わたしはかもめ2006年鴎の便り(10月)

便

10月27日

悔しさ忘れずに来季へ[朝日新聞・千葉]

10月24日。今江敏晃内野手(23)は札幌にいた。日本ハム対中日。日本シリーズ第3戦のラジオ中継のゲスト解説として招かれていたのだ。空港から札幌ドームへと向かう車中。レプリカのユニホームを身にまとい楽しげに球場へと足早に向かうファンの行列をただジッと眺めていた。

「そうか、そうだよな。今、日本でプロ野球をやっているのはここだけなのだよな」。深いため息をつきながらつぶやいたその一言。何げない一言ではあるが、私の心に深く残る一言であった。

1年前、千葉ロッテマリーンズもその舞台に立っていた。日本で試合をしていたのはロッテと阪神だけだった。そして今江はその最高の舞台で活躍し、勝利し、日本シリーズMVPに輝いた。日本球界でただ1人に与えられる栄誉ある賞だ。

人というものは幸せを後に感じるものなのかもしれない。去って初めて実感するものだと思う。今江もまた昨年はその一瞬に夢中で、日本シリーズに出られている幸せ、勝つ喜びを真の意味では理解していなかったと思う。負けて、自分達以外のチームが日本シリーズに出ている現実と直面して初めてその幸せの尊さを身に染みて感じたのだろう。

今江以外にも日本シリーズが開幕したのと同時に悔しさがこみ上げてきた選手は多い。エースの清水直行(30)は「あえてテレビ観戦した。勝ったチームがどうして強かったのかしっかりと分析しようと思った」と語る。一方で悔しさのあまりテレビの電源を切ってしまった選手もいる。西岡剛内野手(22)だ。「悔しすぎて見ることはできなかった。見れば見るほど自分に腹が立ってきた」と語気を荒らげた。

07年、再び幸せを勝ち取るための戦いはもう始まっている。16日から千葉マリンスタジアムで秋季キャンプがスタート。日々、選手それぞれが自分の欠点を把握し、それぞれの練習に取り組んでいる。ラジオのゲスト解説のため1日だけ練習を欠席せざるをえなかった今江もまた「体は動かしておきたい」との理由から朝5時に球場に足を運びウエートを2時間ほどこなしてから札幌に飛んだ。

日本シリーズ第3戦。日本ハムが6−1で勝利した。ヒーローインタビューには小笠原道大選手が呼ばれていた。実況席に座っていた今江はお立ち台で満面の笑みを浮かべる日本ハムの選手の姿をしっかりと目に焼き付けるように厳しい表情をしていた。「本来ならボクはこの場所にいては絶対にいけない。あのお立ち台に立たないといけない。本気で悔しかった。歯を食いしばるってこういうことを言うのですかね」。

他球団の日本シリーズを生観戦する悔しさは想像を絶するものだろう。しかし、この現実もまたしっかりと受け止めないといけない。悔しさを忘れずに新たなシーズンへと向かう千葉ロッテマリーンズの選手達。その気持ちがある限り、07年はきっといいシーズンにしてくれることだろう。

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ロッテも争奪戦参戦へ

◇「地元千葉」前面に

ロッテが小笠原争奪戦に参戦する可能性が出てきた。日本ハムからFA宣言することが確実視される地元千葉県出身のスターに対し、27日、瀬戸山隆三球団社長が「地元の出身だし『ふるさと球団』として、もちろん調査はしています」と話した。地域密着を目指す球団にはこれ以上ない人材だ。小笠原は千葉マリンのある千葉市美浜区出身で、出身中学の磯辺第一中は球場から約3キロと徒歩圏内。千葉市民栄誉賞を2度受賞した経験も持つ。現在、家族は千葉県内で暮らしているため、生活面でも最も適した環境といえる。

地元の後押しもある。瀬戸山社長が鶴岡啓一千葉市長と会談した際に小笠原獲得を懇願されたという。1番の問題は最低3年15億円といわれる資金面だが、正式に獲得に乗り出す際は地元千葉が一体となった熱意を伝えていく考えだ。

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小笠原獲りにロッテ参戦へ[報知]

ロッテがFA権を取得している日本ハム・小笠原道大内野手(33)の獲得を検討していることが27日、分かった。瀬戸山隆三球団社長(53)は「千葉出身だし、ふるさと球団を目指すウチにぜひ欲しい選手」と明言。すでに調査を進めており、FA宣言した場合は獲得に名乗りを上げる公算が強まった。

小笠原は千葉マリンのある千葉市美浜区出身。高校(暁星国際高)、社会人時代(NTT関東)も千葉県で過ごした。アテネ五輪、WBCで活躍した際には千葉市から市民栄誉賞を受賞。現在も千葉県内に自宅を構えており、地域密着を掲げる球団にとってはノドから手が出るほど欲しい人材だ。

3億8000万円(推定)と高年俸のため、ロッテは当初、獲得に消極的な姿勢だった。だが、千葉市の鶴岡啓一市長(66)を始め、地元政財界から小笠原待望論が噴出。戦力面でも長距離砲は最大の補強ポイントであることから、獲得に向けた調査を進めてきた。

今季、本塁打、打点の2冠王に輝いた小笠原がFA権を行使すれば、中日など複数球団による争奪戦は必至。ロッテは金銭条件の争いでは劣勢を強いられるだけに、正式に獲得に乗り出した場合、環境面を前面に押し出してアピールしていくことになりそうだ。

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ロッテも小笠原獲得に名乗りも[スポニチ]

ロッテが小笠原の獲得に名乗りを上げる可能性が出てきた。小笠原は千葉マリンがある千葉市美浜区出身で、04年アテネ五輪で銅メダル、今春のWBCで世界一に輝き、2度の千葉市民栄誉賞にも輝いている。千葉財政界からは“待望論”が続出しており瀬戸山球団社長は「(千葉市の)鶴岡市長からも熱心にお願いされた。ふるさと球団として調査はしている。可能性はゼロではない」と参戦に含みを持たせた。

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