わたしはかもめ2007年鴎の便り(7月)

便

7月20日

オールスターゲーム第1戦

◇全セ1−0全パ(東京ドーム)

第1戦は、セがオールスター史上初となる9人のリレーによりわずか77球、1安打完封勝利を収め05年第1戦からの連勝を5に伸ばした。セは無得点で迎えた7回、ラミレス(ヤ)のオースルター初本塁打となる2ラン、続く代打前田智(広)のオースルター初本塁打となるソロで3点を先制。8回には代打・森野(中)がオールスター初打席で本塁打を放ち加点。勝ち投手は久保田(神)。負け投手は馬原(ソ)で2連敗。MVPはラミレスが受賞。なお両チーム合わせてオールスター最多となる49人が出場した。

123456789R
全パ0000000000
全セ00000031x4
全セ・落合監督
「9人の投手起用?こういう使い方があっていいんじゃないか。けが人は出せないし、無理をさせられない。無事にチームに帰すことが大事。オールスターは、選手達が楽しんでくれればいい。」
全パ・ヒルマン監督
「3本のホームランにやられました。(第2戦が行われる)仙台に着いたら、室内練習場に直行して、全員にバッティング練習をしてもらいますよ(ジョーク交じりに)。」
小林宏
「まさか賞を取れるとは思わなかった。四球を出さないように心掛けた。連続三振はたまたまです。後半戦もいい方向へ行ってくれればいいですね。」(4番手で2回無失点に抑え優秀選手賞を獲得)

◇第1戦の記録

チーム
最多出場人員(両チーム計)=49
※過去は47(01年第2戦など6回)
同(守備位置別・投手)=全セ9
※過去は8(01年第3戦の全パなど4回)
同(守備位置別・両チーム投手計)=15
※過去は14(01年第3戦など過去3回)
最少残塁(両チーム計)=4
※過去は5(79年第3戦など2回)

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史上初全セ9投手1安打完封リレー/球宴[ニッカン]

一夜限りの夢の継投で全セが4−0で全パに快勝し、05年の第1戦から5連勝を飾った。全セは先発上原(巨人)から高津(ヤクルト)−林(巨人)−木塚(横浜)−岩瀬(中日)−黒田(広島)−久保田(阪神)−クルーン(横浜)−藤川(阪神)と史上最多9人の継投で1安打完封した。全セの指揮を執った落合監督(中日)が黒田以外はリーグを代表するリリーフ陣を起用。球宴最少の77球で全パ打線をシャットアウトした。通算成績は全セの66勝73敗8分けとなった。

ノーガードの打撃戦も面白いが、こんなオールスターがあってもいい。9回2死。この日最速151キロ速球で高須(楽天)を二飛に仕留めた全セのストッパー藤川は、満面の笑みでスタンドに一礼した。球宴史上最多9人の継投による完封劇。藤川と勝利のハイタッチを交わした落合監督は「こういう使い方もあっていいんじゃないかな」と、スコアボードに並んだ9つのゼロを眺めながら満足げにうなずいた。

豪華リレーの始まりは今季途中から巨人の抑えに転向した先発上原だった。シーズン中ではめったに投げないスローカーブを織り交ぜ、初回を1安打無失点。昨年10月5日以来の真っさらなマウンドに「普段投げないボールを投げたかった。カーブ?シーズンでは投げられないことが分かりました」と楽しんでいた。上原から通算284セーブの日本記録を持つ高津、2年連続最多セーブの左腕ストッパー岩瀬、161キロ剛腕クルーン。黒田をのぞく全員がリーグを代表するリリーフ陣で、8投手の今季セーブ数合計は93。一夜限りの夢の継投に、東京ドームに詰め掛けたファンは酔いしれた。

球宴でも落合監督が“オレ流采配”を貫いた。「なかなか見られるメンバーじゃないだろ」と予告通りの起用だった。直前までペナントレースを戦っている先発投手の起用は慎重にならざるを得ない。中1日で先発投手が登板する事態を避けるため、リリーフ陣でまかなった。落合監督は「全ての選手が無事チームに帰ることを最優先に考えてやっている」と説明した。

