ロッテが06年8月5、6日ソフトバンク戦以来2試合連続、今季3度目のサヨナラ勝ちで2カードぶりの勝ち越し。1点を追う7回2死二塁からプロ初出場、初スタメンの3年目細谷のプロ初安打初打点で同点、延長10回無死満塁から根元がプロ初のサヨナラ打となるタイムリーで借金1。先発・渡辺俊は10回121球6安打4三振1失点、日本ハム戦3連勝で今季2勝目。日本ハムは06年7月28、29日オリックス戦以来の2試合連続のサヨナラ負け、4カードぶりの負け越しで貯金2。武田久は初黒星、開幕からの無失点は12試合で止まる。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | |
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北海道日本ハム | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1x | 2x |
13日にプロ入り3年目で初の1軍昇格を果たし、先発出場したロッテ・細谷が7回に初安打、初打点となる同点適時打を右前に放った。与えられたチャンスに一発で答えを出した20歳は「これからも今日みたいなせっぱ詰まった場面で打ちたい」と笑顔だった。
「やっぱファンの声援はいいッスねー。やばいッス。鳥肌ッス」。初めてお立ち台に上がったロッテ3年目の細谷圭内野手(20)が、独特の言い回しで喜びを表現した。13日が1軍初出場で初スタメン、初安打に初打点までついた。最後は初のお立ち台のオマケつきだ。
「夢みたい。打った瞬間、視界がおかしくなった」と、これまた独特の感性で振り返った。1点を追う7回2死二塁から、グリンの見逃せばボールというスライダーをバットの先端でとらえた。気持ちで右前へ運び、貴重な同点適時打をマーク。これで試合の流れをガラリと変えると、延長10回裏無死満塁から根元のサヨナラ打を呼び込んだ。
2試合連続サヨナラ勝利は06年8月以来。バレンタイン監督は「若手の情熱が嬉しい限り。細谷は頼もしかった」と目尻を下げた。試合前の練習中に、急遽細谷の1軍昇格とスタメンが告げられた。しかも普段は練習していない一塁だった。1年先輩の青松のファーストミットを借り、「変に意識しなかったのが良かったのかも」と守備でも安定感を見せた。
サブロー、ズレータ、福浦が2軍降格し、西岡も打撲でスタメン落ちする危機的な状況を救った。群馬・太田商では高校通算46本塁打を放ち、顔立ちが似ていることから「群馬のゴジラ」と騒がれた。本家ゴジラも1軍デビュー戦の93年5月1日のヤクルト戦で初安打初打点をマーク。偉大な先輩と同じ衝撃デビューで、5位に低迷するチームを4月初の連勝へと導いた。
渡辺俊が今季最長の10回1失点に抑え今季2勝目を挙げた。「初回、稲葉さんに簡単にタイムリーを打たれたのが悔やまれたので、その後は気持ちが入りました」。6、8回に再びピンチで稲葉と対戦したが、いずれも空振り三振に仕留めて踏みとどまった。「負けられないと思って投げた。打線が苦しい時はピッチャーが頑張って勝ちを拾っていければいい」と頼もしく話した。
打球が左翼線に落ちるのを確認するまでもなく、ロッテ・ナインが一斉にベンチを飛び出した。1−1で迎えた延長10回無死満塁。「(次打者の)早川さんに『お前が決めてこい』と言われて、気合が入っていた」。根元が、武田久の初球を鮮やかに流し打った。06年8月5、6日のソフトバンク戦(千葉)以来となる2日連続のサヨナラ劇。スタンドにもグラウンドにも、言葉にならない歓喜の声があふれた。
