8月27日8月27日劇的勝利も素直に喜べなかった。「とにかくチームが勝って、本当に良かったです」。サヨナラ勝ちした23日夜、複雑な表情の渡辺俊は、アイシング姿で一塁ベース付近の歓喜の輪に加わった。
9回2死一塁。勝利まで残り1アウト。だが、次打者は7回に二塁打されるなど、前打席まで今季の対戦成績は4打数3安打。捕手の里崎がマウンドに来て「ホームランだけは避け、フォアボールでもいい」と最終確認した。
しかし、1ストライクから121キロの内角高めの直球を完璧にとらえられた。「最悪のホームラン。失投、自分の意識が足りなかった」。打球が右翼席に吸い込まれるのを見届けると、背番号31はがっくり肩を落とした。
今年の渡辺俊はとにかく一発に泣かされる。ここ10試合で被本塁打10。いずれも大事な場面が多く、今季6完投は小林宏、成瀬の5度を上回るチームトップだが、半数の3度が負け投手。勝ち星が伸びない理由の1つでもある。
確かに、エース級との対戦が重なり、援護射撃が遅かったり、少なかったりした不運もあった。それでも一昨年に15勝を挙げたサブマリンは「ピッチャーが点を取られなければ負けない。負けないピッチングをしたい」と言葉に力を込める。
今季の防御率2.54は、両リーグトップ16勝の西武・涌井をも上回る。1つ歯車がかみ合えば底力は別格。「次はこの日の反省を生かして投げたい」。逆転優勝に向け試合後のロッカールームでしっかり気持ちを切り替えた。
米デトロイト・タイガースがロッテの西岡剛内野手（23）を将来の戦力候補にリストアップしていることが27日、分かった。レオナルド・セディーノ担当スカウトが今季から調査を進め、各球場で徹底マークしており「イチローのようなスピードスターを求めている。西岡はピッタリの選手」と高評価。「年齢が若い方がメジャーの野球に順応しやすいので早い方がいい」と早期のメジャー挑戦を勧めた。
西岡はメジャー挑戦について「今は考えていない」と話すにとどまったが、昨年3月のWBC出場、実績豊富なバレンタイン監督の影響でメジャーに関心を深めたと言われている。メジャー挑戦の手段となるフリーエージェント（FA）権取得は早くて2013年で、それ以前ならポスティング・システム（入札制度）の球団容認が必要となるが、インディアンスなども既に西岡をマークしており、将来的に本人の意向が固まればメジャー挑戦の道が開けることになる。
ロッテは27日、来春の2軍2次キャンプ地に鹿児島県薩摩川内市を正式決定し、発表した。同市内の総合運動公園で2月後半に2週間程度実施する予定。1次キャンプ地は未定。
ロッテは27日、来春の2軍の2次キャンプ地に鹿児島県薩摩川内市を正式決定し、発表した。同市内の総合運動公園で2月後半に2週間程度実施する予定。1次キャンプ地は未定。
北京五輪出場を目指す日本代表が11月22、23日にオーストラリアと壮行試合（福岡）を行う予定であることが27日、分かった。壮行試合は12月のアジア予選（台湾）への重要なステップ。星野ジャパンは宮崎での直前合宿を終え、04年のアテネ五輪準決勝で敗れた因縁の相手との2試合（ヤフードーム）で最終調整する。また、日本代表・星野仙一監督（60）は9月上旬に代表候補を35〜40人に絞る考えを示した。
北京への道は、まず因縁の相手が重要なステップとなる。3年前のアテネ五輪。長嶋ジャパンは準決勝でオーストラリアに屈して銅メダルに終わった。そのオーストラリアとアジア予選直前に壮行試合を行うのだ。
五輪野球の歴史の中で日本にとって、絶対に忘れられない相手。それは星野監督にとっても同じだった。「オレが五輪の舞台に立とうと思ったのはアテネで日本がオーストラリアに負けて、プロの選手たちが悔し涙を流しているのを見たのがきっかけなんや」。04年8月24日、闘将は屈辱の光景を取材でスタンドから見ていた。金メダルへの夢は、そのときから芽生えたと言っていい。
あれから3年。星野ジャパンがアジア予選に向かう直前の最終調整の相手としては不足はないだろう。日本代表チームは11月12日から宮崎での合宿を経て、福岡に移動して24日の台湾入り前に壮行試合2試合を行う。12月1日からの予選本番までこれが最後の実戦。投手、野手とも仕上げの場だけに、投打にレベルの高いオーストラリアは願ってもない相手だ。
11月に台湾で行われるW杯（5〜18日）に出場するオーストラリアは同大会後、そのまま来日することになる。3Aクラスの選手の参加も見込まれるほか、阪神・ウィリアムスも「（壮行試合出場の）オファーは来ている」と話した。仮に日本代表がアジア予選で1位になれなかった場合は来年3月の最終予選で対戦する可能性もあり、双方にとって相手の力量を知る上で、メリットのある壮行試合でもある。
03年アテネ五輪予選の直前、長嶋ジャパンはダイエー、プロ野球選抜と2試合を行い、予選3連勝でアテネ切符を獲得した。星野ジャパンは因縁の対戦で、北京切符獲得への弾みをつける。
「星野JAPAN」がフェニックスリーグ（10月4日開幕、宮崎）に“参戦”することが27日、明らかになった。星野仙一日本代表監督（60）が、アジア予選（12月1日から3日間、台湾・台中）に出場する日本代表候補選手に対し、各所属球団から同リーグ戦に参加することを要望。すでに12球団に通達しており、9月3日に行われる実行委員会で承認される見通しだ。
プレ五輪「グッドラック北京2007」で金メダルを獲得した余韻に浸ることもなく、星野監督は勝負の時を見据えていた。2008年北京五輪出場へ向け、万全な態勢で臨むため、できる限りの準備を整えようと動いた。
アジア予選に出場するため、宮崎で行われる直前合宿（サンマリンスタジアム宮崎）には、最終登録メンバー24人より多い30人前後が参加する見込み。その代表候補選手に対し、さらにその直前まで行われているフェニックスリーグに参加するよう呼びかけた。ある球団幹部は「話は来ている。今度の実行委員会で話し合うことになる」と明かした。12球団を挙げて「星野JAPAN」には全面協力を約束しており、9月3日の実行委員会でも承認される見通しだ。
日程的な問題もあり、クライマックスシリーズ、日本シリーズ、アジアシリーズに出場する球団は除外する。すでにシーズンを終えて試合から遠ざかった選手達が、大事な決戦を前に実戦感覚を鈍らせないことが目的。ただ、「星野JAPAN」として単独チームは編成せず、それぞれの所属球団から出場する方向だ。
プレ五輪ではプロ2軍と大学生でのメンバー編成とはいえ、格下のチェコ、フランスに大苦戦。「日本らしいきっちりした野球をやらせたい」と話していた指揮官も、初の国際大会で危機感を募らせた。例年なら若手の成長株や、故障からの復帰を目指す選手が主体となるフェニックスリーグだが、今年は主力選手達の真剣なプレーが見られそうだ。
星野監督は9月上旬のスタッフ会議で、アジア予選の日本代表候補60選手を40人程度まで絞り込むと明かした。阪神の定例報告会に球団のシニアディレクターとして出席し、「最終エントリーが35人になるか40人になるかまだ決まっていないけど、それくらいに絞ってみる」と話した。5月7日に第1次候補選手を発表。「今回選ばれなくても追加はある」と“サプライズ選出”を示唆していたが、好調なロッテ・成瀬ら3、4人が追加候補として挙がっている。10月にはさらに直前合宿に参加する30人程度に絞り込む。