1人1イニング、打者3人を抑えることに全力を注いだ。上原が1回に西岡に一塁内野安打、ラロッカへの死球と出した走者はわずか2人。後はパーフェクトの内容で、77球の省エネ継投で試合時間も2時間8分。最終回を締めた藤川は「最後を任された?メチャメチャ光栄です。(球宴は)自分がヒーローになるチャンス。そのために来ている」と気持ちよさそうに汗をぬぐった。

攻撃面でも球宴タイ記録の代打本塁打2本が飛び出すなど、その采配はさえ渡った。これで全セは5連勝で、落合監督が指揮した試合に限っても3連勝だ。試合前には「オールスターの監督なんて気を使うばかりで全然楽しくないよ」とグチをこぼしていたが、試合後は一変。「これでウィリアムス(阪神)と永川(広島)がいれば理想的だったんだけどな」。球宴の歴史に1ページを刻んだオレ流継投。落合監督は最後までしてやったりの表情だった。

◇公式戦も9人なし、100球未満も初めて

全セは9投手のリレーで1安打完封。過去の球宴では8人継投が最多(延長戦含め5度目)で、9人継投は初めて。1安打以下に抑えたのは、ノーヒットノーランを達成した71年1戦全セ、山本浩(広島)のソロ本塁打1本に抑えた76年2戦全パに次いで球宴史上3度目だ。完封リレーは90年1戦全パの6人が最多で、公式戦では80年6月30日日本ハムの8人が最多。9投手による完封は公式戦でも記録されていない。また、この日の全セは9人合計77球。100球未満の完封も球宴史上初めて。

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西岡「賞ください」

ロッテ西岡が自慢の快足を披露し、全パ唯一の安打を放った。1回、先頭で巨人上原から一塁内野安打を放った。2番森本の初球に二盗に成功したが、続く2球目に三盗を試みてタッチアウトとなった。前日19日のフレッシュオールスターでは、同じような状況から広島中東が三盗も決めてMVPを獲得しただけに「三盗も狙ってましたが、息切れしました。唯一の1本を打ったので優秀選手賞ぐらいはもらえると思ったんですけど、甘かったですね」と苦笑いだった。

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乱闘遺恨…ベンチにも冷たい空気

球宴のお祭りムードも全パのロッテ里崎とオリックス・ローズの“和解”にはつながらなかった。17日のロッテ−オリックス戦で乱闘を演じた2人。試合前の集合写真撮影で里崎が右端にローズは左端に構えるなど、練習から視線が合うことはなかった。報道陣からの質問も、大半が因縁についてで、暴行を受けた里崎が「大人の対応はしたいけど、僕から(挨拶に)行くことはない」。一方のローズも「サトザキと何の話をしなきゃいけないの?」と歩み寄る気はさらさらない様子だった。

試合前の選手入場セレモニーでも、ローズが先に入場していた里崎の手前で列に並び、恒例となっているハイタッチの接触もなかった。試合中もチームは得点を喜び合うシーンすらに完封負けを喫した。試合後、里崎は「(ローズとは)別にチームメートでもないし会話もないよ」と淡々。因縁の2人が、全パのベンチに冷たい空気を漂わせた。

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小林宏、優秀選手の100万は「嫁に」[スポニチ]

球宴で全パのロッテ・小林宏が2回無失点で優秀選手賞を獲得した。0−0の5回から登板し、先頭の栗原、阿部を連続三振斬り。得意の変化球を武器に打者6人を無安打に抑えた。「1点取られたら嫌な雰囲気だったのでゼロで抑えようと思いました」と笑顔。賞金100万円は「嫁さんが使うんじゃないですか。子供のために」と長男・夢行(ゆあん)ちゃん(2)の“教育資金”になる模様だ。

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TSUYOSHIが打って走って孤軍奮闘だ[デイリー]

2007ガリバーオールスターゲーム第1戦(20日・東京ドーム)、グラウンドを走り回った。全パの中で放たれた光。幕張の俊足・ロッテのTSUYOSHIが自慢の足でファンを魅了した。

