わたしはかもめ2010年鴎の便り(3月)

便

3月26日

千葉ロッテ9−1北海道日本ハム(千葉マリン)

一発攻勢のロッテが3連勝。1回に新人、荻野貴がプロ初本塁打となる逆転2ランを放つなど、計3本の2ランで4回までに7点を奪った。先発の成瀬は緩急を操り、8回1失点で今季初勝利。日本ハムは八木が5回9失点と乱れた。

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北海道日本ハム1000000001
千葉ロッテ20142000x9

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「西−荻」弾!新1、2番でロッテ3連勝[ニッカン]

「西−荻」コンビが活躍したロッテが3連勝だ。本拠地初戦で快勝。1番西岡剛内野手(25)、2番のルーキー荻野貴司外野手(24)が打線を牽引した。1回に荻野貴がプロ1号となる逆転2ランを放てば、西岡も4回に1号2ランのそろい踏み。西村ロッテの快足コンビが「目玉」となる。

ロッテの「西荻コンビ」、1番西岡と2番荻野貴が、本拠地開幕を激勝に導いた。1点リードを許した直後の1回だ。先頭の西岡はいきなり右中間を破る三塁打。東京・西荻窪の五日市街道は年中渋滞だが、この男は縦横無尽に加速する。三塁上でガッツポーズだ。続く2番がドラフト1位ルーキー荻野貴。カウント1−3から八木の甘い直球に襲いかかった。手のひら分、短く持ったバットを、コンパクトに振り抜くと、左翼席に運ぶ逆転V弾だ。12球団ルーキー1番乗りの本塁打に「最低外野フライでいいと思い、思いっきり振りました。まさか本塁打とはビックリの一言です」。お立ち台も初体験し「緊張します」と、はにかんだ。

西岡は4回1死、四球の今江を一塁に置き、初球の直球を強振し、バックスクリーンに運ぶ1号2ラン。今季から西村監督から主将に命じられ「西武にいい形で勝ち越したけど、3日間も試合が空いたので、少し不安な気持ちがあった。でも、3日間で、みんないい調整をしていた」と、常にチームに心を配っている。

1番2番の勢いからチームの「和」を生み出すのが西村野球。期待たっぷりの2人の活躍で、本拠地千葉マリン初勝利で3連勝。西村監督は「あの2人は、塁に出したくないでしょうね。かなり重圧かけられると思いますよ。監督としてホームの開幕を勝利で飾れるのは嬉しいです」と狙い通りの効果にニンマリだ。西荻窪は杉並区だが、西岡−荻野貴コンビのスペシャル度は、“月並み”じゃない。

◇今岡、初先発打率10割

7番指名打者で初先発の今岡が、バットで期待に応えた。2回の第1打席に右前打し、5回は1死一、三塁から左中間へ2点適時打だ。試合前に「何とかチームに貢献する安打を打ちたい」と目を輝かせていたが、気持ち通りの安打。「初めてのマリンでの公式戦。声援もすごい。ああいうところで打てて本当に嬉しい」と喜んだ。

◇雪辱「開幕」○

成瀬が「開幕投手」のリベンジに成功した。初回、二岡に先制ソロを許す不安な立ち上がりも、その後は0封し8回を4安打1失点。初の開幕投手は西武涌井との投手戦に屈したが「ホーム開幕で、今日はリベンジの意味で勝ちたかった」と、仕切り直しで今季初勝利を手にした。9点をもらった打線に恩返しとばかりに「この気温で、野手の人は寒いと思っていたから、球数を減らそうと思った」と5回まで55球と理想的なテンポ。ルーキー荻野とともにお立ち台に立ち「自分の背番号と同じ17勝が目標」と宣言した。

◇小林復帰は早くても30日

右ひじ痛のため離脱しているロッテの守護神・小林宏之投手(31)の復帰は、早くても週明け30日・楽天戦(千葉マリン)以降になった。西村徳文監督(50)が26日、「かなり登板間隔も空いているので、いきなり1軍では負担がかかる。(昇格の見込みは)ファームで1試合、2試合投げた後。楽天戦の頭からか、違和感があったら、その後とか」と話した。小林は27日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦(戸田)に登板する予定。

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ロッテ・荻野貴、ルーキーで1番乗り弾![サンスポ]

