ロッテは清水の今季2度目の完封勝ちで、本拠地での連敗を3で止めた。1回ズレータのタイムリーで先制。2回里崎の13号ソロ、5回今江の11号ソロで加点。先発・清水直は6回2/3まで安打を許さず。結局2安打3四球5奪三振で、両リーグトップの7完投勝利で今季日本ハム戦4戦4勝。自身6度目の2ケタ10勝目で、村田兆治の10度に次ぐチーム2人目。日本ハム先発・藤井は、7回3失点で自身3連敗で7敗目。ロッテ戦は06年から5連敗。なお315人目の1000投球回達成。チームは今季10度目の完封負けで、再び3位転落。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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海道日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | x | 3 |
これぞ危機管理能力のたまもの。28日の日本ハム戦でロッテ・清水が今季2度目の完封で2年ぶりとなる10勝目。7回2死までノーヒッターのオマケ付きだった。
「やってやろうと思ってた。でもあんなもんです」。プロ9年目で訪れた快挙達成のチャンスを逃しても淡々としていた。7回2死で小谷野に中前打を喫しても気持ちは切れない。続くボッツを投ゴロに封印。完封がかかった9回も走者を2人背負ったが、低めに集める丁寧な投球で06年以来の2ケタ勝利を達成した。
完全試合にしろノーヒッターにしろ快挙へのチャンスが途切れた瞬間の投手は緊張感と集中力がプッツン、崩れることが多い。だが、「投手はどこかで打たれるモノという意識を持ってないとガタガタくる。打たれた後が大事と思ってますから。それに今年は1本2本打たれてもいいという気持ちで投げてますから」と清水。この冷静さが白星に直結しているワケだ。
若い頃の清水といえば力でねじ伏せる熱投派。だが、今年1月に明美夫人が急逝し、悲しみのどん底に落ちた。
「明日死んで投げることができなくなるかもしれない。1本打たれても次に抑えればいいと思うようになった」。冷静に投げる投球術は、天国の夫人が贈ってくれたプレゼントかもしれない。
笑顔がはじけた。今季2度目の完封勝利で2年ぶりの2ケタ、10勝に到達。歓喜に包まれたロッテ・清水は「嬉しい」と心境をストレートに表現した。
日本ハムを相手に凡打の山を築いた。3四球は出したが、伸びのある直球、切れ味鋭い変化球を絶妙のコントロールで両コーナーに配した。7回2死から小谷野に中前打を許すまで、無安打の快投。「狙ってました。5回終わってからやってやろうじゃないか、と思っていた。こんなもんですよ」といたずらっぽい笑顔を見せた。
ノーヒットノーランの快挙は逃したが、絶好調投球で、わずか2安打にハム打線を封じた。
06年まで5年連続2ケタ勝利をマークし、抜群の安定感を発揮してきたが、昨季は6勝10敗に終わった。リベンジを誓った今季。「1つの区切り」としてきた2ケタ勝利に何としても到達したかった。だからこそ、「昨年はいいところを見せられず悔しかったけど、今はいいところを見せられている」と充実感を漂わせた。
チームの連敗を3で止めた右腕についてバレンタイン監督は「今日の試合は清水の試合。強い気持ちを持って、しっかり締めてくれた」と褒めたたえた。「(今後は)チームが苦しい時に勝てるようにしたい」と清水。チームのAクラス入りに向けて、右腕がフル回転する。
ロッテ清水が珍しくマウンド上で何度もグラブをたたき、小さく拳を握った。4月25日のソフトバンク戦以来2度目の完封で、2年ぶり6度目の2ケタ10勝をマークした。7回2死まで無安打無得点、最後は2安打完封と今季一番の内容で節目を飾った。
「実はノーヒットノーランを狙っていたんですよね。5回から『やってやろう』と思っていた。でも、こんなもんですよね」と、お立ち台で笑いを誘った。7回2死から小谷野に中前打を許し、大記録を逃したが集中力は切れなかった。9回1死一、二塁のピンチでは、稲葉、小谷野をオール直球で攻め続け、最後の力を振り絞った。
立ち上がりから丹念にコースをついた。初回、工藤、田中賢をいずれも際どい内角直球で見逃し三振。奪った5三振のうち4個は直球で見逃しだ。「(ホーム)ベースに乗せなくても審判がストライクを取ってくれるような切れのあるボールを投げられた」と胸を張った。5回以降はストライクゾーンで勝負して球数を減らす自在の投球で127球でまとめ上げた。
