わたしはかもめ2008年鴎の便り(8月)

便

8月22日

唐川が清原に挑戦状!…ロッテ[報知]

ロッテ・唐川侑己投手(19)が22日、オリックス・清原和博内野手(41)とのガチンコ対決を熱望した。

24日のオリックス戦(千葉)に先発するルーキーが、今季限りで引退する球界の大先輩に挑戦状だ。「子供の頃から、スターとして見ていたスゴいバッター。ぜひ対戦してみたい。楽しみです」。滅多なことでは一騎打ちに興味を示さないが、相手が清原となると話は別だった。

チームとしてもクライマックスシリーズ進出に重要な時期。4位オリックスを0.5ゲーム差で追走している。「配球の意味を考え、しっかり投げられれば打ち取れる」と自信をのぞかせた。また、周囲の力勝負を望む声も「球宴じゃないので、関係ないと思う」といなした。

清原の出番は試合終盤での代打が濃厚。約1ヶ月半も白星がなく、最近3試合は6回もたずに降板している右腕は「そこまで投げているかが問題」と気を引き締めた。先発の責任を果たした先に、夢の対決、さらに4位浮上が待っている。

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唐川、清原との22歳差対決に意欲![スポニチ]

ロッテのルーキー唐川が、清原との対戦を熱望した。24日オリックス戦(千葉マリン)に先発予定の19歳右腕は、ロッテ浦和で休日返上で調整。これまで対戦したい打者の個人名を挙げたことはなかったが清原の名前を聞くと目を輝かせた。「清原さんが出てくるのは終盤。そこまで投げていないと。僕が小さい頃からスターだったし、憧れの存在。凄く楽しみだし、ぜひ対戦したい」。7月11日楽天戦以来、白星から遠ざかっており「球宴とは違うし、勝負だから(清原に)直球だけという訳にはいかない」。22歳差の夢の対決に勝ち、勝利も呼び込む。

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北京五輪準決勝

◇韓国6−2日本(五ヶ松球場)

前回のアテネ大会に続いて全員プロ選手で臨んだ日本は、青木(ヤクルト)の左前適時打などで3回までに2点を先行した。だが、7回に同点に追い付かれ、8回には岩瀬(中日)が李承Y(巨人)に勝ち越し2ランを浴びるなど、計4点を失った。韓国先発の左腕・キム・グァンヒョンにも8回まで6安打2点に抑えられ、1次リーグに続いて敗れた。

123456789R
韓国1010000002
日本00010014x6
星野仙一監督
「いいリズムで来ていたけど…。終盤はしのぎあいだった。(8回の余分な失点に)選手はキレたりはしてません。3位決定戦で、何とか日本にメダルを持ち帰るしかない。」
矢野
「(阪神での藤川と比べ)そら、違いはあるやろ。気持ちの面で。みんなそう。」
荒木
「(相手投手は)立ち上がりは悪いかなと思ったが…。同じ選手に2度もやられるのは悔しい。また明日、切り替えないと。」
藤川
「紙一重のところでやっている。相手より力がなかったということ。あと1試合、自分の仕事を果たしたい。」
西岡
「負けたのは屈辱的。チャンスメークできた部分もあったが、チームが勝たなければ意味がない。」
川上
「(好投も)自分のピッチングどうのこうのじゃない。銅メダルを取るしかない。」
川崎
「自分は9回まで出たかった。悔しい。気持ちを切り替え、銅メダルを日本に持って帰る。」
宮本
「思いの強いところが金メダルを取ると信じてやってきた。認めたくはないが、向こうの思いが強かったのではないか。勝ち負けが全て。責任を感じている。本当に申し訳ない。」
ダルビッシュ
「今日は(ブルペンで)待機していたが、出番がなかった。残念です。」
韓国・李承Y
「(8回の2ランは)一、二塁間を狙った。後輩達の姿を見て感情が込み上げてきた。後輩は兵役が免除され、野球に集中できるはず。決勝は金メダルに向けてベストを尽くす。」
韓国・金監督
「決勝に備えて投手を温存したかったので、継投は同点にしてから考えようと思っていた。日本の選手は韓国と対戦する時はプレッシャーを感じているのではないか。」

