ロッテが3連勝で3位日本ハムとのゲーム差を3に縮め、小林雅が史上3人目の通算200セーブを達成した。ロッテは1点を追う2回、今江の適時二塁打で同点。さらに5回には青野が4号ソロを放ち勝ち越し。8回にも里崎の15号ソロなどで2点を加えた。先発・小林宏は7回1/3を5安打1失点で9勝目。9回を抑えた小林雅は今季34セーブ目、プロ通算200セーブをマークした。日本ハムは先発・立石が5回を2失点も、散発6安打で1回の小笠原が放った先制26号ソロのみ。連敗で対ロッテの連勝は3でストップした。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道日本ハム | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
千葉ロッテ | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | x | 4 |
3点差の9回、いつものようにマウンドに上がった。調子が悪くても、球界を代表するリリーフエースは抑える術を知っている。二塁打を1本打たれたが、力強いボールで3つのアウトが全て空振り三振。千葉ロッテの小林雅がプロ野球史上3人目の200セーブを達成した。
「チームメート、監督、コーチ…、僕が野球をやれる全ての人のおかげ」。勝利の余韻に浸るかのように捕手らナインとがっちり握手。7年間、こつこつと積み重ねてきた199個までのセーブと同じ光景だ。「チームが勝つことに集中した結果」。落ち着き払った投球術は心憎いばかり。「相手は日本ハムだったので、どうしても負けられなかった」。ヒーローインタビューのお立ち台で嬉しそうな様子で話した。「まだまだ失敗もある。もっともっと上を目指したい」。プロ8年目、いくつもの危機を乗り越えてきた。精神的なタフさなら負けない。新たな目標を聞かれると、「さらにどんどん上にいきたい」。背番号30は充実感あふれる笑顔で結んだ。
バレンタイン監督は、3連勝に巻き返しの手応えを感じていた。先発の小林宏が8回途中まで踏ん張り、打線も援護。3位日本ハムに3ゲームとし「明日(19日)の先発小野がしっかり投げてくれれば、有利な展開になると思う」とうなずいていた。
球界最高の守護神が、また1つ大きな勲章を手にした。ロッテ・小林雅が3点リードの9回から登板。日本ハム打線を無失点に抑えプロ野球史上3人目の200セーブを達成した。「自分で作れない記録なので、感謝しています」。クローザー生活で忘れたことがない謙虚な気持ちが、言葉となって出てきた。
3連投でも問題はなかった。9回1死からセギノールに左越え二塁打を浴びたものの、続く稲葉、代打・小田を共に146キロの直球で連続三振。マウンドでは派手なガッツポーズを見せ、客席からは今年1番の“小林”コールが鳴り響いた。
「200セーブの中で忘れられないのは去年の失敗」という。昨年のプレーオフ第3戦、優勝目前の4点リードの9回にマウンドに上がったが、追いつかれ、まさかの逆転負け。その夜、娘の美憂ちゃんに「バカ!!」と厳しい言葉を投げかけられた。
しかしこの日、愛娘から受け取ったマスコット人形には“パパおめでとう。やったね!200セーブ”と記されていた。「だいぶ大きくなって生意気になりましたけどね」と照れ笑いを浮かべたが、最高のプレゼントだったに違いない。
ロッテ小林雅英投手(32)が、史上3人目の通算200セーブを達成した。日本ハム戦で、4−1の9回に登板。1安打こそ許したが、アウト3つは全て三振で奪う快投で今季34セーブ目を挙げて節目のセーブを手にした。プロ入り8年での到達は大魔神・横浜佐々木(日刊スポーツ評論家)、ヤクルト高津より早い“史上最速”。この日も当たり前のように最後を締めくくり、3位日本ハムに3ゲーム差と迫る3連勝に貢献した。
最後は146キロの内角直球だった。9回表2死二塁。小林雅が代打小田を空振り三振に仕留める。強い体の振りをそのままに、180度回転しながら中堅方向に向かいガッツポーズした。史上3人目の通算200セーブ達成。入れ込むことなく、冷めることもなく、淡々と積み上げてきた大台だった。