不調のオーティズらに休養を与える狙いもあり、今季21試合目で初めて組まれた純国産打線。期待に応えたのは3年目の若手コンビだった。まずは、プロ初の劇打を放った24歳の根元だ。左ふくらはぎ痛の西岡に代わる切り込み隊長役。「たくさん練習してきた自分を信じていた」。新人の年にいきなりイースタン・リーグの首位打者を獲得した打撃センスが、ここ一番で発揮された。
もう1人の立役者は、20歳の細谷だ。この日プロ入り初めて1軍に昇格し、即スタメンに抜擢された。1点を追う7回2死二塁から、右前に同点適時打を運んだ。値千金のプロ初安打初打点に「鳥肌が立って、毛穴が全部開いちゃいました。夢かなあという感じ」と、笑いが止まらない。チームへ合流するため、さいたま市内の寮から球場近くのホテルに到着したのは前夜零時。試合前に大好きなロックバンド「BOφWY」の曲で眠気と緊張を吹っ飛ばし、結果につなげた。
新人の頃、2人は何気なくこんな会話を交わしたことがあった。「何年か後に、1軍で一緒にグラウンドに立てたら面白いよね」。主力が故障や不振で次々離脱し、開幕スタメンでこの日の先発に名を連ねたのは4人だけ。怖い物知らずの2人を旗頭に、ロッテが苦境を乗り越える。
根元の打球が左翼線に弾んだ瞬間、もうロッテベンチは空っぽだった。ヤングパワーで連日のサヨナラ勝ちに前日のVTRのような光景が広がる。ヒーローは延長10回無死満塁からプロ初の劇的ヒットを放った3年目・根元。そして7回にプロ初安打初打点となる同点打を右前へ運んだ同期入団の細谷だ。
1失点完投の渡辺俊と3人並んでのお立ち台。1番に入り5戦連続安打の根元は「気持ちで負けないように自分を信じて振った。頭が真っ白」と声を震わせ、細谷も「や〜ばいっス。鳥肌が…毛穴が全部開きました」と興奮を隠せなかった。
ズレータらが2軍調整中で西岡は負傷欠場。今季初の純国産打線で06年8月5、6日ソフトバンク戦以来2年ぶりの2戦連続劇勝だ。前夜9時、さいたま市内のカラオケ店で熱唱中だった細谷は緊急招集の電話に感激すると、プロ初の1軍登録即初先発に今度はビックリ。伊勢崎市から駆けつけた両親の前での活躍に「夢のよう。打ったのはクソボール。食らいつくことだけ考えていった」。本職は三塁ながら借り物のファーストミットで20度の守備機会を無難にこなした。
今春は初のキャンプ1軍スタートとバレンタイン監督の期待も大きい20歳の若武者は、自身が生まれた88年に解散した伝説のロックバンド「BOφWY」の大ファン。1軍定着したら「HOSOYA」の2番目の「O」を「φ」にするという野望に一歩前進した。
主力不在の危機は若手には大きなチャンス。日替わりヒーローが生まれるロッテが上昇気流に乗る。
ヒーローは、一塁ベースを回ったところで何度も飛びはねた。「打った瞬間、頭が真っ白になった。大歓声で自分が決めたんだと分かった」。 延長10回無死満塁。ケガで欠場の西岡に代わって遊撃を守る3年目の根元が武田久の直球を左前に運び、ロッテに06年8月5、6日のソフトバンク戦以来となる2日連続のサヨナラ勝ちをもたらした。
06年にイースタン・リーグで首位打者(打率.343)に輝いたが、昨季1軍では34試合出場にとどまった。開幕前に自分の打席を記録したノートを見直し、打席で消極的になっている自分に気づいた。「結果を求めすぎて、ボールに手が出なくなっていた」。10回の打席は初球から狙った。
7回には、この日「8番・一塁」でプロ初出場した同じく3年目の細谷が貴重な同点適時打。今月初の連勝につなげた。主力の福浦、ズレータ、サブローが登録抹消となる危機的状況を若手が救い、バレンタイン監督は「嬉しい限り」と満面の笑みだった。
