わたしはかもめ2010年鴎の便り(11月)

便

11月12日

ロッテ3冠締めだ!西岡、小林宏“有終”[ニッカン]

ロッテが3冠締めで今季最終戦を飾る。13日に行われる日韓クラブチャンピオンシップ(東京ドーム)で韓国SKと対戦する。ポスティングシステム(入札制度)によるメジャー移籍を目指す西岡剛内野手(26)と、FA宣言した小林宏之投手(32)は共にチーム最後の試合になる可能性が高い。日韓王者となれば、パ・リーグCSを勝ち抜き、日本シリーズ制覇に続いて3つ目のタイトル。有終の美を飾って共に夢への挑戦に旅立つ。

華々しく最終戦を締める。韓国SKとの日韓クラブチャンピオンシップに向け、12日は東京ドームで最終調整。フリー打撃を終え、軽めの練習で引き揚げた主将の西岡は「今年最後の試合なので、全力を尽くしてやりたい」と本気モードだった。

最後の勇姿を見せる。西岡は10日にポスティング移籍でのメジャー挑戦を表明。ロッテとして最後になる可能性については「まだ球団から返事をもらっていないので分からない。また同じユニホームを着てるかもしれないし」と静かな口調で話した。また、11日に海外FA宣言を行使した小林宏も「最後になると思うので、しっかり投げられるように頑張りたい。ロッテファンもたくさん来ると思うので、いいピッチングを見せたい」と恩返しを誓った。共に今季日本一となったチームの原動力。1番打者、守護神としてシーズン同様、今季最終戦の勝利に貢献するつもりだ。

日韓王者となれば今季3つ目のタイトルとなる。西村監督も「勝つためにきている。今まで通りの野球をしたいと思います」と、静かに闘志を燃やした。

◇公式戦初使用、来季統球

来季からプロ野球公式戦で使用されるミズノ社製の統一球「M200」が、国内公式戦で初めて使用される。この日の練習でも使われ、ロッテ里崎は「持った感じはちょっと小さく、革に引っ掛かりがない」。サブローは「重いといえば重いけどあまり感じない」と話した。飛距離を抑えるための低反発が特徴で、今季73試合で210本塁打(1試合平均2.88本)の東京ドームでどのような結果が出るか注目だ。

◇西村監督拒否、予告先発なし

ロッテ西村監督とSK金監督が東京ドーム内で監督会議に臨んだ。SK側から「予告先発にしては」と提案があったが、西村監督は「しません」と戦略上の理由で拒否した。西村監督がヘッドコーチ時代の05、06年に、金監督がロッテの1、2軍巡回コーチを務めていた仲。金監督は「ロッカーでは隣だったが、話したいことを我慢していた印象がある。我慢強さが今回の日本一につながったのでは」とたたえた。

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ロッテ・西岡、アジア一が置き土産[サンスポ]

5年ぶりの日本一に輝いたロッテが13日、「日韓クラブチャンピオンシップ2010」(東京ドーム)で韓国シリーズの覇者・SKワイバーンズと対戦する。今オフ、ポスティングシステム(入札制度)を利用して米大リーグ移籍を目指す西岡剛内野手(26)は12日、国内最後の雄姿となる可能性があり「負ける訳にはいかない」と必勝を誓った。

日韓決戦を翌日に控え、舞台となる東京ドームで汗を流した西岡。目指すは『勝利』の2文字だけだ。「日本代表として負ける訳にはいかない。日本の野球の恥にならないようにしたい」。

今季主将としてチームを5年ぶりの日本一に導いた西岡は10日、球団と会談。「わがままかもしれないが(今後は)僕個人の夢を追い掛けさせて欲しい」と今オフの米大リーグ移籍を直談判した。

