わたしはかもめ2006年鴎の便り(8月)

便

8月25日

東北楽天1−1千葉ロッテ(フルキャスト)

延長12回でも決着はつかず、楽天は今季2度目、ロッテは今季初の引き分けとなった。楽天は2回、憲史の5月9日以来となるライトオーバー2号ソロで先制。1点を追うロッテは6回、里崎の安打と盗塁で2死二塁とすると、ベニーの左前適時打で同点に追いつく。楽天先発・有銘は188球を投げ12回を完投、9回を除き毎回の、そして球団最多、自身最多となる17個の三振を奪う。ロッテ先発・小林宏は9回を6安打10奪三振で1失点。延長に入り4人の中継ぎ陣が無失点に抑えた。

123456789101112R
千葉ロッテ0000010000001
東北楽天0100000000001
小林宏
「憲史への変化球が抜けたのが悔やまれる。右ふくらはぎがつったので9回で交代した。」(1失点の力投も9回で降板)
ベニー
「打ったのはフォークかな。なかなか点が取れずに苦しんでいたので、何とか1点を取ることに集中した。長打ではなく、コンパクトスイングを心掛けていたんだ。昨日(24日西武戦)、延長でいい形で勝利して連敗を脱出できた。何としても連勝したいよね。」(6回2死二塁から同点のタイムリー二塁打)

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ロッテ必死のドロー

ロッテが執念で引き分けに持ち込んだ。延長10回2死満塁。サヨナラ負けのピンチで三塁線を襲ったフェルナンデスの打球を、途中出場の今江が横っ跳びでキャッチ。一塁に好送球を決めて、チームを救った。楽天はここまで11勝2敗と得意にしていた相手。バレンタイン監督は「間違いなく相手に勝利を与えないプレーだった」と絶賛した。

打線は有銘の前に17三振を喫したが、先発の小林宏が9回10奪三振と好投。前日に今季最多の43球を投げた薮田、さらに守護神小林雅もつぎ込み、最少失点で抑えた。前日は延長11回の接戦で首位西武を振り切り、この日は移動後に延長12回を戦い抜いた。バレンタイン監督は「守りも投手陣もしっかりと仕事をしてくれた」と話す。打撃陣が序盤のチャンスを生かせなかった課題は残るが、この日見せた粘りを、今後につなげていきたい。

小林宏
「相手(有銘)が同級生だったのでかなり気合入ってました。(10勝目を逃したが)次頑張ります。」(9回を10奪三振1失点と好投)

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今江がサヨナラ負け阻止の好守[ニッカン]

ロッテは今江の攻守で引き分けに持ち込んだ。延長10回裏2死満塁。サヨナラ負けのピンチで三塁線を襲ったフェルナンデスの打球を、途中出場の今江が横っ跳びキャッチ。一塁に好送球し、チームを救った。バレンタイン監督は「間違いなく相手に勝利を与えないプレーだった」と絶賛した。

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ロッテ、ボビー「脱帽」[スポニチ]

有銘を最後まで打ち崩せずに引き分けに終わったバレンタイン監督は「有銘は素晴らしい力を見せたと思うし、脱帽する」と話した。188球を投げたことには「過去にメジャーでノーラン・ライアンの236球を見たことがある。その時は延長14回まで投げていた」。3位・日本ハムとの7ゲーム差を縮めることはできなかったが「素晴らしい戦いだった」と振り返った。

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ロッテあと1本が出ず…ボビーも有銘に脱帽「素晴らしい投球」[サンスポ]

連夜の4時間ゲーム。バレンタイン監督は「多少疲れがあったかも」と、あと1本が出なかった攻撃を悔やんだ。有銘については「素晴らしい投球に脱帽」と感心。米国時代にノーラン・ライアンが236球を投げたのを見たというが、最下位相手に白星を得られず「有銘は立ち上がりを見れば、最後まで投げるとは思わなかった」と本音も漏らした。

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ボビー、楽天・有銘に脱帽[報知]

連夜の4時間ゲームを戦ったバレンタイン監督は「多少(前夜の)疲れがあったかもしれない」と、あと1本が出なかった攻撃を悔やんだ。

188球の完投を許した有銘については「素晴らしい投球に脱帽」と感心しきり。米国時代には奪三振王ノーラン・ライアンが236球を投げたのを目撃した経験があるという。ただ、最下位を相手に勝利を得られず「有銘は立ち上がりを見れば、最後まで投げるとは思わなかったが」と本音も。

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4年目早坂が1軍昇格、即先発[ニッカン]

ロッテの4年目の早坂が1軍に昇格した。俊足が売りの内野手で、今春キャンプ中からバレンタイン監督が期待の若手として常に名前を挙げていた。今季は開幕1軍スタートだったが、その後は2軍暮らしが続いた。西岡と同期で同じスイッチヒッター。西岡が右ひざ痛で2軍調整している間に、チャンスを得た。さっそく、「9番・遊撃手」でスタメン出場。2軍では打撃好調だったが「上で打たなくちゃ意味がない。今日からが勝負です」と意気込んだ。

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成績不振からの復活を[朝日新聞・千葉]

渡辺俊介投手(29)が苦しんでいる。昨年は15勝を挙げるなど、優勝への原動力となったサブマリン右腕。しかし、今年はここまで19試合に先発して4勝9敗(8月25日現在)。最後に白星を挙げたのは5月28日の巨人戦(東京ドーム)と長い間、勝ちから遠ざかっている。

技術的な問題。昨年から蓄積された疲労。3月に行われたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の影響。周囲は不振の理由として様々な憶測を立てている。しかし、プロ野球の世界において「成績がなぜ良くないか?」の答えを明確に導くことは難しい。運、不運も含めて様々な要素が絡み合っているはずだからだ。

そんな渡辺俊と、つい先日、遠征先で夕食を共にした。やはり、どこか元気がなく、落ち込んで見えてしまう。とりとめもない会話が1時間ほど続いただろうか。突如、食事を共にしていた初老のチーム関係者が切り出した。

「なあ、俊介よ。成功者にもっとも必要な要素って何だと思う?例えば、経済界においてどんな人が成功を収めていると思う?」。

周囲を見渡して誰も答えを思いつかないでいると察すると、少しの間を置いて、彼は淡々とした口調で話を続けた。

「それは冷や飯の食い方がうまい人だよ。どんな成功者だって、1度は冷遇されたり、挫折を味わったりしているものなのだ。絶対にそう。どんな成功者だって、そうだ。そんな時に、どうふるまうかで人間の価値は決まると思う。将来が決まると思う。七転び八起きという言葉もあるよね」。

ハッとさせられたのだろう。渡辺俊の目は明らかにそれまでと違っていた。輝いて見えた。確かに今年、白星から遠ざかっている。それで落ち込むことは簡単だ。しかし、ただ落ち込むだけでは、何の進歩もない。その中で、再び成功を収めるために、何を反省し、この経験をどう生かすか?実は今年の挫折は輝かしい未来のためへの大きなステップなのかもしれない。そう思うだけで不思議とエネルギーが沸いてきたようだ。

「ピンチは実はチャンスだったという言葉を本で読んだことがある。失敗を糧に、その後をどう過ごすか。クヨクヨばかりはしていられないよね」。

店を出たとき、もう日付は変わっていた。そして小さく見えた渡辺俊の背中が少しばかり大きく見えた。今、渡辺俊は確かに苦しんでいる。だが、今こそ彼の真価が問われる時なのだろう。これまで、何度となく挫折を乗り越えてきた背番号「31」のことだから、きっとこの苦境も乗り越えてくれるだろう。復活の日が今から楽しみでならない。

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