オリックス・平野佳、ロッテ・小野の投げあいで両チーム無得点で迎えた7回、ロッテは無死二塁からズレータがライトへ3号2ランを打ち先制する。さらに8回、早川の適時三塁打で2点を追加しリードを広げた。オリックスは小野の前に8回まで散発の3安打に抑えられていたが、9回ローズの4号2ランなどで反撃。3点を返すも、最後は小林雅にかわされた。ロッテは貯金1、オリックスは3連敗で借金1となった。なお、この試合でオリックスのローズが史上28人目、外国人選手では初の1000打点を達成。
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 4 |
オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 |
新戦力2人の活躍で、苦手だったオリックス平野佳を攻略した。7回、今季オリックスから移籍の早川が先頭で中越え二塁打で出塁すると、同じくソフトバンクから移籍のズレータが右翼ポール際へ先制2ランを放った。チームは昨季、平野佳に打率1割8分9厘、1試合平均1.75得点と抑え込まれていた。バレンタイン監督は「早川が粘って二塁打し、ズレータの2ランへつなげた。新加入2人の活躍がキーになった」と勝因を挙げた。
均衡を主砲が打ち砕いた。0−0の7回無死二塁。ズレータがオリックスの先発・平野佳の外角スライダーを叩くと、打球は右翼席最前列に飛び込んだ。3号決勝2ランに「同点の終盤で無死二塁。自分がこの試合のキーになると思った。最低でも走者を進めたかった」と振り返ったZ砲。三塁ベンチに帰ると、新パフォーマンス「幕張ファイアー」をド派手に披露した。
昨年、チームはオリックス先発・平野圭に1割8分9厘と抑えられていた。今季のオープン戦も12イニング無得点で、この試合も6回まで1安打。ズレータだけはソフトバンク時代の昨季、12打数5安打2本塁打と相性がよかった。「前の打席でスライダーで三振していたから絞った。あの1球だけ甘く入ってきた」と狙い打ちで攻略。試合後のヒーローインタビューでは「僕の恋人、千葉と『26』(ファンの背番号)。サムライ魂」と滑らかな日本語で語り、ファンの声援に応えた。
8回にはオリックスから移籍した早川が2点三塁打で追加点。7回にも二塁打を放ちズレータの一発を呼び込んだ。バレンタイン監督は「新戦力の2人が本当によくやってくれた」と今季初のカード勝ち越しを決めて表情を崩した。新戦力が打線を引っ張っていく。
小野が今季初勝利を挙げた。シュートやスライダー、フォークボールを低めに集め持ち味を発揮。「ゴロを打たせることを意識した。自分らしくて良かった」と自ら合格点をつけた。9回にローズに2ランを浴びて完封も完投も逃したが、待ち望んだ初勝利を手に「やっとですね。これで乗っていければ」と喜んだ。
オリックスからロッテに移籍した早川が4打数2安打2打点の活躍でチームの連勝を呼び込んだ。0−0の7回は先頭で中越え二塁打で出塁し、続くズレータが右越えへ3号2ラン。2点リードの8回には左翼線へ2点三塁打。昨季、チーム打率.189と苦戦した平野佳討ちの原動力になった。辻との交換トレードで地元・千葉へ戻り、今季の9試合のうち6試合に出場するなど俊足巧打を買われている。「レベルアップした姿を見せたい。(トレードに)出して良かったと言われるように」と意気込んだ。
ロッテ・バレンタイン監督(56)が、抗議のため今季初めてベンチを飛び出した。0−0で迎えた3回表1死三塁で、スクイズからの本塁クロスプレーがアウトと判定されたため。両先発の好投で、投手戦の様相を呈していただけに、ゼスチャーを交えて林主審に抗議し、先制点への執着心を示した。それでも試合後には「1点を取らなければとか、先制点を取らなければというのは頭にない」と淡々と話した。
ロッテ大松尚逸外野手(24)が、ズレータら助っ人を抑えて、今季初めてスタメン4番の座に就いた。試合前には、先輩達からも「頼むぞ4番!」と声を掛けられた。報道陣に意気込みを聞かれた大松は「見ていてください!まあ、いつもとやることは変わらないですから」と笑顔で話すなど、緊張した様子はなかった。
西武が裏金問題究明のため設置した調査委員会(池井優委員長=慶大名誉教授)は4日、中間報告で新たな不正事実を公表した。
の名目で計6160万円を渡していた。また新人選手の契約金の最高標準額(契約金1億円など)を超える支給、学生選手との在学中の接触などの違反行為も指摘。同委員会は「他球団でも同じことをやっているのでは」というスカウトの声を紹介した。沈静化にあった裏金騒動は他球団、アマ球界へも波及しそうで、再び球界に衝撃が走った。
また球界に衝撃が走った。これまでは「噂」の範囲を出なかったスカウト活動の実態が初めて明らかになった。西武裏金調査委員会が公表した全9枚の中間報告書は、西武による長期間の組織的な不正行為を次々に指摘した。
その中でも関係者の多さと極めて悪質だったのが、アマチュア関係者への謝礼金支払いの事実だった。西武は球団創立時からの27年間で新人選手を獲得した際の謝礼として、延べ170人の高校・大学・社会人野球の監督やその他の関係者へ、1人当たり10万〜300万円の商品券もしくは現金、年間合計約500万円程度を支払っていた。最高では1000万円を渡したケースもあった。西武からアマ側に流れていた不正な金銭は単純計算で1億円をはるかに超える。「アマ関係者から支払いを要求されることもあった」というスカウトの声も紹介し、西武側だけの問題でないことも指摘した。
