ソフトバンクが14安打、今季6度目の2桁10得点で2カードぶりの勝ち越し。ソフトバンクは同点の5回松中の22号3ランで勝ち越し、7回に逆転されるが8回代打荒金の押し出し四球、本多の2点タイムリー二塁打などで逆転。先発・パウエルは、5回1/3を8安打4失点。3人目・佐藤が2勝目。ロッテは6回渡辺正の03年10月8日以来の1号2ランで1点差。7回橋本の2点タイムリーで逆転するが投手陣が踏ん張れず、今季11度目の2桁失点で5位転落。先発・唐川は、5回を8安打5失点。3人目・川崎が自身ワーストタイの4失点で4敗目。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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福岡ソフトバンク | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 5 | 0 | 10 |
千葉ロッテ | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 6 |
千葉ロッテ先発の唐川は5回を5失点。負けは付かなかったが1ヶ月以上白星から遠ざかった。ピンチを招き自滅した。同点の5回、1死から左前打を許し四球と暴投で二、三塁にすると、3番松中には通算300本塁打に王手となる一発。「外角高目を狙ってインコースに入ってしまった。完全なコントロールミスです」と141キロの直球をライナーで右翼席に運ばれた。
唐川が5回5失点と、あと一歩踏ん張れなかった。同点で迎えた5回1死ニ、三塁から松中へ投じた内角直球を右翼席へ運ばれた。「外角高めを狙ってインコースに入ってしまった。完全なコントロールミスです」と反省しきり。2回以降、抜群の制球力で無失点に抑える本来の姿を見せていただけに、悔やまれる1発となった。チームは7回に一時逆転したものの、8回にリリーフ陣が5失点と炎上し5位に転落した。
渡辺正が03年10月8日オリックス戦(神戸)以来5年ぶり本塁打をマークした。3点を追う6回1死一塁から左中間へ追撃2ラン。「思い切り引っ張って強い打球を打とうと思った。久し振りですね」と感触を思い出していた。五輪で抜けた西岡に代わって7月29日に1軍昇格後、打率4割2分9厘と絶好調。器用な名脇役が存在感を示した。
後半戦初先発の唐川が勝敗はつかなかったものの、5回を8安打5失点と乱調。5回には松中に対し、外角高めを狙った球が内角に入り、3ランを浴びて「完全なコントロールミス」と悔やんだ。風速9メートルの強風にも戸惑い、「もっと風を利用する投球をしないといけない」と課題を口にした。チームは逆転負けで5位に転落した。
ロッテ打線が2度のビハインドをはね返しながら勝利の方程式が崩れて5位に転落した。1点リードした直後の8回、14試合連続無失点中だったセットアッパー・川崎が自らの失策でピンチを広げて押し出し四球で同点とされると、守護神・荻野も打ち込まれて一挙5失点。「勝ち越したのにぶち壊して申し訳ない」と川崎。バレンタイン監督は「8回はしっかり決めるべきプレーがあった」と拙守が絡んでの逆転負けに渋い表情だった。
ロッテ・唐川は後半戦初先発。勝敗こそつかなかったが、5回を8安打5失点とイマイチの内容。5回には松中に対し、外角高めを狙った球が内角に入り、3ランを浴びてしまった。
「完全なコントロールミスです」と悔やんだ。風速9メートルの強風にも戸惑い、「もっと風を利用する投球をしないといけない」とガックリ。乱戦となった試合も逆転負けで落としたチームは5位に転落した。
ロッテ唐川が5回5失点とあと一歩踏ん張れず6勝目を逃した。同点で迎えた5回1死二、三塁から松中へ投じた内角直球を右翼席へ運ばれた。「外角高めを狙ってインコースに入ってしまった。完全なコントロールミスです」と反省しきり。2回以降、抜群の制球力で無失点に抑える本来の姿を見せていただけに、悔やまれる一発となった。チームは7回に一時逆転したものの、8回にリリーフ陣が5失点と炎上し5位に転落した。
日本は1回に新井(阪神)の2点三塁打などで4点を先行し、8回にはG.G.佐藤(西武)のソロ本塁打などで2点を加えた。先発の杉内(ソフトバンク)は7回無失点の好投で、8回から田中(楽天)−川上(中日)の無失点リレーをみせた。
中国は延長12回、8−7で台湾にサヨナラ勝ちし、五輪初勝利を挙げた。キューバは米国を延長11回、5−4で下して3連勝、米国は1勝2敗。韓国は1−0でカナダを破った。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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オランダ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
日本 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | x | 6 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 得 | 安 | 点 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
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1 | 遊 | デュルスマ | 3 | 0 | 0 | 0 | 遊飛 | 三振 | 遊併 | ||||||
打三 | レヒト | 0 | 0 | 0 | 0 | 四球 | |||||||||
2 | 中 | キングセール | 4 | 0 | 0 | 0 | 三ゴ | 遊ゴ | 中飛 | 三振 | |||||
3 | 一 | アドリアナ | 3 | 0 | 0 | 0 | 四球 | 右飛 | 一邪 | 中飛 | |||||
4 | 捕 | デヨング | 4 | 0 | 0 | 0 | 三ゴ | 三振 | 遊ゴ | 投ゴ | |||||
5 | 三二 | デカスター | 4 | 0 | 1 | 0 | 三ゴ | 遊ゴ | 中二 | 一邪 | |||||
6 | 指 | エンヘルハルト | 2 | 0 | 1 | 0 | 三振 | 投安 | |||||||
打指 | イセニア | 1 | 0 | 0 | 0 | 三振 | |||||||||
7 | 左 | ロンブレー | 2 | 0 | 0 | 0 | 右飛 | 三振 | 四球 | ||||||
8 | 右 | ファントクロースター | 3 | 0 | 1 | 0 | 三振 | 左安 | 三振 | ||||||
9 | 二遊 | スロイエテル | 3 | 0 | 1 | 0 | 二ゴ | 左安 | 三振 | ||||||
計 | 29 | 0 | 4 | 0 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 得 | 安 | 点 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