交渉役の石川晃球団運営本部長は即答を避け、再会談は日韓戦後との見通しを示す一方「根本的にロッテはFA権を尊重する」と指摘している。

西岡が海外フリーエージェント(FA)権を取得するのは順調に行って3年後。今オフに新天地を目指すにはポスティングシステムを容認してもらうしかない。夢実現へ球団の後押しを受けることになれば、13日が“ロッテ・西岡”の最後の雄姿となる可能性がある。

西岡は8年間在籍しているチームへの配慮から「また来年ユニホームを着るかもしれない。球団から返事が来ていないので、最後の試合になるかは分からない」と、慎重に言葉を選んだ。

正式容認が決まるまではロッテの一員。「全力を尽くしてやりたい」と主将らしく締めくくった。日本一からアジア制覇へ。西岡が、2010シーズンを有終の美で飾る。

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ロッテ先発・唐川、シーズンの雪辱だ[サンスポ]

5年ぶりの日本一に輝いたロッテが13日、「日韓クラブチャンピオンシップ2010」(東京ドーム)で韓国シリーズの覇者・SKワイバーンズと対戦する。

ロッテ・唐川が、韓国王者相手に先発マウンドに上る。今季は右手中指骨折や右ひじ故障などに見舞われ、6勝(3敗)と不完全燃焼に終わっただけに「今年は1年やった感じがしない。最後はしっかりいい形で投げられたらと思う」と“ラス投”に力こぶ。外国チームとの対戦は初めてだが、最初から飛ばす構えだ。

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西岡「勝たないと」Vを置き土産に![スポニチ]

日本と韓国の優勝チーム同士が激突する「日韓クラブチャンピオンシップ2010」が13日、東京ドームで行われる。12日はロッテ、韓国・SKがそれぞれ公式練習。両軍首脳陣による監督会議、監督会見も行われた。

打撃練習を終えた西岡は短い言葉に決意を込めた。「日本代表として負けることはできない。日本の野球の恥にならないようにしたい。勝たないといけない」。05年から始まったアジアシリーズをはじめ、日本のチームがアジア一を逃したケースはない。主将の必勝宣言は当然だった。

もう1つ、絶対に負けられない理由がある。球団にポスティング・システム(入札制度)でのメジャー移籍を申し入れており、ロッテのユニホームで臨むのは最後の可能性が高い。慎重に言葉を選びながら「自分達の野球をするだけ。今年最後の試合なので全力を尽くしたい」と有終の美を飾る意気込みを示した。

11日にFA宣言した小林宏も気持ちは同じだ。球団は宣言残留を認めない方針を示しており、ロッテのユニホームではラスト登板になる。守護神として最終回のマウンドに上がることが濃厚で「最後になるのでしっかり投げられたらいい。ファンもたくさん来ると思うので、いい投球をしたい」と前を向いた。

監督会見で西村監督は先発投手の質問に何度も首を振って発言を控えるなど、情報管理を徹底。それだけこの勝負に懸けている。ベストメンバーで臨むかを問われ「明日になって考えますけど、そのつもりでいます」と言い切った。誰もが負けは許されないと思っている。日本一軍団の底力を見せつける。

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唐川、大嶺のリレーでSKを圧倒だ![スポニチ]

ロッテは唐川、大嶺のU−22リレーでSKを圧倒する。先発が濃厚な唐川はキャッチボール、ショートダッシュなどで調整。今季は右手中指骨折や右ひじ痛で長期離脱を繰り返しただけに「投げる機会を頂いたので、しっかり投げたい。今年1年はやった感じがしない。取り返すというか、最後はいい形で投げたい」。同様の調整をした大嶺は2番手で登板する可能性が高く「頑張ります」と意気込んだ。

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西村監督本気!予告先発を拒否[スポニチ]

監督会議ではSK・金星根監督の予告先発の申し入れをロッテ・西村監督が拒否した。

SKは門倉の先発が確定的な一方、ロッテはエース成瀬ら先発の主力を登録から外した。会見でも「先発は話さないことになったから」とピリピリムードの西村監督は、最終登録メンバー25人の締め切りを試合前日から試合当日への変更、さらに延長無制限を理由に25人枠の拡大も求めた。これら提案は来年以降の検討課題となった。また、本塁打のビデオ判定を採用することが確認された。

