わたしはかもめ2008年鴎の便り(4月)

便

4月26日

福岡ソフトバンク1−6千葉ロッテ(ヤフードーム)

ロッテが唐川のドラフト制導入後で球団初となる高卒新人初登板初勝利で今季初の5連勝、貯金を今季最多の4とした。ロッテは4回橋本のタイムリー二塁打で先制、5回大場の暴投で1点を追加。7回大松の2点タイムリーなどで3点を加点。唐川は7回92球3安打1四球5三振無失点、三塁を踏ませず。ソフトバンクは散発5安打、9回2死から松中のタイムリーで1点を返し56年以来52年振りの3試合連続完封負けを逃れるのがやっとで今季初の4連敗、98年8月11日以来の借金4。先発・大場は6回1/3を6安打8三振4四球4失点で3敗目。

123456789R
千葉ロッテ0001103016
福岡ソフトバンク0000000011
唐川
「今日は投げるからには勝ちたいと思っていたので素直に嬉しいです。プロ初先発初勝利はチームでは初めてだそうですが、特に意識はしていなかったです。自分のピッチングができた結果だと思います。緊張は多少あったのですが、周りの先輩達が声をかけてくれたので投げやすかったです。これからも1軍で投げられるように頑張ります。」(プロ入り初登板初先発初勝利)

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ロッテ:今季初の5連勝、ソフトバンクは4連敗[毎日新聞]

ロッテは今季初の5連勝。高卒新人の唐川は緩急がさえ、7回無失点、被安打3。プロ初先発初勝利を収めた。打線も4回以降、小刻みに得点を重ねた。ソフトバンクは打線が振るわず9回に1点を返すのがやっと。今季初の4連敗で、98年8月11日以来の借金4。

バレンタイン監督
「これだけの投球、彼(唐川)自身もそうだろうが、監督である私も忘れられない勝利だ。」
ソフトバンク・王監督
「チーム全体の調子が落ちている。故障者もいるが、相手を見下ろすところがない。」

◇高卒ルーキー、初先発初勝利

初先発初勝利。高卒ルーキーではドラフト制施行以降、史上15人目の快挙だ。松坂やダルビッシュに並ぶ記録に、はしゃぎ回るバレンタイン監督。当の唐川はあどけない笑顔で「人と比べられるのは好きじゃない」と、言い切った。

初回はお見事の一語に尽きる。川崎は内角のスライダーで空を切らせ、仲沢も高めの直球で連続三振。柴原に三遊間を破られたが、何食わぬ顔で続く松中を変化球で三振に仕留めた。

落ち着いたマウンドさばきは18歳とは思えない。強打者を抑えても、味方が点を取っても、表情1つ変えない。安打を許しても、映像が映し出されるセンター方向に目を向けるゆとりがあった。

投げ合う相手も新人だった。東洋大出身の大場。既に完封で2勝を上げる即戦力ルーキーにも、一歩も引けを取らなかった。むしろ、持ち味の制球力では勝っていた。100キロ台の緩いカーブも、鋭いスライダーもきっちり決まる。6回まで無四球。四球を出すや、投手コーチが駆け寄る大場とは対照的だった。

完封もちらついたと思いきや、92球、7回無失点でマウンドを降りた。「そろそろ厳しいかな。今の時点ではあれが限界です」。どこまでも客観的だ。

試合後、ファンの声援に応える唐川。片手を振りながら、もう一方の手で大事そうにウイニングボールを握りしめる姿が唯一、新人らしかった。

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唐川鮮烈デビュー、7回3安打無失点で初勝利[千葉日報]

千葉ロッテは初登板の新人、唐川が7回無失点で初勝利。切れのある変化球を低めに集め、散発3安打で三塁を踏ませなかった。4回に橋本の適時二塁打で先制し、7回には大松の適時打などで3点を奪い突き放した。ソフトバンクは今季初の4連敗。

