ロッテは楽天戦が降雨中止になり、室内練習場で約1時間の練習。先発予定だった清水が、6日にスライドすることになった。中9日での登板になるが、バレンタイン監督は「この時期に1日でも休みができるのは、選手にとってはとてもいいこと」。ここ12試合で先発投手に勝ち星がついたのがわずか2試合とあり、恵みの雨になったようだ。
ロッテバレンタイン監督による6月上旬の「ドラフト裏金発言」について、巨人滝鼻オーナーから追求があった。すでに同監督は発言後に釈明し、根来コミッショナーも球団から事情説明の回答を得ている。それでも滝鼻オーナーは「ロッテ球団の監督が30億の裏金があると発言したことを誰も言わないから、実際どうなんだとパの会長に質問した。ロッテ側から回答があって『誤解された、ないならないで結構です』と言うので良かったというから、そうじゃないだろと」説明。ロッテ重光オーナー代行は「私の方からご迷惑をお掛けしたとお詫びをした。野球界全体の信用を失うし、不確かな情報で言ってはいけないという意見をいただいた」と話した。
プロ野球オーナー会議で5日、ドラフト裏金発言をバレンタイン監督が行ったロッテに、巨人・滝鼻卓雄オーナー(66)が謝罪を求めた。
滝鼻オーナーが会議の席上、ロッテ・バレンタイン監督が先月、ロッテ以外の11球団がドラフトで裏金を使っていると発言したことについて、重光オーナー代行に11球団に対しての謝罪を要求。ロッテ側がわびる一幕があった。
滝鼻オーナーが挙手したのは会議の終盤だった。パの小池会長に“ボビー発言”についての調査結果の説明を求めたところ、明確な回答が得られなかった。滝鼻オーナーは「反省しているのかしていないのか、はっきりして欲しい」と厳しい姿勢でロッテ側に猛省を促し、重光オーナー代行が「推測に基づく発言はしないよう注意する。監督も反省している」と謝罪したという。
問題の発言は6月9日、バレンタイン監督がドラフトでの選手獲得について、決められた上限を超えた額が使われていると指摘。「(ロッテ以外の11球団で)総額は30億円にも上ると聞いている」と発言したもの。
重光オーナー代行は会議後「私の方から不用意な発言で他球団の皆さんに迷惑をかけたと経緯を説明した」と話した。バレンタイン監督は6日に会見を行う予定で、その時に改めてこの件について釈明をすることになりそうだ。
オーナー会議では、ロッテ・バレンタイン監督のドラフト裏金発言問題も議論された。問題提議したのは巨人・滝鼻オーナーで、小池パ・リーグ会長に経緯や真意についての説明を求めた。
バレンタイン監督は6月9日、「昨年は12球団で30億円の裏金が使われたと、少なくとも4人から情報を受けた」と発言。すでにコミッショナー事務局が球団に文書で事情説明を求め、「誤解であり、発言の趣旨とは違う」との返答を受け取っていた。だが滝鼻オーナーは「反省しているのか、していないのかはっきりして欲しい」と不快感を示した。
ロッテの重光オーナー代行は、監督発言を改めて撤回した上で「野球界全体のイメージを失墜させた」と謝罪。発言についてさらに調査して報告することを約束した。
球界に衝撃が走った。ソフトバンク王貞治監督(66)は5日、胃の腫瘍摘出手術を都内の病院で受けるため、6日から休養することを発表した。西武10回戦(福岡ヤフードーム)の試合終了後に緊急会見を開き、自ら病状を明らかにした。6月上旬から胃のもたれを感じ、同26日に福岡市内の病院で検査を受けた結果、胃に手術を必要とする腫瘍が見つかった。6日に東京へ移動し、入院。再検査を経て手術を受ける。チームを離れる王監督に代わって、WBC期間中も監督代行を務めた森脇浩司チーフ兼内野守備走塁コーチ(45)が同職を兼任する。
西武戦の試合会見を終えると、王監督はユニホームから私服に着替え、緊急会見を開いた。何度か言葉に詰まりながら、自らの病状を公にした。
