ロッテが連勝で01年以来、開幕カードを勝ち越した。ロッテは1回、大松のタイムリー二塁打、押し出し四球で2点先制。4回にも早川のタイムリー内野安打、オーティズのタイムリーで2点を追加。先発・渡辺俊は8回6安打5奪三振2四球、自身のドーム球場での連敗を6で止め、06年5月28日東京ドーム巨人戦以来、札幌ドームでは04年6月30日以来の勝利。9回1死一、二塁から登板した3人目・高木は90年7月11日ダイエー戦以来18年ぶり通算3セーブを記録。日本ハムは7回に高橋の1号ソロのみ、3年ぶりの開幕カード負け越し。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
北海道日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
千葉ロッテは渡辺俊が8回1失点と好投。緩いボールを効果的に使い5回まで三塁を踏ませず、本塁打の1点だけに抑えた。打線は1回2死で里崎からの3連打と連続四球で2点を先制し、4回は相手失策から好機をつかんだ。4番オーティズは猛打賞。日本ハムは先発グリンが立ち上がりに制球を乱した。高橋が1号ソロ。
5回を1失点に抑えたオープン戦最終登板の時と同じ言葉。「イメージ通りだった」。渡辺俊は8回を本塁打の1点だけに抑える好投で今季初勝利を挙げた。
90キロ台のカーブを効果的に使った。低めにコントロールし、4回の3番高橋にはカーブの後に27キロも速度差がある直球を投げ込み二ゴロに打ち取った。「まあまあだった」と言うシンカーも、最大のピンチだった6回無死一、二塁で昨季10打席対戦し4安打されている3番稲葉を注文通りの併殺打に切る抜群の制球力だった。
6回から捕手が里崎から橋本に交代。「シンカーかなと思いながらも投げたカーブを打たれた」と、中途半端な気持ちのまま投げ、一発を浴びた球が唯一の失投。最後まで投げるつもりでいたが111球でマウンドを譲った。
風を味方につける投球が持ち味。“無風”のドーム球場では昨季7試合に登板し4敗と勝ち星に見放されていたが「聞かれるまで忘れていた」とけろり。ジンクスなど全く気にすることなく目の前の試合に集中していた。
キャンプからオープン戦にかけて続いていたいい状態のまま迎えた開幕。「去年、一昨年と最初はよかったが勝てなくなった。慎重にいきたい」。3年ぶりの2ケタ勝利に向け気負いはない。
それでも魔球は、必要なの!?ロッテ・渡辺俊が23日、札幌ドームでの日本ハム戦で8回6安打1失点の好投で今季初勝利をあげたが、試合後はなぜか苦笑いで…。「ヒーローインタビューで言われるまで知らなかった。でも聞かれたときは、ほっとけと思いましたよ」。
快投後の札幌ドーム内の通路で、渡辺俊が思わず苦笑い。それもそのはずだ。この日の白星は、06年5月28日巨人戦(東京ドーム)以来、何と3年ぶりのドーム球場での勝ち星となったから。「ドームが苦手なんて意識は本当になかったですよ。結構抑えていたんで。今まではドームの方が、勝てる投手を相手に投げていたからね」。
千葉マリンの風を駆使して多彩な変化球を披露する渡辺俊だが、無風のドーム球場は苦手とされていた。とはいえ、事の発端は、昨季の交流戦でサブマリンを攻略した中日・落合監督が指摘したことでクローズアップされたから。それだけに「打たれたのはナゴヤドームくらいですよ。だから全然気にしていなかった」と、風評被害であることを強調した。
でも、少しは気にしていたのが実情。それゆえ、今季の自主トレからドーム対策用の“魔球”に挑戦。フォークの握りで押し出して投げると「突然、不自然に浮き上がる」というライジングボールをマスター。この日の札幌ドームでのお披露目が期待されていた。だが、フタを開けてみれば120キロ前半の直球と、90キロ台のカーブの組み合わせで日本ハム打線を相手に空転ショーを独演。
これには日本ハム・梨田監督が、「打者は緩いカーブが気になって内角の直球が速く感じたようだ。みんな記憶がいいから頭に残っちゃうんだよなあ」と脱帽。まさにあの90キロのカーブは、空転させられた者には魔球そのもの。新たな魔球などの必要性はない感じだ。
それでも、「あのボールはナゴヤ用。中日、落合さん用にとっておきます」と渡辺俊。風評被害をもたらした元締めへのリベンジに、闘志メラメラ。勝てる投手の必勝の秘密は、あくなき貪欲さ−ということか。
