オリックスが延長戦を制し、連敗を2で止めた。1回に先制されたオリックスは3回に下山の4号ソロで同点とし、9回にアレンのタイムリーで1点を勝ち越した。さらに同点で迎えた延長11回、1死一塁からローズの24号2ランで試合を決めた。先発・川越は7回を投げ、被安打7、奪三振7、自責点1の内容。なお、川越はこの試合でプロ野球史上308人目となる通算1000投球回を達成。ロッテ先発・成瀬は8回0/3を投げて被安打5、奪三振7、失点2の内容も勝敗は付かず、3人目の薮田が2敗目。首位日本ハムとの差は1.5に開いた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | |
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オリックス | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 4 |
千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 3 |
8回0/3を2失点。十分に勝利投手に等しい投球内容だったが、成瀬はまた勝てなかった。9回裏に西岡の二塁打で何とか追いつき、敗戦投手こそならなかったが、9回表無死一、二塁とされたところで無念の降板となった。
この回、先頭の3番・ラロッカに変化球が高めに浮いたところを痛打されたものの、続くローズには6球中5球が直球の力勝負を挑んだ。結果的に四球となったが、カウント2−1から134キロの外角球はわずかに外れた…。
この日は先月17日以来の約2週間ぶりの先発。「ゲームを作れたのは良かったけど、9回の投球に悔いが残る。先頭打者を出して、その後、四球。悔しい降板です。無駄な四球を出さないように心掛けないといけません」と広報を通じてコメントした。
それでも、試合前には防御率1.85のリーグ2位(2日現在)で、4年目でオールスターに監督推薦として初出場が決まった。「これまでの頑張りを評価してもらえたことを嬉しく思う。とにかく選ばれたことに恥じない投球ができるように頑張ります」。若き左腕エースは初球宴に心を躍らせた。
前カードのソフトバンク戦で13打数5安打と当たっていた里崎が先制打。「いいコースに飛んでくれたし、早川さんも良く走ってくれました」と笑顔を浮かべた。1回2死一、二塁。カウント2−1からの川越の4球目。「追い込まれていたので必死に食らいついていきました」という144キロの外角直球を一、二塁間に打ち返した。「右方向へ自分らしいバッティングができた」と里崎。「チーム(の状態)はいま底みたいなもん。久し振りのマリンなので絶対に勝ちたいです」と闘志を燃やした。
点差はわずか1点。押せ押せムードの9回2死一、二塁、1番・西岡がフルカウントから151キロの高めの直球を左中間へ打ち返した。サヨナラ−。球場全体が一瞬、そう思ったが、一走渡辺正は三塁ストップ。結局、後続が断たれてこの回は同点止まり。11回に相手4番に手痛い2ランを浴び、その裏の反撃も1点届かなかった。試合後、バレンタイン監督は「ワタナベ(渡辺正)はあの状況(2死でフルカウント)なら生還しなくてはいけない。もう少し状況を判断すべきだった」と渋い表情だった。
交換トレードで千葉ロッテに移籍した吉井が3日、チームに合流。「どこのチームも野球チーム。すんなり入れた。このチームはファミリーを大事にするチーム」と流れる汗をぬぐった。日米合わせて7球団となる新天地での先発デビューは5日のオリックス戦(千葉マリン)と決まっている。「トレードしてすぐだけど違和感はない」というベテランは、「完投する自信はあるが、5、6、7回までうまくゲームを作りたい。目標は完封」と言葉に力を込めた。
プロ野球のガリバーオールスターゲーム運営委員会は3日、オールスター戦に出場する監督推薦選手を発表、ファン投票選出メンバーを合わせたセ、パ両リーグ各30選手の全陣容が決まった。千葉ロッテからは4度目の小林宏、3度目の里崎、西岡、2度目の薮田と初出場の成瀬、早川の6人。球団別の最多は巨人と楽天の8人で、最少は阪神とオリックスの2人。