また東京ガス・木村、早大・清水以外にも、西武から選手本人に「裏金」が渡っていたことも発覚した。2人以外の5人(うち1人は外国人)に対し、「契約金の前渡し」などの名目で合計6160万円(最高額は2800万円)の支払いが確認された。具体名は明らかにしなかったが、現役選手も含まれているとみられる。
新人選手の契約金の最高標準額等に関する申し合わせ違反も、15人について標準額を超える合計金11億9000万円の事例が認められた。この申し合わせについては、公正取引委員会に照会した結果も踏まえて「ルール違反にならないと考える余地もある」とし、あくまで倫理的な問題と明記している。
これらの違反行為は、延べ22人のスカウト関係者、経理担当者、太田球団社長以下の管理職に対するヒアリング、および球団内の経理関係帳簿類とスカウト関係書類、そして選手19人に対する書面による照会によって判明した。こうした裏金は一部の判断によるものではなく、球団の帳簿上で管理職の決裁を受けているため、矢田委員は「全社的なコンプライアンス意識の低さが問題」と西武球団の体質を批判した。
アマ球界にも裏金問題が波及した点で衝撃は大きい。さらに担当スカウトの声としてアマへの謝礼金、選手への裏金のいずれに関しても「他球団でも同じようなことをやっているのではないか」「他球団に後れを取る訳にはいかない」との証言を紹介しており、西武だけの問題ではなくなった。
調査委員会は今回はあくまで中間報告であり、次回を11日に行い、遅くとも20日までに最終報告を行うとしている。今後さらなる問題行為が発覚する可能性も十分にある。裏金問題はプロ、アマ球界を巻き込んだ大問題に発展した。
西武裏金究明の調査委員会の発表に、アマチュア球界にも衝撃が走った。高校野球の監督などアマ関係者延べ170人に謝礼金が渡されていたなどの発表を受け、日本高野連・田名部和裕参事(61)が4日、大阪市内で緊急会見した。コミッショナー事務局を通じて報告があったことを明かした上で、「分からないことが多いが、驚くことがたくさんある。アマチュア側としては遺憾な内容」と語った。個人名が特定され、金銭授受が確認された場合は、対象者には厳しい処分が下される。
選抜大会を終えたばかりの日本高野連が、重苦しい雰囲気に包まれた。アマチュア関係者に謝礼金が渡されていたなどの内容の報告を受けて、田名部参事が緊急会見。「驚くようなことが報告されていました。アマチュア球界としても、遺憾な内容」と苦しい表情で語った。
プロからの金銭提供が禁じられている中で、報告書通り延べ170人もの関係者が実際に謝礼を受けたとなれば、アマ球界を揺るがす大問題だ。この日、170人の内訳は公表されなかったが、池井委員長が手にした報告書には「高76、大30、社41、その他23」とも読めるメモ書きがあった。これが高校、大学、社会人の内訳人数を示すものであれば、高校が4割以上を占めることになる。
田名部参事は「(高野連としての対応は)コミッショナーが事実関係を把握されて、正式な説明があってから」と説明した。まずはコミッショナー事務局の正式な調査発表を待つが、個人名が特定され、高校野球関係者に受け取りの事実があったことが確認されれば、日本高野連も対象者への独自の調査に着手する方針だ。田名部参事は「相当な処分?学生野球協会と相談の上ですが、どうなんでしょうね。名前も含めて、実際に受け取りがあったのかどうかを確認しなければ」と語るにとどめたが、慎重な言い回しは事態の深刻さを示していた。
3月16日のプロアマ協議会で、アマ側も不正行為を行わないよう確認した。プロ側ばかりを非難するのではなく、アマ側もえりを正し、球界全体の浄化を目指すことを決めたばかり。元早大内野手・清水の出身校の専大北上は過去に、かつての指導者がプロに入団した選手の契約金の一部を着服した事件を起こしたこともあり、田名部参事は3月中旬には同校の加盟校としての資格にまで言及した。身内に対する厳しさも貫こうとしている。「アマ関係者から支払いを要求されたこともあった」という西武スカウトの声が事実ならば重いはずだ。選手のプロ入りで“甘い汁”を吸っていたことが明らかになった関係者には、アマ球界からの除名処分も含めた厳罰が予想される。
46年12月に学生野球基準要項として制定され、50年1月の改正で現在の名称となった。第10条で「選手および部員は、プロ野球に所属する選手、監督、コーチ、審判員その他直接プロ野球に関与している者と試合もしくは練習を行い、またはこれらの者からコーチもしくは審判を受けることができない」と定めている。また、第13条2項で「選手または部員は、いかなる名義によるものであっても、プロ野球球団から入団などを条件として契約金の前渡しや金品の支給、貸与、その他の利益を受けることができない」とされ、第20条では部長、監督、コーチがこの憲章の条規に反する行為があると認められるときも同様とある。
違反があった時は日本学生野球協会の審査室に諮られ、選手や監督に警告、謹慎、出場停止の処置が取られる。全日本大学野球連盟の規定によると、金品授受が認められた場合、野球部は該当者を退部させなければならない。