ロッテのサブマリン渡辺俊介投手(31)がドームで2年ぶり勝利を挙げた。日本ハム打線を8回1失点に抑え、06年から続いたドーム連敗を6で止めた。「えっ、そんなに勝ってなかったんですか?全然知りませんでした」と本人もビックリだった。
昨季防御率は屋外で2.08(9勝2敗)ながら、ドーム球場では3.56(0勝4敗)と相性が悪かった。中日落合監督から「サブマリンは風がないドームに弱い」と嫌みを言われたこともあったが、無風の中できっちり結果を出した。
生命線である90キロ台のカーブと120キロ前半のシンカーを両コーナーに投げ分け、失点はソロ本塁打の1点。昨季4割打たれた「天敵」稲葉に対してはシンカーを外角に集め3、6回のピンチでは、いずれも内野ゴロに仕留めて無失点に切り抜けた。捕手の里崎は「去年よりフォームのばらつきが少なく、コントロールが良かった」と話した。
昨年オフからの体づりが安定感につながった。昨年末には「断食道場」に泊まり込んで、体に良くない成分を排出してリセット。自宅では「あまり肉類を受けつけなくなった」と、野菜や魚中心のヘルシー志向に変わった。さらに1月には初の海外自主トレをグアムで行い、温暖な気候の中で充実した練習をこなしスタミナがついた。
「今年はいい状態で調整できたので、そのまま入れましたね」と確かな手応えを口にした。チャレンジしている新球ライズボールはまだ封印。「ナゴヤドーム用にとっておきます」と、ニヤリと笑った。
39歳のベテラン左腕高木が90年7月11日ダイエー14回戦以来、18年ぶりのセーブを挙げた。「こんな長くやっている人はいないからね。結果より、勝ててよかった」と話した。4−1で迎えた9回裏1死一、二塁から代打鶴岡をシュートで遊ゴロ併殺に仕留めて無失点に切り抜けた。「1番いいパターンだった。もう、こういう場面で登板することはないでしょう」と話した。
“ボビーマジック”で開幕カード2勝1敗と勝ち越した。不振のサブローを先発から外し、オーティズを昨年7月以来となる4番で起用する大胆な打順を組んだ。オーティズが日本ハム先発グリンに対して打率5割と相性の良さを買ったものだが、その期待に3打数3安打1打点で応えた。オーティズは「4番でも自分のスイングをして打つだけ。去年、日本ハムに負けた悔しさを思い出しながらプレーした」と胸を張った。
鬼門を突破した。ロッテ・渡辺俊がリズム良く8回1失点。06年5月28日の巨人戦(東京ドーム)以来665日ぶりにドーム球場で白星を挙げた。「言われるまで本当に忘れてました。ドームで勝っていないのは気にしてなかった」。
さらりと振り返ったサブマリンだが、ドーム球場では昨季CSを含めて7連敗中と苦闘が続いていた。昨年は屋外球場で9勝2敗、防御率2.08に対しドームは7試合で0勝4敗、防御率3.56。6月11日にナゴヤドームで打ち込まれると、中日・落合監督から「下手投げは風がないドームでは不利」と指摘された。以降は“オレ竜の呪い”にかかったのか屋外でも一時スランプに。今季は鬼門を克服するため「ドーム用に」と新球ライズボールを習得。この日は封印したが、ちゃめっ気たっぷりに「ナゴヤ用、中日用、落合さん用です」。呪いを解いた渡辺俊に怖いものはなくなった。
9回1死一、二塁から登板した高木=写真=がオリックス時代の1990年以来、18年ぶりのセーブを挙げた。鶴岡を狙い通りの遊ゴロ併殺打に仕留め「こんなに長くやっている人がいないだけ。チームが勝ててよかった」とホッとした表情だ。1987年にドラフト1位で阪急入団。その後オリックス、ダイエー、ヤクルトと渡り歩き、2002年にロッテ移籍。昨年はわずか1勝で通算29勝36敗2セーブの22年目左腕が価値ある仕事だ。バレンタイン監督は抑えを固定しない考えで、今後も39歳のベテランがピンチを救う場面が見られそうだ。
渡辺俊が06年5月28日の巨人戦(東京ドーム)以来となるドーム球場での勝利。公式戦6連敗、クライマックスシリーズを含めると7連敗中だった不名誉記録に終止符を打った。「コントロールが良くて、イメージ通りに投げられた」。90キロ台のカーブを有効に使って打者のタイミングを外し、8回1失点でしのいだ。
渡辺俊が、鬼門を克服した。8回6安打1失点で今季初白星。ドーム球場では、06年5月28日の巨人戦(東京D)で勝ったのを最後に、公式戦6連敗中だった。665日ぶりの“トンネル脱出”に「ドームへの苦手意識? ヒーローインタビューで聞かれるまで本当に忘れていました。いつも打たれているなら別だけど、抑えた試合もあったし、気にしていなかった」と言いつつも、笑みが広がった。