6月26日に胃の組織をとって検査をした結果、手術を必要とする腫瘍が見つかった。
年に2度、人間ドックで体の定期健診を受けているが、2年前からは福岡県内の病院でPET(陽電子放射断層撮影)検査も取り入れ、がんの早期発見を心掛けていた。01年12月に最愛の恭子夫人を失ったことが、きっかけだった。恭子夫人は胃がんのため、57歳という若さで急逝。「女房にしてやれなかったから」と、関係者にPET検査を受けている理由を語った。会見では「こんなに大変なこととは思わなかったが、早く検査をして良かった」と話した。
チームを率いて12年目。今季は開幕前から多忙を極めた。2月からWBCで日本代表の監督を務め、世界一を達成。帰国後は休む間もなくペナントレースに突入した。だからこそ、健康には気を配ってきた。今年は内臓脂肪を燃焼させるために自転車を購入し、福岡市内を散策。片足に約1キロのおもりが入ったクツを履いて、球場入りしていた。
「ON」として球界を背負ってきた長嶋氏が04年3月に脳梗塞で倒れたことに「かなりの衝撃を受けたようだ」(球団関係者)と、その後は特に体に気をかけた。
選手、コーチ陣には全てを隠して指揮を執り続け、試合後の緊急ミーティングで病状を伝えた。王監督ならではの配慮だった。「この大事な時期に離れるのは残念に思いますし、自分が1番好きな野球から離れることが残念で悔しい。ファンの人にも申し訳ない」。選手には「テレビで見ているぞ」とも付け加えた。最後の最後までチームを、ファンを気遣った。
6日に東京都内の病院に入院し、精密検査を受ける。入院期間は約1ヶ月に及ぶ見込み。「選手、コーチが頑張ってくれると思う。必ずや秋には、プレーオフを制して、日本シリーズに出て、日本一を奪還してくれると思う。チームにはいい風が吹き始めている」。確かな手応えと予感を抱いて、王監督は治療に専念する。
ソフトバンクの王貞治監督(66)が5日の西武10回戦(ヤフードーム)終了後、記者会見を行い、胃に摘出する必要がある腫瘍が発見されたため、6日から休養することを明かした。6日に都内の病院で再検査を受け、来週中にも手術を受ける見込み。監督代理は森脇浩司チーフヘッド兼内野守備走塁コーチ(45)が務める。
試合終了から約30分後の午後11時、私服に着替えた王監督は静かな口調で、こう語った。
「1週間ほど前から胃の具合が悪かったので、月曜(3日)に検査を受けたところ、手術をしなければならない腫瘍があるという診断を受けた。シーズンの途中でチームを離れるのは残念に思いますし、自分が1番好きな野球から離れるのは悔しい思いで一杯です」。
胃にもたれを感じ、福岡市内の病院で検査を受けたのは6月26日。そこで胃に腫瘍があることが発見された。3日には同じ病院で病理検査を受け早期の手術が必要と診断されたという。6日に都内の病院で検査を受け、来週中には手術を受ける。シーズン81試合目、西武と激しい優勝争いを展開している最中で休養を余儀なくされたことに、言葉の端々に無念さがにじんだ。巨人時代と合わせ、17年目の監督業でシーズン途中で戦列を離れるのは初めてだ。 昨オフにワールド・ベースボール・クラシック(WBC)監督に就任することが決まり、東京と福岡を往復する日が続いた。今年1月には「オレはいつになったらこんなプレッシャーから解放されるんだろう」と話したこともある。3月のWBCでは計り知れない重圧を乗り越え、世界一に輝いたが、3月22日に帰国して3日後には公式戦開幕を迎えたハードスケジュール。常にベストを尽くす律儀な性格が体をむしばむ一因となったのは想像に難くない。
