今季敵地で9勝18敗と負け越しているロッテが“宇宙規模”のビジター対策を行う。米航空宇宙局(NASA)に寝具メーカーで唯一認められているテンピュール・ジャパン社から、50人分の移動用枕を提供されることが22日、分かった。
テンピュールの枕は体温と体圧で、疲労回復に効果のある形に変化する。ロッテは今年からスポンサー契約を結び、千葉マリンの一、三塁ベンチに同社製のクッションを敷いていた。移動用枕について同社の広報担当は「移動中だけでなく遠征先のホテルで使って頂ければ」と説明した。
総額100万円のプロジェクトに、選手は満面の笑みだ。井口はテンピュール抱き枕の愛用者。最近は長女・琳王ちゃん(9)と取り合いになっているという。交流戦で打率を2分8厘落としただけに「ほんとですか?ありがたい」と笑った。
26日の日本ハム戦(千葉)前に授与式が行われ、30日の西武戦(西武D)から使用可能。球団関係者が「移動距離の長い遠征もこれで楽々」というアイテムで、ロッテが巻き返しを図る。
ロッテが「首枕」で内弁慶を克服する。交流戦終了時点で、ホームは17勝14敗の貯金3に対してビジターは9勝18敗の借金9と差は歴然。移動が多いパ・リーグの選手にとって移動を快適に過ごすことがプレーにも直結する。そこでテンピュールジャパン社が移動中の負担を軽くするために首枕50個を提供して、ビジターでの勝率アップにひと役買うことになった。7月7日の楽天3連戦(福島・仙台)から、1軍選手、コーチ陣、スタッフに配布される。
遠征中にマイ枕を持参するほど体のケアに努めている福浦は「ありがたいですね。今まで移動中は毛布を腰に当てるくらいで、首はやっていなかった。首の寝違えもなくなるし移動が楽になる」と歓迎した。レギュラーシーズンが再開される26日以降は、27カード中半数以上の14カードがビジターというハードスケジュールだけに、大きな武器になりそうだ。
リーグ戦再開後に先発ローテを再編する可能性が出てきた。交流戦中は先発7人で回しながら、登板間隔が空く先発陣はブルペンで待機させていた。だが大嶺が調子を落としていることもあり、再開後は本来の6人に戻す布陣も模索中。井上投手コーチは「先発陣が安定してきたから、中継ぎを厚くして先発と中を入れ替えるかもしれない。あとは監督の判断」と、5位から浮上するための磐石の態勢を整える。
テンピュール首枕が巻き返しの“秘密兵器”だ。ロッテは26日にテンピュール・ジャパン社から1軍選手、スタッフ用に50個提供されるコンパクト枕を遠征移動時に使用する。今季はホームで貯金3もビジターは借金9と敵地で苦戦。枕にこだわりを持つ福浦は「寝違えがなくなるし、ありがたい。移動が楽になる」。千葉マリンのベンチ、ロッカーには今季から同社のクッションが置かれており、今後は抱き枕などの導入も検討される。
ロッテが来季の新コーチとしてBCリーグ・石川の金森栄治監督(52)と韓国・サムスンの長嶋清幸打撃コーチ(47)の招聘に動いていることが22日、分かった。球団では今季限りでの退団が決まっているバレンタイン監督の後任人事と並行して、コーチングスタッフの組閣に着手。複数球団でコーチを歴任している両氏の指導力を高く評価。ポストは金森氏が1軍、長嶋氏は2軍が有力視される。
瀬戸山球団社長は「次期監督を含め、まだ何も決まっていません」と語るにとどめたが、複数の関係者によると非公式ながら既に水面下で両氏にコーチ就任を打診しているという。バレンタイン監督の後任は未定ながら、来季は高橋現1軍打撃コーチの2軍監督就任が決定的。ナインの信頼が厚い高橋コーチの後任人事は重要な命題だ。
軸足に体重を残し、右打者なら右腰近辺まで球を引きつけて打つ打撃理論を推奨する金森氏は、コーチとしてヤクルトで97年日本一、西武では02年リーグVをサポート。西武で指導したカブレラ(現オリックス)、和田(現中日)、またダイエーのスコアラー時代に当時の王監督の依頼を受けて助言を送った城島(現マリナーズ)、井口(現ロッテ)ら球界を代表する多くの選手が師匠と慕っている。チームでは今季新加入した井口の打撃に影響を受けている選手が多く、金森氏が入閣すれば攻撃陣の大きな力となるのは間違いない。
一方の長嶋氏は高橋コーチと旧知の間柄。現役時代から兄貴分と慕っており参謀役も期待される。高橋コーチが西岡らを鍛え上げてチームは05年に日本一に輝いたが、以降は若手が伸び悩み低迷の一因となっている。コーチとして03年に阪神、04、06年は中日のリーグ優勝に貢献している長嶋氏に若手育成を託す方針だ。
今季の「日本生命セ・パ交流戦」は21日に終了。1試合の平均観客動員は2万6072人と過去最高だった。連覇を果たしたソフトバンクの選手に贈られる交流戦MVP(賞金200万円)は24日に発表されるが、実施5年目の交流戦をデータで振り返りながら総括する。
セ、パ両リーグは22日、交流戦の観客動員数を発表。1チーム24試合制になってから、平均観客動員数は3年連続で増加した。
セ・リーグは前年比3%増。広島が新球場効果も重なり同40%増。リーグ2位と躍進が目立つヤクルトも同16.4%増となった。パではオリックスが成績低迷などもあり同12.9%の大幅ダウンになるなど、リーグ全体で前年比2.8%減。
22日から4日間の予備日程が組まれているが、今季は交流戦実施以来初めてこの期間に試合が行われない。シーズン中にこれだけのブランクは異例。それでも連盟関係者は「今季は順調だったが、来季以降も同程度の予備日は必要」と話した。スポンサーとの兼ね合いもあり、来季も交流戦は24試合制で同時期に行われる予定だ。
09年交流戦観客数 | ||||
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球団名 | 試合 | 観客数 | 平均 | 昨年平均 |
巨人 | 12 | 500236 | 41686 | 40984 |
阪神 | 12 | 485837 | 40486 | 43255 |
ソフトバンク | 12 | 389317 | 32443 | 33131 |
中日 | 12 | 357832 | 29819 | 31854 |
日本ハム | 12 | 348104 | 29009 | 29597 |
西武 | 12 | 301159 | 25097 | 24933 |
広島 | 12 | 290621 | 24218 | 17293 |
ロッテ | 12 | 271209 | 22601 | 23147 |
オリックス | 12 | 216619 | 18052 | 20731 |
楽天 | 12 | 201558 | 16797 | 14432 |
ヤクルト | 12 | 201558 | 16797 | 14432 |
横浜 | 12 | 179998 | 15000 | 15339 |
合計 | 114 | 3754428 | 26072 | 26017 |