◇統一球を使用

今大会では来季から1軍公式戦で使用される統一球を使用する。すでに12球団の秋季キャンプなどには配給されているが、国内公式戦で使われるのは今回が初めて。公式練習で使用したロッテ・サブローは打った感触に「重いと言われれば重い」。投手陣も大嶺が「滑りますね。指にかからないとスライドする」として、内は「小さく硬い感じだけど、指先がしっとりしてれば大丈夫」と感触をつかむのに必死だった。

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アジアシリーズ復活、あらためて検討へ[スポニチ]

アジアシリーズ復活をあらためて検討する。 日本、韓国、台湾、中国の優勝チームが出場して05年に始まった同大会は、赤字問題で昨年から日韓クラブチャンピオンシップとして縮小開催。今年は台湾が地元で復活開催を申し出たが、日本シリーズと日程が重なって実現しなかった。台湾は来年も地元開催を主張。来年1月にもアジアシリーズ運営委員会で検討する方針で、韓国野球委員会(KBO)の趙照俊国際部長は「日本、中国の意見が大事。韓国は基本的に台湾開催もOK」と復活へ前向きだった。

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西岡&小林宏、アジア王者が置き土産…13日・日韓CC[報知]

5年ぶりの日本一に輝いたロッテと韓国シリーズ王者SKが激突する「日韓クラブチャンピオンシップ」が13日、東京Dで開催される。12日は公式練習が行われ、ともにメジャー挑戦の意思を表明しているロッテ・西岡剛内野手(26)と小林宏之投手(32)が今季ラストゲームを飾ってアジア王者を置き土産にすることを誓った。また、SKは元巨人の門倉健投手(37)が凱旋先発する。

ポスティングシステム(入札制度)によるメジャー挑戦を球団に直訴して2日。日韓頂上決戦を前に、西岡が口を開いた。「最後の試合なので全力を尽くして頑張りたい」。チームを史上初となるリーグ3位からの日本一に導いたキャプテンは、短い言葉に決意を込めた。

「球団からまだ返事をもらってないので、(ロッテのユニホームが)最後になるかは分からない」と慎重な姿勢こそ崩さなかったが、球団側は本人の意思を尊重して移籍を容認する方針。これがロッテでのラストゲームになることが濃厚だ。日本シリーズでは打率1割6分7厘と不振だっただけに、最後に「アジア王者」の称号を手にすれば、8年間を過ごしたチームへ最高の恩返しになる。

SKの先発は元巨人の門倉だ。「日本でも実績を残したピッチャー。いいピッチングをしてくると思う」と警戒したが、海を渡る男にとって手こずる訳にはいかない。「日本代表として負けることはできない。日本の野球の恥にならないように頑張りたい」とプライドをのぞかせた。

一方、険しい表情を見せたのが小林宏だ。すでにメジャー挑戦を前提にFA権を行使し、球団は宣言残留を認めない方針だ。「たくさんのファンが見に来てくれるので、いいピッチングをしたい」。長かったシーズンのラストを快投で締めくくり、14年間在籍したロッテのユニホームに別れを告げる。

ロッテ・西村徳文監督
「(05、06年にロッテでコーチをしていた)金さんが監督をしているので手強い相手だとは思うが、12球団の代表として負ける訳にはいかない。これまで通り全員で1つになって戦いたい。」
SK・金星根監督
「ロッテは1番から9番まで、同じような力の選手がそろっている。アジア大会に主力が7人出場するので万全ではないが、先発の門倉が5回までもってくれれば、勝ち目はある。」

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ロッテ、育成ドラ1位・黒沢翔太と仮契約[サンスポ]

ロッテは12日、育成ドラフト1位で指名した城西国際大の黒沢翔太投手(22)=181センチ、84キロ、右投げ右打ち=と支度金100万円、年俸240万円で仮契約した。(金額は推定)