見せ場は初回だ。一塁への内野安打で出塁すると鋭い視線を二塁へ向ける。「監督に好きなようにやっていいと言われていたので狙っていました」。全セの先発・上原のモーションを盗み二盗に成功。ただ、ここで満足する韋駄天ではない。すぐさま、三盗に挑戦。残念ながら、失敗に終わったが球宴を盛り上げる大仕事だった。

「三盗は決めたかったんですが、息切れしてしまいました」と苦笑い。それでもパで唯一の安打。さらに1回の守備でも谷の外野へ抜けそうな打球を華麗にさばいた。「優秀選手賞はもらえると思ったんですが」と悔しがったが、存在感は十分に見せた。

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ロッテ・西岡、唯一の安打も…三盗失敗に「息切れしました」[サンスポ]

全パで唯一の安打をマークした西岡は「打てたのはよかったです」と照れた。1回、俊足を生かして一塁内野安打。続く森本(日本ハム)の初球に二盗を成功させ、2球目には勢いに乗って三盗を試みたが、あえなくアウト。「三盗も決めたかったけど、ちょっと息切れしました」と苦笑いしていた。

◇ロッテ・小林宏が優秀選手賞獲得!2回パーフェクトに笑み

4度目の球宴出場となった小林宏が5回から登板。2回をパーフェクトに抑えて優秀選手賞を獲得した。賞金100万円を手に「四球を出さないように、どんどんストライクを取っていこうと思っていた。賞をもらえるとは」。前半戦で9勝を挙げたチームの勝ち頭は、笑みを浮かべていた。

◇オリックス・ローズ、里崎と和解ムードなし

和解ムードは一切なかった。里崎(ロッテ)と17日に乱闘を起こしたローズは試合前からピリピリムード。同じベンチのロッテ勢とは一切視線を合わせず、「里崎と話をしたか」との質問に3日間守った沈黙を破り、「ナンデ?ネエ、ナンデ?里崎とナニを話すの?」と日本語で言い返した。遺恨はくすぶったまま、第2戦に臨む。

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わずか1安打ヒルマン監督取材拒否/球宴[ニッカン]

わずか1安打に、お仕置きでもしたかった。05年から5連敗を喫した全パの日本ハム・ヒルマン監督は「ヒットが出なければ勝てないね。仙台に着いたら室内練習場に直行して全員打撃練習をしてもらう」。試合後は取材に応じず、広報を通じて出したコメントは、冗談に聞こえないほどの嘆き節。チームは20日夜に仙台に移動したが、深夜の打撃練習でも課したい気分だった。

初回に先頭のロッテ西岡から飛び出しただけで、全パは安打の「H」のランプをともすことはなく、2回以降は走者すら出せなかった。指揮官は「お祭りだが真剣勝負の場」と言い切り、出場選手の情報をできる限り漏らさなかった。計59本塁打の外国人トリオを主軸に据えたが、勝利は遠かった。

滑り出しは悪くなかった。初球宴の日本ハム・ダルビッシュが2回打者6人を完全に封じた。初回、昨季までチームメートの巨人小笠原には全て直球で勝負した。数日前は、直球に「こだわらない」とぶっきらぼうに話していたが、7球目の変化球のサインでは2度も首を振った。お互い照れ笑いを浮かべながら、フルスイングでの力勝負。9球目で二ゴロに打ち取った。2回の日本ハム稲葉の好捕にも助けられ、優秀選手賞にも輝いた。「あっという間に終わっちゃいました。(小笠原へは)初球を真っ直ぐでいって、変化球投げる雰囲気じゃなかった」。22球のマウンドを満喫した。

しかし、全パだけでなく球界を代表するエースの好投も報われなかった。「3本のホームランにやられた」とヒルマン監督は悔しがった。雪辱の舞台は仙台だ。

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疲れた!仙台移動[報知]

選手は試合終了後、第2戦が行われる仙台に特別列車で移動した。午後10時20分に東京駅を出発する予定だったが、上越新幹線の人身事故の影響でダイヤが大幅に乱れ、50分遅れで発車。ホームでは多くの一般客も入り乱れ、ドタバタの移動劇となった。

