ロッテが4月8日からの対楽天戦8連勝で日本ハムに0.5ゲーム差の4位をキープした。ロッテは1点を追う4回にベニーの3年連続3度目の2ケタとなる10号ソロで同点。5回、堀の5号2ランで勝ち越すも再び同点で迎えた7回、西岡の適時三塁打で勝ち越す。先発・小林宏が7回を毎回の10奪三振3失点で6勝目。藤田、神田、小林雅の継投で1点を守り、小林雅は26セーブ目。楽天は1回にフェルナンデスの適時二塁打で先制、5回西村、6回山崎武の適時打で同点とするも今季6度目の4連敗で借金は23。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 |
東北楽天 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 |
勝つには勝ったけど…。4日の楽天戦で4−3の逃げ切り勝ち。交流戦明けから黒星が先行しているロッテには、何より貴重な白星だが−。
試合後のバレンタイン監督のつぶやきだが、ホンネだろう。7回に西岡の適時打で勝ち越しに成功したが、楽天グリンに7回まで散発6安打に封じられた。先発・小林宏も楽天打線に粘られ7回3失点。文字通りの辛勝だったからだ。
ロッテにとって楽天戦はいまや生命線だ。今季ここまで8勝1敗と勝ち越してはいるが、実はパで勝ち越しているのはこのカードだけ。ソフトバンクに3勝7敗、西武に2勝6敗、日本ハムには4勝4敗、オリックスには3勝5敗。この日の白星で貯金は7だが、これは交流戦と楽天戦での勝ち星だ。それだけに楽天戦での成否が追いつめられた土俵際からの浮上のカギを握っている。
が、現在の楽天は粘りとしぶとさが信条。「ウチは今回のカードが踏ん張りどころ。首位から3ゲーム差だけど、もしコケたら厳しくなる。楽天は貯金カードじゃない。しっかりゲームができているし、3タテできるチームじゃないよ」(球団某首脳)と危惧するのだ。
何はともあれ、V戦線に踏みとどまるためにも気を引き締めるしかない。
全パを率いるロッテのバレンタイン監督は日米での球宴指揮が実現する。4日、フルキャスト宮城で監督推薦選手選出の会見を行い「(メッツ監督時の)01年には米ナショナル・リーグでチームを率いたが、今回も勝るとも劣らない経験になると思う」と話した。オリックス吉井、日本ハム新庄とメジャー時代のメンバーとも久々にチームメートとなる。「彼らを監督として率いるのはいいもの」と感慨深げだ。マジックはお祭りでも炸裂させる。「各ポジションにおいて成績を見て素晴らしい選手を選考したつもりでいます。彼らのベストを引き出してあげたいし、自分は自分のベストを尽くす」と話していた。
形にこだわってばかりはいられない。ロッテは先発の小林宏から藤田につなぎ、逃げ切りにかかっていた。8回裏1死。3人目は薮田ではない。神田だった。3番リックを三振に仕留め、4番フェルナンデスを遊ゴロ。抑えの小林雅へつなぐ必死の継投だった。1点差で逃げ切り、楽天に8連勝。4位転落の苦境をここで立て直すしかなかった。
「YFK」の薮田ではなく神田の投入に、バレンタイン監督は「神田の変化球は、あの打者達に有効だと思いました」と説明した。さらに「薮田の状態も悪くない。同じような状況で使うだろうし、神田も同じ状況で使えることで、さらにチームとして厚みを増していると思う」と前向きに話した。ただ、右肩痛から復帰後の薮田は3試合、1回2/3を投げ自責点5。本調子ではないことは数字が表している。
新たな勝利の方程式の一員となった神田は「全然、そんな立場じゃないけど、ああいう場面で抑えると自信になります」と話した。連覇した交流戦後は、昨年に続き突然の失速。「4強」の様相の中で、これ以上、上位に離される訳にはいかない。必死さが、上昇の原動力になる。
西岡の積極性が勝ち越し打を生んだ。同点の7回2死三塁で、初球を左中間へ適時三塁打。「何とか打ちたい気持ちが強かった。甘い球がきたら初球からいこうと思った」と振り返った。1点差勝利に「これからは連勝街道ではなく、優勝街道にしたい」と再浮上を地下っていた。
