ロッテがドラフトの上位指名候補として、トヨタ自動車の大谷智久(24)をリストアップしていることが25日、分かった。1位候補に花巻東・菊池を挙げているが、球団関係者は「早大では故障がちだったけど、トヨタで伸びた。今の力で十分に中継ぎ陣に入れる力を持っている」と、即戦力右腕として高く評価している。
大谷は02年のセンバツV投手。早大ではリーグ戦制覇を4度経験し、トヨタ自動車では昨年の日本選手権でチームを2連覇に導いた。スライダー、フォーク、シュートなど多彩な変化球を制球良く投げ分けるのが身上だ。
1位候補の花巻東・菊池は競合必至。先発ローテの左腕は成瀬だけで、外れ1位候補にはトヨタ自動車・中沢、慶大・中林、智弁和歌山高・岡田ら左投手を挙げている。投手力強化はV奪回へのカギとなるだけに、ドラフト直前まで入念に調査を進める。
インディアンスは25日、次期監督にナショナルズ前監督のマニー・アクタ氏(40)の就任を発表した。3年契約で2013年は球団が選択権を持つ。アクタ氏は07年から率いたナショナルズでは今季途中に成績不振を理由に解任されるまで158勝252敗だった。インディアンスは新監督候補として、プロ野球ロッテ前監督のボビー・バレンタイン氏らと面談を行っていた。
12球団で最も地味で、庶民的で、腰の低いロッテ・西村徳文監督(49)が鹿児島秋季キャンプで始動している。
指揮官としてチームに初合流した22日は、両リーグのクライマックスシリーズ真っ盛りとあってほとんど話題にならなかったが、無名の存在から首位打者1回、盗塁王4回まで上り詰めた猛練習を徐々にナインへ浸透させていく意向だ。
一方で、「(選手達と)改めてコミュニケーションを取りたい。ざっくばらんな話をするなら、ホテルの自室に呼ぶよりそっちの方がいいでしょう。現地集合、現地解散でいきますよ」と、選手を鹿児島きっての繁華街・天文館に連れ出し、“居酒屋ミーティング”としゃれ込むつもりでいる。
シーズン中も、「監督室にはソファもあることだし、トレーナー室が埋まっているようなら、(選手達は)寝っ転がりに来ればいい。その時には、僕は別の所へ行っていてもいい」と、前代未聞の監督室開放まで口にするほど。
決して上から目線でない所は、いかにも今どきの若い選手に受け入れられそうだが、「新主将に任命した西岡、里崎ら個性派ぞろい。ナインの“暴走”を未然に防げるかどうか」(球団関係者)と懸念する声もない訳ではない。
出身は宮崎だが、監督としてスタートを切った鹿児島はくしくも社会人時代(鹿児島鉄道管理局)を過ごした第2の故郷。「勤務先は国鉄(JRの前身)の鹿児島駅で、あらゆる雑用をやりました。もちろん構内の掃除もね」と振り返る。
掃除係からプロ野球の監督へのシンデレラ・ストーリーだが、昔の気持ちを忘れていないことが立ち居振る舞いに表れている。胴上げのハッピーエンドまで描き切ることができるか。