◇打撃成績

打順守備名前1回2回3回4回5回6回7回8回9回
1西岡3220二安四球左安投ゴ
2荒木2000投犠投犠遊飛一邪
3青木3021四球左安左安三振
4新井4011投ゴ三ゴ遊ゴ左安
5稲葉4000一直三飛遊ゴ二ゴ
6三遊中島4000遊ゴ三振一直右飛
7G.G.佐藤3000三振投ゴ右飛
森野1000三振
8矢野3000三振二ゴ三振
阿部1000右直
9川崎2000遊ゴ一ゴ
打三宮本1010右安
31262
打順守備名前1回2回3回4回5回6回7回8回9回
1イ・ジョンウク4000中飛二直中飛遊ゴ
2イ・ヨンギュ4220投ゴ左安左飛左安
3キム・ヒョンス4020三振左安右安三振
4イ・スンヨプ4112三振二併三振右本
5キム・ドンジュ4120遊ゴ左安三振中安
6イ・デホ0000四球四球四球
走指チョン・グンウ1100中飛
7コ・ヨンミン4110一飛三振左安左失
8カン・ミンホ4011三振三振三振中二
9パク・ジンマン1000四球二飛
イ・ジンヨン1011右安
キム・ミンジェ1000三振
326104

◇投手成績

名前投球回打者球数安打三振四球死球失点自責
杉内3 2/31461332011
川上1 1/3523021000
成瀬139110000
藤川1627221011
岩瀬0 1/3416310032
涌井0 2/3414110010

名前投球回打者球数安打三振四球死球失点自責
キム・グァンヒョン83298652021
ユン・ソクミン139010000

◇キューバ10−2米国(五ヶ松球場)

123456789R
米国0001100002
キューバ00210106x10

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星野ジャパン最後の五輪で金消滅[ニッカン]

星野ジャパンの金メダルの夢が消えた。日本代表は22日の準決勝で宿敵・韓国と対戦し、2−6と敗れ決勝進出を逃した。1点リードした7回に藤川球児投手(28)が同点打、8回には岩瀬仁紀投手(33)が韓国4番の李承Y内野手(32=巨人)に決勝2ランを浴びた。星野仙一監督(61)の継投策が失敗した。12年のロンドン五輪では野球競技は実施されないため、最後の五輪で悲願の金メダルには届かなかった。23日(日本時間午前11時半)に米国と銅メダルをかけて3位決定戦を戦う。

金メダルの夢が破れた瞬間、星野監督はグラウンドに背を向けた。歓喜にわく韓国ベンチ。見たくない現実だった。

星野監督
「何かが足りないんだろうが、今はそれを言っても仕方がないだろ。全てはオレの責任だ。」

1次リーグから韓国に連敗を喫し、悲願の道は断たれた。日本代表監督に就任した際、「金メダルしかいらない」と言い切った男は一切の責任を背負った。

「総力戦でいく」継投が失敗した。悪夢の7、8回だった。1点リードの7回、韓国は5番金東柱から始まる攻撃で藤川を投入。しかし、藤川は代打李晋映に同点打を許した。続く8回は1次リーグで2敗と不振が続く岩瀬を投入。「投手はマウンドでしか立ち直れない」という信念を貫いたが、それも裏目に出た。無死一塁のピンチで五輪で初めてマウンドへ行き「1球1球大切にいけ」とゲキを飛ばしたが、岩瀬は李に決勝2ランを浴びた。

勝利の方程式が崩れ、チームは完全に動揺。G.G.佐藤が落球で致命的な5点目を献上した。藤川、岩瀬、上原は日本の必勝パターン。しかしその形にこだわったため、相手の流れを変える大胆な策を打てず結果的に後手に回った。