本拠地開幕戦でロッテにニューヒーローが誕生した。ドラフト1位の荻野貴だ。1回、無死三塁で八木の直球を左翼席へ。今季の“新人1号”となる逆転のプロ初アーチ。チームを3連勝に導いた。

「外野フライでいいと思って、思い切り振ったのがよかった。うまく体が回転してくれました」。50メートル5秒6の快足を武器にする24歳。1メートル72、75と小柄だが、トヨタ自動車時代は3番を打っていた。「パンチ力は元々ある。いい仕事をしてくれました」と西村監督は目尻を下げた。

4試合で15打数6安打と順風なスタートを切ったが、オープン戦当初は打率1割台に低迷。控えめな男は「先輩になかなか話しかけられなくて…」と悩んでいた。 転機は5日の巨人とのオープン戦(山口)後だった。「先輩に遠慮しているのか?積極的にプレーしろ!!」。西村監督の言葉に目が覚めた。以降、指揮官も目を見張るアグレッシブなプレーを見せている。

そんな男だけに、慢心はない。「ボクは本塁打を狙って打てる打者ではない。基本に忠実にプレーするだけです」。クレバーな24歳がチームのロケットスタートを導く。

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ロッテ・今岡、移籍後初打点!打率10割[サンスポ]

「7番・DH」で初先発した今岡が気を吐いた。5回に左中間へ移籍後初打点となる2点二塁打を放つなど、2打数2安打。西武3回戦での1安打と合わせ、3打席連続安打で打率10割だ。阪神を自由契約になり、トライアウトを経てたどりついた新天地。「チームに貢献したい一心で野球をやっている。嬉しい。ただそれだけ」。35歳は純粋に野球と向き合っている。

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新人・荻野貴がプロ1号!新人王狙う…ロッテ[報知]

1点を追う初回無死三塁。ロッテ・荻野貴が、八木の137キロの真ん中直球を振り抜くと、打球はあっと言う間に左翼席へ。15打席目で生まれた、今季の12球団新人1号の逆転2ラン。「最悪でも犠牲フライと思っていた。真っ直ぐ一本狙いで、甘いところにきたら行こうとは思っていたけど…」。ロッテのベンチでは、顔をくしゃくしゃにしながら先輩からの祝福を受けた。

トヨタ自動車時代は指2本分、バットを短く持っていたが、プロ入り後は、それを「こぶし1つ分」に変えた。プロのスピード、キレに対応するためだ。「体の回転で打つことを意識した」。

開幕から4試合で15打数6安打、打率4割と好調をキープ。「新人王ですか?最終的に狙いたいです」。球団では05年の久保以来の栄光に向け、確かな一歩を踏み出した。

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新人1番乗り!荻野貴がプロ1号逆転弾[スポニチ]

指5本分以上短く握ったバットから飛び出した大きなアーチだった。1点を追う初回無死三塁。ロッテのドラフト1位・荻野貴が、12球団の新人1番乗りとなるプロ1号逆転弾を放った。

10安打9得点とチームの猛打と3連勝を呼び込む一撃。本拠地開幕戦のお立ち台で大歓声を浴びたルーキーは「最悪、犠牲フライと思って振り切りました。(お立ち台が)あることを知らなかったのでびっくりです」。

プロ入り後初めてストッキングをひざ下まで見せるクラシックスタイルで登場。この試合で魅せたのは50メートル走5秒6の快足ではなく、開幕から4試合連続安打と絶好調のバットだった。指2本分空けて持っていた社会人時代から、プロの球に対応するためさらに短く持っても飛距離は出る。腕力に頼っていたアマ時代とは違い、下半身と体の回転ではじき返すことを心掛けているからだ。

西岡との1、2番コンビでアベック弾を含む4安打4打点と機能し、早くも新人王有力候補の声も聞かれる。「最終的に(新人王が)獲れればいい。でも僕の仕事はホームランじゃない。狙って打てるバッターじゃないし、明日は(本塁打を)忘れて基本に忠実にいきたい」。慢心はない。その足も快音もまだまだ勢いは止まらない。

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初先発今岡「凄く嬉しい」2打数2安打[スポニチ]