全日本大学野球連盟・内藤雅之常任理事(45)が4日、西武の記者会見後に東京・渋谷の日本学生野球協会で対応した。記者会見前にコミッショナー事務局から西武が提出した中間報告書を受け取り、目を通していたという。「今日受け取ったのは西武が提出したもので、いずれコミッショナー事務局から正式な報告が来ることになっている。西武の報告書は氏名が記載されていなかったりと中途半端なもので、正規の報告が来てから対応したい」と慎重に話した。
すでに金銭授受が明らかになったアマチュアの2選手は公の場で謝罪。正式な報告を受け次第、厳しい姿勢で対応する。
巨人渡辺恒雄球団会長(80)は4日夜、都内ホテルで会食後、西武の調査委員会が「他球団でも同じようなことをやっているのでは」など同様の金銭授受が他球団にもあることを示唆した中間報告の内容に強い不快感を示した。「西武とは、これから話し合っていかないといけない」とした上で「あの人達、バカだね。(大切なのは)まず自分の身を正すことであって、モラルの欠如だな。非常識だ。バカバカしい」と怒りをあらわにした。
巨人に金銭授受問題が発覚した際にはオーナー職を辞した経緯を引き合いに出し、「何も知らなかったのに責任を取った。腹を切る形でね。オレの口からは一切(他球団のことに関して)言わなかった」とし、西武が問題解明に全力を尽くすことが第一だと強調した。
さらに希望枠撤廃のドラフトを含め、自由競争を奪おうとする制度改革の流れにも「ヒトラー、ムソリーニ、スターリン、毛沢東のマネをしているのが今の球界だ」と異を唱えた。巨人を含めた他球団に同様の問題があるかの問いかけには「やってるかも知れないが、オレも知らん。検事じゃないし」と語るにとどめた。
労組日本プロ野球選手会の宮本慎也会長(36=ヤクルト)は、一報を聞いて残念な表情だった。「ドラフトの希望枠が撤廃されて、いい方向に一歩踏み出したところだった。入団時の仕組みをしっかり整備しないといけないと感じました。契約金の申し合わせも各球団あいまいで、見解が違う部分もある」と話し、ドラフト制度の見直しを求めた。
西武の親会社にあたる西武ホールディングス(HD)の後藤高志社長は4日、球団の継続保有の方針について「変わりません。西武ライオンズをしっかりやっていこうと思う。(西武HDの)責任としてやっていかないといけない」と、従来の姿勢を強調した。また問題が起きていた当時の球団社長、球団代表ら責任者や太田社長の処分は「(調査委員会の)最終報告を踏まえて考えたい」と語った。
調査委員会はこの日の中間報告で、西武旧経営陣の対応も問題視した。星野好男前球団社長はアイスホッケー、黒岩彰前球団代表はスピードスケートの名選手として知られた。報告書では「スポーツ選手ないし監督としては著名な活躍をし、功績を挙げていたものの、企業経営者としての資質、経験は必ずしも十分とは思われない」と指摘した。また、堤義明前オーナーの不祥事により球団上層部が混乱していたことなども問題につながる要因とした。
西武の裏金問題究明のために設置された調査委員会(池井優委員長(72)=慶大名誉教授)が4日、都内で中間報告を行い、新たな裏金の存在が公表された。2005年の「倫理行動宣言」以前にアマ関係170人への謝礼や5選手への計6160万円の支払いのほか、新人との契約金にも約12億円も過払いがあったことが判明。それらの総額は約14億円にも上ることが明らかになった。裏金発生の背景として「他球団に後れを取る訳にはいかない」とのスカウトからの報告もあり、今後、問題が他球団に波及する可能性も出てきた。
3月14日の発足から計6回の会合を開いた調査委員会。これまでスカウト関係者、経理担当者、社長以下の管理職ら球団関係者ら22人からのヒアリングや、経理関係帳簿類、スカウト関係書類等を精査、分析した結果、球界全体にはびこっていた裏金体質の一端が明らかになり始めた。
池井委員長が、まず報告したのは高校、大学・社会人野球の監督ら、西武に入団した選手の関係者計170人への謝礼金等の支払いの事実だった。
金額は1人あたり10万円から300万円ながら、中には、1000万円の謝礼金もあったという。支払いは商品券もしくは現金で行われ、年間合計では約500万円に及ぶ。単純計算で、球団創設からの27年間で1億3500万円という額になる。
ヒアリングを受けた担当スカウトは裏金を支払った動機として「こうした行為は他球団においてもやっているのではないか。だから、仕方なく自分達もやっていた」と述べたことも報告書には記載されている。また、アマ側から支払いを要求されることもあったということも報告された。
これらの支払いは、社長ないし代表以下の管理職の決裁を得て行われており、スカウト個人ではなく、球団ぐるみでの行為だった。会計処理はスカウト活動(交際接待費)として全て帳簿処理されていた。
また、倫理行動宣言以前に、すでに明らかになっている清水、木村両選手以外の5選手(うち1人は外国人)にも契約前に金銭を供与していた事実も判明した。
このうち2人は当時学生で、日本学生野球憲章の第13条に違反している。5選手への合計金額は6160万円で、1人あたりの金額は30万円から約2800万円。この支払いについてもヒアリングを受けた担当スカウトは「他球団に後れを取る訳にはいかない」との思いで行為に及んだと説明したという。
調査委員会はさらにヒアリングと資料分析を行い、遅くとも今月20日までには球団に最終報告書を提出する予定。だが、西武のみならず、プロ球界全体に不正がはびこっていたことが“暴露”されただけに、衝撃は大きい。西武の最終報告を持って幕引きとなるか、どうかは混沌としてきた。
