ロッテが2連勝、ヤフードームでの連敗を4で止め借金1とした。ロッテは5回、早川のエンタイトルツーベースで先制。1点を追う7回はオーティズの4年ぶり3度目の2桁本塁打となる10号ソロで同点、8回にはオーティズの2点タイムリーで勝ち越した。2人目シコースキーが4勝目。荻野が23セーブ目。多村が4月25日以来のスタメン復帰したソフトバンクは9回城所のタイムリー二塁打で1点差に迫るも及ばず。2人目・水田が昨年10月3日以来の黒星。チームは連敗で7月13日以来の勝率5割。2位オリックスと1.5ゲーム差は変わらず。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 2 | 0 | 5 |
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 4 |
勝ち越し打を放ったロッテ・オーティズ内野手(31)が、真剣な表情で語った。「この調子で勝ち続けてプレーオフに出たいんだ」。2位オリックスから4位に並ぶロッテ、日本ハムまで4チームが2ゲーム差にひしめく。クライマックスシリーズ(CS)出場をかけた戦いは大混戦。負けられない試合が続く中、ワンプレーが大きく勝負を分ける。
この日は8回の重盗だった。1死一、二塁で、打席には代打里崎。カウント2−2からランアンドヒットをかけ、里崎は見逃し三振になるも重盗となり二、三塁になった。バレンタイン監督は「併殺を避けるというより、2人を得点圏に置きたかった」。同点の終盤でも果敢に2点を狙った。9回に1点差に詰め寄られただけに、この作戦が大きかった。
この場面で2点適時打を放ったオーティズは、この日10号ソロを含む3安打3打点と活躍した。7月下旬から約1ヶ月間、に左股関節を痛めファーム調整を続けていた。1軍に戻ってからの6試合で24打数12安打6打点、3本塁打と大当たりしている。「いまは自分のスイングができている。この調子で1試合を大切に戦いたい」。オーティズに象徴されるように、ここにきてチームは調子を上げている。
連勝で借金1とし、5月3日以来となる勝率5割に王手をかけた。バレンタイン監督は「シーズン当初に話していた通り、パ・リーグは最後まで厳しい戦いが続く。今日だけでなく、これからも大変な試合が続くと思って戦っていく」と表情を引き締めた。自らの去就で騒いでいる場合ではない。今日勝てば、やはり5月3日以来となるCS圏内の3位に入る。
先発の成瀬は、またも勝ち星ならなかった。序盤から変化球がコースに決まり、速球とのコンビネーションもよかった。だが、5、6回と味方の得点直後に失点し、同点のままマウンドを降りた。成瀬は「状態は悪くない。(勝ち星がつかないジレンマは)ないといえばウソになるが、チームが勝ってクライマックスへ行くことが自分にも大事」と語った。北京五輪でチームを離れた時期もあるが、7月12日以来白星から遠ざかっている。
ロッテのオーティズが因縁のヤフードームで大暴れだ。7回に同点ソロを放つと8回は決勝2点打。7月25日に同球場で左股関節を痛めて約1カ月離脱。8月28日に戦列復帰以降は3本塁打を含む24打数12安打と快音が止まらない。「打てる球を待ち、タイミングが合い、自分のスイングができている」とオーティズ。チームは最大12あった借金を1まで減らし、7日も勝てばともに5月3日以来となる勝率5割復帰、3位浮上となる。バレンタイン監督は「最後まで厳しい戦いが続くだろう」と気を引き締め直した。
オーティズが7回に同点ソロ、8回2死二、三塁から決勝の2点適時打を放ち、チームを勝利に導いた。左股(関節を痛めていたが、復帰した8月28日からは24打数12安打、打率5割と絶好調。「2軍で調整中にバットの感触が良いと感じていた。自分のスイングができている」。3位のソフトバンクとの差は0.5ゲームに迫った。
お家騒動が鎮静化する一方で、チームは燃えた。去就問題が浮上しているバレンタイン監督はこの日、「その件について話すつもりはない」と発言を“封印”。そのおとなしさとは対照的に、ナインはシーソーゲームを打ち勝った。
キーマンとなったのはオーティズだった。7回に同点の10号ソロを放つと、8回には2死二、三塁から中前に勝ち越しの2点適時打。「上位争いをしている相手との2連戦、絶対負けられない」助っ人は猛打賞の活躍で、3位・ソフトバンクに0.5差と迫る勝利に貢献した。
指揮官は「大事な時期に打ってくれている」と、左股関節痛から復帰した8月28日以降、24打数12安打の打率5割のオーティズをたたえた。前夜はコーチ全員と決起会食を行ったボビー。クライマックスシリーズ出場へ、今は必死で指揮を執る。
相手の虚を突く、バレンタイン監督の真骨頂だった。同点の9回1死一、二塁。里崎のカウント2−2で、2人の走者を走らせる。救援したばかりの篠原、経験の浅い高谷の相手バッテリーは、打者に集中していたはず。里崎は直球で見逃し三振に倒れたが、完全にモーションを盗んでいたため、重盗は成功した。「2人を得点圏に進めようということ」。指揮官は、2点以上を奪いにいった攻めの采配を認めた。
2死ながら二、三塁。7回に同点弾を放つなど最近絶好調のオーティズを「好機が広がった」と奮い立たせ、勝ち越し2点適時打につなげた。
クライマックスシリーズ(CS)進出を競う両チームは、そこまで1点を激しく争っていた。しかも里崎は代打、二走・大塚は代走。あたかも動かずに、ワンヒットで1点を取りにいく姿勢を装いながら、ギャンブルともいえる作戦を、ベンチは敢行した。九回には1点差に迫られただけに、余計に効いたこの2点。攻めに攻めて、ロッテがCS争いに食らい付いている。
ロッテは2−3の7回に、先頭のオーティズの10号ソロで追いつくと、8回には重盗などで2死二、三塁とし、オーティズの中前打で2点を勝ち越した。ソフトバンクは9回に1点を返してなお無死三塁だったが、後続が凡退し、勝率5割に。
同点の8回1死一、二塁から重盗を成功させ「2人を得点圏に進めようということ」バレンタイン監督の采配が的中し、オーティズの勝ち越し打を生んだ。
ロッテ早川大輔外野手(33)が、先制二塁打を放った。5回2死一、二塁から、ホールトンが投じたチェンジアップを左翼線へ二塁打とした。早川は「2死からつくってくれたチャンスだったので何としても打ちたいと思っていた。必死に食らい付いていった結果、当たりはよくなかったけど、いいコースに飛んでくれました」と喜んでいた。