◇7回3安打無失点で初勝利

18歳ルーキー右腕が鮮烈なデビューを飾った。初先発の唐川が7回を3安打無失点。三塁を踏ませぬ堂々の投球で初勝利。「投げるからには勝ちたいという思いがあったので嬉しい」。素直に喜びを口にした。

「特によかった」と言う変化球がさえた。緩いカーブでカウントを整え、プロになってから覚えたチェンジアップで打者のタイミングを外し、スライダーは完璧にコントロールされた。「ストライクも空振りも取れた」。思い描いた通りに投球を組み立てた。

常にストライクを先行させようと向かい合うバッターだけに意識を集中。92球を投げ「自分でもバテていたのが分かった」と8回からマウンドを譲ったが、最後まで新人らしからぬ落ち着いたマウンドだった。

高卒新人の初登板初勝利はチーム初。試合後、ウイニングボールを手にバレンタイン監督に肩を抱かれた。「自分のピッチングができた結果。1軍に居続けて勝利に貢献したい」。背番号19は、大きな自信を胸に力強く言い切った。

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ロッテ唐川初登板勝利、平成生まれ1番星[ニッカン]

平成生まれでの白星一番乗りは「ビッグ3」の1人、ロッテ唐川侑己投手(18)だった。26日、ソフトバンク8回戦(福岡ヤフードーム)で鮮烈の初登板、初勝利を飾った。7回を3安打5奪三振1四球の無失点、三塁を踏ませない堂々たる投球だった。物おじしない高卒ルーキーは大場翔太投手(22)とのルーキー対決も制し、チームは5連勝で首位西武を0.5差でピタリ追走している。

バレンタイン監督のハイテンションが全てを物語っていた。唐川と並んで写真撮影に応じると、ヒーロー以上の笑顔で「1勝」を示すように人指し指を立ててはしゃいだ。クールな18歳の投じた92球が、ベテラン監督を熱くさせた。

立ち上がりから圧巻の投球だった。初回先頭の川崎を内角に食い込むスライダーで空振り三振に仕留めると、2番仲沢にはカウント2−1から変化球のサインに首を振り、直球で空振り三振。並の新人ならのみこまれてしまいそうな初回でも、冷静に捕手のサインに首を振った。「投手有利のカウントだったのでストレートでピシャッと抑えれば乗っていけると思った」。その言葉通り、4番松中も空振り三振に仕留め、初回のアウトを全て三振で奪った。

ゆったり足を上げたフォームから、リリースポイントで腕を素早く振り抜く。そのギャップで腕が遅れて出てくるように見えるため、打者はより速く感じる。最速145キロ直球に生命線のスライダー。105キロ前後のカーブを織り交ぜて、7回をわずか3安打無失点に抑えた。

この日の昼食。同期入団で福岡出身の伊藤とラーメン店へ出掛けた。伊藤が「いつも通りに投げれば大丈夫」と話したが、唐川は「はい」と緊張した様子もなく答え、ラーメン、ギョーザ、ライスをペロリと平らげたという。好きな言葉は「泰然自若」。ビッグ3の中では唯一、キャンプ2軍スタートと出遅れた感もあったが、本人は全く気にしていなかった。

大器晩成型を見越した成田高・尾島監督の指導も実った。在校中は「器用なことはしなくていい」と言い聞かせ、球種を増やすより球の質を上げることに専念させた。しなやかなフォームをつくり上げ、直球とスライダーだけを投げさせた。基礎が出来上がっていたため、プロ入り後はスポンジが水を吸収するように牽制、クイック、新球をマスターした。荘2軍投手コーチは「チェンジアップを1週間で自分のものにしてしまった」と驚きを隠せなかった。

底知れないポテンシャルを秘めたニューヒーロー。次回登板は5月3日の西武戦が有力だ。「ドーム球場は結構おもしろかった。でも千葉マリンなら家族や友達も見に来られるので、次も勝ちたいです」と、涼しい顔で言ってのけた。「松坂2世」でも「ダルビッシュ2世」でもない。平成生まれで初勝利をつかんだ唐川が新たな伝説を作る。