西武の裏金問題究明のために設置された調査委員会(池井優委員長(72)=慶大名誉教授)が4日、都内で中間報告を行い、新たな裏金の存在が公表された。2005年の「倫理行動宣言」以前にアマ関係170人への謝礼や5選手への計6160万円の支払いのほか、新人との契約金にも約12億円も過払いがあったことが判明。それらの総額は約14億円にも上ることが明らかになった。裏金発生の背景として「他球団に後れを取る訳にはいかない」とのスカウトからの報告もあり、今後、問題が他球団に波及する可能性も出てきた。
西武の調査委員会は、新人選手の契約金という球界の「グレーゾーン」にも臆することなく踏み込んだ。
逆指名制度が導入された94年から倫理行動宣言が出された05年6月までの間に、西武が契約金の最高標準額を超えて、15選手に総額11億9000万円の支払いを行っていた事実が明らかにされた。
球界は新人選手の契約金に関して、94年に1億円を最高標準額とする申し合わせを行っている。95年には逆指名選手に限って出来高払い5000万円を加えた1億5000万円を最高標準額とし、02年以降は指名順位にかかわらず、それが適用されてきた。ただこれは「上限額」ではない。
契約金に上限を設定すると独占禁止法に抵触する恐れがある。従って野球協約にも契約金に関する明確な規定はない。調査委は中間報告で「(当時の実行委は)優秀な選手についてはその評価に見合った契約金や報酬金が支払われてもよいとの見解であった」と記しているが、標準額はあくまで「努力目標」の範囲にとどまる。それを超えても明白な違反行為とは断じられない側面がある。
これまで標準額を超える支払いの「噂」は球界で絶えなかった。だが調査委は当該選手名こそ伏せたものの、支払い事実を初めて白日の下にさらした。また中間報告で「『他球団に後れを取る訳にはいかないので仕方がない』という意識が球団内にあったようである」とも記し、他球団でも「標準額超え」が恒常的に行われていたことを示唆した。
元々、規定が曖昧なだけに断罪の対象となるか否かの判断は難しい。だが調査委の公表によって、今後のドラフト制度改革を進める上で、新人選手の契約金問題が大きくクローズアップされることだけは間違いない。
西武の裏金問題究明のために設置された調査委員会(池井優委員長(72)=慶大名誉教授)が4日、都内で中間報告を行い、新たな裏金の存在が公表された。2005年の「倫理行動宣言」以前にアマ関係170人への謝礼や5選手への計6160万円の支払いのほか、新人との契約金にも約12億円も過払いがあったことが判明。それらの総額は約14億円にも上ることが明らかになった。裏金発生の背景として「他球団に後れを取る訳にはいかない」とのスカウトからの報告もあり、今後、問題が他球団に波及する可能性も出てきた。
調査委員会の中間報告内容は、日本高野連にもコミッショナー事務局からメールで伝えられた。取材に応じた田名部和裕参事(61)は「驚くことがたくさんある。騒然としている中で、こんなん発表するとは…」とがく然とした表情を浮かべた。
「実際に金銭授受があったのかどうかも分からない。事実関係をはっきりさせて欲しい。他球団にも(疑惑が)あるというのなら、万事それを受けてからと思っている」。プロ側の調査が完了するのを待って、高野連として対応を検討することになる。
18日には高野連の審議委員会が開かれる予定。専大北上など、裏金問題に関係した学校の処分などが話し合われる。今後、学校数が増える可能性もあるだけに、同参事は「早急に明確な報告が欲しい」と話した。
西武の裏金問題究明のために設置された調査委員会(池井優委員長(72)=慶大名誉教授)が4日、都内で中間報告を行い、新たな裏金の存在が公表された。2005年の「倫理行動宣言」以前にアマ関係170人への謝礼や5選手への計6160万円の支払いのほか、新人との契約金にも約12億円も過払いがあったことが判明。それらの総額は約14億円にも上ることが明らかになった。
巨人の渡辺恒雄会長が4日、西武の調査委員会の中間報告に怒りをあらわにした。
都内のホテルで対応した同会長は迎えの車の座席で約10分間、持論を展開した。調査を受けたスカウトが他球団でも恒常的に裏金があった旨の証言をしていることには、04年に自身が一場への栄養費問題でオーナー職を辞任した当時を引き合いに出して「自分の襟を正すことが大事で、そんな(他球団の)ことを言う資格はない」と反論。さらに「そういうことは非常識。相手にできん」と語気を強めた。
裏金問題に端を発して希望枠が撤廃となったドラフト改革を「ファッショ体制を作って12球団を平等にしようというのが今の球界。球界で社会主義革命をやったんだ。バカバカしい」と切り捨てた。
球界に再び衝撃が走った。西武の裏金問題に関する調査委員会は4日、都内で中間報告を行った。池井優委員長(72=慶大名誉教授)は西武が78年の球団創立以来、05年6月の「倫理行動宣言」までの27年間で、アマチュア野球関係者延べ170人に対して入団謝礼金として最高1000万円を支払っていた事実を公表した。さらに新人15選手に対し契約金申し合わせを上回る総額11億9000万円の超過契約金を支払っていた事実も明らかになった。
球界にはびこっていた“不正の根”が掘り起こされた。調査委員会の中間報告書は球団関係者22人へのヒアリング、現役19選手への書面照会を基にしたA4判用紙9枚。そこにはプロ、アマ問わず、日本球界全体に衝撃を与える内容が記載されていた。
