日本ハムが昨年9月18、19日楽天戦以来となる2試合連続、今季8度目の完封勝利で2連勝、貯金1とし2位ソフトバンクとのゲーム差を0.5に縮めた。日本ハムは1回ボッツの犠飛で先制すると、4回工藤の内野安打、5回ボッツ3号ソロ、7回糸井タイムリーで加点。先発・グリンは7回5安打の無失点で6月3日広島戦以来の4勝目、自身の連敗6でストップ。ロッテ戦の連敗も4で止めた。ロッテは今季10度目の完封負けで借金5、東京ドーム5連敗。先発・小林宏は5回3失点で自己ワーストの11敗目、日本ハム戦は今季勝ち無しの4連敗。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
北海道日本ハム | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | x | 4 |
投打にさえなく3位日本ハムとのゲーム差が3に広がった。エース小林宏が5回3失点で自身ワーストの11敗目。変化球の制球に苦しみ、マウンド上でもいら立った様子で4四球と自滅した。「無駄な四球が多く、野手のリズムを崩してしまい、申し訳なく思います。それだけです」と言葉少なだった。打線も散発5安打で今季10度目の完封負け。東京ドーム5連敗と相性の悪さもあり連勝できなかった。
ロッテの小林宏が、5回3失点で自己ワースト11敗目を喫した。17日楽天戦は1回無失点で降雨ノーゲーム。“中1日”の影響か制球に苦しみ「無駄な四球が多く、野手のリズムをつくれなかった。中1日は関係ない。僕がダメだったということ」。打線も5安打と沈黙して今季10度目の零敗。東京ドームでは5連敗となったバレンタイン監督は「小林宏は攻撃陣の援護があれば変わったと思う。今後は必ず援護がある」と奮起を期待していた。
ロッテが投打にさえなく3位日本ハムとのゲーム差が3に広がった。エース小林宏が5回3失点で自身ワーストの11敗目。変化球の制球に苦しみ、マウンド上でもいら立った様子で4四球と自滅した。「無駄な四球が多く、野手のリズムを崩してしまい申し訳なく思います。それだけです」と言葉少なだった。打線も散発5安打で今季10度目の完封負けを喫した。
中国に10−0と7回コールド勝ち。4勝2敗とし、最終の米国戦を残して4強入りを確定した。先発涌井が2安打無失点、無四球で7回完投。安打を許した4、7回はいずれも併殺で切り抜け、21人で仕留めた。打っては2回にG.G.佐藤の右翼への先制二塁打を口火に矢野、西岡と3連続適時打で3点を先行。3回に稲葉の左中間適時二塁打、6回には西岡の右越え1号2ランと中島、新井、稲葉の3連続適時打で一挙6点を奪い、10−0とした。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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中国 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
日本 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 6 | x | 10 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 得 | 安 | 点 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | ||
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1 | 中 | スン・リンフォン | 3 | 0 | 1 | 0 | 三振 | 二ゴ | 左安 | ||||||
2 | 指 | ホゥ・フェンリャン | 3 | 0 | 1 | 0 | 三振 | 遊安 | 二併 | ||||||
3 | 右 | フェン・フェイ | 3 | 0 | 0 | 0 | 一ゴ | 二併 | 三振 | ||||||
4 | 遊 | ザン・ユフォン | 2 | 0 | 0 | 0 | 遊ゴ | 一ゴ | |||||||
5 | 捕 | ヤン・ヤン | 2 | 0 | 0 | 0 | 投ゴ | 一ゴ | |||||||
6 | 二 | リ・ライ | 2 | 0 | 0 | 0 | 三振 | 三振 | |||||||
7 | 三 | スン・ウェイ | 2 | 0 | 0 | 0 | 二ゴ | 二飛 | |||||||
8 | 左 | ワン・チャオ | 2 | 0 | 0 | 0 | 二ゴ | 二直 | |||||||
9 | 一 | ジア・ユビン | 2 | 0 | 0 | 0 | 遊ゴ | 三振 | |||||||
計 | 21 | 0 | 2 | 0 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 得 | 安 | 点 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | |||
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1 | 中 | 青木 | 3 | 1 | 0 | 0 | 二ゴ | 二ゴ | 三ゴ | 四球 | |||||
2 | 二 | 荒木 | 3 | 2 | 1 | 0 | 二ゴ | 四球 | 三ゴ | 右安 | |||||
3 | 遊 | 中島 | 2 | 1 | 1 | 2 | 遊飛 | 四球 | 死球 | 左二 | |||||
4 | 一 | 新井 | 3 | 1 | 1 | 1 | 中飛 | 投併 | 死球 | 右二 | |||||