選手は疲れ切っていた。試合は午後8時39分に終了したため、余裕を持って東京駅に移動したが、肝心の新幹線が動いていなかった。午後1時54分に上越新幹線の上野駅と大宮駅間で人身事故が発生。ダイヤの乱れは深夜まで続いたため、選手は急遽、貸し切られたレストランで待機した。巨人・高橋由は「仕方がないことですけど、疲れますね」と渋い表情だった。

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深夜新幹線を貸し切り、異例の強行日程に気分は修学旅行?[サンスポ]

21日の第2戦(フルスタ宮城)は、球宴では52年ぶりのデーゲーム(午後2時10分開始)のため、選手らはナイター終了後に仙台へ移動した。

試合が終わると東京ドームからタクシーに分乗して、車で約15分の東京駅に向かった。16両編成の臨時の直行貸し切り新幹線(やまびこ329号)で午後10時20分出発予定だったが、人身事故の影響でダイヤが乱れたため、午後11時10分ごろに東京駅をたった。仙台到着は日付を越える強行日程となった。

例年の球宴では移動の際、選手は自由行動だったが、今回はまるで修学旅行のようなムード。仁志(横浜)は、高橋尚、上原ら古巣の巨人勢と仲良くタクシーに乗り込んでいた。

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プロ野球選手会がNPBを提訴へ[デイリー]

労働組合・日本プロ野球選手会(宮本慎也会長=ヤクルト)は20日、東京都内で臨時大会を開き、FA権取得期間の短縮や、FA選手を獲得した球団に対する補償金の撤廃など、選手の保留制度の改善を求め、日本プロ野球組織(NPB)を提訴することを全会一致で決議した。年内にも法廷闘争に入る構えだ。

NPBとは05年からドラフト、FA制度を含めた構造改革論議を続けてきたが、「僕らの要望はほとんど通らない。交渉ではいいものが勝ち取れないし、この手段しかないと判断した」と宮本会長。従来から主張する移籍活性化のため、現行9年のFA取得年数短縮と、FA移籍の際に生じる補償金の撤廃を求めて争う方針だ。

大リーグ機構(MLB)を含め米国のプロスポーツ界では選手会側が訴訟を起こし、その結果としてFA取得年数の短縮などを勝ち取ってきた歴史がある。宮本会長は「若い選手の将来を考えると、今動かないといけない」と話した。今後は、野球協約で定められた保留制度の違法性を独占禁止法や労働法の観点から洗い直し、年内に訴訟手続きを取る考え。

NPBとは27日に会談を持ち、今回の決議内容を伝える。長谷川コミッショナー事務局長は「まず(選手会から)今回の結果を聞いて、どうするかはそれからです」とした。選手会はNPBは肖像権の帰属をめぐっても経営者側を訴えており、今後の動きから目が離せない。

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選手会がFA取得期間短縮求め訴訟へ[ニッカン]

労組日本プロ野球選手会(宮本慎也会長=ヤクルト)が20日、都内のホテルで臨時大会を開き、フリーエージェント(FA)権を取得するまでの期間短縮を求めて訴訟を起こす方針を決議した。この日の大会には12球団から47人の選手が集まり、委任状も639人から集まっていた。すでに6月から事務方が12球団を回り、現状説明や意見聴取を繰り返してきた。宮本会長は「交渉も続けていくが、訴訟という手段でしか改善できないように感じている」と話した。

FAは現状9年だが、ドラフトで希望枠がなくなったためNPB(日本プロ野球組織)も短縮は検討している。だが、短縮される場合でも国内移籍に限られるなど制約がつく可能性が高い。また、選手会は移籍の妨げになるとして、補償金、人的補償の廃止も求めているが、NPB側では強固に反対する球団が多い。宮本会長はシーズン中でもNPBとの交渉に出席して、意見を述べてきたが「各球団の利害ばかりで、進展が見られない」と感じたという。「裁判は時間がかかり(ベテランの)ボクらが恩恵を受ける訳ではない。でも球界のためにやるべきと考えた」。

選手会顧問の石渡進介弁護士は「海外スポーツの例を見ても、裁判でしか解決できない問題。避けて通れない道で、来るべき時が来たという気がします」と語った。選手の賛同を得たことで、具体的な準備に入る。訴訟の時期について、同弁護士は「準備ができ次第」としたが、年内には行動に移ることになりそうだ。