日本ハム中田
「悔しくないといえば嘘になるけど結果をバリバリ残す投手になって欲しい。」
ヤクルト由規
「テレビで見ていました。完璧な内容で、見ていて刺激になったし、自分も負けられないという思いがしました。早く同じ舞台に立てるように頑張ります。初勝利おめでとう。」

◇初勝利グッズ販売

ロッテは唐川の初登板初勝利を祝して、記念グッズを販売することを決めた。記念Tシャツ、サインボール、フォトフレームを作製し、29日から先行予約の受付を開始する。寛会社によると「新人の初勝利でのグッズ販売は異例のこと」と話し、球団をあげて地元千葉の唐川をバックアップする。

◇橋本、攻守アシスト

橋本が攻守にルーキーをアシストした。バットでは4回表2死二塁から右翼越えに塁打で先制点をプレゼント。「若い投手が頑張ってくれているので何としても先制点を取りたかった」。リード面でも緩急をうまく引き出した。25日にブルペンで初めて唐川の投球を受けた時に、「とても高卒ルーキーの球とは思えなかった。今まで見たこともないほどスライダーが切れていて、僕も捕れるか心配だよ」と素質を高く評価していた。それだけにこの日の投球については「まだこんなもんじゃない。もっとスライダーが良い」と期待を寄せた。

唐川侑己(からかわ・ゆうき)
1989年(平元)7月5日生まれ、千葉県出身。成田高2、3年時にセンバツ出場。07年高校生ドラフトでロッテと広島が1巡目入札。抽選の結果、ロッテが交渉権を獲得し入団。181センチ、76キロ。右投げ右打ち。契約金9000万円、年俸1000万円(金額は推定)。背番号19。父義明さん(52)は成田山新勝寺に勤務。

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“BIG3”で先駆け、唐川初先発初勝利[スポニチ]

平成生まれの1勝1番乗りだ−。ロッテの高校生ドラフト1巡目ルーキー、唐川侑己投手(18=成田)が26日、プロ初登板初先発となったソフトバンク戦で7回無失点の快投。嬉しいプロ1勝を挙げた右腕に、バレンタイン監督は今後のローテーション入りを確約した。日本ハム・中田、ヤクルト・由規と並んで“高校BIG3”と呼ばれた中、唐川がライバルに先駆けて、プロの世界で名を残した。

まだあどけなさが残る18歳の顔に、ぎごちない笑みが広がった。7回3安打無失点。歴史的初勝利を挙げた唐川は、左翼席のロッテファンに向かって駆けていった。

「試合後の方が緊張しました。(投球は)球自体は納得していない。ただ、途中からはマウンドに慣れてきたんで、余裕を持って堂々と投げられました」。18歳右腕は初登板で三塁を踏ませぬ内容にも不満を漏らした。

気負いもなければ敵地の声援にも動じない。最速146キロの直球は威力十分。覚えたてのチェンジアップなど変化球もさえた。初回いきなり川崎を空振り三振。続く仲沢にはカウント2−1から橋本のサインに首を振って141キロ直球で連続空振り三振だ。柴原に左前打を許したが、松中をスライダーで空振り三振。波に乗って7回まで0を並べた18歳は「初めてのドームは空が見えなくて不思議な感じ。途中まで夜だって忘れていました」。

3月16日のオープン戦。右手親指のツメが引っかかって中指の先を切った。高校時代から割れやすかったツメはその後、先輩、小野の亜希子夫人が経営するネイルサロンに通って入念にケア。DVDで自分の投球フォームを分析するなど、プロとしての自覚も芽生えてきた。球場入り前は、同じルーキー伊藤と外食。ラーメン、ギョーザにライスをペロリと平らげるなどリラックス。昨夏、知人を通じて親交が始まり、高校のグラウンドで一緒に練習したこともある大場とのルーキー対決を堂々の内容で制した。

