ロッテが2度目の4連勝、オリックス戦4連勝、千葉マリンでも4連勝となり2カード連続の勝ち越し。ロッテは1回西岡が今季7本目の先頭打者本塁打となる13号ソロを放ち先制。シーズン7本の先頭打者弾は球団新記録。3回には福浦の6号ソロで、4回には西岡の2点二塁打で加点。西岡は2安打3打点を挙げる活躍。勝ち投手は先発・清水直で、07年からのオリックス戦の連敗を5で止め6勝目。オリックスは3連敗で3カード連続の負け越し、借金は今季ワーストの29。負け投手は先発・平野でロッテ戦3連敗、千葉マリンでの連敗は4となった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
千葉ロッテ | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | x | 6 |
ロッテ西岡剛内野手(25)が心ないファンに異例の訴えをした。1回に球団新記録となる今季7本目の先頭打者弾を放つなど2安打3打点でチームの4連勝に貢献。試合後のヒーローインタビューでは、試合中にフロント批判の横断幕を掲げていた一部ファンに対して「選手は一生懸命プレーしている。本当にロッテを愛しているのなら明日から横断幕を下げて欲しい」と、プレーに集中したい正直な気持ちを吐露した。
西岡が一部の過激なファンの行動に対して、沈静化を求めた。インタビュアーからマイクを奪うと、お立ち台から下りてライトスタンドに向き直った。恒例のヒーローインタビューが、異例の演説に早変わり。「僕たち選手は一生懸命プレーしている。スタンドには将来、野球選手になりたいと願う子供達もたくさん来ている。そこで許されないような言葉で書かれた横断幕を出したり…。子供達の夢を壊さないでください。僕自身この成績で言える立場じゃないけど、1人の人間として間違っていると思う」と、時折声を詰まらせながら訴えかけた。スタンドから拍手が起こり、涙ぐむファンの姿もあった。
熱心な応援スタイルで「日本一」ともいわれるロッテファン。だが、今年はシーズン開幕直後からバレンタイン監督の続投を求めるメッセージボードや、格差トレードを含めたフロントのやり方に対する批判の横断幕が掲げられた。7月下旬に同監督が今季限りでの退団を表明したことで沈静化したが、残り9試合となった前日25日のオリックス戦から再燃。この日も攻撃中にフロント批判の横断幕が掲げられていた。
西岡は「初回に打席に入った時から目に飛び込んできて、イライラした」と言う。その怒りが、今季7本目の先頭打者弾となり、複雑な気持ちでダイヤモンドを1周した。さらに4回には、雑念を断ち切るように中押しの2点適時打をマーク。「とにかく集中したい」という言葉を繰り返した。
ファンへの思いが強いからこその発言でもあった。大阪桐蔭からロッテ入りした時に「最初はロッテといわれてもよく分からなかったが、ファンの熱い応援を見て好きになった」と振り返る。それだけに一部ではあるが、心ないファンの行動が許せなかった。「勇気がいったけどこれで感じてくれたらと思う。ファンが選手を信じているように、選手もファンを信じます」。西岡の勇気ある行動で一連のお家騒動に決着がつけばいいのだが。
ロッテ西岡が今季7本目の先頭打者本塁打。72年福本(阪急)86年石毛(西武)96年デューシー(日本ハム)がマークしたパ・リーグ記録(8本)にあと1本で並ぶ。ロッテでは67年石黒和弘の6本を上回る球団新記録となった。西岡が先頭打者本塁打を放った試合は7戦全勝(先頭以外を含めても13戦全勝)。シーズン7本以上の先頭弾を放った延べ11人のうち、全て勝利は西岡だけ。
先頭打者弾シーズン7本以上 | ||
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本 | 選手名(所属) | 年 |
9 | 高橋由伸(巨人) | 07 |
8 | 福本豊(阪急) | 72 |
ヒルトン(ヤクルト) | 78 | |
石毛宏典(西武) | 86 | |
デューシー(日本ハム) | 96 | |
緒方孝市(広島) | 99 | |
7 | 松井稼頭央(西武) | 02 |
今岡誠(阪神) | 03 | |
松井稼頭央(西武) | 03 | |
仁志敏久(巨人) | 04 | |
西岡剛(ロッテ) | 09 |
選手会長を務めるエース清水も西岡の発言を支持した。「剛1人の言葉じゃなく選手全員の言葉。ファンには感謝しているし、色々な思いがあると思うが、純粋に選手を応援して欲しい」と話した。この日は7回0/3を2失点に抑え6勝目を挙げた。「チームがこういう順位で責任を感じているが、みんな全力でプレーしている。温かい声援をかけてくれるとありがたい」と話した。
リーグ記録にあと1本と迫る今季7本目の先頭打者弾。西岡は四回にも2点二塁打を放ち、チームを勝利に導いた。
ファンの声援を浴びながら上がったお立ち台では、マイクを握って思いをぶちまけた。相手は低迷の責任を球団に求め、球団幹部を中傷する横断幕を掲げる右翼席の一部ファンだった。
「野球少年がたくさん来ています。子供達の夢を壊さないでください。明日から横断幕は下げてください。(横断幕の)『死刑』という言葉は許されない」。お立ち台を降りてからも右翼席のファンへの訴えは続いた。
昨季末から続くバレンタイン監督と球団の確執にファンが反応した。7月下旬に監督自らが来季は指揮を執らないことを発表してから沈静化していたが、シーズン終盤になって再び球団批判の横断幕が並ぶ。この日はついに怒りを抑えきれなかった。「イライラして打席に入って、そこ(右翼席)に打ち込んでやろうと思った。僕らにも責任はある。ものを言える立場じゃないけど、人間として間違っていることがあると思う」。異例の直訴はファンに届くか−。