星野監督
「いいリズムで来ていたんだけどね。(8回、李の本塁打の)2点どまりであれば…。」

北京入り直後のこと。星野監督が「覚悟している」ともらした。チームの手応えをつかめないまま五輪本番を迎えたジレンマが隠されていた。当初はダルビッシュを「3試合投げさせる」方針を固めた。しかしダルビッシュは13日キューバ戦で5回途中4失点降板。実は五輪前の8日パ・リーグ選抜との強化試合で背中に張りを覚え、万全ではなかった。韓国との大一番でエースを先発に立てられなかったのは“誤算”だった。

五輪前に新井が腰痛、稲葉が臀部痛、田中が右肩痛、村田がのどの腫れで緊急入院。北京入りしてから川崎が左足甲痛を悪化させ、西岡が右脇腹痛と故障者が続出した。前回アテネ五輪では1球団2人までの人選だった。だが今回はフリーで選手構成の幅は広がったはずだが、今季活躍中の岩隈(楽天)らをメンバーから外し、故障がちな選手に固執して入れ替えはしなかった。その大量の故障者が調整不足を含め機能せず、固定のオーダーも組めなかった。

星野監督は誤算、悪い流れを自らのタクトで力に変えられなかった責任を痛感していた。24人の代表を決めた後に全員に送った手紙には「真夏の北京で季節外れの桜を咲かせよう」と記されていたという。その夢ははかなく散ったが「明日は何とか勝たなきゃ」と気持ちを切り替えた。23日は米国と3位決定戦。4年後のロンドン五輪では野球の種目がなくなる。輝く金は逃しても、意地にかけてメダルは持ち帰る。

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星野監督が来年3月WBC監督候補に[ニッカン]

日本代表の星野仙一監督(61)が、来年3月に開催される「第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」でも日本代表監督候補に挙がっていることが22日、分かった。球界関係者が明らかにした。五輪では準決勝で敗れ金メダルを逃したが、今後、同監督を中心に人選が進められ年内中に決定する。

06年に開催された第1回大会では、ソフトバンク王監督がマリナーズ・イチローらも参加したチームを率いて、決勝でキューバを下し優勝を果たした。第2回大会は前回同様に16カ国・地域が参加。アジアでは日本、韓国、台湾、中国が参戦する。準決勝、決勝は米ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われる。

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西岡2得点も「負けたのは屈辱的」[ニッカン]

1番DHでスタメン出場した西岡が初回、キムのストレートを二塁へ内野安打、先制のホームを踏んだ。この日は2安打3出塁2得点と1番打者の役割を果たしたが、勝利にはつながらなかった。「屈辱的な負け。チャンスメークできたが、勝たなければ意味がない」と試合後は悔しそうに話した。

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星野ジャパン金消滅…米と銅懸け対戦![スポニチ]

星野ジャパンの夢はアジアのライバルの前に打ち砕かれた。日本代表は22日、準決勝で韓国に痛恨の逆転負け。3回までに2点を先行し、継投策で逃げ切りに出たが、8回に5番手・岩瀬が李承Y(巨人)に決勝2ランを被弾した。日本は3大会連続の準決勝敗退。金メダルだけを目指し北京に乗り込んだが、厳しい現実を突きつけられた。23日、アテネ五輪に続く銅メダルを懸け、3位決定戦の米国戦に臨む。

敗北の瞬間を見届けると、星野監督はすぐにベンチ裏に消えた。予選リーグに続き、またも韓国に屈した。金メダルだけを追い求めてきた闘将は悔しさをにじませた。

星野監督
「選手達はよく頑張った。負けたのだから何かが足りないのだろうけど、1つ1つを分析してもせんないこと。全ては監督のオレの責任。」

3回までに打線が2点を先行し指揮官は継投策に出た。先発・杉内が4回に失点すると、川上を投入し、6回からは成瀬を起用した。逃げ切るはずだった。しかし、7回に藤川が同点打を浴び、そして8回を迎えた。