開幕直後には連日、点滴を打って球場入りする日々。またチーム関係者からは「勝っても負けても、以前より感情を表面に出さなくなった」との声もあった。4月には日本代表編成委員会関係者が08年北京五輪日本代表監督への就任要請を行ったがWBCの身体的負担が大きかったことなどを理由に固辞していた。1日に何杯も飲むコーヒーは最近はお茶に変わっていた。大好きだったビールも口にしなくなっていたという。
「いつ戻って来られるか分からないからこういう話し方になってしまう」。長期離脱の可能性を自ら口にした際には寂しさものぞいた。
長嶋茂雄終身名誉監督が脳梗塞に倒れ、今度は王監督。プロ野球の代名詞だったONが共に病気と闘う。日本の野球ファンが1日も早い復帰を願っている。そのユニホーム姿を待っている。
王監督の不在期間は森脇内野守備走塁コーチが監督代行を務めることになった。WBCでも森脇をチーフにして、みんなで相談してやってもらった。その形を継承してくれと言った」と王監督は森脇コーチに後を託した。「任せた」と声をかけられた森脇コーチも「監督が戻ってきた時に、いい形でバトンを渡したい。目標は1つしかない。監督にはいくつも勇気をもらった。今度はいい結果を残して勇気を与えたい」と誓いを新たにした。
ソフトバンク・王貞治監督(66)が胃の腫瘍のため、休養することになった。5日の西武戦(ヤフードーム)終了後に明らかにした。6日に都内の病院に入院して手術を受ける予定で、約1カ月間の入院加療が必要。森脇浩司チーフコーチ(45)が監督代行を務める。3月のWBCで日本を初代王者に導いた名将が、シーズン佳境の夏場を前に闘病生活に入る。
12年目を迎える王ホークスに衝撃が走った。
病魔にむしばまれていた王監督の入院、手術−。試合中に松中が涙を流しながら打席に立った理由を、洪水のように浴びせられたカメラのフラッシュの中心で、指揮官は気丈に語った。
「(3日の)月曜日に病院で検査を受けた結果、手術をしなければならないということだった。明日(6日)東京に行って入院し、再度検査した上で来週にも手術を行います。こういう形でチームを離れることになって本当に残念。私が1番、大好きな野球から離れることになって悔しい思いをしています」。
交流戦終了直後の6月中旬から胃の入り口にあたる噴門部に胸焼けともたれを感じていた。「初めてのことじゃないから」と周囲が検査をすすめる声を耳に入れなかったが、7月に入り、食事をとる際の違和感が激しくなった。千葉からの移動日となった3日、福岡市内の病院で検査。X線写真には腫瘍が写っていた。
6日午後に都内の病院に入院した後、再検査。早ければ来週10日にも手術を行う。
今年は2月に米ワシントンで催されたパーティーに1泊3日の強行日程で出席。3月にはWBC日本代表の指揮を執り、すぐさまシーズンに突入した。WBCから帰国した際には体重が8キロも減っていた。開幕カードの直後には体調不良で風邪をこじらせ、福岡市内の病院で何度も点滴を受けた。
検査を受けた直後、福岡市内の飲食店で担当記者との懇親会が催された。2時間の宴席の中、指揮官が口に入れたのは刺し身一切れと野菜の揚げ物だけ。氷の入っていないウーロン茶ばかりに手を伸ばし続けた。
「必ず秋にはプレーオフを制して、3年ぶりに日本シリーズに出て、日本一を奪回したいと思っています。私はいつ帰ってくるか分からない。選手には“チームにはものすごくいい風が吹いている。テレビで見ているぞ”と伝えました」。
大きな病気とは無縁の世界にいた王監督を襲った突然の病魔。満身創痍の国民的ヒーローが闘病生活に入る。
絶対的な存在感でチームを率いてきた王監督の突然の休養に、ソフトバンクの選手は驚きと動揺を隠せなかった。
エースで選手会長の斉藤和は「いつもグラウンド内外で元気な姿を見ていたのでびっくりした」と神妙な表情で驚きを口にした。「監督は治療に専念してもらい、僕らは勝つ姿を見せたい。できることは何でもする。1日も早く治って欲しい」と話した。