ロッテ・西岡がお立ち台で一部の心ないファンへ怒りをあらわにした。初回、42年ぶりに球団記録を更新するシーズン7本目の先頭打者弾を放ったが、「オーナー代行、フロントの引責解任をお願いします」などとフロントを批判した横断幕を掲げるファンに落胆。「野球少年の夢を壊さないでください。ロッテを愛してるのなら、明日から横断幕を下げてください」と懸命に訴えていた。
何度も声を詰まらせたロッテ・西岡の目は心なしか潤んでいた。マイクを手にお立ち台を降りると、右翼席のファンに向かって訴えかけた−。
「選手のプレーを見て、将来プロになりたいと夢見る子供達も見に来ている。ああいう中でプレーしたいと思う少年はいない。子供達の夢を壊さないでください。本当にロッテを愛してくれているのなら、明日から横断幕を下げてください」。
異例の行動に球場全体は静まり返った。スタンドには涙を流すファンもいた。前日から右翼席には低迷の責任を球団に求める横断幕が並んだ。この日も特定の球団幹部の名を挙げ「死刑」などフロントを批判する横断幕が出た。「イライラして、そこに打ち込んだろと思って振ったら、たまたまホームランになった」。球団新記録となる今季7本目の先頭打者弾。4回にも2点二塁打を放った西岡は、打球に怒りを込めたと強調した。
チームは5位以下が確定。今季はバレンタイン監督と球団の確執がファンにも飛び火。騒動が頻発してきただけに、西岡も不満を募らせていた。「成績が悪いのは僕ら選手にも責任がある。不平不満が出るのは分かるけど、日本一のファンと言われているんだし、どんな状況でも純粋に選手を応援して欲しい」。ファンが大切な存在であるのは分かっている。「でも選手間ではプレーしながら残念という言葉もあった。ただ誰も言えない状況やったから…」。批判を受けることを覚悟の上で声を上げた。
「今年はこんな成績で、こういうことを言える立場じゃない。勇気がいったけど、1人の人間として間違っていると思って言わせてもらった」。ベンチ裏の通路でも、西岡は先頭打者弾の質問を遮って続けた。「ファンは選手を信じているから応援してくれる。僕らもファンを信じたい」。来季の巻き返しへファンの力は必要不可欠。球団、選手、ファンが一体となる重要性は誰もが感じている。
僕自身もそうなんですけど、選手は一生懸命プレーしようとしているし、僕自身、ロッテに入ってファンの方の応援を見てこのチームを凄い好きになりました。
でも、ライトスタンドに批判があったり、色々な横断幕が出たり、僕ら選手にもそういう状況にさせてしまったという責任があると思う。今日も野球少年がいっぱい見に来ていると思います。選手1人1人のプレーを見て夢を描く子供達もいると思うし、そしてスタンドの歓声を聞いて、大人になったらこういうところでプレーしようと思って頑張っている子供達もいると思います。その子達の夢を崩さないでください。
僕自身も今年こういう成績で、言える立場じゃないですけど、1人の人間として間違っているものはあると思うので。もう1度選手1人1人も考え直して、このチームをもう1回強くしたいと思うし、そのためにはファンの皆さんの応援も凄く必要になると思うので、本当にロッテを愛しているのであれば、明日から横断幕を下げて欲しい。また明日から応援の方よろしくお願いします。
マウンドを降りるとおとなしいロッテ・根本が遠慮気味に本音を漏らした。
「やっぱり、いつかは先発で…」。左のエース成瀬と同い年の2年目左腕は、好救援した23日のソフトバンク戦(ヤフードーム)でプロ初勝利。電話やメールでの祝福が数十件、覚えきれないくらい届いたという。昨季は中継ぎで25試合に登板も0勝3敗。今季は2軍暮らしが続く中、新球チェンジアップに磨きをかけてファームではクローザーも務めてきた。
貴重な左のセットアッパー候補だが、横浜商大時代まで先発、抑えとフル回転しておりスタミナには自信がある。「制球面でもレベルアップを感じます。今は与えられたところで、しっかりやりたい」と最初は控えめなコメントを続けていたものの「いつかやりたい役目は?」としつこく質問を重ねられると、照れながら本音を明かした。
ロッテのエース清水が7回0/3を2失点に抑えて6勝目を挙げた。「首を痛めてからあまり調子が良くない中で、よく投げたと思う」と振り返った。カット、シュートを巧みに織りまぜ、10安打ながら2失点と要所を締めた。「チームがこういう順位で責任を感じているが、みんな全力でプレーしている。ファンの皆さんも温かい声援をかけてくれるとありがたい」と話した。
西岡はリーグ記録にあと1と迫る先頭打者弾に「イライラして打席に入って、そこに打ち込んでやろうと思った」。この日の右翼席には、低迷の責任を球団に求め、特定の幹部を中傷するなど多数の横断幕。打球に怒りを込めたと強調した。
今季はバレンタイン監督と今季限りでの退任を決めた球団の確執がファンにも飛び火。騒動が頻発してきただけに、西岡も不満を募らせていた。「ああいう中でプレーしたいという少年はいない。子供達の夢を壊さないで欲しい。(横断幕の)『死刑』という言葉とかは許されない」。試合後はお立ち台から降りて右翼席に訴えるほどだった。
ロッテ西岡が今季7本目の先頭打者弾をマークした。1シーズン7本は東京時代の67年石黒の6本を上回る球団新記録となった。初回、オリックス平野の141キロ直球を右中間席へ運び新記録を樹立。「ホームランを打つのはもちろん嬉しいけど、やはり先制できてこちらに流れを呼び込むことができたのが嬉しい」とフォア・ザ・チームを強調した。