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日韓CC、ロッテの先発は唐川が濃厚[スポニチ]

ロッテはアジア大会出場のために金泰均を欠く布陣で臨む。日本シリーズの激闘から1週間もたっていないが、西村監督は「12球団の代表として負ける訳にはいかない。これまでやってきた通り、全員1つになって戦う」と力強く話した。予告先発はないが、唐川が濃厚。シーズンの大半を故障で棒に振っただけに、右腕は「ことし1年やった感じがしないので、取り返したい。立ち上がりが良くないので、しっかりいけるように」と意気込みを語った。

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対SK西村監督「勝ちに行く」[ニッカン]

日本シリーズと韓国シリーズの覇者が対戦する日韓クラブチャンピオンシップが13日、東京ドームで行われる。5年ぶり日本一に輝いたロッテとSK(韓国)の両チームは12日、東京ドームで前日練習を行った。ロッテ西村徳文監督(50)は「勝ちに行きます。負ける訳にはいかない。今まで通りの野球をしたいと思います。日本のプロ野球の代表ですから」と、意気込んだ。

優勝賞金は2000万円。来季から12球団が1軍公式戦で使用するミズノ社製の低反発球が、国内の公式試合で初めて使用される。試合は指名打者制を採用し、延長戦に入った場合は勝敗が決するまで実施する。

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[検証:ロッテ下剋上日本一]大抜擢内が力投!投手駒不足も信頼し続けた指揮官[スポニチ]

開幕前のロッテの下馬評は低く、それはポストシーズン前も同様だった。先発ローテーションを守り抜いたのはエースの成瀬1人だけで、今季のチーム防御率4.10はリーグ5位。金泰均や新人の荻野貴、清田ら新戦力が活躍した攻撃陣は厚みが増したのに対し、投手陣は誰の目にも駒不足に映っていた。

昨季までのエース・清水は横浜、守護神・シコースキーは西武、セットアッパー・川崎は阪神に移籍。荻野忠は右ひじ手術でシーズンを棒に振った。そんな中、西村監督は「欲を言ったらきりがない。今いる選手でやるしかない。やってくれると信じていますから」。そう繰り返した。大切なのは信頼。不調に陥っても、最終回は自ら新守護神に指名した小林宏に任せ続けた。

小林宏だけではない。厳しい場面で起用し続けた伊藤や古谷が成長。10月9日、西武とのCSファーストS第1戦(西武ドーム)では同点の8回途中に内を投入。シーズン終盤からラッキーボーイとなっていた内だが、その試合は4点を勝ち越された。だが落ち込む25歳右腕を翌10日の第2戦でも同点の延長10回途中から起用。サヨナラ負けのピンチを脱するとともに自信も取り戻させ、内は以降12回1/3連続無失点とポストシーズンでの中継ぎの切り札となった。

先発投手は大胆な抜擢も光った。前半戦はテスト入団の川越、2年目・香月らで谷間を埋め、負傷者が続出すると開幕当初は左の中継ぎだったマーフィーを自らの考えで配置転換。昨季は7人で固定した先発を、今季は11人起用してやり繰りした。普段は決して無理をさせないが、ソフトバンクとのCSファイナルS(ヤフードーム)ではエース成瀬を連続中4日で第1、6戦に先発させて突破。指揮官の信頼と決断が日本一につながった。

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日本一から一転ストーブ渦中のロッテの寒過ぎる台所事情[リアルライブ]

リーグ3位から5年ぶりの奇跡の日本一を達成したというのに、ストーブリーグの渦中に立たされているロッテ。抑えに転向して29セーブを記録した小林宏之がFAでのメジャー移籍を宣言すれば、首位打者を獲得した、チームリーダーの西岡剛はポスティングでメジャー入りを希望。チームは空中分解の危機だが、球団フロント首脳が平然としているのはなぜか。