WBC日本代表の4番も務めた松中は試合後、目を潤ませてベンチ裏に引き揚げてきた。「驚きとショックがある。WBCから一緒に戦ってきて体が悪くなるとは思ってもいなかった。僕らはとにかく勝つこと。しっかりと治していただきたい」と早い回復を願った。
WBCでも活躍した川崎は「まずはしっかり治して欲しい。監督がやってきたことを僕なりに若い選手に伝えたい」と内野のリーダーとしての自覚を新たにし、右の主砲ズレータは「非常に驚いた。彼のために戦っていかないといけない」と落ち込んだ様子で話した。
ソフトバンク・王貞治監督(66)が胃の腫瘍の手術のため、6日に都内の病院に緊急入院する。5日の西武戦(福岡ヤフードーム)後、自ら公表した。6月中旬から不調を感じ検査を受けた結果、3日に「早期手術を要する胃の腫瘍が発見された」という。来週にも手術を受け、約1ヶ月の入院加療する見通し。8日の楽天戦(宮城)からは、森脇浩司チーフコーチ(45)が監督代行を務める。
衝撃の告白だった。延長12回の末に引き分け、4時間35分の激闘を終えた、25分後だった。私服に着替えた王監督が、笠井オーナー代行を伴い、福岡ヤフードーム内で緊急会見を開いた。「1週間前(6月26日)に胃の具合が悪かったので、検査で組織を採ってみてもらった。月曜日(3日)に手術をしなければならないと言われた。手術はなるべく早くした方がいいと言われた」冷静に淡々と事実を明かした。
普段通りの鋭い眼光だった。首位・西武との直接対決第2ラウンド。ナインに動揺を与えないため、事実を隠して、一塁ベンチで采配を振った。選手、コーチ陣には、試合終了直後のミーティングで、初めて明らかにした。1994年オフのホークス監督就任以来、12年目のシーズンは首位に1ゲーム差、1位争いの真っただ中、思いもよらぬ形で離脱となった。
6月中旬から、胃のもたれや、胸やけの自覚症状があったという。同26日に福岡市内の病院で精密検査。結果はあまりにもショックな内容だった。二女の理恵さんも「まさか、この時期にこういう形で離れるとは。父が1番つらいと思う」と話した。
ハード日程による過労が、体をむしばんでいたのかもしれない。3月に米国などで行われた第1回のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、日本代表監督として初代世界王者に導いた。サンディエゴの歓喜の舞いから、わずか4日、1日も休養をはさむことなく3月25日の開幕のロッテ戦(福岡ヤフードーム)でチームを白星に導いた。
ここ数日は、大好きなビールも口につけず、重大な思いを秘めて、西武との首位決戦に執念を燃やしていた。オフには毎年欠かさず、人間ドックに入り、精密検査を受けてきた。重りの入ったスニーカーでのウオーキングを頻繁に行うなど、健康には人一倍、気をつけてきた。若手の育成と勝利の2つの課題を掲げながら、転換期を迎えたチームを率いての首位争い。今季こそ、2年連続でプレーオフで敗れた悔しさを晴らす決意は並々ならぬものがあった。
検査結果が出た当日の3日、福岡市内の飲食店で開かれた担当記者との夕食会に何事もなかったように出席。3年ぶりの日本一奪回を誓う姿があった。「必ずや秋にはプレーオフを制して、日本シリーズに出て、3年ぶり日本一になる…。私はいつ帰ってこれるか分からないので、今はそのコメントしか出来ない」。指揮官がサイン色紙に好んで添える言葉がある。「気力」背番号89は、必ず、グラウンドに帰ってくる。
ソフトバンク・王貞治監督(66)が5日、ヤフードームでの西武戦の試合後、体調不良を理由に無期限休養を発表した。6月中旬から胃のもたれを自覚し、同26日に福岡市内の病院で検査。3日に検査結果が出て、早期手術を必要とする腫瘍が胃に発見された。6日に東京都内の病院に入院、再検査を経て、週明けにも緊急手術を受ける。監督代行は、森脇浩司チーフ兼内野守備走塁コーチ(45)が務める。王監督は95年から前身のダイエーで指揮を執り、リーグ制覇3回、日本一2回に輝いた。
