1982年以来27年ぶりに敵地での開幕となった西武が95年以来5度目の球団タイ記録となる開幕試合14安打を放ち、67年西宮球場での阪急戦以来42年ぶりに敵地での開幕戦を勝利で飾った。2年連続自身2度目の開幕投手・涌井は開幕投手として初勝利をマーク。ロッテは、井口の日本では、04年9月以来5年ぶりのタイムリーで先制するも、2年ぶり4度目の開幕投手・清水がボカチカのソロ、細川の3ランと、2本の本塁打で逆転され、05年から開幕戦は3連敗。清水は05年以来の開幕戦黒星で、開幕戦の成績が1勝2敗となった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 5 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
5年ぶり日本球界に復帰したロッテの4番井口資仁内野手(34)が千葉マリンで初安打初打点をマークした。0−0で迎えた3回2死一、二塁。カウント1−3から3球ファウルで粘った後の131キロ真ん中スライダーをとらえ、左中間を破る先制2点タイムリーを放った。「初ヒットが先制点につながって良かった。でも中押しがね…。明日勝って5割に戻したい」と4番の自覚十分に話した。
エース清水が1発に泣き5年ぶり開幕白星を逃した。2点リードの5回にボカチカに左翼越えソロ、6回に細川に逆転3ランを浴びてKOされた。「せっかく味方が先制してくれたのに不用意な1発を2本も打たれてしまった。最悪の結果。先発として1番やってはいけないこと」と、うなだれるしかなかった。オープン戦の防御率は12球団トップながら、6失点中5失点は本塁打による失点という不安材料を防げなかった。
2年ぶりの開幕投手のロッテ・清水は、6回に細川に3ランを浴びるなど6回途中4失点。毎回走者を置きながらも140キロ前半の直球を軸に粘りの投球を見せたが、チームを5年ぶりの開幕戦勝利に導けなかった。「せっかく味方が先制してくれたのに。最悪の結果」と肩を落とした。
食らいついた。3回2死一、二塁。井口はカウント1−3から、3球ファウルで粘った。最後は涌井の131キロのスライダーをすくい上げる。オープン戦でも打てなかった本拠地・千葉での初安打は、先制の左中間2点二塁打だ。「色々な球を見て粘ることができたので、うまくタイミングを合わせられた」。鳴りやまない大歓声に、右手をあげて喜んだ。
3月28日からの巨人2連戦で7打数5安打と復調したものの、オープン戦では6試合連続無安打を経験。しかし、日米通算13年目のベテランはこれも計算していた。「5年前にいた投手と大きくかわった。色んな投手の球が見るようにしている」。本来は積極的な打撃が持ち味だが、オープン戦は結果を気にせず、相手投手の特徴、持ち球を確認。王者に強烈なインパクトを残した。
5年ぶりの日本球界復帰戦を白星で飾れなかったが、「144試合のうちの1つ。明日まずチームに白星をつけたい」と淡々と振り返った。今度はそのバットでチームを勝利に導く。
ロッテ・井口資仁内野手(34)が2日、王者・西武に“開幕4番弾”をお見舞いすると誓った。日本通算150本塁打にあと1本と迫っているが「あくまで通過点ですが、いい形で打っていければ」。5年ぶりに日本で迎える開幕戦でインパクトを植え付ける。
オープン戦では千葉マリンで無安打だったが、ダイエー時代は「ライナー性の打球が右に伸びるので、やりやすい」と相性の良い球場の1つ。西武の開幕投手・涌井とは初対決だが、ビデオで研究を重ねてきた。「コントロールもいいし、変化球もいい。打席の中でしっかり攻略していきたい」と自信をのぞかせた。
バレンタイン監督も「彼が4番以外を打つ理由を探すのは難しい。目標である3割30本100打点を達成すれば、チームは優勝に近づく」と、井口のアーチに期待した。
勝利にはつながらなかったが、ロッテ・井口の打撃が光った。3回2死一、二塁で涌井から先制の2点二塁打。前打席では1球も振らなかった。初対戦の涌井の球筋を探るように、この打席でも4球目まで全て見送っていた。