「ひどいもんですよ。小林宏はチームの功労者なのに、引き留めるための条件提示すらしていないんですからね。あれでは可哀想だ」。球団内外の関係者から怒りの声があがっている。

海外FAの権利を持っている小林宏は、「夢を叶えたい。できれば、海外でのプレーを希望していますが、ゼロではない」と、最悪のケースは、日本残留も視野に入れている。ところが、「FA宣言したら、残留は認めない」とロッテ球団首脳は明言して、慰留のポーズすら見せない。

幸いなことに、阪神、ソフトバンクなどが「メジャー球団との交渉がうまくいかず、日本へ残る気があるのならば、欲しい」とラブコールを送っているので、路頭に迷うことはないだろう。しかし、FAの小林宏だけでなく、チームリーダー・西岡のポスティングまで認めようとしているロッテ球団首脳は、何を考えているのか。今年日本一になったので、来季は勝たなくていい。早々と来季の優勝を断念したようなものだろう。事情通の球界OBがこう一刀両断する。

「ロッテ首脳の頭にあるのは、赤字額の圧縮しかない。バレンタイン監督を切って、西村監督にしたのも、経費削減が最大の目的だったからね。コーチなども含め、バレンタイン・ファミリーに総額10億円近く吸い取られていたのをカットするためだった。年間30億円以上の赤字を10億円圧縮するというのが、ロッテ本社から突きつけられたノルマだったからね。それがたまたま今年は大成功した。史上初のリーグ3位からの日本一だからね。でも、その割にロッテは儲かっていない。3位だから主催権はなく、クライマックスシリーズ・ファーストステージは2位の西武、ファイナルステージも1位のソフトバンクを儲けさせただけ。日本シリーズの分配金は入ってくるが、クライマックスシリーズはただ働きみたいなもの。球団とすれば、日本一の御利益はたかが知れている」。

となれば、巨額なバレンタイン・マネー削減ができない今年の場合は、選手の人件費をカットするしかないのが現実だ。投手陣で一番年俸の高い、1億7000万円の小林宏。野手では井口の1億8000万円に次ぐ1億7000万円の西岡がいなくなれば、3億4000万円が浮く。さらに、西岡はポスティングだから、5億円前後の落札金も計算できる。トータルして、8億4000万円になる。日本シリーズの分配金も2億円以上は期待できる。

年間10億円の赤字圧縮をノルマとされている球団首脳とすれば、バレンタイン・ファミリーを一掃した昨年同様に今季も目標は達成されることになる。ファン不在のロッテフロント首脳の球団経営。来季は早くもBクラス決定と言ってもオーバーではないだろう。

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メジャー西岡争奪戦報道に米メディア冷水[リアルライブ]

球団側に対しポスティングシステムでのメジャー行きを要望したロッテ・西岡剛(26)に関し、早くもスポーツ紙の争奪戦報道が過熱している。「ドジャースと相思相愛」「日本一から世界一のジャイアンツへ」「ジャイアンツ、ドジャースに加え、パドレス、ダイヤモンドバックスも。西海岸で西岡争奪戦」etc。

すでにポスティングでのメジャー行きが正式に決まり、入札が始まったかのような騒ぎになっている。が、米メディアは極めて冷たい反応を示している。米スポーツ専門局ESPNは「西岡は92マイル(約148キロ)より速い球は苦手だし、遊撃を守るのは厳しい」ときっぱりと断言している。

日本球界を代表する遊撃手だった西武の松井稼頭央が、「ゴジラ松井」の向こうを張って「今度はリトル松井」と大騒ぎされ、鳴り物入りでメジャーへFA移籍したが、結果的には遊撃手失格。メジャーでは二塁手に転向。メッツ、ロッキーズ、アストロズと渡り歩いたが、期待を裏切る成績しか残していない。現在、日本球界復帰へ向け、水面下で動いている。

ヤクルト時代は三塁手だった岩村明憲も、メジャー入り後は二塁手に転向。レイズ時代は一時期大活躍したものの、パイレーツでは鳴かず飛ばずで、今季終盤はアスレチックスに移籍したが、解雇されている。松井稼同様に、来季は日本球界復帰の道を探っているのが現実だ。

