わたしはかもめ2006年鴎の便り(11月)

便

11月17日

V奪回ロッテが大幅な食事改革へ[ニッカン]

◇マメにマメ盗れ!!

試合前には納豆、豆腐、豆乳を食べまショ〜!V奪回を目指すロッテが、大幅な食事改革に乗り出すことになった。細野栄養士がバレンタイン監督の意向を取り入れながら、試合前や練習中の食事メニュー変更を進めている。「今までは脂っぽいお肉中心のメニューだったけど、動物性タンパク質と植物性タンパク質は1対1の割合で摂らなくちゃいけない。大阪出身の選手は納豆嫌いも多いけど、これからは食べてもらいますよ」と話した。

そのために千葉マリンの食事担当業者を今オフから変更し、メニューは一新する。通常ロッテの選手達はベンチ裏にある食堂で食事をする。試合前はそばやうどんなどの軽食が主流だが、空揚げ、おにぎりなどがバイキング形式で並んでいる。肉中心の食事になりがちで、同栄養士は「野菜ももっと種類をとらなくちゃいけない」と話す。植物性タンパク質の代名詞となる納豆、豆腐、豆乳を新たなメニューとして加えることになった。

バレンタイン監督は秋季キャンプの収穫として「各個人に合わせた栄養学のプログラムを作ることができた」と話すなど、さらに専門的な部分の強化も続けている。現在選手達はウエートトレーニングなどの個人メニューに重点を置いているが、肉体のビルドアップと共に、体の内側もクリーンにしていく考えだ。

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「未来のエース」大嶺じっくり育成

「未来のエース」大嶺は、じっくりと大器に育てる。来春の1軍キャンプ帯同についてセと山球団社長は「どうするのが彼にとって1番いいのか、これからゆっくり考えて決めたい」と話した。すでに大嶺側には3〜4年で1軍に定着するための「育成プラン」を手渡している。昨年はバレンタイン監督の意向もあり、1巡目指名の柳田だけが1軍キャンプに参加したが、大嶺は今後の調整具合を見て判断する。

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検証・誤審審判の今を考える(5)

◇互いに認め合い反省を

野球競技は、選手と審判員の間に信頼感が存在することを前提に成り立っている。現在は、その根本部分が揺らいでいる。セ・リーグ審判部長として、また現役審判として判定トラブルの渦中にいた井野修(52)に、両者の関係を聞いた。

≫審判員と、監督、選手の関係は変わってきたか。
井野セ・リーグ審判部長
「そうですね。以前は、親しき仲にも礼儀ありという雰囲気があった。もちろん抗議や退場はあった。でも、ケンカもするが、お互い野球界で生きているのだから助け合って行こうよという感じがした。なれ合いではなく、選手も審判を、審判も選手を認め、ともに野球界を盛り上げていこうという空気があった。」
≫なぜ、そうした雰囲気がなくなったのか。
井野セ・リーグ審判部長
「今も同じように考えてくれる監督、選手はいると思います。でも、審判を見下す人が増えてきたような気がします。」
≫審判の技術低下が原因ではないのか。
井野セ・リーグ審判部長
「いや、今の方が技術は向上していると思いますよ。私は駆け出しの頃、恥ずかしいけどワンバウンドするような球を「ストライク」なんて言ってしまったこともある。でも、今の若い審判はそんなミスをしない。しっかり見ているし、勉強している。」
≫駆け出し時代のミスに対し、当時の監督、選手の反応は。
井野セ・リーグ審判部長
「監督さん達から『しっかり見ろ!』とか言われたけど、何か温かい激励に思えたな。色々言われましたよ。少し前でも星野さん、野村さん、長嶋さん…。みんなに怒鳴られたが、翌日に持ち越すことはなかった。どんなことを言うかな、言われるかなというのも楽しみだった気がしますね。」
≫現役の監督からも「以前は誤審があっても、この人ならばと信頼できる審判がいた」というコメントがあった。互いの不信感をなくすには、互いに認め合うことではないか。「審判の権威」という殻に閉じこもっていては信頼など得られない。時に監督、選手の言葉に耳を貸し、共に反省や検証をすればいい。
井野セ・リーグ審判部長
「うーん、我々は『私語、談笑は慎む』というルールを厳格に守りすぎているのかな。なあなあの関係で、なれ合っては絶対にいけないけど、向こうが話したい時でも、こちらが拒否していたかもしれない。そこは反省点かもしれません。しかしね、意思疎通を始めると、ゴマすりと思われるケースも出てくる。今、球団が審判を評価するという議論も出ていますが、それも同じ。いい評価が欲しいという気持ちは審判にもあるから、おかしな方向にいきかねない。」
≫球団や選手が、審判員に何を求めるかが大事になる。ゴマすりか、安定したジャッジか。野球人は根本のところで野球を大切に考えているのではないか。ベスト審判を選出している労組日本プロ野球選手の会長、宮本慎也(36)は「人柄ではなく、安定した判定をする審判を選ぶ」と言っていた。
井野セ・リーグ審判部長
「そうですか。年間を通じて安定したジャッジをすることこそ我々にとって1番大切なこと。選手が、そういう審判を「いい審判」と評してくれるならば、これほど励みになることはありません。」
≫監督、選手と審判。信頼関係は取り戻せないのか。ビデオ判定など機械化するしかないほど、絶望的な状態なのか。
井野セ・リーグ審判部長
「両者は決して敵対関係ではありません。我々もき然としつつも、壁ばかりつくらず、半歩でも近づく努力が必要かもしれない。オフの反省会で皆に話してみたい。」

井野の話を聞きながら思った。グラウンドに立つ者達は、野球という競技を健全に保っていく「自浄能力」を持っているのではないか。野球には、スポーツには、グラウンドに入らぬ者…球団代表達に任せてはいけない部分が確かに存在する。次のステップへは、その点を理解した上で進んでいく必要がある。

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