初出場は成瀬、早川のほか、ファン投票で選出された新人の田中(楽天)のほか、ダルビッシュ(日本ハム)高橋尚(巨人)ら17人。最多選出回数は小久保(ソフトバンク)の10度(出場辞退2度を含む)で、セの最多は小笠原(巨人)と谷繁(中日)の9度。小笠原、谷(ともに巨人)ラロッカ(オリックス)稲葉(日本ハム)山崎武(楽天)の5選手は新たに両リーグでの出場となる。ヤクルトの古田兼任監督はコーチで初出場するが、選手としては新人からの連続出場が17年で途切れた。
第1戦は20日に東京ドームのナイターで実施され、第2戦は21日にフルスタ宮城で52年ぶりのデーゲーム開催で行われる。セは落合(中日)、パはヒルマン(日本ハム)の両監督が指揮を執る。
監督推薦でオールスター初出場を決めた千葉ロッテの早川大輔外野手は「多少予感はありましたが、嬉しいです」と声をはずませた。今季は66試合に出場し、打率3割2分6厘、3本塁打、23打点とブレーク。「まさかここまで活躍し、チームに貢献できるとは思っていなかった。そのご褒美かな」と照れくさそうに笑った。
「小さい頃テレビの前でわくわくしながら見ていた。自分が出るのはすごいこと」といい、「ホームランを打ちたい。一発狙いますよ。追い込まれても当てにいくんじゃなく、ぶんぶん振っていきたい」と目を輝かせた。
9回に追いついた。2点を勝ち越された延長11回は1点を返してなおも2死満塁。一打逆転の場面まで詰め寄った。「本当にいいファイト。力を振り絞ってあと一歩だった」とバレンタイン監督。試合後はチームキャラクターの「カモメ」にちなみ、ゲストの歌手・渡辺真知子さんがヒット曲「かもめが翔んだ日」をグラウンドで熱唱。ナインも聞き入っていた。
ロッテは今季初の延長戦黒星を喫した。1点を追う9回に西岡の左越え同点二塁打。延長11回、薮田がローズに24号2ランを被弾したその裏も1点を返し、なお2死満塁と攻めたが一歩及ばなかった。14安打を放ちながらの敗戦も西岡、福浦の先発メンバー復帰が光明。バレンタイン監督は「いいファイトが見られる試合だった。いい野球ができているし、これを続けていきたい」と前向きに話した。
ロッテ・バレンタイン監督は状況判断の甘さを敗因に挙げた。9回2死一、二塁。ここで西岡はフルカウントから左中間を破る二塁打。2人の走者は投手の手元からボールが離れた瞬間にスタートを切るため、逆転サヨナラ勝ちの期待が膨らんだ。しかし、一走・渡辺正はスタートが遅れて三塁でストップし、後続も凡退した。バレンタイン監督は「あの状況なら生還できたはず。渡辺正はもっとよく状況を判断すべきだった」と苦言を呈した。
ロッテがオリックスに競り負け、首位日本ハムとの差が1.5に開いた。成瀬が9回途中まで2失点と好投。9回裏には西岡の適時二塁打で同点に追いついた。2点を勝ち越された11回も1点差とし、2死満塁と一打サヨナラのチャンスまで粘った。バレンタイン監督は「いいファイトをみせてくれた」と粘りを評価していた。
ガリバーオールスターゲーム(第1戦=20日東京ドーム、第2戦=21日フルスタ宮城)の監督推薦選手が3日、発表された。ファン投票選出メンバーを合わせたセ、パ両リーグ各30選手の全陣容が決定。全パの指揮を執るトレイ・ヒルマン監督(44)は、先発部門でファン投票1位となった楽天・田中将大投手(18)を第2戦に先発させる意向を示した。
全パのヒルマン監督が早くも楽天の本拠地、フルスタ宮城で行われる第2戦に、田中を先発させることを予告。「ファンの方々を怒らせるために、田中は東京ドームで先発させます。いや…、仙台で投げさせますよ」と、冗談を交えて明かした。監督推薦メンバーについては「成績、球団の事情を考慮した。個人的に選びたかった選手が全員、入らなかったのは残念」と説明した。
昨オフにオリックスから移籍した早川が球宴初出場。「選ばれて本当に嬉しいです」と声を弾ませながら、笑顔を振りまいた。課題だった打撃は、新天地で打率3割台をマークするなど才能を開花しつつある。「テレビの前でわくわく待っていたのが思い出。そこに出られるなんて」と早くも興奮気味だった。
今回のチーム編成はこれまでより2人増の30人。第1戦のナイター後に新幹線で東京から仙台へ移動し、翌日にデーゲームで第2戦を行う強行日程。選手の負担軽減のために増員された。また、新たに小笠原(巨人)ら5選手が両リーグ出場となるが、今回のメンバーでは小久保(ソフトバンク)とローズ(オリックス)が既に両リーグでの出場を果たしている。