99年生まれで7歳になった愛娘から、お立ち台で花束を受け取った。プロ2年目の1歳のときに初セーブ。抱き上げた200セーブの糧に「重くなりました。でかくなりました。生意気になりました」と表情を崩す。「あまり200を達成したという実感はない。チームメート、監督、コーチ、野球をやってる環境を整えてくれる人のおかげです」と話した。
抑えに君臨して6年、1度も2軍降格はない。痛くても痛いとは言わない。強靭な体が基本になっているが、立場を勘違いしない気の持ちようがある。昨オフに2年契約を結んだが、インセンティブ(出来高)にセーブ数をいれることを拒否した。「セーブは自分の力でどうにかなるもんじゃない。チームメートに変なプレッシャーを与えたくない」。重ねたセーブ数は、感謝の数でもある。
7年の抑えで最も記憶に残っているのは「去年の失敗」という。ソフトバンクとのプレーオフ第2ステージ第3戦で4点リードの9回から登板し、火消しに失敗。娘から「バカッ」と一喝された。「それで救われた」と、本来の思い切りの良さを取り戻し、日本一、アジアNO.1へと牽引した。だが、あの失敗で「自分の体とか考え方が変わったというのはない」と言い切る。培ってきた感覚を、呼び覚ますだけで十分だった。
今季は34セーブまで来た。チームにとっての必要性は29セーブを挙げて優勝した昨季より高まっている。「まだ32歳です。もっともっと上を目指していきたい」。3位日本ハムに3ゲーム差。守護神の上昇志向が、チームの勢いに変わる。
200回目のガッツポーズは、鮮やかに1回転して決めた。9回、3つのアウトは全て三振。走者を出しても勝利を届ける小林雅の哲学通りのフィナーレだった。「ここで打たれたら格好悪い。周囲の人みんなに感謝したいです」。高津、佐々木に次ぐ史上3人目の通算200セーブを達成。祝福の嵐の中で、守護神にいつもの笑顔が広がった。
お立ち台に上がった小林雅は右腕1本で長女・美憂ちゃん(7つ)を抱き上げた。「あの時よりだいぶ重くなりましたね」。通算100セーブを達成した03年とまな娘の抱き心地は変わっていた。ただ、投球スタイルだけは変わらなかった。直球、シュート、スライダー。3球種だけで強打者に立ち向かってきた。04年、バレンタイン監督からチェンジアップ習得をすすめられたときも、「20年近く野球をやってできなかったことはできない」と拒絶。磨き上げた3球種を、魂を込めて投じてきた。
8年目での200セーブ到達は、9年目の佐々木をしのぐ。幼少時代、扁桃腺が弱く頻繁に体調をこじらせていた右腕は、8年間、2軍を経験せずに働き続けた。高校時代は自宅から8キロの道を走り、社会人を経て体重は20キロ以上増えた。己の体に気を使い、野球に全神経を集中させることで、弱かった体質は球界随一の頑強な肉体へと様変わりしていった。
最も印象に残る登板は、4点差を追いつかれた昨年のプレーオフ第2ステージ第3戦という。積み重ねた200の成功より、最大の屈辱を脳裏に刻む。究極の目標は「失敗ゼロ」。「勝ちの瞬間に立ち会える回数が投手で1番多いから」と生きがいにするクローザー業。幾多もの勝利を求め、小林雅はさらなる偉業に突き進んでいく。
プロ8年目の金字塔−。ロッテ・小林雅英投手(32)が18日、日本ハム13回戦(千葉マリン)で今季34セーブ目を挙げ、プロ野球史上3人目の通算200セーブを達成した。初セーブは2000年8月17日の日本ハム21回戦。小林雅は4−1の9回に3番手で登板、3三振を奪って0点に抑え、通算252セーブの佐々木主浩(元横浜)と通算263セーブの高津臣吾(ヤクルト)に続き大台に到達した。
守護神の険しい表情が一気に緩む。小林雅が代打・小田を空振り三振に仕留めて今季34セーブ目。通算389試合目で、史上3人目の200セーブに到達した。
6月に達成した6年連続20セーブのプロ野球記録に続く快挙に、7歳の長女・美憂(みう)ちゃんも駆けつけた。昨年のプレーオフ第2Sで救援失敗した際に「バカ!!」と言われた。翌日、球場で笑い話として“公開”したが、内心ショックだった。
もう、あんなつらい思いはしたくない。この日は「パパ、おめでとう。やったね!!」というカードを添えた花束が贈られ、満面の笑み。愛娘を優しく抱きしめた。
