わたしはかもめ2007年鴎の便り(12月)

便

12月15日

成瀬、目標額は「マー君超え」…18日契約更改[報知]

ロッテ・成瀬善久投手(22)が15日、来季年俸の目標額を「マー君超え」に設定した。18日の契約更改交渉を控え、楽天・田中将大投手(19)が13日に4倍増の6000万円で一発サインしたことを参考に、大幅増を期待した。今季最優秀防御率と最高勝率の2冠に輝き、日本代表として北京五輪切符獲得に貢献した左腕が、ピッチング同様、強気の姿勢で更改に臨む。

成瀬の「銭闘意欲」に火がついた。きっかけは、13日に行われた田中の契約更改だった。新人王とはいえ、田中は今季の年俸1500万円から、タイトル料500万円を含む6000万円にジャンプアップ。成瀬の今季年俸は、ほぼ同等の1600万円。「1年活躍しただけであれだけ上がったんで、もうちょっと僕も球団に(意見を)言えるかなと思う」と、目標額をマー君超えに上方修正した。

強気の材料はそろっている。今季は先発ローテーションを守り通し、16勝1敗、防御率1.817。奪三振の数こそ及ばなかったが、最優秀防御率、最高勝率(9割4分1厘)の2冠は、11勝7敗、防御率3.82の田中をはるかにしのぐ。「マー君は確かに高校の時から騒がれていて、メディアへの露出もすごいかもしれないけど、僕は4年間プロでやってきたし、今年は一生に1度あるかないかの成績ですから。球団からはいい返事が聞ければいいと思います」とライバル心をあらわにした。

球団側は、日本代表として北京五輪出場を決めた貢献度も、査定に反映させる予定。さらに、2年目左腕の川崎が950万円から3000万円に、新人の荻野が1200万円から3500万円へアップ。シーズンを通じて活躍した投手を評価する傾向があるのも、成瀬には好材料といえる。

「今年中にはサインしたいけど、それは金額次第で」と話していた左腕。注目の契約更改交渉は18日だ。

◇故郷の小山市で1万人パレード

成瀬はこの日、故郷の栃木・小山市で2冠記念と市民賞受賞のお祝いを兼ねたパレードに参加した。同じく小山市出身のヤクルト・飯原とJR小山駅から市役所まで徒歩で行進。約800メートルの道程には市の約16万人の人口のうち、約1万人が詰め掛けた。警備員が50人程度しかおらず、もみくちゃにされる場面も。トークショーでは「マナーが良くないと、いい野球選手にはなれないよ」とチビっ子達に諭していた。

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成瀬、地元・小山に記念館設立へ[スポニチ]

ロッテ・成瀬の恩返しは記念館設立だ。栃木・小山市での歓迎パレードに同郷のヤクルト・飯原と共に参加。小山駅西口から小山市役所までの800メートルを、約1万人のファンにもみくちゃにされながら歩いた2冠左腕は「少年達のマナーが悪い」と珍しく声を荒らげる場面も。それでも「人出は想像以上で嬉しい。地元に貢献したいし、松井秀喜記念館のようなものがつくれれば」と語った。

“猫招き投法”で北京五輪予選でも韓国戦で力投。市民賞を贈った大久保寿夫・小山市長も「次は市民功績賞。北京五輪で金メダルを獲れば名誉市民も考えたい。野球博物館もつくって欲しい」と期待する。名産のビール麦にちなんだ“成瀬ビール”の商品化構想には「猫ビールでもいいですね」と成瀬。地元の後押しを受け、夢は膨らむばかりだ。

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成瀬、出身地小山で1万人パレード[ニッカン]

今季パリーグ2冠を達成したロッテ成瀬善久投手(22)が「成瀬記念館」設立構想を掲げた。15日、出身地の栃木県小山市でヤクルト飯原誉士内野手(24)と共に市主催の歓迎パレードに出席。約1万人の市民が詰め掛ける盛況ぶりに「自分が初心に戻れる場所」と感激に浸った。

この日「市民賞」を受賞し、ふるさと大使にも任命された。大久保寿夫市長(59)から「(中日)落合さんのような記念館を建てて欲しい」とリクエストされると、成瀬も「うまくいったらの話ですが、将来的に作れたらいいですね。地元の子供達が展示品を見て『成瀬すげー』って思ってもらえる人間になりたい」と前向きに話した。まずは来季、ローテーションを守り、北京五輪金メダル獲得となれば、記念館構想も現実味を帯びてくる。ロッテの「招き猫」が、地元ファンに開運をもたらす日も近そうだ。

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データで見る07年ペナント・ロッテ

昨年まで通算5勝の成瀬が16勝を挙げ大ブレーク。黒星は6月9日横浜戦しかなく、歴代4位タイの勝率9割4分1厘をマークした。勝敗のつかなかった7試合の降板時スコアを見ると、リードしていたのが3試合、同点が4試合。リードを許して降板した試合は、敗戦投手になった横浜戦しかなかった。勝率10割を記録した81年間柴(日本ハム)は降板後に打線の援護で黒星が消えたラッキーな試合が4度あったが、成瀬は1度もない。正真正銘の勝率9割投手といえる。

成瀬は3失点以上が4試合しかなく防御率1.82。防御率のタイトルも獲得した。今年のパ・リーグは平均防御率が3.57。50〜60年代のように投高打低の時代とは違い、防御率1点台だけで称賛に値するが、加えて鳴瀬は9割を超える高勝率。防御率1点台で勝率9割以上は、59年杉浦(南海)以来、48年ぶり。2リーグ制後は杉浦と成瀬しかいない大記録だ。1リーグ時代には防御率0、1点台で勝率9割以上が3人いるが、3人とも右投手。杉浦も右投げで、防御率1点台で勝率9割以上の左投手は成瀬が初めてになる。

クライマックスシリーズの日本ハム戦で敗戦投手になった成瀬だが、公式戦は7月10日西武戦から10連勝でシーズンを終了。唯一の黒星はデーゲームで行われた横浜戦だから、対パ・リーグは昨年から15連勝、ナイターでは13連勝中。成瀬の連勝がどこまで続くか、来年が楽しみだ。

◇満塁被打率、12球団最悪…でも成瀬は無安打

ロッテ投手陣は満塁で打たれた。チーム全体の被打率は2割6分6厘のロッテだが、満塁では87打数31安打で被打率3割5分6厘。満塁での被打率は西武の3割4分8厘を上回り両リーグワーストだった。さすがに成瀬は7打数0安打と抑えていたが、他の投手は久保が被打率7割5分、清水が被打率4割4分4厘など、満塁でさっぱり。日本ハムと対戦したクライマックスシリーズでは、第1戦で森本に逆転二塁打、第3戦は工藤に走者一掃の三塁打、第5戦でも小林宏が打たれるなど、敗れた3試合は満塁で痛打された。

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