延長12回、4時間35分の激闘をいつもと変わらず指揮を執った後、午後11時からの緊急会見で衝撃的な電撃休養が王監督自身の口から明らかにされた。
95年にダイエー監督に就任以来、ホークスでは12年目。今年は第1回WBCの日本代表監督も兼任するなど、例年以上に激務に追われていたが、シーズン中の合間を縫った早期検査が早期発見につながった。孫オーナーおよび球団も王監督の復帰を願って、シーズン中の一時離脱を了承し、早期手術を勧めた。8日の楽天戦からはWBC期間中と同様に森脇チーフコーチが監督代行を務める。
試合後、約10分間にわたって、コーチ陣と選手に経緯を報告。「監督がいる、いないに関係なく、自分のやるべきことをしっかりやってくれ。必ず秋にはプレーオフを制して、日本シリーズに出て、3年ぶり日本一を奪回する」と言い残した。
病気のため無期限休養-。いかにも衝撃的な言葉だ。ソフトバンクを永年率い、弱小球団を常勝軍団に育て上げてきた。大リーグに戦いの場を求めた城島や井口、そして巨人に移った小久保、そして松中が主力となって12球団で最強の軍団を作った。その間、様々な苦難に遭遇した。だがそれも、強靭な精神力で乗り越えてきた。
3月に行われたWBCでは、国民の多大な期待とプレッシャーを背負いながら、逆境を克服して初代王者に輝いた。「最高に嬉しい」と子供のような笑顔を見せた王監督だったが…。
「私はいつ帰ってこられるか分かりませんので、不本意ですけどこういうコメントしかできない」。当然、このままユニホームを脱ぐつもりはない。現段階では約1ヶ月の入院加療の見込み。秋の胴上げを実現するため、復帰への強い意志を抱いて、背番号89がいったん、チームを離れる。
プロ野球界が、阪神の「身売り」を認定した。5日、都内のホテルでオーナー会議が開かれ、阪神球団の親会社である阪神電鉄と阪急ホールディングス(HD)の経営統合に関して議論された。球団の実質的な保有者が変更された場合、預かり保証金など計30億円を日本野球機構に支払う必要がある。71年の歴史を持つ阪神球団だけに免除、減額という意見も出たが、今後の悪例となる懸念が強く、原則が貫かれた。また、楽天、横浜株の二重保有問題については、楽天本社が早期解決する誓約書を提出することになった。
71年の歴史を持つ阪神タイガースが、「新規参入」と同じ扱いになった。阪神電鉄と阪急HDの経営統合では、阪急が阪神を完全子会社化する方式をとる。阪神球団は現状通りに阪神電鉄の子会社だが、オーナー会議は球団の実質的な保有者が変更されたと認定した。白井文吾議長(中日オーナー)は「阪神の経営実態が変わったという点で異論はなかった」と語った。
実質的な保有者が変更された場合、野球協約36条では預かり保証金25億円、野球振興協力金4億円、加入手数料1億円の計30億円を機構に納める必要がある。保証金25億円は10年間、保有した場合に返却される。04年に定められた条項で、同年に新規参入した楽天、ソフトバンクが支払っている。西武は、グループ再編の一環と見なされ免除されている。
伝統があり、球界発展に多大な貢献をしてきた阪神球団だけに、オーナー会議でも支払い免除、または減額という意見が出た。例えば「返却がある保証金だけを納めればいい」という意見も出た。しかし、こうした意見は少数で、西武太田秀和オーナー代行は「私と広島さん、巨人さんでした」と明かした。
他球団は今回の個別ケースというより、今後への悪影響を考慮して慎重な意見が多かった。ロッテ重光昭夫オーナー代行は「今後のこともあるのでルール通りやった方がいい。ファンドが(球団)親会社の親になることもあり、悪用されるケースもある。将来変なことが起こる前にやっておいた方がいい」と語った。かつて球団を手放した阪急に対する不信感も出た。