“高校BIG3”と騒がれた逸材も、将来のエース候補としてじっくり育成するチーム方針でキャンプから2軍スタート。イースタン3試合で防御率1.80。久保の不調もあって1軍昇格を果たすと、高卒ルーキー一番乗りの白星をつかんだ。今季初の5連勝を呼ぶ快投にバレンタイン監督は「もう少し投げさせられたが、残った球数はシーズン最後にとっておいてもらいたい。次は地元で投げる」とローテーション定着を明言。「私にとっても長く忘れられない日になった」と続けた。

次回は5月3日の西武戦、千葉マリンで凱旋登板だ。両親に贈るウイニングボールをポケットに入れた唐川は「家族も知り合いも来るし、千葉でも勝ちたい」と胸を張った。千葉の希望の星が刻んだ歴史的1勝は、まだ“エース道”の序章に過ぎない。

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“平成生まれ”初勝利!ロッテ・唐川、初先発で鷹狩り衝撃デビュー![サンスポ]

18歳とは思えないお立ち台だった。涙はない。満面に笑みを浮かべた。堂々と胸を張った。「投げるからには、勝ちたいと思っていたので素直に嬉しいです」。

高卒ルーキーの唐川が7回を3安打5奪三振の無失点。三塁を踏ませない好投で、ドラフト制施行後、ロッテの高卒ルーキーとして初の初先発初勝利。しかも、平成生まれで初めて「プロ野球」で勝利を挙げた歴史的な人物にもなった。

18歳とは思えないマウンドだった。1回1死、仲沢に対してカウント2−1。捕手・橋本の変化球のサインに首を振り、141キロの直球で空振り三振を奪った。「有利なカウントだったので、そこで直球を投げて自分の投球(感覚)をつかもうかなと」。序盤こそ高めに浮いた直球は中盤以降、低めに集まり、適応力の高さも見せつけた。

中田(日本ハム)、由規(よしのり、ヤクルト)と並び「高校生ビッグ3」として注目されたが、1軍キャンプに参加した2人とは対照的に2軍スタート。「2人とは実力が違いますので」。そういいながらも先に結果を出した。2人とはたまにメールを交わす仲だが、何よりの刺激を与えた。それでも…。

18歳とは思えない試合後の談話だった。「球自体は納得がいかない。今の段階の力ではなかった」。そう反省する黄金ルーキーに目を細めていたのはバレンタイン監督。「今の時点でローテーションに入っている」と明言した。次回登板は5月3日の西武戦(千葉マリン)の予定だ。

ウイニングボールは、感謝の気持ちを込めて両親に渡すという。ここだけが「18歳」だった。

橋本
「全ての球がストライク近辺に来た。まだまだこんなもんじゃない。」(唐川の球を受け)

◇唐川侑己(からかわ・ゆうき)

生まれ
1989(平成元)年7月5日、千葉県成田市生まれ、18歳
サイズ
1メートル80、76キロ。右投げ右打ち
家族
祖母・春江さん、父・義明さん、母・澄枝さん、姉・明子さん、妹・依子さんとペットのシーズー犬・ララ
球歴
成田小3年時に野球を始め、成田高では1年夏からベンチ入り。甲子園出場は春2度。2年時は1回戦で5安打完封も2回戦敗退。昨春は1回戦で広陵(広島)に延長12回の末、1−2で惜敗。昨秋の高校生ドラフト1巡目で入団。契約金9000万円、年俸1000万円。背番号19
最速
直球のMAXは148キロ
高校生ビッグ3
ヤクルト・由規、日本ハム・中田に対してライバル心メラメラ。昨年11月の仮契約の際には「150キロの真っ直ぐで三振を奪いたい」と中田を挑発
性格
マイペースで成田高の尾島監督によれば「大舞台でも動じない投手」
データBOX
ロッテの高卒新人・唐川が初登板初勝利。1966年のドラフト制後、高卒新人のデビュー戦勝利は15人目。ロッテでは初。ドラフト制以前では、毎日時代の52年9月23日に清水宏員が記録して以来、チーム56年ぶり。また、初登板で7イニング以上投げた高卒新人は、昨年4月7日のヤクルト・増渕竜義(勝敗つかず)に次いで、ドラフト後9人目(勝利投手は6人目)。