パ・リーグ | セ・リーグ | |||
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位置 | 名前 | チーム | 名前 | チーム |
監督 | ヒルマン | 日本ハム | 落合博満 | 中日 |
コーチ | 伊東勤 | 西武 | 岡田彰布 | 阪神 |
秋山幸二 | ソフトバンク | 古田敦也 | ヤクルト | |
先発 | ※田中将大 | 楽天 | ※黒田博樹 | 広島 |
中継 | ※松本輝 | 楽天 | ※林昌範 | 巨人 |
抑え | ※福盛和男 | 楽天 | ※藤川球児 | 阪神 |
投手 | ダルビッシュ有 | 日本ハム | 岩瀬仁紀 | 中日 |
武田久 | 日本ハム | 中田賢一 | 中日 | |
涌井秀章 | 西武 | 久保田智之 | 阪神 | |
馬原孝浩 | ソフトバンク | 高津臣吾 | ヤクルト | |
杉内俊哉 | ソフトバンク | グライシンガー | ヤクルト | |
薮田安彦 | ロッテ | 上原浩治 | 巨人 | |
小林宏之 | ロッテ | 高橋尚成 | 巨人 | |
木塚敦志 | 横浜 | |||
クルーン | 横浜 | |||
捕手 | ※嶋基宏 | 楽天 | ※阿部慎之助 | 巨人 |
高橋信二 | 日本ハム | 谷繁元信 | 中日 | |
里崎智也 | ロッテ | 相川亮二 | 横浜 | |
一塁手 | ※松中信彦 | ソフトバンク | ※栗原健太 | 広島 |
二塁手 | ※高須洋介 | 楽天 | ※仁志敏久 | 横浜 |
三塁手 | ※小久保裕紀 | ソフトバンク | ※小笠原道大 | 巨人 |
遊撃手 | ※川崎宗則 | ソフトバンク | ※井端弘和 | 中日 |
内野手 | 中島裕之 | 西武 | 森野将彦 | 中日 |
カブレラ | 西武 | ウッズ | 中日 | |
TSUYOSHI | ロッテ | 宮本慎也 | ヤクルト | |
ラロッカ | オリックス | 新井貴浩 | 広島 | |
外野手 | ※礒部公一 | 楽天 | ※前田智徳 | 広島 |
※鉄平 | 楽天 | ※青木宣親 | ヤクルト | |
※ローズ | オリックス | ※福留孝介 | 中日 | |
森本稀哲 | 日本ハム | ラミレス | ヤクルト | |
稲葉篤紀 | 日本ハム | 谷佳知 | 巨人 | |
大村直之 | ソフトバンク | 高橋由伸 | 巨人 | |
早川大輔 | ロッテ | |||
DH | ※山崎武司 | 楽天 |
[注]※はファン投票選出。王貞治監督(ソフトバンク)は出場辞退のため欠場、代わりに秋山幸二コーチ(ソフトバンク)を補充。
入団時の契約金に明確な上限が設けられる可能性が高くなった。来年度からの新制度を議論するドラフト制度検討委員会が3日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で行われた。現状では独占禁止法に抵触しないよう契約金は最高標準額(1億円+出来高払い5000万円)としているが、専門家に意見を聞くなど合理性があれば認められるという認識を強めた。根来コミッショナー代行も「個人的には差し支えないと思う」と意見した。金額は今後の検討課題だが、最高標準額と同等になりそうだ。
具体的な制度について、あらためて希望入団枠廃止の方針が確認された。代わりに、FA短縮などで選手の希望を反映させる形が必要という意見が大勢をしめた。ただオリックスだけは完全ウエーバーでFA短縮必要なしの姿勢を強調した。FAについては国内、国外移籍で取得までの年数を分け、国内に限り短縮するなどの案が出た。
広島が独自案を示し、FA短縮に反対し、ドラフトで「選手の希望がかなう可能性を残す」(広島鈴木本部長)。選手は事前に希望球団を表明でき、その球団には入札抽選でアドバンテージを与える。それ以外の球団は予備抽選を行い、希望球団を含め3球団まで絞り込むもので、希望が通る確率を高める案だった。
広島は昨年までの暫定ドラフト案を示した実績もあり、FA大幅短縮に難色を示す球団も多く、今後も検討材料になっていきそうだ。新制度は根来代行が中心となり、来年3月までの決定を目指す。