04年の再編騒動など、球団間だけで解決できない問題が多発している。新規参入球団も誕生し、根来コミッショナーは「社会の中で対応していかなければならない」と語り、協約改定を進めている。数年前ならば「阪神だから…」と特別扱いもできたのだろうが、球界内でも世相を反映した決議をしなければならなかった。
楽天が横浜の親会社TBS株を保有している問題について、楽天に早期解決の契約書を提出させることに決まった。両社間の話し合いに今年3月の期限が設けられたが、先送りとなり、以後も楽天は「継続審議」として進展のないままだった。井上智浩オーナー代行は「善処します」と答え、球団株二重保有に冠する協約改正をあらためて主張した。三木谷浩史オーナーは職務多忙を理由に欠席した。
プロ野球オーナー会議が5日、都内のホテルで開かれ、親会社である阪神電鉄が阪急ホールディングス(HD=旧阪急電鉄)と経営統合する阪神に預かり保証金など総額30億円の支払い命令が決議された。野球協約の「実際上の保有者の変更」との認識で、阪神が求めた保証金などの全額免除は圧倒的多数で否決された。1935年(昭10)創立以来71年の伝統を誇る老舗球団は、新規参入同様の扱いに衝撃が走った。
6月29日に就任したばかりの阪神・宮崎オーナーは「結論から言いますと、新規参入と同じような扱いでした。残念、無念です」とショックの色を隠さなかった。阪神電鉄は阪急電鉄と統合し、10月1日に発足する「阪急阪神ホールディングス」の子会社になる。阪神側は「実質的保有者は変わらない」として野球協約が定める球団保有者変更に必要な預り保証金25億円の免除を主張したが、球界が下した結論は違った。
「阪神タイガースの経営実体は変わったと決定した。ですから、野球協約36条に定める保証金をいただきます」と議長の中日・白井オーナー。免除が認められるには4分の3以上(9球団)の賛成が必要だったが、賛同したのは広島、西武と誓約書を取ればという条件をつけた巨人だけ。04年に新規参入したソフトバンク・孫オーナーは「阪急による事実上の買収だ。ルール通りにやるのが順当」と反対姿勢を明確にした。
「阪神だけいいのか、という原則論をおっしゃる方がいた」と宮崎オーナー。実質的な親会社となる阪急が18年前にブレーブスを売却している経緯も心象に響いた。球団保有者の変更どころか新規参入扱いを受け、25億円のほかに加入手数料1億円、野球振興協力金4億円を課された。球団を10年間保有すれば全額返還されるが「阪神は71年間もプロ野球界に貢献しており、少なくとも5年、10年でタイガースを手放すことは100%あり得ないと申し上げたが…」と宮崎オーナー。親会社に親会社が生まれるという協約想定外の現象が招いた、老舗球団の“新人扱い”。10月1日のHD発足後のヒアリング調査を経て、11月の次回オーナー会議で保有者変更が最終承認される。
プロ野球のオーナー会議が5日、都内で開かれ、10月1日に親会社の阪神電鉄が阪急ホールディングス(HD)と経営統合する阪神タイガースについて、野球協約上の「球団保有者の変更」にあたると判断。阪神が預かり保証金25億円など計30億円を支払うことが決まった。また、楽天本社が横浜球団の親会社であるTBSの株式を大量保有していることについては、速やかな解決への「誓約書」を求めることになった。
約3時間のオーナー会議で、2時間弱が阪神問題にあてられた。
「阪神の経営実態は変わったという認識がなされ、保証金などを支払うべきという結論に到達した」(白井議長=中日)。阪神は預かり保証金25億円(球団を10年保有後に返還)、野球振興協力金4億円、加入手数料1億円の計30億円を支払うことになった。支払いは経営統合が実施される10月1日以降になる。
