交流戦は3年連続したパ・リーグが勝ち越した。74勝66敗4分け。昨年、一昨年はわずか1勝の勝ち越しだったが、今年は日本ハムの快進撃もあって、一気に8勝の差をつけた。目だったのが、パの本拠地での強さだ。42勝26敗4分けで16の勝ち越し。セも本拠地で勝ち越したが、パには及ばなかった。
日本ハムは開幕戦(巨人)に連勝して、勢いに乗った。札幌ドームの観客は今季初めて4万人を超え、昨年の日本シリーズを思い出させる雰囲気の中、セの1位を圧倒した。今年の4万人突破はこの2試合を含めて交流戦に4試合あり、全勝している。
首痛で離脱していた西岡が、29日のソフトバンク戦(ヤフードーム)で復帰する。この日、イースタン楽天戦に1番遊撃手で先発し、3打数1安打2四球。「思い通りのプレーができたし、福岡からは万全の状態でいけると思う」。16日の阪神戦で首を痛めて離脱して以降、チームは1勝1分け5敗。
首の違和感で19日、出場選手登録を抹消されたロッテの西岡がイースタン・楽天戦(フルスタ宮城)に出場。「首の状態はよくなったし、思い通りのプレーができた」と1番・遊撃で延長11回フル出場し3打数1安打2四球、7度の守備機会を無難にこなした。28日に福岡入りし1軍に合流。「福岡からは万全の状態でいけると思う」と復帰に意欲を見せた。
ロッテ小野晋吾、藤田宗一両投手が27日、イースタン・リーグ楽天戦(フルキャスト宮城)に調整登板した。先発した小野は6回3分の0を4安打無失点に抑え「納得いく投球ができ、次回登板につながる内容」と満足げ。藤田も1回3分の0を1安打無失点に抑え「いつもよりボールが指にかかる感じになっていた。いい気分転換にもなったと思う」と話した。試合は延長11回、0−0の引き分けた。
プロ野球セ・パ交流戦は、26日に全日程が終了した。同一カード2連戦、2週間で10試合しか組まれない異例のスケジュールが消化された。「月曜以外はプロ野球」のスタイルが崩れた5週間強の期間に、どんな変化が起きたのか、検証した。
野球観戦の“日課”が崩れた。そんなファンが多かったのではないか。これまで「休みは月曜だけ」の3連戦が2カード続く1週間を過ごしてきたファンには、ストレスがたまる期間だったかもしれない。
2連戦、休み、4連戦、休み、2連戦、休み…。「しょっちゅう移動している感じでしたね」とヤクルト・青木は戸惑いを口にした。
巨人戦ナイターの中継減は進み、交流戦の地上波ナイター中継はわずか13試合にとどまった。ところが、観客動員数は増加。3年目にして初めて1試合平均で2万5000人台に乗った。「週当たりの試合数が少なくなって、ファンが野球を見たい気持ちが強くなったんじゃないか」と、中日・落合監督は分析した。
2連戦を組めたことで、地方興行が増えた。中日は楽天、オリックスとの4試合を地方開催。ヤクルトも日本ハム戦を松山で開催した。「3連戦だと興行的に地方では売れない。その点ではよかった」と関係者。
ファンサービスも変化の兆しがある。巨人がV9時代の選手を始球式に集め、ヤクルトは西武との日本シリーズの名場面を始球式で再現するなど、歴史や地域重視に。「球界は偉大な先輩や歴史に冷たい。いいことじゃないか」と楽天・野村監督は巨人の試みを評価した。温故知新の企画は、若いファンにも新鮮だった。
来季も24試合制の交流戦が続く。21日の選手会とNPB(日本プロ野球組織)との事務折衝で宮本会長(ヤクルト)は「個人的には18試合がいい。ただ選手からは“意外と楽だった”という声があった」と説明。対して巨人・清武球団代表は「3連戦の方がいいことは間違いない。ただ2年続けるということですから」と話した。
来年は北京五輪があり、期間中に試合数を減らせば、交流戦にしわ寄せが来る可能性も残っている。減少するテレビ中継数に反比例して、増加した球場のファン。彼らにアピールすることが、新たなプロ野球の人気掘り起こしにつながる。