ロッテ移籍後初スタメンの今岡が2打数2安打。2回に右前打、4回は四球を選び、5回には今季初適時打となる左中間2点二塁打を放った。

「少し緊張したけど、いい仕事ができました。声援も凄く大きくて、凄く嬉しい」。昨オフ、阪神から戦力外通告を受けテスト入団。22日の西武戦(西武ドーム)でも安打を放っている35歳は慣れない指名打者にも「純粋に野球してロッテに貢献したい」と繰り返した。

◇成瀬胸張る1勝

ロッテの成瀬が、8回1失点で今季初勝利を挙げた。2失点完投負けした20日の開幕戦から3年ぶりの中5日で先発。雨も降るなど冷え込みが厳しい中「野手も寒いと思ってポンポンとアウトを取ろうと思った」とテンポのいい投球を展開した。中継ぎ陣の登板機会が少ないため、9回のマウンドは譲ったが堂々の内容。「背番号と同じ17勝を目標に、チームを引っ張っていければ」と胸を張った。

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荻野貴が逆転のプロ1号…ロッテ[報知]

開幕から先発出場を続ける新人の荻野貴がプロ1号を放った。0−1の1回無死三塁、1ストライク3ボールから甘く入った直球を鋭く振り抜くと、打球は左翼席に。一握り分もグリップを余らせたバットでも、社会人トヨタ自動車時代に中軸を打っていた片鱗をのぞかせた。

荻野貴は「まさか本塁打とは、びっくりの一言」と驚きを交えて喜びを表現する。付きっきりで打撃を指導する金森打撃兼野手チーフコーチは「バットの長さは関係ないということ」と満足そうに目を細めた。

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2ラン3発!一発攻勢で3連勝…ロッテ[報知]

一発攻勢のロッテが3連勝。1回に新人、荻野貴がプロ初本塁打となる逆転2ランを放つなど、計3本の2ランで4回までに7点を奪った。先発の成瀬は緩急を操り、8回1失点で今季初勝利。日本ハムは八木が5回9失点と乱れた。

5回までに3本塁打などで9得点に西村監督は「ホーム開幕戦で緊張していたのは僕だけじゃないですか」と笑いを誘った。1回に荻野貴がプロ1号となる2ランで逆転。その後も里崎、西岡にアーチが飛び出した。

昨季4勝を献上した八木には指示が徹底していた。「去年抑えた球がほとんど打たれた。チームで絞ってきていた…」と八木が変貌ぶりに驚いていた。西村監督は「全員の頭に相手への苦手意識はなかった。キャンプからやってきたことをそのまま出してくれた」と手応えを感じていた。

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3本塁打で9得点…新生ロッテが3連勝[スポニチ]

西村監督は苦笑いでベンチを出てきた。「ホーム開幕戦で緊張していたのは僕だけじゃないですか」と会見で切り出し、笑いを誘った。5回までに3本塁打などで9得点。新生ロッテ3連勝を祝う、派手な攻撃だった。

口火は新主将の西岡だ。1回、いきなり右中間に三塁打を放ち、ベース上で力強くガッツポーズ。これで1点先制された暗さを吹き飛ばすと、荻野貴がプロ1号となる2ランで続き逆転。この後も盗塁、2ランと打線を引っ張るリードオフマンに刺激されるように、今岡の移籍初適時打などが次々と生み出された。

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ロッテ今岡が移籍後初打点[スポニチ]

ロッテの今岡が移籍後初打点を挙げた。「7番・指名打者」で今季初めて先発出場すると、右前打、四球と出塁を重ね、5回1死一、三塁からは左中間二塁打で2打点。本拠地のスタンドが大歓声で揺れた。今岡は「初めてのマリン(スタジアム)での公式戦。ああいうところで打てて本当に嬉しい」とコメントするなど喜びを隠せない。阪神時代に甲子園の大声援に慣れっこのはずの35歳も「(千葉の)声援もすごい」と話した。

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ロッテ新守護神、1軍復帰間近[スポニチ]

右ひじ痛で離脱中のロッテ・小林が、27日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦(戸田)で実戦復帰する。当初は本拠地開幕戦の26日の日本ハム戦での復帰を目指していたが、西村監督が「体の状態は問題ないけど、登板間隔が開いている。ファームで1、2試合投げさせてから」と判断。30日の楽天戦(千葉マリン)から1軍復帰予定の新守護神は「いつでも試合に投げられる状態。早くチームの力になれるようにしたい」と意気込みを語った。