報告書では西武が球団創立の78年10月から、05年6月の「倫理行動宣言」までの27年間で新人獲得の“謝礼金”としてアマチュア選手関係者、延べ170人に1人当たり10万円から最高で1000万円を支払っていたことが判明。謝礼は商品券もしくは現金で年間約500万円程度が高校、大学、社会人野球の監督、関係者に渡った。高校、大学関係者については日本学生野球憲章に違反するものだが、球団では管理職の決裁を得て、スカウトの交際接待費として帳簿処理されていた。
さらに驚きなのはヒアリングの際に担当スカウトが「こうした行為は他球団においてもやっているのではないか。だから仕方なく自分もやっていた」としたことに加えて、池井委員長が「“アマチュア選手関係者から支払いを要求されることもあった”とのこと」と説明。今回の問題の根源がプロだけでなく、アマ側の姿勢も大きく影響していることを明らかにした。
調査委員会は「倫理行動宣言」以後の謝礼金の存在は否定したが、27年間で170人のアマチュア関係者に渡った金額は推定で約1億3500万円にものぼる。長期間、1球団による組織的な不正行為が明るみに出たことで、アマチュアも含めて球界各方面に波紋が広がるのは確実だ。
調査委員会はさらに、謝礼金と同時期の27年間に当時アマチュアの5選手(1人は外国人)に対し、契約金の前渡しなど、計6160万円の金銭供与を行った事実も公表。うち1人には2800万円を渡していた。NPBへの報告を済ませ、報道陣に対応した太田秀和オーナー代行兼球団社長(55)は「全て球団の責任で今の選手をどうこう(処分)することはない」と5選手の中に、現在も西武に所属している選手がいる可能性を示唆した。
次回調査委員会は11日。20日には最終報告書が発表される。「球界全体を覆うお金の問題は、談合や天下りなど日本社会全体の構造に深く根ざしている」と池井委員長。もはや裏金問題は西武と供与を受けた当事者だけの問題ではなくなった。
今回の中間報告では、不正スカウト活動だけでなく西武の複数の“ルール違反”も明らかになった。
報告書によれば、西武が94年から倫理行動宣言がなされる以前の05年までの間に入団した15選手に対して新人契約金の最高標準額(1億円プラス出来高払い5000万円)以外に、計11億9000万円の“超過契約金”を支払っていた。過去に契約金の上限設定には公正取引委員会で独占禁止法違反の疑いがあるとの見解が示されたこともあることから、調査委の1人、矢田委員は「1億円の上限云々は違法とか不正とかではなく、私は申し合わせ違反ととらえている」。あくまで“ルール違反”であることを強調して、違法性は否定した。
同委員会は“ルール違反”の背景として、好選手を獲得するためには当該選手に見合う金額で契約をしても仕方ないムードがあり「他球団でも同じようなことをやっているのではないか」という意識が球団内にあったとして、他球団にも同様の体質があったことも示唆した。また、野球協約違反となる参稼報酬以外のボーナスを支払っていたことも判明(05年度で中止)。さらに、93年頃までに数回、入団前に学生のテストを行うなど日本学生野球憲章を犯していたことも発覚した。同委員会は一連の西武の“違反”について球団のコンプライアンス(法令順守)に対する意識の低さが原因とした。
調査委の中間報告にアマ球界は困惑しきりだ。大阪市内の事務局で会見した日本高野連・田名部参事は「アマチュア側として遺憾な内容。分からない部分が多いが、驚くことがたくさんある。球界浄化のために一石を投じようとしているのだろうが、裏付けを取ったのか」と話した。高校の指導者への謝礼金については「こちらとしては調べようがない。あっただろうと推測されるが、まずはコミッショナーが調べて欲しい」と、さらなる精査を求めた。
報告書ではこれまで金銭授受が判明したアマ2選手以外の選手、監督らの氏名を公表していないことに全日本大学野球連盟・内藤常任理事は「氏名がなくて中途半端だ。コミッショナー事務局から正式な資料が届いてから対応したい」と慎重な姿勢を示した。日本野球連盟・川島副会長も「正式に聞いていないので分からない」と話すにとどめた。
球界に再び、衝撃が走った。西武の裏金問題に関する調査委員会(池井優委員長)が4日、都内のホテルで中間報告を発表し、約14億円の新たな“裏金”が発覚した。05年6月の『倫理行動宣言』以前に、5人のアマ選手に契約金の前倒しなどの名目で計6160万円。アマ関係者延べ170人にこの27年間で約1億3500万円を渡し、実行委員会の申し合わせ事項である最高標準額(契約金1億円など)を15選手で計11億9000万円も上回っていたという。アマ側の長期的な“関与”も初めて明らかになるなど、問題はさらに大きくなった。
まだ、あった。早大・清水、東京ガス・木村以外に約14億円の“裏金”が動いていた。非公式なものを含め、計6度の会合を重ねた調査委員会。池井優委員長(72)は声を震わせて、衝撃的な中間報告を公表した。
西武は球団創設の1978年10月から、スカウトの利益供与を一切禁じた05年の『倫理行動宣言』前までの27年間、アマ球界と“カネ”で結びついていた。
5人のアマ選手(1人は外国人)に契約金、報酬金の前渡し、海外渡航費の餞別金などとして総額6160万円を支払い、延べ170人の高校、大学、社会人野球の関係者には1人10万円から最高1000万円までの商品券、現金を謝礼として渡していた。さらに新人選手の契約金の最高標準額(1億円プラス出来高払い5000万円)の申し合わせを定めた94年から05年まで、15選手に標準額を超える計11億9000万円を支払っていたことも発覚した。