星野監督が送り出したのは、16日の韓国戦、20日の米国戦でいずれも敗戦投手となった岩瀬。先頭打者に左前打を許すと、自らマウンドに向かい、気合を入れた。実は指揮官は、右の5番・金東柱(キム・ドンジュ)から、20日の米国戦に先発し2回を投げたエース・ダルビッシュをつぎ込む考えだった。大野投手コーチは説明する。「(4番の)李承Yを抑えれば、次の5番からタイブレークの前(10回)までダルビッシュ。その後は上原だった」。だが、結果的に“一手”遅れた。本調子ではない左腕は1死後、今大会打率1割台の李承Yに決勝2ランを被弾。さらに守備も乱れてこの回4失点で勝負は決まった。岩瀬は目に涙を浮かべ「すみません」と声を絞り出した。

試合後の会見では韓国メディアから「なぜ岩瀬なのか?」との質問が飛んだ。星野監督は「それが私のやり方だ!」と強い口調で言い返した。前日は「総動員態勢で行く」と宣言したが、型にこだわり、ダルビッシュ、そして国際試合不敗の上原という“切り札”2枚を使うことなく敗れた。

正式競技となった92年バルセロナ大会以降では、96年アトランタの銀が最高。12年ロンドン大会では実施競技から除外され、今回が金メダル獲得の“最後”のチャンスだった。星野ジャパンのラストゲームは米国との3位決定戦。「残念というしかない。でも明日は勝って何とかメダルを持って帰りたい」。厳しい現実を突きつけられた闘将は必死に前を向いた。

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日本「金」消滅!星野監督「俺の責任」…野球[報知]

星野JAPANの金メダル獲得が消滅した。日本代表は準決勝で、1次リーグ1位の韓国から序盤に2点を先行したが、7回から登板した藤川が追いつかれ、8回には岩瀬が李承Yに決勝2ランを浴びるなどこの回、致命的な4点を奪われ、まさかの逆転負け。シドニー、アテネ五輪に続いて、3大会連続で決勝に進出できなかった。2012年のロンドン五輪で実施競技からいったん外れるため、最後となる大会で頂点を逃した日本は23日に3位決定戦で銅メダルをかけて米国と対戦する。

澄んだ青空は目に入らなかった。大騒ぎの韓国ナインに目をくれず、星野監督がグラウンドに背を向けた。「韓国は強かった。終盤はしのぎ合いだったけど、つまらない点を予選(1次リーグ)から与えていた。あそこが2点で止まっていたら。申し訳ない」。勝負師としては禁句の“たら・れば”が自然と出るほど、重くつらい敗戦だった。

完敗だった。序盤で2点を先行。先発の杉内を4回途中で下げ、川上から成瀬と小刻みな継投で韓国打線を6回まで1点に封じたが、肝心のトリプルストッパーが試合の流れを変えた。

1点リードの7回。まずは藤川が代打・李晋映に同点打を許した。左打者が並ぶ8回に岩瀬をつぎ込んだが、先頭の李容圭に左前安打。ここで星野監督はマウンドまで足を運び、ハッパをかけたが、1死後に不振の4番・李承Yに決勝2ランを浴びた。いったん肩を作った後、ブルペンでしばらく待機していた涌井を急遽リリーフへ送るちぐはぐさも重なり、さらにダメ押しの2点を奪われた。

「何もないです…」。今大会で3敗目を喫した左腕の目は真っ赤。主将の宮本や2失策したG.G.佐藤らが涙する姿は指揮官の胸に響いた。「あのような結果になったが、選手達はいい試合をしてくれた。あそこは岩瀬しかない。うちのパターンだから」と、懸命にかばった。

1次リーグ、準決勝で韓国に連敗。4強入りしたチームにここまで1つも勝てなかった。「何かが足りなかったから、このような結果になった。それを分析しても詮ないこと。全てはオレの責任です」。2日の直前合宿から11日間で大会に臨んだが、川崎、西岡、村田ら故障者が続出。昨年のアジア予選のような一丸となるチーム作りは時間的に困難だった。