阪神電鉄の100%子会社であることは変わらないと保証金などの免除・減免を求めていた阪神・宮崎オーナーは「ご理解いただけず残念。払わざるをえないだろう」と話した。
阪急HDによるTOB(株式公開買付け)の結果の経営統合で、全球団が野球協約31条(4)の「実際上の保有者の変更」にあたるとの認識で一致。阪神が求める免除・減免(同36条6の2項)には西武、広島、巨人の賛同しか得られず、30億円の支払いが決まった。
現行協約では親会社の保有の変更などは想定されていない。だが企業の買収や統合が日常的になり、親会社を買収すれば球団を支配できる現実が生じた。出発点は村上ファンドによる阪神電鉄株の大量保有だったが、統合先が阪急HDであっても、支配者の変更に変わりはない。球界を巻き込んだ『村上ショック』に対し、球界が下した現実的判断でもある。
この判断は今後、球団の親会社を縛る“判例”になるが、根来コミッショナーは、社団法人日本野球機構のメンバーに親会社を含めるなどして、一定の拘束力を持たせる私案を持っている。
ロッテ・バレンタイン監督が6月9日にロッテ以外の球団でドラフトに裏金が使われていると発言、後日訂正した件について巨人・滝鼻オーナーが「発言は虚偽ではないか」と痛烈批判。会議後も「あとの11球団は泥を塗られた格好だ」と怒りが収まらなかった。同監督に謝罪を求める声もあったが、ロッテ・重光オーナー代行は「野球界のイメージを失墜させることを言ってはいけないと指導した」と他球団に対して陳謝した。
ソフトバンクの孫オーナーが、MLBのワールドシリーズ王者と日本シリーズ覇者との「世界一決定戦」を再提案した。「1日でも早い実現に向け、WBCに優勝した勢いで今こそ米国に提案すべき」と、実行委員会に諮って実現へ努力していくことになった。
プロ野球オーナー会議が5日、都内ホテルで行われ、阪神電鉄と阪急ホールディングス(HD)の経営統合に関し、阪神球団の実質的支配権は阪急HDに移ったと認定した。18年前にブレーブスを売却した「阪急」による事実上の“球界再参入”と位置づけられたことで、阪神側は野球協約に基づき「預かり保証金」など計30億円を支払うことになった。
阪神はあくまで阪神なのか、そうではないのか。2006年度最初のオーナー会議の審議は、ここに集中した。タイガースの親会社である阪神電鉄と阪急HDの経営統合について、会議の冒頭でまず、就任したばかりの阪神・宮崎恒彰新オーナーから説明がなされた。
阪神球団の親会社は変わらないものの、その親会社の親会社に阪急HDが収まる新形態について、宮崎オーナーは野球協約の「31条4項」を持ち出した。既存球団の実質的保有者が代わる場合はオーナー会議の承認を得なければならないと定めてある条文に抵触するなら「新規加入を承認して欲しい」と説明。新規加入とされれば「36条の6」に基づき、安定経営の誓約の担保になる「預かり保証金」25億円などを日本野球機構に納めなければならないが、それらの全額免除も求めた。
意見は分かれた。「球界における長年の貢献度を考えて免除してはどうか」「心情的にはつらいだろうけれどしようがない」など発言が飛び交ったが、11球団とも「阪神の事実上の経営者は代わった」との見解では一致。その上で西武、広島などが保証金免除の考えを示したが、同意する球団が議決に必要と定めてある4分の3にあたる9球団に遠く及ばなかった。このため阪神側に保証金25億円に加え、野球振興への協力金4億円、手数料1億円の計30億円の支払いを求めることが決まった。