球団側は裏金を契約金や報酬金、交際接待費として帳簿で会計処理しており、調査委は球団経理の帳簿、スカウト関係の書類を精査した。同時に延べ22人のスカウト関係者、経理担当者、球団関係者から事情聴取。中には、元スカウト部長で現楽天の楠城徹スカウト部長も含まれていた。
西武は19人の所属選手に調査用紙を配って、入団前の金銭授与の有無を照会。矢田委員が「わずか2週間でここまで明らかにした」と自負した徹底調査。清水以外の『倫理行動宣言』後の裏金は発覚しなかったが、皮肉にも帳簿上の記録が、不正の“闇”を暴く揺るがぬ証拠になった。
池井委員長は球団内のコンプライアンス(法令順守)の意識の低さを指摘した上で「各担当スカウトは『他球団も同じようなことをやっているのではないか』との思いから、そのような行為に及んだ旨を述べている」と説明。『倫理行動宣言』後の裏金については、堤前オーナーの不祥事により球団上層部が混乱していた状況も要因とした。
もう、西武だけの問題ではない。プロ、アマ共にルール無視。これまで『噂』や『疑惑』のレベルだったが、アマ側の長期的な裏金関与も初めて明らかになった。優秀な選手を獲得するため、アマの指導者が謝礼や法外な契約金を要求した例もあるという。
調査委では11日の全体会議を経て、20日までに最終報告を球団に提出する予定だが、この間に実名の浮上など、他球団とアマ球界へ“飛び火”する可能性もある。
「これを契機に球界全体が必要な措置を講じていくことが重要」と池井委員長。球界ではドラフト改革が加速し、2日には希望枠の撤廃が決まった。ファンの信頼回復へ動き出した矢先、裏金問題はさらに大きくなって球界に衝撃を与えた。
調査委員会は中間報告で、星野好男前球団社長、黒岩彰前球団代表の両幹部ら旧経営陣の対応を問題視。星野前社長はアイスホッケー、黒岩前代表はスピードスケートの名選手として知られた。報告書では「スポーツ選手ないし監督としては著名な活躍をし、功績を上げていたものの、企業経営者としての資質、経験は必ずしも十分とは思われない」と指摘した。
04年に一場(明大、現楽天)への裏金問題が発覚し、巨人、阪神、横浜のオーナー辞任に発展したプロ野球界が再発防止を目的に05年6月に採択した。
を定めた。日本プロ野球選手会はペナルティーの厳罰化や第三者機関による調査などを求めている。
西武の裏金問題に関する調査委員会の中間報告は4日、プロ球団がアマの新人獲得に際し長期間、組織的に不正行為を行っていたことを初めて明るみに出した。これに対してアマ側は困惑を隠せない様子だった。
西武の調査委員会が裏金問題の中間報告で、多数のアマチュア球界関係者が不正にかかわっていたと指摘したことに、アマ球界は困惑した様子だった。
日本高野連の田名部和裕参事は「アマチュア側として遺憾な内容。分からない部分が多いが、驚くことがたくさんある」。高校の指導者への謝礼金について「あっただろうと推測されるが、まずはコミッショナーが調べて欲しい」と、さらなる精査を求めた。
報告書は、これまで金銭授受が判明したアマ2選手以外の選手、監督らの氏名を公表していない。全日本大学野球連盟の内藤雅之常任理事は「氏名がなくて中途半端だ。コミッショナー事務局から正式な資料が届いてから対応したい」と慎重な姿勢を示した。
社会人野球を統括する日本野球連盟の川島勝司副会長も「正式に聞いていないので分からない」と話すにとどめた。
日本高野連の田名部参事は、裏金問題で早大野球部を退部処分となった清水元選手が、専大北上高(岩手)在学中から金銭の授受があった件に関し、日本プロ野球組織(NPB)に再調査を求めたことを明らかにした。NPBから4日に送られた調査報告は「学校の関与はなし」としながらも、清水元選手と西武が交わした契約書に野球部コーチ(当時)の署名があったとの記述があった。田名部参事は「署名があるのに学校の関与がないというのはつじつまが合わず、回答になっていない」と説明した。
西武・太田オーナー代行は調査委の中間報告を受け、根来コミッショナー代行、パ・リーグの小池会長のもとを訪れた。「厳粛に受けとめています。再発防止の新しい体制を確立するため、精一杯努力していきます」と神妙な表情。自らも事情聴取の対象となったが、調査委は最終報告で責任の所在を明らかにする方針。「今回は球団側の責任だと思う。選手にどうこう(処分)することは考えていない。(自身の進退は)最終報告を受けて検討したい」と話した。
調査委員会の中間報告を受けた西武ホールディングスの後藤高志社長(58)は都内の自宅で「驚いたが、西武ライオンズとして2度と起きないよう、再発防止に努めていきます。管理責任問題は最終報告をふまえた上で考えたい」と話した。また、身売り問題については「(球団保有は)変わりません。責任としてやっていかないといけない」と改めて否定した。
早大・清水勝仁外野手は高校3年時の03年12月から、05年10月までに計1025万7800円を西武から供与されていた。早大は、清水に退部処分を科し、さらに07年4月1日から1カ月間の停学処分にすると発表した。また、東京ガス・木村雄太投手も高校3年時の04年1月から月30万円ずつ計270万円を西武から供与されており、日本野球連盟に07年3月19日から1年間の謹慎(練習参加は可)を言い渡された。