メジャーでも初対戦の投手に瞬く間に対応した。それを彷彿させるように、既に数球見ていたスライダーを仕留め「色々な球を見て粘ることができたので、うまくタイミングを合わせられた」。5年ぶりの日本復帰にも、すんなりと順応しそうな気配だ。
パ・リーグは3日、開幕3試合の総観客動員10万2475人が、実数発表となった2005年以降の平日開催(交流戦を除く)では最多となったと発表した。これまでの平日の最多動員は、8万5150人。
ロッテのボビー・バレンタイン監督(58)が采配ミスを悔やんだ。「清水をもう少し早く替えていれば(細川の)本塁打による失点は防げたと思う。監督の采配ミス」と振り返った。2−1で迎えた6回1死一、二塁の場面で、昨年打率1割に抑えた細川を迎えたため続投させたが、高めに浮いた直球を逆転3ランされてしまった。清水は「せっかく味方が先制してくれたのに不用意な1発を打たれてしまった。最悪の結果。先発として1番やってはいけないこと」と反省しきりだった。
5年ぶり日本球界に復帰したロッテ井口資仁内野手(34)が、一振りで嫌なムードを吹き飛ばした。0−0で迎えた3回2死一、二塁。カウント1−3から3球ファウルで粘った後の131キロ真ん中スライダーを捕らえた。打球は左中間を破る二塁打で2者生還。千葉マリン初安打が先制2点適時打となった。
「少し詰まったけどいい所に抜けてくれました。初ヒットが先制点につながって良かった。ホッとしています」と笑顔で話した。
5年ぶりの日本球界に復帰したロッテ・井口が存在感を見せた。3回2死一、二塁で初対戦の涌井から先制の2点二塁打に「色々な球を見て粘ることができたので、うまくタイミングを合わせられた」とメジャーで培った対応力を見せつけた。
快音。白球が左中間を抜けていく。スタジアムは歓喜に揺れた。5年ぶりに日本球界に復帰したロッテ・井口が衝撃デビューだ。
0−0で迎えた3回2死一、二塁。カウント2−3から、涌井の変化球をジャストミート。二塁ベースに到達すると、3度手をたたき、控えめにガッツポーズ。笑顔で歓声に応えた。
昨オフに米大リーグ・フィリーズを自由契約となり、移籍先を模索。メジャーに未練はあったが熱烈ラブコールもあり、ロッテ入りを決断した。正式に入団が決まったのは、春季キャンプ直前の1月下旬。慌ただしい合流だった。
石垣島キャンプでは、誰よりも早い午前6時30分に朝食会場に姿を現し、全体練習の前に毎日約1時間のウエートトレ。メジャーの第一線で戦ってきた井口の『アーリーワーク』は、チーム全体に刺激を与えた。
そして、選手達は自主的に練習量を増やしていった。「プレーでチームを引っ張りたい」と井口。練習だけでなく、試合でも早速結果を出した形だ。
『3割、30本、30盗塁』のトリプルスリーが目標。「その目標をクリアできるように頑張りたい。しっかり準備はできました」。試合は終盤に逆転されたが、頼れる新戦力が、ロッテを力強く引っ張る。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。今季より新加入した井口資仁内野手(34)が座右の銘としている言葉である。
稲穂は実れば実るほど、重みで稲先を垂れ、頭を下げていく。そのことから、力がついて成功している時こそ謙虚に生きていきなさいという戒めを表現している。井口がこの言葉と出会ったのは大学2年の時。今も付き合いの深い知り合いから教えられて以来好んで使っている。
「プロ野球選手というのは野球で活躍すればすごく評価されるけれど、それはすなわち人間的に偉いということでは絶対にない。その辺を勘違いしないようにしたい。ちゃんと頭を下げる時は下げて生きていきたい、という思いがある」。
プロ野球選手にはそれぞれに色々な座右の銘があるものだが、このような戒めの言葉を好んで使う選手は、あまり知らない。公私共に井口は素晴らしい、とされる理由が私にも分かった気がした。だからこそ、井口という選手を紹介するこの記事では、そのことを中心に書こうと思った。