執念の継投が新たな勝利の方程式を生み出した。1点リードの8回1死。主軸を迎える場面でボビーは藤田に代えて神田を送った。「神田の変化球が有効だと思った」4年目右腕はスライダーでリックを空振り三振。フェルナンデスを遊ゴロに仕留め、小林雅へとつないだ。
右肩痛から復帰した薮田が2戦連続失点。バレンタイン監督は、薮田不在の間に頭角を現した神田を方程式に組み込んだ。「薮田が今一つの状態だから、3人のうち調子のいい投手を使っていく」と井上投手コーチ。「YFK」を「FKK」に組み替え、1点差を守りきった。
ロッテは楽天戦8連勝。指揮官は「チームに厚みが増した」と新戦力の台頭を喜んだ。「あのメンバー(YFK)に入れるなんてそんな立場じゃないけど、自信になります」と神田。新セットアッパーがロッテを7月反攻へと導いていく。
交流戦後1勝6敗と沈んでいたロッテが、お得意さまを相手に息を吹き返した。接戦を制し、このカードは8連勝。「楽天打線は昨年より厚みがあったが、低めに変化球を集めた」と7回3失点、10奪三振の小林宏は6勝目に満足そうだ。またバレンタイン監督は「小林宏は7回で燃料切れだった」と1点リードの8回から藤田を投入。1死後、3番リック、4番フェルナンデスを迎えると不調の薮田でなく「スライダーが有効と思った」と神田を起用。これに4年目右腕が応えた。采配的中の指揮官は「悪コンディションの中、ウチの選手が精神的にタフなことを証明できた」と笑顔だった。
ロッテは交流戦後1勝6敗と苦戦していたが、ようやく2勝目。先発の小林宏が6月9日以来の6勝目を挙げ、9回は小林雅が先頭・山崎武に四球を出したが礒部を併殺打にとり、3人で料理した。この日、監督推薦で球宴出場が決まった守護神は「勝ててよかった」と笑顔。2日に4位に転落したが、再び巻き返しを図る。
2006サンヨーオールスターゲーム(21日・神宮、22日・宮崎)の監督推薦選手が4日に発表され、出場56選手が出揃った。初出場が18人と多く、日本ハム・八木智哉(22)、オリックス・平野佳寿(22)の両新人投手が選ばれた。
パ・リーグの指揮を執るロッテ・バレンタイン監督はメッツ時代の2001年にナ・リーグを率いて球宴に出場。日米でオールスター監督となり「あの時と比べても勝るとも劣らない栄誉だ」と、感激を口にした。メッツ時代に同じチームで戦ったことのあるオリックス・吉井、日本ハム・新庄もメンバーに入ったとあって「彼らの監督としてチームを率いるのはいいものだ。2人とも最後のオールスターになるかもしれないし…」と本番を楽しみにしていた。
ここまで8勝を挙げている日本ハム・八木も監督推薦で出場が決定。日本ハムの新人としては80年の木田勇以来26年ぶりの快挙だ。「嬉しい。真っ直ぐで押していきたい」と八木。新人王争いのライバル、オリックスの平野佳も選出され「いい友達です。2人で色々な話ができるのは、球宴くらいしかないと思っていたので嬉しい」と笑顔を見せていた。
3年目の巨人・内海が監督推薦で球宴初出場を決めた。ここまで今季6勝7敗。2日の阪神戦(東京ドーム)でプロ初完封を遂げた成長株は「巨人の代表として恥をかかないように頑張りたい」と胸を張ったが、一方で交流戦期間中は成績が伸び悩んだだけに「パ・リーグは強いのでできれば投げたくないんです」と周囲を笑わせていた。
パ・リーグ | |||||||||
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監督 | バレンタイン | 千葉ロッテ | |||||||
コーチ | 王貞治 | ソフトバンク | |||||||
伊東勤 | 西武 | ||||||||
守備 | 選手 | チーム | 回数 | 年齢 | 防御 | 勝利 | 敗戦 | S | 年俸 |
先発 | ※松坂大輔 | 西武 | 8 | 25 | 2.05 | 9 | 2 | 0 | 33000 |
中継 | ※菊地原毅 | オリックス | 1 | 31 | 2.96 | 1 | 1 | 1 | 4200 |