西武の裏金問題に関する調査委員会の中間報告は4日、プロ球団がアマの新人獲得に際し長期間、組織的に不正行為を行っていたことを初めて明るみに出した。中間報告を受け、都内の自宅で代表取材に応じたプロ野球の根来泰周コミッショナー代行(74)は、西武からの最終報告を待って対処するという慎重な姿勢を示した。
西武からの最終報告を待つ−。根来コミッショナー代行は慎重だった。
この日、西武・太田秀和オーナー代行(55)が都内のコミッショナー事務局を訪れ、裏金問題に関する中間報告書を提出した。ただし、西武の調査委員会に関してコミッショナーは主導権を持っておらず、調査委も西武が外部委託したもの。西武は20日までに最終報告書を提出する意向を示していることから、根来氏はそれを受けて対応するとした。
3月12日、太田オーナー代行が不正スカウト活動の事情説明のため同事務局を訪れた際には、不備だらけの報告書を突き返して再調査を命じた根来氏。だが、今回は「中間報告としては十分な資料じゃないですか」と話した。
西武の裏金問題に関する調査委員会(池井優委員長=慶大名誉教授)が4日、中間報告を発表した。その中で、2005年6月の「倫理行動宣言」以前に、合わせて14億円にものぼる「裏金プラス不正支出」が存在していたことを明かした。5人のアマ選手に対し、契約金の前倒しなどの名目で総額6160万円を金銭供与、アマ関係者のべ170人に、学生野球憲章が禁じる「謝礼」を渡していたことも判明。新人との契約では実行委員会の申し合わせ事項である最高標準額を15選手で計11億9000万円も上回っていた。不正は球団ぐるみで行われており、球界に新たな衝撃が走った。
池井委員長が、会見で具体的な数字を挙げるたびに無数のフラッシュがたかれた。組織ぐるみの不正な金銭供与の総額は、合計14億円にも上った。1978年の球団創立以降、全ての金銭供与は球団社長以下管理職の決裁を得て行われた。5選手への裏金、アマチュア関係者のべ170人への金銭供与、契約金の“上乗せ”が新たに発覚。同委員長は、西武球団の全社的なコンプライアンス(法令順守)意識の低さを指摘した。
調査委は帳簿などの資料分析のほか、のべ22人へのヒアリング、05年6月「倫理行動宣言」後に入団した選手のうち19人に対する書面での照会を実施。78年の球団創設から05年6月までに、早大・清水勝仁元選手、東京ガス・木村雄太投手をのぞく5人(1人は外国人)への契約前の金銭供与が認められた。
球団は契約金の前渡し、報酬金(年俸)の前渡し、海外渡航費の餞別金として合計6160万円を供与。最大で約2800万円を支給した。5人中2人(計300万円)は当時学生で、日本学生野球憲章13条違反。球団内では契約金、報酬金、交際接待費として処理された。球団は“裏帳簿”による簿外処理をせず、全て帳簿処理していたとみられ、倫理行動宣言後は清水以外に金銭供与の事実はなかった。
また、調査委は契約金の“上乗せ”の事実も確認。実行委員会では、94年以降は新人選手の契約金の最高標準額を1億円以内とし、95年からは契約金1億円プラス出来高5000万円以内とする申し合わせがなされた。しかし、西武は94年から「倫理行動宣言」までの間、これに違反し、15人に対して合計11億9000万円もの巨額を“上乗せ”していた。
ただ、同申し合わせは独占禁止法違反の疑義があったため、実行委員会がかつて公正取引委員会に照会した結果も踏まえ、池井委員長は「標準額を上回ることはルール違反にならないと考える余地もある」とした。
「選手個人を糾弾することは目的でない」(同委員長)などの理由で、すでに会見を行った清水、木村以外の氏名などは非公表。調査委は20日までに最終報告を行う予定で、池井委員長は「これを契機に球界全体が必要な措置を講じていくことが重要」と付け加えた。
西武の不正なスカウト活動を究明する調査委員会の中間報告の要旨は次のとおり。
労組・日本プロ野球選手会のヤクルト・宮本慎也会長(36)は4日、西武の中間報告について会見、「非常に残念。ドラフトだけでなく、ドラフトの入団の仕組みから整備していかないといけない。契約金に(問題が)“モロに”出ている」と話した。契約金の上限の取り決めが、球団間で曖昧であることを宮本は指摘し、早急にルールを設け、その徹底を望んだ。また「選手ができることはグラウンドで精一杯プレーすること。僕ら(選手会の)幹部は整備の協力を(NPB側に)申し出ないといけない。球界全体で強い気持ちでやっていかないといけない」と選手会長として事態を重く受け止めていた。
西武の親会社にあたる西武ホールディングス(HD)の後藤高志社長は4日、新たに不正な金銭供与が発覚した球団の継続保有の方針について「変わりません。西武ライオンズをしっかりやっていこうと思う。(西武HDの)責任としてやっていかないといけない」と従来の姿勢を強調した。また、問題が起きていた当時の球団社長、球団代表ら責任者、さらに太田秀和オーナー代行の処分には「(調査委員会の)最終報告を踏まえて考えたい」と語った。
西武の裏金問題に関する調査委員会(池井優委員長=慶大名誉教授)は4日、中間報告を発表し、1978年の球団創立以来、2005年までの27年間に延べ170人のアマチュア野球関係者に対し、新人獲得の謝礼として1人当たり10万円から最高1000万円、総計約1億3500万円を支払っていたことを明らかにした。報告書では、高校、大学の監督らが含まれており、日本学生野球憲章への違反となる。
