わたしはかもめ2006年鴎の便り(11月)

便

11月18日

四国ILから初!ロッテ深沢指名へ[スポニチ]

ロッテが21日の大学・社会人ドラフトで四国アイランドリーグ・香川の146キロ左腕・深沢和帆投手(23=駿台甲府−山梨球友クラブ)を指名することが18日、分かった。同投手は今季リーグ戦33試合に登板。先発、抑えの“二刀流”で5勝2敗4セーブ、防御率1.01で最優秀防御率のタイトルも獲得した。

ロッテは先発、中継ぎ共に左腕不足というチーム事情から深沢に興味を示し、当初は育成ドラフトでの獲得を検討。だが阪神など数球団が指名する可能性が出てきたため「大学・社会人ドラフトで指名しないと他球団に奪われる」(球団関係者)と方針を変更した。四国アイランドリーグは発足2年目で、昨年は育成ドラフトのみ。深沢が同リーグ初のドラフト指名選手になる。

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検証・誤審審判の今を考える(6)

◇審判指導は技術+私生活

監督、選手と審判員。互いの信頼感を生み出すため、具体的にどのような方策を講じる必要があるのか。セ・リーグ審判部長の井野修(52)は力を込めて語った。

井野セ・リーグ審判部長
「以前は勉強のため、アリゾナ教育リーグに派遣されていたし、ワールド・シリーズの視察もできた。もちろん勉強になったし、目標にもなった。帰国後にリポートを提出するが、みんな『ああいう舞台でき然とジャッジしたい』と書いてきます。私は、ルールの勉強やトレーニングだけでなく、色々な人と話をして見識を広めなさいと指導してる。そういう意味でも貴重な経験になると思います。もちろん費用の問題はあるんですけどね。」

パ・リーグ審判部長の前川芳男(64)も、審判員の人間教育を重要視する。井野と同様に、最も力を込めて語った部分だった。

前川パ・リーグ審判部長
「新人が入ったら指導員が1年間付きっきりで指導する。私も指導員をしていましたが、練習、試合での技術指導だけでなく私生活、それこそ食事するときのハシの上げ下げまで指導しましたよ。現況を改善するには時間がかかるだろうが、もう1度、そういうことから始める必要があるかもしれない。」
≫審判指導の上で私生活を重要視する理由は何か。
前川パ・リーグ審判部長
「今の世の中、若者は自由なのかもしれない。でも、審判は別だと考えていますよ。だってストライク、ボールやアウト、セーフを正確に判定して当然の職業なんですよ。それを1年間、継続しなければいけない。厳しい立場なんです。色んな気配りができなければ一流の審判とはいえない。き然とした態度、トラブルの対処法が絶対に違ってきます。」
≫権威ある審判だからこそ、律した態度を取る必要がある。
前川パ・リーグ審判部長
「そう。要するに信用の積み重ねなんですよ。私は若手審判に『ファームで判定するときも気を抜くな。間違えるな』と言う。ファーム時代からきっちりした判定を続けていくことで信用を勝ち取れる。それを続けていき、もし審判がミスしたとき、監督や選手が『あの人なら仕方ないや』と思ってくれたらしめたものですね。」
≫そうした改善には時間がかかる。今回、ビデオ判定のような議論が起きるのは「目に見える改善点」が欲しいからでしょう。審判から要望する「目に見える改善点」とは何か。
前川パ・リーグ審判部長
「以前から言っているんだけどね。球場の設備を整えて欲しい。ポールの高さや、フェンスの色を変えてくれるなど判定しやすいよう工夫して欲しい。以前、ナゴヤドームはフェンスと、そのすぐ後ろの客席ラバークッション(ここに当たれば本塁打)がほぼ同じ色だったが、変えてくれた。これは助かります。」

球場設備の改善は、労組日本プロ野球選手会も、経営側に申し入れている。選手の要求は主に安全性の重視だが、よりよい仕事をするための環境整備という点では共通している。選手会会長のヤクルト宮本慎也(36)に、前川の提案を伝えてみた。

宮本
「非常によく分かる。ボクは審判をしたことがないけど、設備によって見やすい、見にくいというのは当然あるでしょうね。ボクの方から(経営側に)『審判の方が、こういう意見を持っている』と発言してもいい。選手は審判と敵対関係ではない。いい球界をつくっていくためのパートナーですからね。」

審判組織、教育制度、球場設備。線審を増やす方法もある。野球規則を変えてまでビデオ判定を導入する前に、やるべきことは山ほどあるように思う。

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