「これぐらいの年になると経済界の偉い人とお会いする機会も出てくる。やはり、社長とか会長とかと言われる人ほど礼儀がしっかりとしているように感じる。その度に大学2年の時に教えてもらったこの言葉を思い出す。自分もそうありたいと考えている」。
どうしても人間はある程度の力がついてくると、周囲への感謝を忘れてしまいがちである。プロ野球選手も実績や収入で、「自分は偉い」と勘違いをしてしまうケースはある。だが、どれだけ優れた能力を発揮しても、それは親などの家族や恩師、仲間など周りの助けや親切、愛情が重なりあった上で成り立っているはずである。それを忘れ、周囲への謙虚さを持たずに生きている者は、何とむなしく悲しい存在であろうか。井口は自らの振る舞いを見せることで、千葉ロッテマリーンズというチームの模範になろうとしている。
「井口君には選手としてはもちろん、精神的な部分でもチームにいい影響を与えてくれると思っている。あらゆることで若手の良い見本になる存在であるし、そのようになってくれることを期待している」。入団が決まった時の瀬戸山球団社長の言葉である。その意味は春季キャンプ、オープン戦と井口と共に日を重ねるうちに周囲の誰もが納得するようになってきた。
ホークス時代には3度の優勝を経験。米国に渡った05年にはシカゴ・ホワイトソックスで活躍し、世界一にもなっている。だが、世界一戦士ながら謙虚。時にはふと立ち止まって、自分を成長させてくれた人々、支援してくれる人々を思い浮かべ、感謝をしている。背番号「6」を背負う井口はそのような人間だ。大きな新戦力を得て、千葉ロッテマリーンズの新シーズンが始まる。さあ開幕である。(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)
プロ野球の09年シーズンが、今日始まる。日本代表のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)連覇で、野球が注目されたばかりの、いいタイミングでスタートする。巨人戦を放映する日本テレビも、開幕3連戦は、昨季は少なかった放送延長をするそうだ。野球嫌いの方には申し訳ないが、一ファンとしては、ちょっとほっとする。
開幕戦は毎年、特別な雰囲気に包まれる。選手もどうしたって緊張するし、開幕イベントもあるし、第一、野球記者の格好が違う。いつもならセーターにパーカといったラフなスタイルの記者も、開幕日だけは、男性なら多くがスーツにネクタイを締めてやってくるのだ。
開幕はプロ野球の正月だから、きちんとした格好で迎えましょう、ということ。先輩から後輩に受け継がれてきた、一種の不文律みたいなものだ。多少とも開幕の雰囲気醸成には貢献していると思っている。
開幕日ならではの、自主的なドレスコード(服装規定)ともいえる。ところが、シーズンを通してドレスコードを記者に求めてきた球団があるときいて、びっくりした。少し前にロッテの担当記者に「マスコミの皆様へのお願い」というタイトルのメールが届いた。発信元はロッテ球団のスタジアム部。
球場内のマナー向上の「お願い」だそうで、具体的には2項目。1つは言葉遣い。選手らへの取材では、敬語・丁寧語を使うこと、という。取材相手に対して乱暴な言葉を発する記者がいるとは思えない。親しい間柄になると「調子はどう?」などと友達口調になるけれど、それもマナー違反…?
もう1つが服装に関すること。清潔感のある服装で、という。そして「スタジアム内ではジーンズ、ジャージーでの取材目的のご来場は禁止させていただきます」ときた。言葉は丁寧だが、命令だ。私も個人的にジャージーには違和感を感じるが、ジーンズ禁止は理解できない。
例えば高級レストランでの、ネクタイ、上着着用、といったドレスコードは、限られた空間の雰囲気を保つ、という理由がある。雰囲気に合わない格好の人がいると、他の客も安心して料理を楽しめないから迷惑になる。でも、野球場でのジーンズが、雰囲気を壊すだろうか。ロングドレスやタキシードや振り袖の方が、よほど変。タキシード禁止も、千葉マリンスタジアムの記者席ドレスコードに盛り込みますか?(専門編集委員=冨重圭以子)