抑え | ※馬原孝浩 | ソフトバンク | 1 | 24 | 2.23 | 0 | 3 | 18 | 5000 |
投手 | 小林雅英 | 千葉ロッテ | 5 | 32 | 0.82 | 4 | 0 | 25 | 25000 |
斉藤和巳 | ソフトバンク | 2 | 28 | 2.03 | 10 | 3 | 0 | 25000 | |
涌井秀章 | 西武 | 1 | 20 | 2.41 | 9 | 4 | 0 | 950 | |
平野佳寿 | オリックス | 1 | 22 | 2.91 | 6 | 4 | 0 | 1500 | |
吉井理人 | オリックス | 5 | 41 | 2.92 | 6 | 4 | 0 | 2000 | |
武田久 | 北海道日本ハム | 1 | 28 | 2.60 | 3 | 2 | 3 | 1800 | |
八木智哉 | 北海道日本ハム | 1 | 22 | 2.48 | 8 | 3 | 0 | 1500 | |
福盛和男 | 東北楽天 | 1 | 29 | 1.21 | 0 | 0 | 16 | 5800 | |
守備 | 選手 | チーム | 回数 | 年齢 | 打率 | 本塁 | 打点 | 盗塁 | 年俸 |
捕手 | ※里崎智也 | 千葉ロッテ | 2 | 30 | .273 | 10 | 37 | 1 | 5500 |
日高剛 | オリックス | 4 | 28 | .238 | 1 | 20 | 2 | 5100 | |
一塁手 | ※小笠原道大 | 北海道日本ハム | 8 | 32 | .296 | 14 | 47 | 1 | 38000 |
二塁手 | ※本間満 | ソフトバンク | 1 | 33 | .262 | 2 | 23 | 1 | 3200 |
三塁手 | ※今江敏晃 | 千葉ロッテ | 1 | 22 | .284 | 7 | 36 | 1 | 5500 |
遊撃手 | ※川崎宗則 | ソフトバンク | 3 | 25 | .280 | 2 | 13 | 10 | 9000 |
内野手 | 西岡剛 | 千葉ロッテ | 2 | 21 | .294 | 3 | 19 | 26 | 5100 |
福浦和也 | 千葉ロッテ | 4 | 30 | .344 | 3 | 32 | 0 | 18000 | |
松中信彦 | ソフトバンク | 7 | 32 | .359 | 15 | 53 | 0 | 32000 | |
中島裕之 | 西武 | 2 | 23 | .299 | 14 | 50 | 6 | 4400 | |
カブレラ | 西武 | 4 | 34 | .338 | 20 | 59 | 0 | 60000 | |
フェルナンデス | 東北楽天 | 1 | 31 | .314 | 19 | 51 | 1 | 20000 | |
外野手 | ※新庄剛志 | 北海道日本ハム | 7 | 34 | .261 | 12 | 37 | 1 | 30000 |
※柴原洋 | ソフトバンク | 3 | 32 | .300 | 2 | 35 | 2 | 12000 | |
※谷佳知 | オリックス | 5 | 33 | .268 | 3 | 18 | 1 | 28000 | |
森本稀哲 | 北海道日本ハム | 1 | 25 | .297 | 7 | 25 | 7 | 3000 | |
DH | ※清原和博 | オリックス | 19 | 38 | .243 | 5 | 19 | 0 | 30000 |
セ・リーグ | |||||||||
監督 | 岡田彰布 | 阪神 | |||||||
コーチ | 落合博満 | 中日 | |||||||
牛島和彦 | 横浜 | ||||||||
守備 | 選手 | チーム | 回数 | 年齢 | 防御 | 勝利 | 敗戦 | S | 年俸 |
先発 | ※川上憲伸 | 中日 | 5 | 31 | 1.47 | 9 | 1 | 0 | 24000 |
中継 | ※藤川球児 | 阪神 | 2 | 25 | 0.18 | 3 | 0 | 0 | 8000 |