渡辺俊は1回に1点を失ったが、2回以降は三塁を踏ませない好投で10回6安打1失点。今季初の完投で2勝目を挙げた。「浮き上がる球がうまく使えた。ストライクゾーンで勝負できた」。この日は子供に勧められ、ひげを蓄えて登板したが次回については「家族会議で決めます」。野性味の増した顔でニヤリと笑った。
劇的な2試合連続のサヨナラ勝ちだ。同点の延長10回無死満塁。ロッテ・根元が左線に適時打を放つとグラウンドに歓喜の輪ができた。売り出し中の24歳は「頭が真っ白になったけど、本当に嬉しかった」と初々しく喜んだ。
左ふくらはぎ痛のため2試合連続で欠場した西岡の代わりに遊撃に入っての活躍。1軍に定着できなかった昨季は打撃で積極性を欠いたが「ヒットか凡退しかないし、悔いのないようにしようと思った」という。開き直りが、プロ初のサヨナラ打につながった。
1点を追う7回2死二塁では細谷がプロ初安打となる同点の右前打。この日、昇格しプロ初出場初スタメンの抜擢に応えた20歳は「(胸が)高鳴った」と感激。主力が不振や故障で続々と離脱する中での若手の台頭に、バレンタイン監督は「嬉しい限りだ」と高笑いだった。
ロッテが2年ぶり2試合連続サヨナラ勝ちを決めた。1−1で迎えた延長10回裏無死満塁から根元が左前へプロ初のサヨナラ打をマーク。「頭の中が真っ白になりました。大歓声で自分が決めたと分かった」と、初のお立ち台で初々しく話した。主力が負傷などで相次いで欠場する中、打順もポジションも日替わりで変わっている。「与えられたところで仕事をするだけ」と口元を引き締めた。
好投手が先発し、複数の主力を欠く打線。ロッテは、よく似たチーム状態にある日本ハムとのロースコアの試合を、若さがもたらす勢いで上回って競り勝った。
1点を追う7回2死二塁。プロ初出場の3年目、細谷がカウント2−1からグリンの外角の難しいスライダーに体勢を崩しつつ、右前に同点打した。群馬・太田商高出身の20歳は「ボール球。打ち方もめちゃくちゃだったが、執念。毛穴が全部開いた」。プロ初安打が価値ある適時打となり、声を上ずらせた。
さらに1−1の10回無死満塁。細谷と同期入団で東北福祉大出身の根元が初球をとらえ、プロ初のサヨナラ打。「来た球をいこうと。イケイケの時はどんどんいかないと」と胸を張った。
ボール球でも食らいついた細谷と、好球必打の根元。若手の活躍で連日のサヨナラ勝ちを収めたバレンタイン監督は「彼らが情熱を持ってやっている。嬉しい限り」とほおを緩めた。
ロッテが2試合連続のサヨナラ勝ち。1−1の10回無死満塁から根元が左翼線への適時打を放った。渡辺俊が1失点で完投し、2勝目。日本ハムはグリンが好投したが、打線は振るわず。最後は守備が乱れ、今季3度目の連敗。
好投手が先発し、複数の主力を欠く打線。ロッテは、よく似たチーム状態にある日本ハムとのロースコアの試合を、若さがもたらす勢いで上回って競り勝った。
1点を追う7回2死二塁。プロ初出場の3年目、細谷がカウント2−1からグリンの外角の難しいスライダーに体勢を崩しつつ、右前に同点打した。群馬・太田商高出身の20歳は「ボール球。打ち方もめちゃくちゃだったが、執念。毛穴が全部開いた」。プロ初安打が価値ある適時打となり、声を上ずらせた。
さらに1−1の10回無死満塁。細谷と同期入団で東北福祉大出身の根元が初球をとらえ、プロ初のサヨナラ打。「来た球をいこうと。イケイケの時はどんどんいかないと」と胸を張った。
ボール球でも食らいついた細谷と、好球必打の根元。若手の活躍で連日のサヨナラ勝ちを収めたバレンタイン監督は「彼らが情熱を持ってやっている。嬉しい限り」とほおを緩めた。