だが2死後、川崎に同点適時打を浴びる。8回途中から登板の薮田も、敬遠を含む3四球などで勝ち越しを許した。抑えの小林雅につなぐ勝利の方程式が崩れての痛い敗戦だった。
バレンタイン監督は成瀬の交代に「たくさん投げていたし、ブルペン(中継ぎ)も十分休養を取っていましたから」と説明した。薮田には「彼らしい投球が戻るにはもう少し実戦が必要」と、右肩痛から復帰したばかりの中継ぎエースをかばった。
連覇した交流戦後、1度も勝てていない。気が付けば4位日本ハムに0.5ゲーム差まで詰め寄られる3位。全員の力でトンネルを抜け出すしかない。
緊張の糸が切れた。同点の8回1死満塁。マウンド上は、復帰2戦目の中継ぎエース・薮田。フルカウントから代打・本間への6球目が高めに外れ、押し出し四球で決勝点を許すと、天を仰いだ。その後も的場に走者一掃の二塁打を浴び大敗。2004年5月以来、2年ぶりの6連敗だ。
「薮田?彼らしい投球に戻るには、もう少し実戦が必要。投げるたびに(本調子に)近づいているとは思う」ボビーは前を向いたが、1点リードの7回2死二塁でも、藤田が川崎に同点打を浴びた。勝利の方程式「YFK」が不安定なのは痛い。
救援陣だけではない。連敗中は小野、久保、小林宏、清水、渡辺俊、成瀬の先発ローテ6人で、誰も勝ち星を挙げられなかった。V2を達成した交流戦での好調が、遠い昔に思えてくる。交流戦後、勝ち星がないのはパ・リーグではロッテだけ。12球団を見渡しても、巨人しかいない。4位・日本ハムにも0.5差に迫られ、連覇に向けて、プレーオフ進出さえも微妙になってきた。
ロッテは頼みの救援陣が崩れ、2004年5月以来2年ぶりの6連敗を喫した。1点リードの7回には藤田が川崎に同点打。8回は薮田が制球を乱し、押し出し四球や3点二塁打などで5点を勝ち越された。右肩痛から復帰したばかりの薮田について、バレンタイン監督は「彼らしい投球が戻るには、もう少し実戦が必要」とかばった。4位・日本ハムが0.5ゲーム差に迫ってきた。
継投が裏目に出て04年5月以来、2年ぶりの6連敗。ベンチで行われる試合後のミーティングは通常10秒程度だが、この日は1分以上かかり、バレンタイン監督は「頑張っていこう」とゲキを飛ばした。先発・成瀬は6回まで1失点。1点リードの7回1死二塁で“勝ちパターン”の藤田につないだ。しかし、川崎に同点打を許すと8回は薮田が炎上。1死満塁から本間に押し出し四球など4失点でトドメを刺された。それでも「力ない打球が外野の前に落ちたり、三塁線を抜けた。勝敗はその差だけ」と指揮官。悔しい敗戦にも強気な姿勢は最後まで崩さなかった。
ロッテが今季ワーストの6連敗を喫した。1点リードの7回1死二塁で先発の成瀬から継投策も、裏目に出た。バレンタイン監督は成瀬の交代に「たくさん投げていたし、ブルペン(中継ぎ)も十分休養を取っていましたから」と説明した。打たれた薮田については「彼らしい投球が戻るにはもう少し実戦が必要」と右肩痛から復帰したばかりの中継ぎエースをかばった。連覇した交流戦後、いまだ勝利がなく、4位日本ハムに0.5ゲーム差まで詰め寄られた。
マリーンズファンの熱い声援に支えられて見事、セ・パ交流戦連覇を達成した。23勝13敗。2位のヤクルトに1ゲーム差をつけての単独優勝。巨人には6勝、負けなし。横浜に5勝1敗。中日、広島には4勝2敗と無類の強さを発揮しての勝利となった。
交流戦での面白いデータがある。チーム防御率3.28で12球団中3位、チーム打率は0.265で12球団中8位。本塁打は34本(12球団中5位)。個人タイトルでも、小林雅が13セーブでセーブ王になった以外は投打7部門全てのタイトルは他の球団の選手が獲得している。
これらのデータからも分かるように、ロッテは特筆すべき数字を挙げた訳ではない。にもかかわらず、単独優勝という栄光を手に入れることができたのだ。
なぜ、それが可能だったのか。まずは、やはり指揮官であるボビー・バレンタイン監督の采配が挙げられると思う。エンドラン、セーフティーバント、盗塁。通常ならバントをする場面で強行するなど、これまでの日本球界のセオリーにはない野球を展開した。敵球団の混乱を誘い、ミスを誘発。勝利を呼び込んだ。
バレンタイン監督は言う。「なぜ、無死一塁で2番打者が打席に立つと必ずバントをしなくてはいけないんだ?敵が分かっていることをやるのは1番馬鹿げていることだ。相手の思いつかないことをすべきだ。ましてやうちのチームはバントをするのが好きだとか嫌いだとかを話するのはナンセンス。相手に戦術をバラしているようなもの」。このコメントからも分かるように相手を嫌がる野球を行うことを徹底した結果、勝利を呼び込んだといえる。
また敵球団の分析にも力を注いだ。セ・リーグの公式戦の試合は全て中継映像を記録。試合前のロッカーでは、その映像を延々と流した。またスコアラー陣による分析、特徴報告も的確だった。さらに交流戦は予告先発制度がないにもかかわらず、全試合で完全に相手先発投手を把握。これらの情報力は選手には大きなプラスとなった。
そして忘れてはいけないのがチームの団結力。個ではなく組織としての野球。点ではなく線となった打線。1人1人の数字は決して派手なものではないが、1度、打線がつながるとなかなかとまらないのが印象的。見事な結束力で勝利をものにした。
「決して強いチームではないことは我々が1番分かっている。ならば、どうすればいいか。それは1人1人が力を合わせて強大な敵にぶつかるしかない。我々にはそれができた」。主将的存在のフランコの言葉だ。
交流戦連覇は、選手、首脳陣、裏方が1つとなった組織野球の勝利。このロッテ野球を忘れることなくペナントレースも制したい。