ロッテ清水
「保有権の問題など、日本野球は世界基準に遠い、これまで要求してきたことは、球団の不祥事で改善された以外、何一つ進んでいない。裁判も検討していこうとなったし、裁判になれば選手自身が法廷に立つことも大事になってくると思う。」
ソフトバンク斉藤和
「お互い要求を100%のうでもらおうと言うと、平行線になる。デメリットを受け入れないと。」
オリックス北川
「FAに関しては訴訟を1番に、アクションを起こすことを考えないといけないという意見が強かった。選手会がどうあるべきか、MLB選手会の幹部の方の話も聞いたが、動かないとだめだ。」
楽天高須
「何年かかるか分からないけど、これからプロの世界に入って来る選手のためにも、訴訟も視野に入れて強く訴えていきたい。保有権や補償金の問題の話が進まないのでは、どうしようもない。」
中日井上
「いつも機構側に丸め込まれているので、強気の姿勢を見せるのに協力していこうということ。(金本問題など)育成選手枠の問題も早急にルールを定めて明文化しないといけない。」
阪神赤星
「僕らの立場が弱すぎるのはある。勝負しなきゃいけない時もあります。これから入って来る選手のためにも大きな問題。今が転換期で、選手会にとっても大事な時期ですから。」
広島新井
「04年のストライキ以降、要望が全く受け入れられないので訴訟しかない。上のためというより下のため、未来のプロ野球のために行動しないといけない。」

◇NPBに27日報告

NPBは27日に選手会との会合を開き、この日の臨時大会の内容報告を受けることになった。根来コミッショナー代行は「どういう趣旨かは聞いていない。ただ、裁判をやる権利はある訳だから…」と語った。長谷川コミッショナー事務局長は「27日に報告してもらうことになった。それを聞いてみなければ何とも言えません」と話していた。

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選手会、今秋にもNPB訴える…臨時大会で全会一致[報知]

労組・日本プロ野球選手会(宮本慎也会長=ヤクルト)は20日、東京・文京区内の東京ドームホテルで臨時大会を開き、フリーエージェント(FA)権取得年数の短縮、FA選手獲得球団に対する補償金が撤廃されない場合、今秋にも12球団に対して訴訟を起こすことを全会一致で決めた。日本プロ野球組織(NPB)との労使交渉は今後も継続させるが、進展がなければ、野球協約上に定める「保留権」の撤廃を求め、法的手続きに踏み切る。

ドラフト改革で希望枠は撤廃されたが、選手会が求めているFA制度改革が一向に進まないことに、宮本会長の不満は限界に達していた。「決してむちゃな要望はしていない。それでも交渉状況は何も変わらない。もうこの手段しかない、ということになりました」。そして、つないだ言葉は「訴訟」だった。

NPBに対し、FAの「構造改革案」を提出したのは2年前。現行、出場選手登録145日を満たし、これが9シーズンに達したとき、FA資格を有することになっている。選手会側は「違う年齢で入団した選手が同じ取得年数を要するのはおかしい。年齢別に年数を分るべき」と要望した。04年のストライキ後、制度などについては労使が「構造改革協議会」で話し合うことを約束したが、最近は開かれなくなり、事務折衝でも進展していない。この日、出席した47選手、委任した639選手、計686選手の全会一致で「保留権」の撤廃を求め、法的手続きを取ることを決めた。

NPB側でも現在、実行委員会などでFA短縮を前向きに協議しているが「補償金撤廃の話にまでは至っていない」(選手会の石渡進介顧問弁護士)ため、現状では訴訟が確実だという。「04年のストは12球団維持を守るため。今度は初めての大勝負になる」と宮本会長。NPBとの交渉は継続させるものの、進展ない場合は労働法、独占禁止法の観点から司法に委ねる。

根来泰周コミッショナー代行
「まだ何も聞いていない。向こう(選手会)にも裁判をする権利はありますから。」
小池唯夫パ・リーグ会長
「FA短縮については、オーナー会議や実行委員会で話し合っている。ただ、こういう(FAなどの)問題は一部分だけでなく、全体像をとらえていかないといけない。」