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1 | 二 | 西岡 | 2 | 1 | 0 | 0 | 四球 | 遊ゴ | 中飛 | ||||||
打二 | 荒木 | 1 | 1 | 1 | 0 | 四球 | 三安 | ||||||||
2 | 中 | 青木 | 5 | 1 | 2 | 2 | 右安 | 二直 | 遊直 | 二ゴ | 中二 | ||||
3 | 指 | 森野 | 5 | 1 | 2 | 1 | 左安 | 三ゴ | 右安 | 三ゴ | 三振 | ||||
4 | 一 | 新井 | 4 | 1 | 2 | 2 | 右三 | 左飛 | 左安 | 右直 | |||||
5 | 右 | 稲葉 | 3 | 0 | 1 | 1 | 右犠 | 三失 | 遊飛 | 中安 | |||||
6 | 三 | 村田 | 4 | 0 | 0 | 0 | 遊ゴ | 三振 | 三ゴ | 左飛 | |||||
7 | 捕 | 阿部 | 4 | 0 | 0 | 0 | 三振 | 右直 | 投ゴ | 二ゴ | |||||
捕 | 矢野 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||||||
8 | 左 | G.G.佐藤 | 3 | 1 | 1 | 1 | 三振 | 三ゴ | 四球 | 左本 | |||||
9 | 遊 | 中島 | 3 | 0 | 1 | 0 | 右二 | 三振 | 四球 | 二ゴ | |||||
計 | 34 | 6 | 10 | 7 |
名前 | 投球回 | 打者 | 球数 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
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スミト | 5 2/3 | 26 | 107 | 6 | 4 | 2 | 0 | 4 | 4 |
マルクウェル | 2 0/3 | 12 | 41 | 4 | 0 | 2 | 0 | 2 | 2 |
ファンカンペン | 0 1/3 | 1 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
名前 | 投球回 | 打者 | 球数 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
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杉内 | 7 | 24 | 87 | 4 | 6 | 1 | 0 | 0 | 0 |
田中 | 1 | 5 | 26 | 0 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 |
川上 | 1 | 3 | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R | |
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台湾 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 7 |
中国 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 5x | 8x |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | |
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キューバ | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 5 |
米国 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 4 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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韓国 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
カナダ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
7月24日の日本ハム戦(札幌ドーム)。ヒーローインタビューを受ける勝利投手の大嶺祐太(20)の姿を見つめていた先輩投手の清水直行(32)もまた嬉しそうな表情を浮かべていた。後輩のプロ初勝利をまるで自分のことのように喜んだ。
「やれやれ、これでオレも髪を短くせずに済むわ」。そう、つぶやくと自分の頭をポンポンとたたいた。開幕前、清水直は大嶺とある約束を交わしていた。大嶺が今季、プロ初勝利を挙げられなければ、髪をバッサリと短く切る。大嶺だけではなくて、清水直も同様に短く切る。先輩と後輩、男と男の契りだった。
「2年目の今季は勝負だぞ、と伝えた。唐川など後輩もできた。1年目は高卒1年目で大目に見てもらえる部分はあると思うけど、2年目の今季は甘えを捨てろ。10勝しろとまでは言わない。最低でもプロ初勝利は挙げろ。それが出来なかったら頭を丸めろ。その時は先輩であるオレも丸めると約束した」。
大嶺のマイペースな性格を熟知しているからこその約束だった。オマエが駄目ならオレも責任を取る。先輩からの熱いエールが南の島出身の若者の気持ちを熱く燃えさせた。
「直さん(清水)が、ボクのせいで髪を切ることだけは絶対に避けないといけないと思っていた。絶対に今年中に勝たないといけないという強い気持ちでシーズンに臨んだ。ホッとしましたよ」。
大嶺はそう振り返った。彼にとって清水直は尊敬する選手であり、兄のような存在。ロッテ入りが決まった時、選手を代表して選手会長の清水直は電話でメッセージを送っている。「一緒に戦おう。会えるのを楽しみにしている。困った時はなんでも相談してくれよ。いつでも相談相手になってあげるからな」。石垣島から遠く離れた千葉へと1人旅立つ若者にとって、これほど心強い言葉はなかった。それ以降、兄のように慕い、尊敬した。入団会見では「清水投手のような投手になりたい」と口にした。
そんな後輩の初勝利について清水直は言う。「遠く石垣島の人達が応援している。その人達のためにも頑張って欲しかった。ちゃんと結果を出して、応援に応えてあげないと駄目だぞと話していた。本当に自分のことのように嬉しかった」。
ただ、プロ初勝利に沸いた1日は、もうすでに終わっている。どこか、おっとりとした性格の若者に先輩はあえて厳しい言葉を続けた。
「1勝で終わったら駄目だぞ。せっかくだから、2勝、3勝と勝って、このままローテーションに定着する気持ちでやれ。プロで1勝するのは目標ではなくてスタート地点なのだから」。
優しい先輩達に囲まれ、大嶺はすくすくと育っている。このままチームを背負う大投手となり、いつか、後輩達に自分が接してもらったような温かいアドバイスを送って欲しいと思う。