◇その時

唐川の両親は千葉・成田市内の自宅に集まった知人ら15人と、唐川がプレゼントした42インチの大画面テレビで観戦した。初勝利に母の澄枝さん(50)は「心臓がドキドキして手が震えました。(息子を)抱きしめてあげたいくらいです」。前日25日には父の義明さん(52)が寺務員として勤務する成田山新勝寺で必勝祈願したという。次回登板は本拠地千葉マリン。澄枝さんは「もちろん、見に行きます」と目を輝かせた。

◇この日の由規

唐川と同じ高校生ドラフト1巡目ルーキーのヤクルト・由規(仙台育英出)は、公式戦初先発が決まった29日のイースタン・リーグ、西武戦(戸田)に向けてロッテ浦和球場で練習。ダッシュやノックに汗を流した。唐川のデビュー戦は埼玉・戸田寮でテレビ観戦。同期の活躍に「完璧な内容で見ていて刺激になったし、自分も負けられないという思いがしました。早く同じ舞台に立てるよう頑張ります」と意欲をかき立てられた様子だった。

◇この日の中田

高校生ドラフト1巡目ルーキーの日本ハム・中田翔(大阪桐蔭出)は、イースタン・リーグの楽天戦(鎌ケ谷)に「4番・一塁」で先発。右飛、三振、三ゴロ、左前打、遊ゴロで5打数1安打。7回には、自身の安打が勝利を決める3点につながり、チームの連敗を「10」で止めた。1軍で初先発初勝利をあげた唐川には「バリバリの投手になって欲しい。自分も負けられない」とエールを送った。

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松坂よりすごい!唐川7回無失点で初登板、初先発、初勝利…ロッテ[報知]

ロッテの高校生ドラフト1巡目ルーキー・唐川侑己投手(18)が、ド派手なデビューを飾った。ソフトバンク戦でプロ初先発し、7回を3安打無失点で初白星。ドラフト制後の高卒新人として球団史上初となる、初登板初勝利の快挙を成し遂げた。4月中に初登板初先発で勝利した高卒新人は99年の西武・松坂以来。「高校BIG3」と呼ばれた日本ハム・中田、ヤクルト・由規に話題性では後れを取っていたが、実力が本物であることを証明してみせた。

唐川が、涼しい顔で大仕事をやってのけた。4月中に初登板初先発で勝利を挙げた高卒ルーキーは、99年の西武・松坂以来。「緊張は多少あったけど、重圧はなかった。交代?バテてるのは分かっていたので、そろそろ厳しいと思っていた」。同期の高卒新人、さらには平成生まれとしても、白星一番乗り。記録ずくめで臨んだヒーローインタビューでも、落ち着き払っていた。

幕開けが圧巻だった。初回のアウトは全て三振。2番・仲沢にはカウント2−1から、橋本のサインに首を振って直球勝負に出た。「直球の調子がよくなくて、ここでピシャッといけば乗っていけるかな、と」計算通りにエンジンがかかり、マウンドを楽しむ余裕も出た。「初めてのドーム球場は面白かった。夜だったのも忘れていました」。7回を5奪三振の3安打無失点。最速146キロの直球とスライダーを軸に、三塁を踏ませなかった。

キャンプは2軍スタート。中田、由規が連日紙面をにぎわす陰で、存在は地味だった。「高校BIG3」と呼ばれることに、抵抗もあった。だが、焦りを感じたことはない。2人とは、求めるものが違うからだ。

中田は「強さ」、由規は「速さ」。唐川は「美しさ」にこだわる。プロ入り後に作ったグラブにも、「美」と刺繍を入れた。流れるようなフォームは、独特の感性に裏打ちされたものだ。