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選手会がNPBと球団を提訴へ−FA期間など短縮求める[サンスポ]

日本プロ野球選手会(宮本慎也会長=ヤクルト)が20日、都内で臨時大会を開き、FA(フリーエージェント)権取得期間の短縮など保留制度の改善を求めて、日本プロ野球組織(NPB)と球団を提訴することを全会一致で決議した。今後はNPB側との交渉を続けながら、年内の提訴へむけて訴訟準備に入ることになった。

この日の大会には、選手47人が出席し、委任状も639人が集まった。NPBが進めるドラフトやFAなどの改革が進んでいないことについて議論し、選手会が求める保留制度の改善のためには法的手段に訴えるしかないとして、全会一致で提訴に踏み切ることを決議した。

選手会は04年9月のストライキ後、NPBと構造改革協議を行うことで合意。だがその後の協議で、選手会の要望が達成されたのはドラフト希望入団枠廃止だけだと主張した。今後、FA取得期間の6年程度への短縮と、FA移籍に伴う補償金(金銭だけの場合は旧年俸の120%相当額、人的補償を含む場合は80%)の撤廃を求めて、年内にも提訴する。

宮本会長は「大きな決議だったと思う。(NPBとの)構造改革協議を始めて2年半が過ぎたが、12球団の利害関係が強すぎて、何も進んでいない。大きい勝負に出るときだと思う。ボクらの要望はむちゃなものではない」と力説した。選手会は02年にゲームやカードにおける肖像の商業的利用権(パブリシティ権)をめぐり球団側を訴え、現在は知財高裁で控訴審を争っている。

コミッショナー事務局・長谷川一雄事務局長
「選手会から27日に具体的な話を聞くことになっている。そこで話を聞いてみなければ、詳しいことは分からない。」

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選手会労組、球団相手にFA裁判へ[スポニチ]

労働組合・日本プロ野球選手会(会長=ヤクルト・宮本慎也内野手)は20日、東京都内で臨時大会を開き、日本プロ野球組織(NPB)・12球団を相手取り、FA資格条件の緩和や保留権の在り方を問う裁判を起こす方針を決議した。04年のスト決行後に創設した構造改革協議会が機能していない現状から法廷闘争による改革を目指す。労使交渉は継続するが球団側の大幅な方針変更がない限り、年内に提訴する。

会見した宮本会長は宣言するように「裁判を起こします」と語った。裁判に向かう方針の決議は全会一致だった。臨時大会には47人が出席。会長らが6月から12球団を巡回し、委任状639を含めた全686選手の意思を確認しているという。

宮本会長は「これまで行ってきた労使交渉では12球団の利害が絡んで進展がない。裁判しか手段はないと判断した」と話した。球界再編騒動の04年9月、史上初のストを決行し労使で構造改革協議会を創設。05年8月にはNPB・12球団に向け「構造改革案」を提出した。要求はFA資格取得条件の緩和、FA補償金の撤廃など17項目。実現したのはドラフトでの自由獲得(希望入団)枠の撤廃だけだった。

裁判で最も強く訴える点は球団に選手を拘束する「保留権」を認めた野球協約上の「保留制度」見直しだ。大リーグでは、1970年代に大リーグ選手会の裁判によって保留制度を改革し、FA権を勝ち取った。選手会の石渡進介弁護士は「歴史的、世界的に交渉で保留権撤廃を勝ち取った例がない。訴訟は避けられない」と話した。仮に保留権が撤廃された場合、全選手はシーズン終了とともに自由契約。どの球団とも自由に契約を結ぶことができる。

現行9年のFA権取得年数短縮が目的の1つだが、宮本会長は「裁判と並行して交渉は続けるがFA年数が何年なら訴訟を取り下げるというラインはない。構造改革全体の問題だ」と球団側の部分的な譲歩では納得する考えはない。山崎卓也弁護士は「球団側の大幅な姿勢転換でもない限り裁判となる。準備を進め、年内には訴訟を起こすことになる」と語った。

