ロッテは本拠地・千葉マリンスタジアム近隣の8ホテルと協力、宿泊付き観戦プランを発売する。金曜のナイター入場券と宿泊、土曜のデーゲーム入場券をセットにする。
22日のヤクルト戦(千葉マリン)に、横浜から金銭トレードで移籍したロッテ・吉見が、移籍後初登板で先発することが20日、濃厚になった。この日はブルペンで50球を投げ込み。先発陣に故障者が続出するなか、救世主に期待される左腕は「新天地での初登板なので、気負いすぎないように投げたい。結果を残して1軍に残りたい」と目を輝かせていた。
本来の力を余すことなく発揮している。ロッテの金泰均はここまで打率3割8厘、12本塁打、そしてリーグトップの46打点をマーク。5月に入ってからは9本塁打と、量産体制だ。
好調の要因はいくつもある。西村監督は「暑くなると良くなると(本人が)言っていた」。気温の上昇と共に、体の切れが増してきた。打席での心境も変わった。開幕当初は結果を追い求めてしまった。今、心掛けるのは、強い打球を打つことだけ。余分な力みが消え、持ち味の広角打法を取り戻した。日本の投手も「たくさん見て、慣れて打てるようになった」。序盤は苦しんだ内角攻めにも、きっちり対応している。
フルスイングから、右に左に豪快な打球が飛ぶ。昨年3月のWBCで、韓国代表の4番として見せた打撃そのものだ。母国での注目は高まる一方。18日からは韓国の大手ケーブルテレビが、ロッテの主催試合の中継を開始した。「結果が出なかったら、悪い方向にいってしまう。中継しない方が気が楽」と言いつつ「両親が自分のプレーを見られるようになったのは、嬉しいこと」と愛嬌たっぷりに笑った。
自らの打撃に強い信念を持つ。異国の野球に合わせようと、安易にスタイルは変えなかった。「チームが勝たないと意味がない」と言い切る4番が、リーグ随一の打線を支えている。
21日ヤクルト戦に先発予定のロッテ・成瀬が完投より白星にこだわる。
千葉マリンスタジアムでキャッチボールなど軽めの調整をした左腕は、ここまで9試合で3完投もリーグワーストの16被弾。ここ3試合は連続して3被弾されているだけに「今はリリーフがいいし、完投を意識しない方がいい形になる。6回を150球投げてもいいので飛ばしていく」とペース配分無視を誓った。先発投手に故障者が続出しているだけに、西村監督も「後ろがしっかりしているし、6、7回までしっかりゲームをつくってほしい」とエースの投球に期待していた。
ロッテは横浜から金銭トレードで移籍した吉見が22日、ヤクルト戦(千葉マリン)で先発予定。新天地初登板で初勝利を目指す。本拠地特有の強風についても「色々と聞いているけど、でもまずはいいフォームで投げること」とキッパリ。ブルペンで50球を投げ込むなど調整に余念がなかった。
先月に海外FAの権利を取得し、「もちろん興味はある」と今オフのメジャー挑戦を視野に入れるロッテの守護神、小林宏之投手(31)。
19日の中日戦も、ネット裏から熱視線を送るメジャーのスカウトの前で9回に登板。1安打こそ許したものの、今季10セーブ目に到達した。
抑え転向は今季から。ここまで15試合に登板してまだ無失点と、中継ぎで抜群の適性を見せている。だが本人は現在の持ち場に、必ずしも満足という訳ではない。
「体力的というより、精神的につらい。抑えを楽しむ余裕はまだない」と話す一方、「先発の方が楽しい。長い回投げられるし、たくさんの打者と勝負ができる」と未練をのぞかせる。
先発で2005年から3年連続2ケタ勝利を挙げ、米球界からも注目される存在となったが、08年は5勝12敗と不振。昨季も4勝13敗と2年連続で結果が残せなかった。
FA権を取得した勝負の年に、抑えとして活躍するほど、先発として復活をアピールする機会は遠のく。メジャーでも先発にこだわるなら、今季の現状はジレンマだ。
それでもこの日、小林の投球をチェックしたナ・リーグ関係者は「一昨年、去年と先発で数字が残せなかった訳だから。(先発と中継ぎ)どちらに向いているかは、今年が終わった時の成績で分かるんじゃないか。両方できるにこしたことはない」とみている。
見方を変えれば、今季も先発でダメだったら、さらに評価を下げて、メジャーの食指が動かないリスクさえあった。小林本人には不本意でも、これまでの快投を見る限り、抑えへの配置転換で「夢」への入り口は広がりつつあるようだ。
「1、2回は風が強く、雨も降っていたが、自分なりのピッチングができた。チームが勝って本当によかったよ」。ヒゲ面の助っ人左腕は、こう言って笑顔を見せた。
ロッテは川越、小野、唐川、大嶺祐と、ローテ投手が次々に離脱。この日は降雨に10メートルを超える強風の中、救援から先発に回された左腕は7回途中まで7四球を出しながらも中日打線を1安打1失点に抑えた。
昨年オフの入団テスト時の評価は決して高くなかった。気温が約10度と寒かったこともあるが、腕が振れず四死球を連発。直球の球威も135キロ程度しか出なかった。それでもロッテは左腕のコマ不足から4000万円でこの左腕を取った。
「入団テスト?あの時はちょうど結婚直前で忙しく、まともにキャッチボールもしていなかったんだよ。確かにひどい投球だったな(笑)。でも、テストの内容だけで判断せず、自分の持ち味などを理解して、獲得してくれたロッテには本当に感謝しているよ」(マーフィー)
キャンプが終わって驚いたのは千葉マリンスタジアムに吹く名物の強風だった。「あの風ではどんなボールでも制球が難しい。武器であるカーブを生かすため、オープン戦のときから風の強さによって落差やスピードを考えながら投げていた。それにしても日本の打者はボールに対するコンタクトがうまいと聞いていたけど、本当だったよ」。
この日の序盤はチェンジアップを有効的に使い、途中からカーブに切り替え、ここぞというときは140キロの直球で攻めたことが奏功した。
昨年12月に結婚したナタリー夫人は、ビザの関係で22日に一時帰国する予定になっている。「今日の先発は数日前から言われていたからね。だから何としても勝ちたかったんだ」。そう言う夫の横で新妻は「先発にしろ、救援にしろ、どんなポジションで投げても、私は彼の力を信じているの。今日は最高のプレゼントになったわ」と言うなり、2人は熱いキスを交わした。ごちそうさまです。