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「どんどん売り出したい」ロッテの若き主砲が裏話明かす[スポニチ]

本拠地開幕戦に合わせてロッテ・大松が球団発行の月刊誌でコラムを開始した。タイトルは「尚逸大松の秀逸な話」。第1回は今季のテーマに「一日一生」を掲げ、リストバンドやマスコットバットなど今季こだわる色は青と黒になることも明かしている。「今後も裏話なども少しずつ披露できれば」と大松。球団関係者は「今年は大松をどんどん売り出したい」と語った。

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成瀬、開幕黒星切り替え初勝利[ニッカン]

ロッテ成瀬善久投手(24)が8回を4安打1失点の好投で初勝利を挙げた。初回、二岡に先制ソロを許す不安な立ち上がり。3回は2死二塁で暴投。ここで一気に生還を狙った二塁走者を好バックアップで刺し、4回以降の5イニングはわずか1安打ピッチングだった。開幕投手の黒星を中5日で気持ちを切り替え「(初回の)ホームランを引きずらないようにした。調子が良いとは思わなかったが、要所で抑えられた」と納得した。

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DH初先発今岡が2安打マーク[ニッカン]

ロッテ今岡誠内野手(35)が7番DHで初先発し、安打、四球、2点適時二塁打と、2打数2安打をマークした。西武戦で1打数1安打しており、打率は実に10割だ。阪神時代にはなかった指名打者だったが「DHは初めてでしたけど、今の僕の立場は、純粋に野球をして、ロッテのために貢献したいだけなんです。それだけです。今までと違って、いろんなことを考えない」と話した。「初めてのマリンでの公式戦。声援もすごい。ああいうところで打てて本当に嬉しい」と嬉しそうに話した。

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里崎&西岡がアベック2ラン[ニッカン]

ロッテ井口資仁内野手(35)が、2点リードの3回2死三塁から適時打を放った。三遊間を破る今季初タイムリーに「打ったのはよく分からないが、チェンジアップかな。いい所で追加点を取ることが出来て良かった。まだまだ、バッティングの調子は上がっていないけど、少しずつ感覚を取りもどしたい」と話した。

4回には2発の1号2ランでリードを6点に広げた。里崎智也捕手(33)は「打ったのはスライダー。マリン開幕戦という事で最初の試合で監督に白星をプレゼントしたい。みんなの気持ちが乗り移りホームランになりました」とコメント。バックスクリーンへ放った西岡剛内野手(25)は「打ったのはストレート。いい流れだったので続いて行こうと思った。西武にいい形で勝ち越したけど、3日間も試合が空いたので、少し不安な気持ちがあった。でも、3日間でみんないい調整をしてくれていた。最後のアウトを取るまで気を引き締めて戦いたい」。

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荻野貴2ラン!新人1番乗り弾[ニッカン]

ロッテのルーキー荻野貴司外野手(24)が1点を追う1回、無死三塁で打席に立ち、逆転の1号2ランを放った。カウント1−3から甘く入った直球を振り抜いて、左翼席まで運んだ。新人の本塁打は12球団1番乗り。広報を通じ「打ったのは真っ直ぐ。カウントが1−3だったので最低外野フライでいいと思い、思いっきり振りました。まさか本塁打とはビックリの一言です」とコメントした。

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ひじ痛小林の復帰は30日以降[ニッカン]

右ひじ痛のため離脱しているロッテ小林宏之投手(31)の復帰は、早くても週明け30日・楽天戦以降になった。西村徳文監督(50)が26日、「かなり登板間隔も開いているので、いきなり1軍では負担がかかる。(昇格の見込みは)ファームで1試合、2試合投げた後。楽天戦の頭からか、違和感があったら、その後とか」と、話した。27日イースタン・ヤクルト戦(戸田)に登板する予定で、以後は様子を見ながら、守護神復帰のタイミングをはかる。

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今岡が思わぬ拾いものに、移籍後初スタメンで打率10割[夕刊フジ]