山崎弁護士によると、移籍の自由を制限する9年間の長期拘束やFA移籍の補償金など保留制度は「不当な競争制限」などで独占禁止法や労働法に抵触する。「裁判は恐らく最高裁までいく。日本には米国のような仲裁制度もなく長期戦は覚悟のうえ」と山崎弁護士。宮本会長も「長引くだろうし、自分達が恩恵を受けることはない。球界の将来のためにやる」と強い姿勢を示した。

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選手会訴訟に対し球界首脳は静観[スポニチ]

球界首脳は選手会が提訴すると表明したことに困惑の表情を浮かべながらも、静観の姿勢を見せた。根来泰周コミッショナー代行は「そういう話は聞いていないし、どういう趣旨なのかも分からない。やるというなら、裁判を起こす権利はある訳だから」と淡々と話すにとどまった。

また、実行委員会議長を務めるパ・リーグ小池唯夫会長は「この前(18日)のオーナー会議でも(FA問題が)議論になっていた。ドラフトに絡めたFA制度を今、総合的に判断している。選手会がどう出るか、これからの問題」と強調。コミッショナー事務局の長谷川一雄事務局長は「来週の金曜日(27日)に選手関係委員長(巨人・清武代表)と副委員長(広島・鈴木球団本部長)が選手会から報告を受けることになっている。まずは話を聞いてからだ」と今後の具体的な進行状況を説明していた。

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NPBが中越沖地震救援のためチャリティーオークション実施[サンスポ]

日本野球機構は、12球団と選手会と協力し、新潟県中越沖地震の被災者救援のため「ガリバーオールスターゲーム チャリティーオークション」を実施する。出場者全員が着用したサイン入りユニホームを7月30日からネットオークションに出品する。詳細は30日以降、NPBホームページ(http://www.npb.or.jp)で発表。また選手会はこの日の臨時大会で、12球団選手会が100万円ずつの義援金を被災地におくることを決めた。

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ロッテ西岡が全パ唯一の安打放つ/球宴[ニッカン]

1回、先頭打者のロッテ西岡が放った内野安打が全パ唯一の安打となった。試合前に巨人上原から「真っ直ぐを放る」と予告されていた。だが、初球に続いて、カウント2−0からの勝負球もカーブだったことで「(球宴とはいえ)半分本気なんでね。それでも、チームの唯一の1本を打てたのは良かった」と、笑顔で話した。

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ロッテ・西岡は三盗に失敗も全パ唯一の安打をマーク[サンスポ]

全パで唯一の安打をマークした西岡(ロッテ)は「打てたのはよかったです」とテレた。1回、俊足を生かして一塁内野安打。続く森本(日本ハム)の初球に二盗を成功させ、2球目には勢いに乗って三盗を試みたが、あえなくアウト。

「三盗も決めたかったけど、ちょっと息切れしました」とニガ笑い。本人は優秀選手賞を意識していたそうだが、「甘かったです」。落選に頭をかいていた。

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ヒルマン監督ショックで取材拒否!?深夜に打撃練習だ[報知]

全パ打線は、全セが繰り出した9投手の前にわずか1安打で零敗。勝利への執念を見せていたヒルマン監督は予想外の“貧打”にショックを受けたのか、試合後は取材に応じなかった。

21日の第2戦(仙台)はデーゲームのため選手達はこの日のうちに臨時列車で移動。「仙台に着いたら室内練習場に直行して全員に打撃練習をしてもらう」と、ヒルマン監督は広報を通じて冗談交じりのコメントを出した。

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球宴出場組ご一行様は臨時新幹線で仙台へ深夜移動[サンスポ]

21日の第2戦(フルスタ宮城)はデーゲームのため、選手らはナイター終了後に仙台へ移動した。試合が終わるとタクシーに分乗して東京駅に向かった。臨時の新幹線で午後10時20分出発予定だったが、人身事故の影響でダイヤが乱れたため、午後11時10分頃に東京駅をたった。仙台到着は日付を越える強行日程となった。

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プロ野球選手会が年内提訴へ…FA取得期間短縮など要求[報知]