継続は力なり。地道に努力を積み重ねてきた。毎日、同じことの繰り返し。球場に着いて、ウエートトレ、マッサージ。ブルペンに入って試合に臨む。抑えに転向した2000年から、毎日出番に備えてきた。球界を代表する守護神になっても、やることは変わらない。
1月、友人の“集中力”に刺激を受けた。親交のある高見盛を応援するため、大相撲の初場所に足を運んだ。初めての相撲観戦。自然とくぎ付けになったのは、高見盛の仕草だった。取り組み直前の気合はユーモラスにも映るが「いつも同じルーチンで本番に臨んでいる。あの集中力はすごい」。同じように“短期決戦”に臨む自分の姿とダブらせていた。
「今後の目標?失敗しないこと。勝って終わらせるのが、ボクの仕事ですから」。連覇を諦めていない。3位・日本ハムとは3差。パパの意地がある。もう、まな娘に「バカ」とはいわせない。
第2ステージ第3戦(ヤフードーム)。小林雅は4点リードの9回に登板したが、4連打を含む5安打と押し出しの四球で同点に追いつかれ、延長10回に藤田が川崎にサヨナラ打を浴びて4−5で敗れた。翌日、小林雅は「昨日(前夜)は幼稚園に通う娘に“バカ”と怒鳴られた。6歳なのに厳しい」と苦笑いした。
通算セーブ10傑 | |||
---|---|---|---|
順 | S | 投手 | 所属 |
1 | 263 | ※高津臣吾 | ヤクルト |
2 | 252 | 佐々木主浩 | 横浜 |
3 | 200 | ※小林雅英 | ロッテ |
4 | 193 | 江夏豊 | 西武 |
5 | 146 | ※豊田清 | 巨人 |
6 | 139 | 赤堀元之 | 近鉄 |
7 | 138 | 大野豊 | 広島 |
8 | 137 | 大塚晶則 | 中日 |
9 | 133 | 斉藤明夫 | 横浜 |
10 | 131 | 鹿取義隆 | 西武 |
[注]※は現役で成績は18日現在。所属は最終所属球団
勝利を引き寄せたのは小林宏。粘りの投球でプレーオフ進出を争う3位日本ハムに先勝。ゲーム差を3に縮める9勝目(4敗)に「悪いなりに抑えることができた」。3回2死一、二塁のピンチでは、1回に本塁打を喫した小笠原を空振り三振。球の切れは本調子でなかったが「低めを意識して投げられたのがよかった」と里崎の配球に感謝していた。
いつもと同じ9回から小林雅はマウンドに上がった。1死からセギノールに左越え二塁打を浴びたが、続く稲葉、代打・小田を連続三振。佐々木、高津に続く史上3人目の200セーブはタフネス右腕らしく3連投で決めた。
「実感はあまりない。それより今のチーム状態が大切。相手は日本ハム。どうしても負けられない。勝つことができてよかった」。大記録達成にもプレーオフを左右する3連戦に先勝したことをまずは喜んだ。
それでも愛娘・美憂ちゃん(7)から花束を受け取ると表情は崩れた。球団マスコットのぬいぐるみには「パパおめでとう やったね!200S」の文字。100セーブをマークした03年と同じように抱きかかえると「ずいぶん重くなりましたね」と笑った。家族との約束も守った。シーズンオフには毎年ハワイ旅行が恒例だが、今年は「200セーブ達成」が条件となっていた。有言実行のパパだった。
喜びは一瞬、すぐに戦いの顔へと戻る。「残り29試合。どれだけ投げるか分からないが、これからの失敗は許されない」。昨季は8度の救援失敗を球団から指摘されたが、新球やフォーム改造には求めず既存のスタイルを磨き上げた。次の区切りは名球会入りとなる250セーブだが、守護神は興味なし。19日も4連投し、3位・日本ハムと2ゲーム差にすることしか考えていない。
青野が同点の5回に勝ち越し4号ソロを左翼席へ叩き込んだ。「打ったのはスライダーかカーブ。先頭打者だったので、出塁したいと思っていたが、いい本塁打になりましたね」と笑みをこぼした。思い切りのよさが持ち味の23歳。今季1、2号は決勝満塁弾で3号も決勝弾。ラッキーボーイぶりを発揮していた。
ロッテの小林雅英投手(32)が18日の日本ハム13回戦(千葉マリン)で今季34セーブ目を挙げ、プロ野球史上3人目の通算200セーブを達成した。初セーブは00年8月17日の日本ハム21回戦。小林雅は4−1の9回に3番手で登板、3三振を奪って無失点に抑え、通算252セーブの佐々木主浩(元横浜)と263セーブの高津臣吾(ヤクルト)に続き大台に到達した。