昨年は6勝10敗と不振にあえぎ、今年1月には愛妻が急逝する不幸にも見舞われた。「色々なことがありながらも、いい姿をチームメートやファンに見せられて嬉しい」とエース復活を印象づけた。
西岡が北京五輪から帰国後、初練習を行った。約1ヶ月ぶりにチームに合流し、ランニング、ノック、ティー打撃をこなした。右脇腹肉離れのため、当初は9月2日の西武戦で復帰予定だったが、チーム事情により前倒しとなり、30日の楽天戦を目指すことになった。「(ケガの状態は)北京で5割だったのが今は8割まで戻ってきた。最初はバレンタイン監督に休めと言われたが、前日夜に連絡があり『無理してでも出て欲しい』といわれた。北京では同じ気持ちで動けたので、同じ思いで戦いたい」と、チームのCS出場へ満身創痍で臨む覚悟だ。
これぞエースだ。ロッテの清水が今季2度目の完封で2年ぶりの2ケタ10勝目。ノーヒットノーランこそならなかったが、被安打わずか2。チームの同一カード3連敗を止めた。「意識した」のは3回で5回には「やってやろうじゃないか」。7回2死から小谷野に中前打され「こんなもんですよ」と苦笑いも堂々の内容。直球、変化球は切れ、制球ともに抜群だった。
06年まで5年連続2ケタ勝利も昨年は右肩痛もあって6勝止まり。エース復肩へ打たせて取る投球スタイルに切り替えた。内野ゴロはアウトの約半分の13個。リーグ2位タイの7完投がそれを物語った。同い年の親友・上原が先発復帰で勝ったことに「同じ日に勝てて良かった」とうれしそうな清水は「10勝は区切りですけど、まだ1カ月ある。チームの苦しい時に勝てるピッチャーでありたい」。CS圏内の3位・日本ハムまで3ゲーム差。完全復活したエースがCSへと導く。
北京五輪で右脇腹を肉離れした西岡が30日の楽天戦(Kスタ宮城)から復帰する。当初は9月2日、西武戦(千葉マリン)から復帰予定も連敗していたチーム事情から早まった。この日から練習を再開。守備練習とティー打撃を行い「北京では5割、今は8割ぐらい。でも北京ではやっていたし、チームでやれないのはおかしい。残り2割は気持ちでカバーします」と話した。
打球が力なく上がった瞬間、清水はもうガッツポーズしていた。「余力が残っていたので、MAXで行こうかなと思った」。最後は143キロの直球。小谷野の一邪飛で、自己最少となる2安打の完封劇を締めくくった。
つけいるスキを与えなかった。7回2死まで無安打。「3回くらいからやってやろうと思っていた。でも、こんなもんですよ」。小谷野に中前に運ばれて快挙を逃したが、2年ぶりとなる節目の10勝を、理想に近い投球で手にした。
ペース配分が絶妙だった。序盤のテーマは「チームを勢いづける」。2回までに見逃し3つを含む4三振を奪って、流れを引き寄せた。援護をもらった後は、省エネに徹し、以降の三振は1つだけ。受けた里崎からも、「制球もキレもあった。あれで打たれることはないでしょう」と、ほめ言葉しか出てこなかった。
この日、同級生で親交の深い巨人・上原が先発で勝った。「同じ日に勝てて嬉しいね。ファンの人も、汗だくで最後まで投げる彼を見たいんじゃないですか」チームの連敗を3で止め、クライマックスシリーズ争いに踏みとどめた背番号18は、自分も充実の汗をぬぐった。
清水が2安打完封で2年ぶり2ケタ勝利となる10勝目。あと一歩で無安打無得点という爽快投で飾った。
「狙ってたんですけどこんなもんですね」。コーナーを突く投球で2回までに4三振。3回から無安打を意識したといい、5回からは「やってやろう!」とギア全開。7回2死で小谷野に初安打の中前打を許したが、納得の投球だ。
この日東京ドームでは、同い年の大親友・上原が先発初勝利。「同じ日に勝ちがついて僕も嬉しい。苦しんだのも財産になるやろうね」とわがことのように喜んだ。「汗だくで完投、完封できる上原が早く見たいね」。今季6完投、2完封の右腕は、少しだけニッコリと胸を張った。
北京五輪で右脇腹肉離れを発症したロッテ・西岡が28日、練習を再開。雨のなかティー打撃、守備練習などを行い感触を確かめた。前夜に、30日からの楽天戦(Kスタ宮城)に帯同して欲しいというバレンタイン監督の意向を関係者を通じて聞き、早期復帰する決意を固めた。患部は「8割くらいの状態」といい、「北京で気持ちを入れれば動けたのにチームではできない、というのはおかしい」と気合十分。
ロッテ清水が2安打完封で2年ぶり6度目の2ケタ10勝をマークした。7回2死まで無安打無得点と今季1番の内容で節目を飾った。「5回からノーヒットノーランを狙っていた。でも、こんなもんですよね」と苦笑いだった。7回2死から小谷野に中前打を許したが、最後まで集中力は切れずに今季2度目の完封勝利。これでチームの連敗を3で止めた。