労働組合・日本プロ野球選手会(宮本慎也会長=ヤクルト)は20日、東京都内で臨時大会を開き、FA権取得期間の短縮や、FA選手を獲得した球団に対する補償金の撤廃など、選手の保留制度の改善を求めて訴訟を起こすことを全会一致で決議した。

遅くても年内には提訴する方針で、係争中でも日本プロフェッショナル野球組織(NPB)との労使交渉は継続する。宮本会長は「球界の構造改革を言っても進んでいない。交渉の中では、いいものを勝ち取ることができない。この手段(訴訟)しかない」と、司法に判断を委ねる理由を説明した。

今回の決議案について、NPB側は27日に選手会から報告を受ける予定になっている。

宮本慎也・日本プロ野球選手会会長(ヤクルト)
「大リーグ(の選手会)も裁判を起こして勝ち取っている。むちゃな要望は出していない。若い選手の将来のためにも、いま動かないといけない。」
根来泰周コミッショナー代行
「何も聞いていない。裁判をやるというなら、権利があるんだからしょうがない。」

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労組選手会が提訴へ、FA短縮など要求[ニッカン]

労働日本プロ野球選手会(宮本慎也会長=ヤクルト)は20日、東京都内で臨時大会を開き、フリーエージェント(FA)権取得期間の短縮や、FA選手を獲得した球団に対する補償金の撤廃など、選手の保留制度の改善を求めて訴訟を起こすことを全会一致で決議した。

遅くても年内には提訴する方針で、係争中でも日本プロ野球組織(NPB)との労使交渉は継続する。宮本会長は「球界の構造改革を言っても進んでいない。交渉の中では、いいものを勝ち取ることができない。この手段(訴訟)しかない」と説明した。

今回の決議案について、NPB側は27日に選手会から報告を受ける予定になっている。

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「選手年金」からみ簡単に1試合にできない

球宴の魅力とは何か。交流戦が始まり、国際試合も盛んになった今、それが問われている。原点に戻り「プレーで魅せる」ためには、1試合に減らして希少価値を高め、日程に余裕を持たせる方法もある。だが、簡単にはいかない。

球宴は51年、選手の養老年金の基金確保を目的の1つとして始まった。現在も球宴の収益7億〜8億円に対し、機構の年金負担は5億〜6億円。あくまで単純計算だが、ほとんどが年金に回る。収益面からすれば、試合を減らせない。また、選手会が、今季から始まるクリマックス・シリーズの収益を年金の財源とする案を出したが、球団側に却下されている。

長谷川一雄コミッショナー事務局長
「2試合ならば、色々な土地の方々に観戦してもらえるメリットがある。また、機構にとって球宴は安定した財源であり、もし1試合に減らすならば、ほかのイベントなどで今の収入を維持する必要はあるだろう。」

現実的な問題から目をそらすことはできない。ただ、財源確保を優先した惰性で開催しても、先行きは暗い。機構も「新しい球宴のあり方」を検討している。

長谷川一雄コミッショナー事務局長
「球宴以外でも、リーグを超えた『夢の対決』が見られる。それは交流戦を始めたときから分かっていたこと。今後は違ったイベントを検討していく必要がある。1つのテーマは『ファンと選手の交流』ではないか。ファンを巻き込んだイベントを増やしているし、今後も増やしていきたい。」

この日の第1戦前にも12球団マスコットとの撮影会や、ファンをフィールドに招いてサイン会を行うなどのイベントを開催した。

長谷川一雄コミッショナー事務局長
「公式戦や日本シリーズではできないイベントでも、球宴なら思い切ってできる。そういう舞台だと考えていきたい。」

より身近な球宴。これも1つの答えだとう。だが、それだけでは「夢の舞台」から「ファン感謝デー」になっていく。プレーで魅せる球宴にはならない。

長谷川一雄コミッショナー事務局長
「もちろんファンサービスだけでなく、選手にも『出場できて光栄』という思いで臨んで欲しい。そのため大リーグのように、選手が出場選手の選考にかかわる方法も検討材料だろう。選手が選手に選ばれる光栄というのもあると思いますから。」

交流戦にも、日本代表にもない魅力。ちょっとしたアイデアで魅力は広がっていく。

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