これは思わぬ拾いもの?ロッテ・今岡誠内野手(35)が26日の日本ハム戦に「7番・DH」で移籍後初スタメン。2打数2安打2打点と活躍し、打率10割をキープした。

移籍後初めて本拠地の千葉マリンに見参。いきなり初の適時打を放ち、「すごく嬉しいですね。ちょっと緊張したが、いい仕事ができた」と顔をほころばせた。

昨季阪神を戦力外に。現役への思いは強く、一時は年俸3億円を超えた男が合同トライアウトを受験。かつての指揮官のオリックス・岡田監督は「何であんなさらし者にするんや」と、引退を説得できなかった古巣フロントを批判さえした。

悲壮な決意の今岡に、当初興味を示したのは西武。だが東洋大の1年先輩の余波を受けて立ち消えに。球界関係者は「東洋大出身の球団幹部が熱心だったが、前年オフに同じようなパターン(巨人から金銭トレードで加入)で獲った清水が、活躍できずに1年でクビになったので、また東洋大かと風当たりが強かった」と舞台裏を明かす。

大学のコネは不発だったが、引退の崖っぷちで高校の学歴が生きた。PL閥のロッテが拾ってくれたのだ。年俸は往事の22分の1の1500万円まで減ったが、今岡は「純粋に野球をして、チームに貢献したいだけ。今までみたいに色んなことを考えてやってないですね」と雑念を排し、原点に回帰。さらし者で終わるつもりはない。

今後も相手先発が左投手なら、DHで先発出場が有力。清水は現役最後の1年を不本意な形で終え、引退試合もなくバットを置いたが、今岡はもう一花咲かせられるか。特に“釣り逃がした”西武との試合は見ものだ。

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監督の「遠慮無用」で目覚め[朝日新聞]

悩めるルーキーを救ったのは指揮官の言葉だった。5日の巨人とのオープン戦(山口市・西京スタジアム)の後、西村徳文監督(50)は新人の荻野貴司外野手(24)をホテルの自室に呼び寄せた。結果が出ず、どこか元気がないように見えた若者が気になった。

「ルーキーだからと、遠慮していないか?ユニホームを着たら新人もベテランも一緒。思うようにプレーしろ。遠慮なんていらないぞ」。荻野にとっては目の覚めるような言葉だった。プロの世界に飛び込んで2ヶ月。周囲にも、相手にもどこか気を使ってしまう自分がいた。その結果、いつの間にか自分の持ち味すら忘れかけていた。

曇っていた表情が徐々に変わっていくのを感じ取ると西村監督は言葉を続けた。「この世界は新人がいきなり最高の結果を出せるほど甘い世界ではないぞ。結果が出なかった時にどうするか。どう反省するか。そして結果が出なくてもやれることがあることを覚えておけ。ベンチで大きな声を出すことも存在感を示す立派な行動だ。ヒーローにならなくてもやれることはたくさんあるのだぞ」。

ハッとさせられた。自分の愚かさを恥じた。「なかなか結果が出なかったことが苦しかった。監督に呼ばれて、色々な話をしてもらったことでだいぶ気持ち的に楽になった。周りを気にしすぎて縮こまっていたけど、吹っ切れるようになった」。

それから、練習でもベンチでも率先して声を出すようになった。試合では俊足を生かし、内野ゴロでも全速力で駆け抜け何度となくセーフになった。守備では際どいボールをキャッチ。オープン戦が終わる頃にはマスコミから新生マリーンズの象徴的な選手と言われるまでになっていた。その姿を西村監督はなんとも嬉しそうに見ていた。「あの日から明らかに変わったね。ちょっとした一言が若い選手には大きいことがある。オレもそうだった」。

指揮官も若かりし日は悩み苦しんだ。そんな時、決まって監督、コーチが手を差し伸べてくれた。説教されたり、アドバイスを受けたり。そんな経験があるからこそ、期待をかけるルーキーを自室に呼び、声をかけた。荻野もまた期待に応えた。

「若い自分しかできないこともあると思う。それを探して、この世界で居場所を見つけていきたい」。西武との開幕3連戦(西武D)はいずれも2番中堅でスタメン出場。プロ入り初安打、初打点、初盗塁を記録。3試合で5安打をマークし、存在感を示した。

荻野のプロ野球人生は始まったばかり。山あり谷ありの日々が続く。ただ、いつまでも初心を忘れないで欲しいと願う。ガムシャラに必死に、生き抜くためにプレーした、1年目のオープン戦のあの日の事を覚えていて欲しい。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

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