「打球の転がりが速い人工芝と違って天然芝は打球のスピードが落ちる。それだけに、内野手は抜群の肩の強さと守備範囲の広さを要求される。日本人には難しいポジションだ」というのが、日米球界では定説になってきている。米メディアが西岡に対し、シビアな味方をするのも仕方ないだろう。

前出のESPNは「イチローのようなスイングをするが、スピードはイチローほどではない」とまで言い放っている。イチローのコピーにすぎず、本物のイチローとは違うと断定しているのだ。他のメディアも「イチローのような選手はイチローだけということだ」と、第二のイチローはいないことを強調している。

「若いときに行って、日本人の価値を高めたい」と、西岡本人はもちろん志が高いが、イチローを引き合いに出されては、白旗を揚げるしかいないだろう。「イチローのような選手はイチローだけ」というのは、金言だ。西岡はイチロー・チルドレンという位置づけになるだろう。

実は、イチロー・チルドレンのメジャー挑戦は、西岡だけではない。西武・中島裕之も今オフのポスティングシステムでのメジャー入りを要望しながら、後藤オーナーが「認めない」と断を下し、一騒動起こっている。が、今オフは無理でも、来オフには再燃するだろう。

「イチローさんと同じチームでやりたい」と、自分で球団を選択できる海外FAの権利を取得する来オフに照準を絞っているのは、ソフトバンク・川崎宗則だ。中島も川崎も西岡と同じ遊撃手だ。実際に西岡がどの程度、メジャーで成績を残せるのか。米メディアがダメ出しした結果に終わるのか。松井稼が超えられなかったハードルをクリアできるのか。西岡の一挙手一投足を、中島、川崎も注視することになる。

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[日本一の下克上−5]月1「3者会談」で強まった和[ニッカン]

日本一を決めた7日の会見でサブローは言った。なぜ強かったのか問われ、「(スローガンの)和です。16年間(プロで)やってきて、こんなに腹を割って監督と話せたのは初めてです。非常にやりやすい環境をつくってくれた」と、にこやかに話した。

今季から新たに導入された月1回の「3者会談」がコミュニケーションの幅を広げた。選手、監督、フロントの間で行われる話し合い。それぞれの立場からの要望を意見交換しながら、チームを強くするにはどうしたらいいか、何が悪くてどう改善したらいいのかを一緒に考えてきた。選手側の参加者は選手会長のサブロー、主将の西岡、シーズン終盤には小林宏も加わって、選手の思いを球団幹部にぶつけることができた。

サブローは「よく文句とかわがままを言ったからなあ。何かあればすぐにフロントにも意見を言ったし、チームがどうすればよくなるか常に話をした」と振り返る。開幕ダッシュに成功したが、ケガなどで失速した時にも「選手としては、この状況を何とかしたい思いがある。監督、フロント含めてみんなで考えましょう」と呼びかけ、話し合いを通じて何度も危機を乗り越えてきた。

フロントも全面的に協力した。3者会談は石川球団運営本部長の発案。バレンタイン前監督時代は外国人監督ということもあり、意思疎通は完全、とはいかなかった。同本部長は「サブロー、(西岡)剛が中心になってよく引っ張っていってくれた。コミュニケーションが増えたのはよかった」と効果を話した。先発の駒不足が深刻な状況に陥ったときも、フロントは行動を起こし、新外国人ペンの獲得に尽力した。ペンは日本シリーズで1勝するなど、貴重な戦力になった。

和とは何か。日本一を振り返って、西村監督は「全員が1つになって、1つの目標に向かってやってくれたと思う」と話した。選手を中心に、監督、コーチ、そしてファンも一体になれたことが、「下克上ロッテ」の最大の強みだった。

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特集:「下克上」で日本一、ロッテに学ぶ「和」の精神[毎日新聞]