「僕のフォームは他人にはまねできないと思う。どこが?ゆっくりしたところですね。ゆっくりした投げ方で速い球を投げられたら、かっこいいじゃないですか」。この日は92球。一定のリズムを刻み続けた。

チームに今季初の5連勝をもたらした右腕は、次回5月3日の西武戦(千葉)に登板予定。「まだボール自体には納得がいかない。出来は6、7割ですね」のびかけの髪に、あどけない顔立ち。どこまで成長するのか、底知れない18歳だ。

◇唐川侑己

生まれ&サイズ
1989年7月5日、千葉・成田市生まれ。18歳。181センチ、76キロ。右投右打。
球歴
成田小3年のときに「成田小フォックス」で野球を始める。成田高では1年夏からベンチ入りし、2、3年時のセンバツに連続出場。3年夏は千葉県大会5回戦敗退。
クルマ好き?
今欲しいものは車。1年目は禁止だがすでにリサーチ開始。目をつけているのは意外と渋く「レクサス」。
大の甘党
入団時に、球団からのアンケートの「好きな食べ物」欄に「スイーツ」と書いたほどの甘党で、コンビニでの新作チェックに余念がない。
座右の銘
「泰然自若」。06年のセンバツ出場時に、父・義明さんから贈られた。
家族
父・義明さん(52)、母・澄枝さん(50)、姉・明子さん(20)、妹・依子さん(14)、祖母・春江さん(79)

◇日本ハム・中田「追いつきたい!」

ライバルの活躍を刺激に、早期1軍昇格を目指す。唐川に1軍デビューを先んじられた怪物は「自分もすぐに追いつきたい。1日も早く(1軍に)上がりたい」と決意を新たにした。この日(26日)のイースタン、楽天戦(鎌ケ谷)では痛烈な左前安打を放ち、5打数1安打。「自分も頑張りながら唐川、佐藤(由規)を応援したい。バリバリの投手になって欲しい」とエールを忘れなかった。

◇ヤクルト・由規「負けられない!」

ライバルの初登板初勝利に「テレビで見ていました。完ぺきな内容で、見てて刺激になったし、自分も負けられないという思いがしました」とコメント。自身は24日のイースタン、楽天戦で“プロ初勝利”を挙げたが、舞台の違いは百も承知。「早く同じ舞台に立てるように頑張ります。初勝利おめでとう」1軍昇格に向けて経験を積んでいる新人にとっては、大きな発奮材料になる。

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唐川あっぱれ!初登板初勝利![デイリー]

“高校生ビッグ3”の看板はダテじゃなかった。ロッテ・唐川に緊張の2文字は皆無だった。ドラフト制度後、史上13人目の高卒新人初登板初先発勝利。球団史上初の快挙の感想は「(ドームは)結構面白かった。空が見えなくて不思議な感じで。夜だというのを忘れていました」と言ってのけた。

威風堂々。その言葉が相応しい投球だ。「余裕を持って投げられた。相手に与える影響もある。そこだけは意識した」。初回1死。仲沢をカウント2−1と追い込み、変化球のサインに首を振った。「直球の調子が良くなかった。ピシャッといけば乗れると思った」。あえて直球で空振り三振。いきなりの3奪三振スタートで勢いづいた。

直球の最速は146キロを記録し、7回3安打無失点5奪三振。それでも唐川は「結果は良かったけど、まだ本来の自分のキレがない」と、底知れぬ可能性を感じさせる。

天賦の才と無垢な思いが唐川の投球を進化させた。「僕は力が全然ないんです」。成田高時代の筋力値は部員約50人の下から5番目程度。それでも、快速球を生むフォームは小学生から変わっていないという。

「自分の中で、1番いい球を投げた時の感覚で自然に出来上がった」。まさに天性の野球センスだ。さらに、ゆったりとした独特の間は「中学の時に、その方がカッコいいなと思って」という理由から。それが体全体の力を集約させ、筋力不足を補う球威を生んだ。