5 | 右 | 稲葉 | 3 | 1 | 2 | 2 | 四球 | 左二 | 三ゴ | 右安 | |||||
6 | 三 | 村田 | 2 | 0 | 0 | 0 | 三振 | 死球 | 投ゴ | ||||||
三 | 森野 | 1 | 0 | 0 | 0 | 三振 | |||||||||
7 | 左 | G.G.佐藤 | 4 | 1 | 1 | 1 | 右二 | 中飛 | 三ゴ | 遊飛 | |||||
8 | 捕 | 矢野 | 2 | 2 | 1 | 1 | 右二 | 投ゴ | 四球 | ||||||
9 | 指 | 西岡 | 3 | 1 | 3 | 3 | 左安 | 捕安 | 左本 | ||||||
計 | 26 | 10 | 10 | 10 |
名前 | 投球回 | 打者 | 球数 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
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ワン・ナン | 2 0/3 | 12 | 54 | 3 | 1 | 3 | 0 | 4 | 4 |
リュ・ジェンガン | 0 2/3 | 2 | 9 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
スン・グォキン | 2 2/3 | 13 | 42 | 2 | 0 | 1 | 3 | 2 | 2 |
シュ・カイ | 0 0/3 | 4 | 22 | 3 | 0 | 1 | 0 | 4 | 4 |
グォ・ヨウファ | 0 2/3 | 3 | 15 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
名前 | 投球回 | 打者 | 球数 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
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涌井 | 7 | 21 | 73 | 2 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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カナダ | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 |
オランダ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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キューバ | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 |
韓国 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 1 | 1 | 0 | x | 7 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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台湾 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
米国 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | x | 4 |
危険な投球が左打席に立つ西岡の体付近に来た。それ以外も内角が多かった。中国バッテリーの攻めには何か勝負とは別の意図があるようにも見えた。
それは西岡も察知していたはずだ。4回の走塁に理由がある。一走の西岡は、青木の三ゴロによる併殺を阻止しようとした際、二塁に入った内野手の足元目がけて深く、強くスライディングを入れた。相手を負傷させるほどの激しさだったが「五輪には楽しむことを捨て、国と国の戦争のつもりでいく」という魂が込められていた。
内角攻めはその“対価”でもある。しかし「命を懸けて金メダルを取りにいく」と覚悟を決めていた男がひるむはずはない。カウント1−3からの5球目。速球に腰を引くことなく踏み込むと、右脇腹痛の影響など感じさせない鋭いスイングで振り抜いた打球は、軽々と右翼フェンスを越えた。ベースを回る姿には勝ち誇るでもなく、すごみと隣り合わせの静けさがあった。
2回には適時打、4回にはバント安打で出塁した。「けがは完璧に治っていない。今日は気持ちだけでプレーした」。勝って当然の相手に、ペナントレースとは異質のオーラをまとった男が打線を引っ張った。
「国際大会は戦争」という表現を使った西岡が、この日はまた別の言葉を探した。「大会前に命をかけてやると決めてましたから」。『肉離れ』という右脇腹痛を抱えながら、2ラン、適時打、バント安打。手負いの男が星野ジャパンの闘争心に火をつけた。
機動力不足で機能しない打線の現状から、自ら田淵コーチに「打つだけなら大丈夫」と出場を志願する。負傷個所に負担の少ない9番・DHでスタメンに名を連ね、2回の初打席でいきなり左前へ適時打を放った。4回にはバント安打で出塁し、青木の三ゴロに併殺を防ぐため二塁へ猛スライディング。相手セカンドを昏倒させ、6回、右翼ポール際への特大弾で試合を決めた。
「ケガをしてても出してくれた監督に感謝です。気持ちを入れれば、自ずと結果はついてくる。骨が折れてもやります」。鎮痛剤を多量に服用して臨んだ2試合ぶりのゲーム。試合後も痛みで顔を引きつらせ、最後に「野球の神様が見捨てなかったんでしょう」とつぶやいた。