日本プロ野球組織(NPB)のドラフト制度検討委員会(委員長・根来泰周コミッショナー代行)が3日、都内で開かれた。12球団が提出した、来年からのドラフト制度とFAなど諸制度の改革案を元に議論が行われた。希望枠を撤廃して抽選を希望する球団が過半数を占めた。だがアマ選手の希望をかなえる代替策としては、FA短縮のほかに「事前に希望球団を聞いた上での抽選」などの案も広島、ソフトバンクなど数球団が主張した。今後は契約金、FA移籍の補償、海外と国内FAとの区別なども含めて議論を進める。
来年以降のドラフトについて考える「ドラフト制度検討委員会」(委員長=根来泰周コミッショナー代行)が3日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で開かれた。すでに各球団が制度に対する考えをまとめた意見書を提出しており、それに基づいて意見交換した。
来年も希望枠は撤廃することで一致し、大半は完全ウエーバーあるいは入札抽選制を主張した。一部には選手の希望を少なからず受け入れるべきという意見も出て、予め希望球団を聞いた上での入札など「技術的に可能かどうかも議論すべき」との声もあった。
ドラフトとリンクしてくるFAの資格取得年数については現状維持や1、2年短縮など意見が分かれた。また、契約金の上限設定や統一契約書の書式などについても話し合われ、来月の同委員会で引き続き議論する。
日本高野連は3日、09年度以降の生徒募集に向けた特待制度の基準を議論する第三者機関「特待生問題有識者会議」の委員15人を発表。スポーツや教育、法曹界など幅広い分野から集められ、本紙で「熱中先生」を連載中のスポーツキャスターの栗山英樹氏(46)がプロ野球経験者としてはただ1人、選ばれた。
栗山氏は引退後、母校・東京学芸大などの非常勤講師を経て04年に白鴎大准教授に就任。現役プロ選手と球児のシンポジウム「夢の向こうに」で司会も務めており「球界と教育、双方の現場の経験を生かしたい。特待生制度がどういう形で認められればいいのか、球児のため1番いい形を考えたい」と話した。
来年度の入学予定者に対する特待制度は経済的な支援を必要とする生徒に限り暫定的に容認されたが、09年度以降については未定。日本学生野球憲章の見直しも含めて議論する。第1回会議は9日に東京都内で公開で行われ、10月初めまでに提言をまとめる。
もう1つ足りない…。3日、オリックス戦で3−4と惜敗したロッテ。延長11回には1点差に迫り2死満塁としたが、一歩及ばず。
「いいファイトが見せられた試合だった。力を振り絞ってくれたが最後は1つ足りなかった」と、試合後のバレンタイン監督は淡々と振り返った。が、内心は忸怩たるモノがあるはず。先発・成瀬が9回途中まで2失点と好投しながら見殺しに。打線に決め手がないからだ。
「今年はホントにケガ人が多すぎる。どうなってるんだろうね」。球団関係者が思わずこぼすほどのケガ人イヤーだ。首痛の西岡こそ復帰したが、ズレータが左手小指、今江も左手有こう骨骨折と打線のキーマンが戦線離脱中。ロッテは過去2年間で連覇した交流戦後に負けが込んでいる。昨季はこれがV逸へ直結しただけに、キーマン不在の状況が、今季も交流戦後のダッシュにブレーキをかけている観は否めない。
「(打線の)どこに誰がいるかは関係ない。誰が1番でも3番でも、勝つことができる」とバレンタイン監督は強調するが、チームに漂う凶兆を吹き払いたいはずだ。
そのための吉報もある。前半戦絶望とされた今江がついに復帰。3日のイースタン楽天戦では1安打2打点と活躍した。「1軍復帰も早いよ。前半戦に間に合う」(球団関係者)と状態次第では来週にも昇格する可能性が浮上。活気に満ちた“ミスターロッテ”が完全復活となれば、2年連続の失速も防げるはずだ。
レッドソックスは3日、千葉ロッテマリーンズとの業務提携に関する記者会見を4日午前に行うと発表した。同会見には、レッドソックスのルッキーノ社長、エプスタイン・ゼネラルマネジャー、シプリー国際スカウト兼副社長が出席する。出席する3重役は、松坂大輔、岡島秀樹両投手の獲得を推進したメンバー。日本人両投手の獲得が、今季レッドソックス快進撃の原動力となっている。