ソフトバンクの孫オーナーは「阪急さんが新しい(阪神の)オーナーになったとの決定事項には全会一致で賛成」と説明。今回の問題を「阪急」による“球界再参入”との認識を明確に示した。ロッテ・重光オーナー代行は「阪神さんは安くしていただきたい感じだった」と内情を明かしたが、会議では感情論からではなく実質論で結論を導き出した形になった。
プロ野球オーナー会議が5日、東京都内で開かれ、阪神の親会社である阪神電鉄と阪急ホールディングス(HD)の経営統合が実際上の保有者の変更に当たるとの判断を下した。阪神が要望した25億円の預かり保証金の全額免除も理解を得られず、4億円の野球振興基金、1億円の加入手数料を合わせた計30億円を日本野球機構に支払うことが決まった。“オーナー初仕事”となった阪神・宮崎恒彰オーナー(63)は「残念、無念でございます」と声を震わせた。阪神は甲子園でも横浜に降雨コールド負けを喫し、手痛い“連敗”となった。
11球団の代表者達が次々にカメラの前に立っても、“主役”は会見場に現れなかった。その時、宮崎新オーナーは控室でたばこをくゆらせながら、めがねの奥の目を閉じ、うつむいていた。
阪神・阪急の統合決定後も繰り返してきた『阪神タイガース』は変わらないという主張を球界は認めてはくれなかった。
他球団のオーナー達に遅れること25分。疲れた表情で姿を見せると「残念、無念でございます」と答えた。
巨人に次ぐ、老舗球団として71年にわたってプロ野球を支えてきた自負がある。親会社の統合により、保有者の変更を届けるのはやむを得ないとはいえ、実質的な経営はこれまで通り、阪神電鉄の100%子会社として行う。そこに変化はない。
前日には議長である中日・白井オーナーに名古屋まで出向き説明、さらに東上後には根来コミッショナーと会談し、理解を求めた。この日の会議では阪急HD・角社長が記名した文書、統合前後の会社組織図などの資料を配布し、預かり保証金(25億円)の免除を訴えた。しかし、そこに待ち受けていたのは、賛同ではなく、激しい反論だった。
前任の手塚氏らから伝え聞いていた様子とは全く違っていた。そこには情や過去の貢献などを考慮する雰囲気はなく、あくまで協約を順守するビジネスライクに徹した厳しい空気が流れていた。
「もう少しオーナー同士の親睦というか、協調が前に出ているものと聞いていましたが、色んな理屈が前に出てきていました」と率直な感想を口にした。「これはオーナー会議を批判しているのではありません」と慌てて付け加えたが、認識の甘さとショックの大きさを表していた。
105分に及ぶ議論の末、会議は“阪急タイガース”の結論を出した。新規参入球団に課せられる預かり保証金25億円と野球振興基金4億円、加入手数料1億円の計30億円の支払いが10月1日の統合後に義務付けられた。突きつけられたあまりにも厳しい現実。打ちのめされた阪神第8代オーナーは他11球団のいなくなった会見場を失意のまま後にした。
5日のオーナー会議では、ロッテのボビー・バレンタイン監督が6月に昨年のスカウト活動において球界で約30億円の裏金が使われたとの趣旨の発言をした問題も取り上げられた。
すでに根来泰周コミッショナーがロッテ球団に文書で事情説明を求め、「マスコミに間違って伝えられた」との回答を得ているが、巨人の滝鼻卓雄オーナーはパ・リーグの小池唯夫会長に経緯の説明を求めた上で「反省しているのか、していないのかはっきりして欲しい」と謝罪を要求した。
これに対し、ロッテの重光昭夫オーナー代行は「不用意な発言でご迷惑をお掛けした」と謝罪。再調査した上で報告することになった。
ロッテの中継ぎエース薮田が復調へ躍起だ。5日、フルキャスト宮城での楽天戦が雨天中止となると、室内練習場で調整。右肩痛から復帰後、3試合1回2/3を投げ、自責点5の状態に「フォームですね。思ったよりもボールがいかない。力が伝わってない」と分析。指先に力が伝わってくる従来のフォームを取り戻すことに力を注いだ。