抑え | ※クルーン | 横浜 | 2 | 33 | 3.86 | 1 | 3 | 14 | 19040 |
投手 | 岩瀬仁紀 | 中日 | 5 | 31 | 2.10 | 1 | 2 | 20 | 30500 |
朝倉健太 | 中日 | 1 | 25 | 2.95 | 6 | 3 | 0 | 3000 | |
三浦大輔 | 横浜 | 3 | 33 | 3.54 | 5 | 5 | 0 | 22000 | |
石川雅規 | ヤクルト | 1 | 26 | 4.06 | 7 | 5 | 0 | 10000 | |
木田優夫 | ヤクルト | 2 | 38 | 2.77 | 2 | 4 | 5 | 2500 | |
内海哲也 | 巨人 | 1 | 24 | 2.47 | 6 | 7 | 0 | 1800 | |
黒田博樹 | 広島 | 3 | 31 | 2.23 | 6 | 6 | 0 | 20000 | |
永川勝浩 | 広島 | 2 | 26 | 1.63 | 3 | 3 | 8 | 4200 | |
守備 | 選手 | チーム | 回数 | 年齢 | 打率 | 本塁 | 打点 | 盗塁 | 年俸 |
捕手 | ※古田敦也 | ヤクルト | 17 | 40 | .244 | 0 | 8 | 0 | 23000 |
矢野輝弘 | 阪神 | 6 | 37 | .260 | 10 | 39 | 0 | 22000 | |
阿部慎之助 | 巨人 | 3 | 27 | .307 | 4 | 32 | 0 | 14000 | |
一塁手 | ※シーツ | 阪神 | 1 | 34 | .314 | 11 | 43 | 0 | 20000 |
二塁手 | ※藤本敦士 | 阪神 | 3 | 28 | .259 | 1 | 15 | 1 | 4650 |
三塁手 | ※小久保裕紀 | 巨人 | 9 | 34 | .278 | 13 | 40 | 0 | 30000 |
遊撃手 | ※鳥谷敬 | 阪神 | 2 | 25 | .299 | 6 | 29 | 3 | 3800 |
内野手 | 村田修一 | 横浜 | 1 | 25 | .267 | 21 | 68 | 0 | 4150 |
岩村明憲 | ヤクルト | 4 | 27 | .309 | 12 | 31 | 3 | 21600 | |
二岡智宏 | 巨人 | 5 | 30 | .321 | 14 | 44 | 0 | 16000 | |
李承Y | 巨人 | 2 | 29 | .334 | 26 | 56 | 2 | 16000 | |
東出輝裕 | 広島 | 1 | 25 | .315 | 0 | 7 | 6 | 1500 | |
外野手 | ※福留孝介 | 中日 | 5 | 29 | .350 | 15 | 49 | 6 | 25000 |
※金本知憲 | 阪神 | 9 | 38 | .295 | 11 | 38 | 1 | 26000 | |
※赤星憲広 | 阪神 | 3 | 30 | .297 | 0 | 12 | 19 | 18000 | |
アレックス | 中日 | 1 | 34 | .280 | 9 | 40 | 2 | 26500 | |
青木宣親 | ヤクルト | 2 | 24 | .313 | 4 | 28 | 25 | 6800 |
[注]※はファン投票選出。年俸は推定、単位は万円。成績は2006年7月2日現在。
ロッテの先発小林宏が7回を10奪三振、3失点で6月9日以来の6勝目(3敗)を挙げた。「ランナーが出ても、むきにならないように丁寧に投げた」。チームはこのカード8連勝。救援陣の助けを借りたが「(調子が)悪いなりに、よく投げられたというところ」と自らに合格点だった。
同点の5回1死二塁。ロッテ堀がやや内寄り144キロ直球をよく振り抜くと、打球は左翼席へ飛び込む勝ち越しの5号2ランになった。5月28日巨人戦以来の1発に「完璧に打つことができました。嬉しいね。チームが今一つの状態。この本塁打をきっかけになればいいけどね」とコメントした。