生命線の変化球がさえた。6回無死一、二塁で迎えたのは、最もマークしていた稲葉。「下手にフライを打たすと危ない。ゴロを打たせよう」。外角にシンカーを2球続け、シナリオ通りの遊ゴロ併殺。7回に高橋に一発を浴びたが、それ以外は危なげなかった。
女房役の里崎にもほめ言葉を並べられた。「珍しく制球がよかった。フォームがしっかりして、バラつきが少なくなってきた」開幕前、好調時と不調時の微妙なフォームの違いを指摘された。VTRを見てきっちり修正したことで、普段は辛口の背番号22からも満点に近い評価をもらった。
昨季、交流戦で中日・落合監督に「風のないドーム球場では勝てない」と言われ発奮。風の影響が少ない新球「ライズボール」を開発した。この日は使うまでもなく「新球はナゴヤドーム、いや落合さん用です」と冗談を飛ばした。「今日はまだ初戦。今年は最後に勝ちたい」とV宣言のサブマリン。今季は屋内外関係なく、ライバル達を幻惑する。
“野生”の力でロッテ・渡辺俊がドームの呪縛を振り払った。「楽しかった。良い状態で(シーズンに)入れました」。緩急自在の投球で8回1失点。ドーム球場では06年5月28日の巨人戦(東京ドーム)以来、665日ぶりの勝利だ。
クライマックス・シリーズを含めてドーム球場では7連敗。ヒーローインタビューでその話を振られ、「ほっといて下さいよ!」と苦笑い。好投しても勝てない日々が続いていた。
だが、今季のサブマリンは一味違う。オフに断食トレを敢行し「極限状態で集中力が研ぎ澄まされていく。その精神状態にしたい。肉食獣が静かに獲物を狙うような感じ」。“野生”の集中力を養い、ポーカーフェースの奥に鋭い殺気を込めた。
昨季はバランスを崩すことがあった投球フォームも終始安定。6回無死一、二塁の危機は苦手・稲葉を「ゴロを打たせたかった。狙い通り」と注文通りの遊ゴロ併殺で“獲物”を確実に仕留めた。「いつもシーズン中盤に勝てなくなる。今年は慎重にやりますよ」。謙虚な言葉に、確かな手応えを感じさせた。
その数字が今季の継投の形を暗示していた。ロッテが開幕3連戦勝ち越しを決めた瞬間、マウンドに立っていたのは22年目の高木。実に18年ぶりとなるセーブだった。
4−1の9回。今季初めてのセーブがつく状況で、昨季までの小林雅(インディアンス)の指定席に、バレンタイン監督はオープン戦でも最後の締めで使っていないシコースキーを送った。
「抑えを固定する必要性は感じていない。クローザーとして使える投手をどんどん投入したい」という監督は1死一、二塁のピンチを招いて左打者を迎えると、すかさず高木に代える。その左腕は右の代打、鶴岡を内角シュートで注文通りに遊ゴロ併殺に仕留め「展開に関係なく自分の投球を心掛けた」。299試合目の登板となった39歳は経験で起用に応えた。
指揮官は言う。「(例えば)ここ数年、抑えが8回に登板できなかったのはうちだけ。それは不利な点だった。今季は相手を見ながら色々使い分けていく」と。絶対的な抑えがいない分、継投に制約はなくなった。今季は打線と同様、抑えも自在に操れる。さらにバレンタイン監督主導の色が濃く出そうだ。
渡辺俊が今季初勝利。しかも相性が悪かったドーム球場で2年ぶりに勝った。そのことに触れられると、ちゃめっ気たっぷりに「ほっといてください。ドームでは0−1で勝てないだけと思っていた」。相手投手の好投などが理由だったと強調し、苦手意識を否定した。
言葉通り、この日は相手に考える暇を与えないテンポの良さで、上下左右に緩急をつけながら手玉に取り「まあまあ制球は良かった」と余裕たっぷりに話した。
ロッテ渡辺俊介投手(31)がドームで2年ぶり勝利を挙げた。日本ハム打線を8回1失点に抑え、06年5月28日巨人戦以来となるドーム球場での白星をマークした。「そんなに勝ってなかったなんて全然知りませんでした。気にしていなかった」と、いつも通りカーブ、シンカーと緩急自在の投球で日本ハム打線を翻弄した。
ロッテが連勝で開幕カード勝ち越し。渡辺俊は8回を6安打1失点で今季初勝利。高木に18シーズンぶりのセーブがついた。日本ハムの反撃は高橋のソロ本塁打のみ。
渡辺俊が相性が悪かったドーム球場で2年ぶりに勝った。そのことに触れられると、ちゃめっ気たっぷりに「ほっといてください。ドームでは0−1で勝てないだけと思っていた」と否定した。