セ、パ両リーグは27日、交流戦(計144試合)の観客動員数を発表。1試合平均では2年連続で増加し、昨年より2048人増の2万5605人となった。交流戦前のセ、パ両リーグを合わせた1試合平均(2万4000人)との比較でも1605人増。1試合平均の球団別では阪神が4万6316人で3年連続トップ。2位巨人、3位ソフトバンク、4位日本ハムと続いた。
セ、パ両リーグは27日、交流戦(計144試合)の観客動員数を発表し、1試合平均では2年連続で増加し、昨年より2048人増の2万5605人となった。
交流戦前のセ、パ両リーグを合わせた1試合平均(2万4000人)との比較でも1605人増。リーグ別では、パは今季リーグ戦の平均1万9449人から2万4139人に増えたが、セは2万8909人から2万7070人に減少した。
1試合平均の球団別では阪神が4万6316人で3年連続トップ。2位巨人、3位ソフトバンク、4位日本ハムと続き、下位にはヤクルト、横浜、広島とセのチームが並んだ。
国際野球連盟(IBAF)は27日、北京五輪野球アジア地区予選決勝リーグ(12月1〜3日、台湾・台中市)の組み合わせを発表した。日本は3試合とも午後6時(日本時間午後7時)試合開始。初戦で香港、フィリピン、タイ、パキスタンの4カ国が出場する1次リーグの1位チームと対戦。2日目に韓国、最終日に開催国の台湾と対戦することが決まった。試合日程は次の通り(時間は日本時間)。
星野ジャパンの首脳陣は、一様にこの組み合わせを歓迎した。まず初戦に格下(1次リーグの勝者)が相手、しかも3戦ともナイター。アウエーでありながら日本に有利な条件がそろった。
「我々の考えとは違って意外でしたね。初戦は韓国戦だと思っていましたから」と大野投手コーチ(本紙評論家)。星野監督も地元・台湾が最初に2つのライバル国の戦いぶりを見られるよう初戦で日本―韓国戦が組まれると予想していただけに驚くのも無理はない。田淵打撃コーチ(本紙評論家)は「短期戦は初戦が大事。そこで打線に火がつけば、そのままの勢いで戦える。韓国と台湾がつぶし合ってくれるのもいい」と続けた。
03年アテネ五輪予選(札幌)でも、日本は初戦で中国に快勝した勢いで台湾、韓国を連破。4年前を経験している大野コーチは「アテネ予選も中国に勝って勢いがついたから」と振り返り「投手起用は対戦国との相性、適性を見て決めることになる」と先を見据えた。
全戦ナイターについても田淵コーチは「コンディションを整えるのにいいね」と喜んだ。7月6日からは、韓国、台湾をスタッフ全員で視察する予定。データ収集も進む中、星野ジャパンは敵地での“日程の利”も得て北京へ加速する。
国際野球連盟(IBAF)は、台湾の台中市で開催する北京五輪アジア予選の決勝リーグ(12月1〜3日・洲際野球場)の試合開始時間を27日までに発表、日本は3試合とも日本時間午後7時開始のナイターとなった。試合日程は次の通り(時間は日本時間)。
プロ野球交流戦を協賛した日本生命は27日、表彰選手を発表。最優秀選手賞(MVP)は優勝した日本ハムのグリン投手が受賞し、賞金200万円を獲得した。グリンは6試合に先発して5勝0敗、防御率1.01で投手部門の2冠に輝き、交流戦初制覇の原動力となった。日本生命賞(賞金100万円)は、セがチームトップの4勝を挙げた高橋尚成投手(巨人)、パは12球団最多の23打点を記録したサブロー外野手(ロッテ)が選出された。
楽天の米田球団代表は27日、オールスター出場辞退者についての特例措置を、2日の実行委員会で提案する考えがあることを明かした。球宴最終中間発表で、パ・リーグのファン投票選出12選手のうち、楽天が8選手を占めた。地元仙台での球宴開催の影響が考えられる大量投票に、選手も戸惑いを隠せないでいる。故障以外の理由で球宴を辞退した場合、後半戦開幕から10日間1軍出場登録ができなくなる。そのため「仮に出たくないという選手が出た場合(特例を認める)提案をしたい」と代表は訴えた。