「両親に感謝ですね」という右腕は、手にしたウイニングボールを実家へ贈る。次回は5月3日、地元・千葉での西武戦先発が有力だ。「家族や友達が見に来るので、勝ちたい」。真価は地元のマウンドで発揮する。

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唐川初登板勝利、チーム史上初[ニッカン]

ロッテ唐川が初登板で初勝利。高卒新人としてはドラフト制後、ロッテでは初めて。緩急をつけた投球で強打のソフトバンク打線を7回3安打無失点に抑えた。「投げるからには勝ちたいと思っていた。自分のピッチングができたことが良かった」と初のヒーローインタビューにも冷静に答えた。次回登板は5月3日の西武戦が有力。「次も勝ちたい」と話した。

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ロッテ・唐川、プロ鮮烈デビュー!7回無失点で初勝利[サンスポ]

18歳の投手がプロ初登板で10球も投げないうちに、捕手のサインに首を振った。1回1死から仲沢を追い込むと、橋本からは変化球の要求。ここで唐川は、自ら球種を選ぶ。「直球がもう1つだったので、そこでビシッといけば、乗っていけるかな」。天性の肩甲骨の柔らかさを生かした、しなやかな腕の振りから伸びのある直球。数球見た程度で芯に当てるには至難の球筋で、空振りを奪った。

この回は最後に松中からも空振り三振を奪うなど、難しい立ち上がりでアウトは全て三振。「緊張はあったが、プレッシャーはなかった」。気持ちの揺れを投球には表さない、新人とは思えぬ落ち着きようだった。

極度の不振に陥る相手打線、広い球場…。これら投手有利の要素を割り引いても、7回まで三塁を踏ませぬ要因となった、球威や変化球の制球力には、豊かな将来性がのぞく。中田(日本ハム)由規(ヤクルト)に先駆けて鮮烈にデビューし、平成生まれで初めてプロ野球で勝利を挙げた投手になっても「(投手有利の)初対戦で、タイミングが合わないことがあった」。冷静に分析できる姿に、秘めた可能性がうかがえた。

完封こそ見られなかったが「まだ先は長いので、いずれ時が来たら、という感じ」。それもそう遠くないだろう。

バレンタイン監督
「もう少し投げさせることもできたが、残りの球数はシーズン最後に取っておいてもらいたい。シーズン最後にも活躍してもらいたい。次も(先発で)投げてもらうことになると思う。」(唐川に)
橋本
「若い投手が頑張っているので、先制点を何としても取りたかった。自分が援護できてよかった。」(先制打)

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ルーキー・唐川、平成生まれ初勝利…ロッテ[報知]

ロッテがプロ初登板の高校生ドラフト1巡目ルーキー・唐川侑己投手(18)=成田=の好投で5連勝を飾った。唐川は威力のある直球と変化球の制球がさえ、7回3安打5奪三振でソフトバンク打線を無失点に抑えた。打線は4回に橋本の適時二塁打で先制。7回には大松の適時打などで3点を挙げ突き放した。

「緊張はあったが、プレッシャーはなかった」という唐川は、新人とは思えぬ落ち着いた投球で、7回まで三塁すら踏ませなかった。中田(日本ハム)由規(ヤクルト)に先駆けて鮮烈にデビューし、平成生まれで初めてプロ野球で勝利を挙げた投手になったが、「(投手有利の)初対戦で、タイミングが合わないことがあった」と冷静に分析した。

完封こそ見られなかったが「まだ先は長いので、いずれ時が来たら、という感じ」と、そう遠くない将来を見据えた。

ヤクルト・由規投手
「(唐川投手の投球は)テレビで見ていました。完璧な内容で、見ていて刺激になったし、自分も負けられないという思いがしました。早く同じ舞台に立てるよう頑張ります。初勝利おめでとう。」

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