8回、逆転され険しい表情の星野監督 闘将自身もこの大会に命を懸けていた。試合中には血圧が上がり、胃の粘膜が内出血を起こすようなストレスに襲われても懸命にタクト。北京に呼び寄せた主治医に点滴を打ってもらうこともあった。全て金メダルのためだったが、その夢ははかなく散った。

公開競技だった84年のロサンゼルス五輪で金メダルを獲得したが、正式種目となった92年のバルセロナ五輪以降は96年アトランタ大会の銀が最高。最後の大会で有終の美を飾れなかった。3位決定戦ではキューバに敗れた米国と対決。「何とかメダルを取って帰りたい。頑張ります」と指揮官。日本野球のプライドと闘志を結集し、最後は笑ってみせる。

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星野ジャパン、韓国に逆転負け金獲得ならず[サンスポ]

準決勝で日本は2−6で韓国に逆転負けを喫し、決勝進出を逃した。2点をリードしながら藤川(阪神)−岩瀬(中日)と継投した“勝利の方程式”が崩壊。正式競技では初、公開競技だった1984年のロス五輪以来となる金メダル獲得を目指した星野仙一監督(61)の夢はかなわなかった。日本は23日の3位決定戦(日本時間午前11時30分開始)で、キューバに敗れた米国と銅メダルをかけて対戦する。

唇をかみ、涙が頬を伝う…。日の丸戦士が、屈辱にまみれた。9回2死。阿部のライナーが韓国の右翼手・李容圭のグラブに収まった瞬間、金メダルへの道は断たれた。歓喜に沸く韓国ナインを横目に、星野監督は声を絞り出した。

星野監督
「8回が2点どまりであれば…。申し訳ないなと思っています。全ては、オレの責任。」

野球が12年のロンドン五輪で実施競技から除外され、今回が最後となるかもしれない大会。「金しかいらない」と必勝態勢で臨みながら、宿敵の前に敗れ去った。

2点リードも先発・杉内が4回に1点を返されると、星野監督は前日21日に宣言していた通り、総動員の継投に出た。藤川が7回に同点とされ、重苦しい空気の中、8回から岩瀬を投入。今大会の防御率10.39と不振の左腕は、李承Y(巨人)に2ランを打たれ、轟沈した。岩瀬起用には、会見で韓国メディアからも疑問の声が挙がった。指揮官は短く答えた。

星野監督
「それが、私のやり方です。」

同点とされた時点で、ダルビッシュもブルペンで準備を始めていた。総動員というならば、エース投入の選択肢もあったはず。1次リーグの韓国戦(16日、3−5で負け)の後、「オレの継投ミス」と選手に謝罪した星野監督は「他に誰がおるんや。7回以降はウチのパターンでいった」と形にこだわった。

監督として中日、阪神で3度リーグを制しながら、日本シリーズは全敗。短期決戦に弱い−といわれ続けた。4度目のチャンス、北京に賭けた。胸にしまっていたのは「盲目的になるな」という言葉。しかし大事な場面になるほど、情に走る。ベンチとブルペンとを結ぶ電話が壊れていたアクシデントも加わり、中日時代の教え子、岩瀬に雪辱の機会を与えた。

五輪前、代表24選手に「真夏の北京で季節外れの桜を咲かせよう」と記した手紙を送った。代表チームに従事することで収入を断たれた裏方さんらには、総額1000万円を超える“給料”を自腹で切った。闘将の「金」への熱い思いは、通じることなく散った。

「メダルを取って帰るためにも、頑張るしかない。明日(23日)は何とか勝たないと…」。銅メダルを目指す戦いが残っている。勝たなくてはならない。北京で戦った証しとするために。

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WBCどうなる!?日の丸監督人材難…ポスト星野は?[夕刊フジ]