西武が早大と東京ガスの現役アマ選手に裏金を支給していた問題で設置された調査委は、この2件とは別に
などの新事実を公表した。
プロ球団がアマの新人選手獲得に際し、これほどの長期間、組織的に不正行為を行っていたことが明るみに出たのは初めて。
報告書は、アマ関係者への謝礼は商品券または現金で支給したとしており、毎年約5百万円程度を支払い続けていたとしている。アマ側から謝礼を要求されたこともあったと指摘した。
裏金は、日本プロ野球組織(NPB)がアマ選手への利益供与を一切禁じた05年の「倫理行動宣言」以前に支給されていたもので、5人のうち2選手は当時、学生だった。
調査委は西武球団の幹部、スカウト、経理関係者などを事情聴取して中間報告書を作成。謝礼を渡したアマ関係者と、裏金を支給したアマ5選手らの氏名は公表しなかった。
新人選手の契約金は1994年に最高標準額(1億円プラス出来高払い)が定められたが、それ以降も2005年までの間に入団した選手に大幅な超過支払いがあった。表向きは最高標準額で契約したとされた選手も、実際には裏契約金を合わせて推定で総額2億〜3億円前後の破格の条件で獲得した新人選手がいたことになる。
このほか、事前に学生をテストしたり、練習に参加させていた日本学生野球憲章違反も発覚した。
調査委はこの日第3回会合が開かれた。次回は11日に行い、20日までには最終報告書が作成される予定。
西武の裏金問題に関する調査委員会(池井優委員長=慶大名誉教授)が4日、中間報告を発表した。
アマチュア側のモラルも腐敗しきっていた。調査では、西武の球団創設から「倫理行動宣言」まで27年間に、延べ170人の高校、大学、社会人の監督や関係者への金銭供与が判明。選手が入団した「謝礼」の形で1人当たり10万円〜300万円、最大で1000万円の現金や商品券が支払われた。年平均500万円程度の謝礼金を供与し、27年間で約1億3500万円が支払われたことになる。
池井委員長によると、ヒアリングを受けたスカウトは「他球団でもやっているのではないか。だから仕方なく自分もやった」と動機を語った。アマ側から支払いを要求されることもあったという。高校、大学の監督、関係者への金銭供与は日本学生野球憲章20条違反。選手に対する供与同様、球団内では社長、代表以下の決済を得て行われ、「スカウト活動費(交際接待費)」として会計処理された。
さらに、西武は03年8月に球団施設で早大・清水元選手の“入団テスト”を行ったが、清水以外についても03年ころまでに数回にわたって同様の接触行為を行った。05年6月以降に謝礼金の支払いは認められなかったが、「倫理行動宣言」以前にはアマ側の金銭授受が常習化していた実態が浮き彫りになった。
西武の裏金問題に関する調査委員会(池井優委員長=慶大名誉教授)は4日、中間報告を発表し、1978年の球団創立以来、2005年までの27年間に延べ170人のアマチュア野球関係者に対し、新人獲得の謝礼として1人当たり10万円から最高1000万円を支払っていたことを明らかにした。
報告書は、高校、大学の監督らが含まれており、日本学生野球憲章への違反と指摘している。
また、日本プロ野球組織(NPB)がアマ選手への利益供与を一切禁じた05年の「倫理行動宣言」以前にも、5人のアマ選手に対し、総額6160万円の裏金を支給していたことも報告された。
さらに新人選手の契約金の最高標準額(1億円プラス出来高払い5000万円)が定められた1994年から05年までの間には、入団した15選手に対して標準額を超えて計11億9000万円を支払っていたことも明らかにした。
プロ球団がアマの新人選手獲得に際し、これほどの長期間、組織的に不正行為を行っていたことが明るみに出たのは初めて。
西武の裏金問題調査委員会は4日の中間報告で、1978年の球団創立以来、2005年までの間に延べ170人のアマ野球関係者に対し、新人獲得の謝礼として1人当たり10万円から1000万円を支払っていたことを明らかにした。
また、スカウトの利益供与を一切禁じた2005年の「倫理行動宣言」以前に、5人のアマ選手に対し、総額6160円の裏金を支給していたことを明らかにした。
オールスターゲームの新しい冠協賛社が、中古車売買大手のガリバーインターナショナルに決まったと発表した。同社広報部によると、現時点では1年契約だが、来年以降に関しても前向きに検討していく方針。
日本野球機構は4日、オールスターゲーム(7月20日・東京ドーム、同21日・フルキャスト宮城)の協賛会社が、株式会社ガリバーインターナショナル(本社・東京)に決定したと発表した。同社は車の買い取りと販売を行う「ガリバー」を日本全国約500店舗で展開している。同社の羽鳥兼市社長は「創立13年目のまだまだ小さく、若い会社ですが、オールスターゲームという素晴らしいイベントを社員が一丸となってサポートさせていただきたい」とコメントした。
社団法人日本野球機構は4日、オールスターゲームの新しい冠協賛社が、中古車売買大手のガリバーインターナショナルに決まったと発表した。同社広報部によると、現時点では1年契約だが、来年以降に関しても前向きに検討していく方針。オールスターゲームは1988年から三洋電機が冠スポンサーとなっていたが、経営悪化により昨年限りで撤退したため、新規の協賛社を探していた。