野球日本代表は悲願の金メダル獲得に失敗。闘将、星野仙一監督(61)は、ONに匹敵するカリスマになり損ねた。次に気になるのは、半年あまり後に迫っている第2回ワールドベースボールクラシック(WBC)の監督が誰になるか。星野監督は若い世代へ禅譲する意向を示し、前任者の王貞治監督には体調問題が付きまとう。こうしてみると、球界が陥っている人材難が浮き彫りになる。

うちひしがれる球界に、第2回WBCが迫っている。来年3月5日には東京ドームでA組(日本、韓国、台湾、中国)の第1ラウンドが開幕する。監督の人選はどうなるのか。

ある球界OBは「王監督が引き受けてくれるなら文句なし。世界の王の威光があれば、イチローら大リーガーもその指揮下に入りやすい。親密な関係にある加藤良三・新コミッショナーから依頼されれば断りづらいかもしれない。ただ、体調の問題だけは本人しか分からない部分が多く、無理はさせられない」と複雑な表情だ。

一方で「星野は金メダルを逃して株を下げたのは確かだが、それでも広告効果を期待するスポンサーが納得する人気は、いまや余人をもって代え難い。要するに、ON、星野を除くと、適任者が見当たらないのが実情なんだ」とも。

星野監督は、ホームページ上で「最近あっちこっちで訊かれるから言っておくけれど、おれはWBCの監督まではせんよ」と宣言。「次は、もっと若い監督、若いスタッフでことに当たっていくべきだし、それが日本の球界全体にとっても自然な、そして必要な、大切な取り組み方というか姿というものだということじゃあないのか。いつまでもONだ、ONに代わって今度は星野だ、というようなそういう時期や巡り合わせはあるにはあったとしても、いつまでも堂々めぐりの人事というものは好ましくない」と記している。

とはいえ、その若い世代の顔ぶれが寂しい。43歳の古田敦也氏は、ソウル五輪銀メダリストの実績もあって早くから代表監督候補と目されていたが、ヤクルト監督の失敗で一気に評価が下がってしまった。今年51歳となる阪神・岡田監督、50歳の巨人・原監督にはそれぞれ全国的なインパクトがあるが、過去の実績で物足りない。いずれにせよ、帯に短し、タスキには長い人材ばかりだ。

ヤクルト関係者は「ウチの元監督がいいんじゃない?成績も安定していたし、日本一も経験しているよ」と、星野監督より1学年下にあたる若松勉氏を推すが、▲止まりか。

星野監督よりさらに一世代上の73歳の楽天・野村監督が「なぜ、代表監督の話が私の所に来ないのか」と色気を見せているのは興味深い。確かに監督としての実績は十分だが「不器用な性格が災いして付き合いが下手」と自認する性格から、マリナーズのイチローら大リーガーが協力するかが問題。A組の第1ラウンドは、今回も巨人の親会社の読売新聞社が主催するだけに、ヤクルト監督時代の因縁も影響するかもしれない。

過去3度日本シリーズに挑んで1度も日本一になったことのない星野監督が、短期決戦の五輪でまた敗退したことで、株を上げたのが中日・落合監督。極端な秘密主義は日本代表にそぐわない気がするが、「星野監督は、岩瀬が明らかに不調だったにもかかわらず、子飼いの選手にこだわった温情があだになった。短期決戦は、去年の日本シリーズで、完全試合を続行中だった山井をあっさり代えられる落合監督の方が適しているんじゃないの」(日本代表関係者)との声もある。

北京五輪日本代表の宿舎では、視察のために当地入りしたロッテ・バレンタイン監督が、星野監督と顔を合わせ、握手をかわし激励する姿が見られた。日本代表監督が、米国人でも問題はない。

こうして見ると、誰もが納得する代表監督候補というのはなかなか見当たらない。結局、ON、星野といった「昔の名前」に頼るしかないのか。迷っている時間はない。こうなったら、立候補者を募って国民投票でもしてみたらどうだろう。

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