プロ野球史に残る「下克上」で日本一に輝いた千葉ロッテ。新任の西村徳文監督(50)は、「和」をスローガンに、リーグ3位から日本シリーズ進出を勝ち取り、さらには優勝にまで導いた。チームを躍進させた「和」とは?今、ロッテに学びたい。

◇流されず、弱音吐かず

シーズン初め、誰がロッテの日本一を予想しただろう。史上唯一の400勝投手で、元ロッテ監督の金田正一さん(77)を訪ねた。

「(『和』を掲げるなんて)普通なら物笑いになるような危ないことですよ。たまたま成功したから良かったけれど、負けていたら『和ってなんだよ!』って笑われる。でも、西村が持ち出したのは、ボビー・バレンタイン前監督時代に欠けていたものを見定めていたからじゃないかな」。

西村監督は宮崎県出身。旧国鉄の鹿児島鉄道管理局から、ドラフト5位でロッテに入団し、金田監督時代の中心選手だった。金田さんは、西村監督を今でも「教え子」と呼ぶ。「練習が好きで、ものすごいファイターだった。礼儀作法を重んじるけれど、根っこは気の強い男ですよ。8月に西村が審判に抗議して退場になった時には拍手したよ。淡々とやる野球もいいけれど、躍動感がないとお客を魅了しない」。

勝因については「西村は誰よりも練習の大切さが分かっている。だから前監督があまり練習させない方針でも、流されなかった。それが花開いたんだよ。最近はピッチャーが分担仕事になっているけれど、西村は完投しようと頑張る者は頑張らせた。そして和がどんどん広がっていった。『オレがきっちり投げるんだ』っていう気持ちも和なんです」。

そもそも、ロッテの「和」って何だろう。

「英語で言うならチームワークだろうな。ワシが監督の時代は、人一倍練習して人一倍節制して、最高のコンディションでやれば勝つという信念でやってきた。朝飯を抜く者は練習させないくらい厳しかった。西村もそうやってきた。勝つという目標に向かってチームが1つになる。選手1人1人が節制して、ベストコンディションで試合に臨む。そういう『和』がないと勝てないことを、肌で感じていたんじゃないかな」。

日本シリーズ第2戦で、レフトの新人・清田育宏選手がライナーをダイビングキャッチした。「ああいうプレーが今年のロッテらしさ。たとえ失敗しても、積極的にプレーしたことを誰もとがめたりしないし、監督も選手を信頼して使い続ける。そんな雰囲気がチームにあるから生まれたプレーだ」と指摘する。

そして続けた。「最近、横浜ベイスターズが身売りするしないで、もめたでしょう。でもロッテはこれまで1度もそういう弱音を吐いたことがない。弱くてもお金がなくても。ドラフトでも『ロッテには行きたくない』と新人に拒否された時代もあったんだ。今活躍している選手はスカウトが苦労して取ってきた選手。オーナーをはじめ、球団全体が『和』の精神で選手を育ててきたんだ」。

金田さんは今回の日本シリーズで始球式を行った。「あんな大舞台で始球式をさせてくれたことには大感謝だよ。球団全体がOBも大事にする。これも和でしょうな」と感慨深げだ。

「和」の精神がチームを勝利に導いた−とは美談だが、果たしてそれだけか。

野球解説者の与田剛さんは「制度の問題ですが、リーグ3位のロッテは、プレッシャーが少なかったから伸びやかにプレーできたことは確か。リーグ1位のソフトバンクは日本シリーズに出て当然というプレッシャーが大きかった」と分析する。

「『和』は他のチームにとっても当然のこと。西村監督があえて選手に意識させたのは、もう1度基本に返るべき状況にあったのでしょう」。

「状況」とは、昨年、バレンタイン前監督の去就を巡って監督と球団フロントが対立した騒動。選手やファンも巻き込み、選手のモチベーションは低下した。

西村監督は選手との対話を重視し、積極的に選手の要望を取り入れた。「サブロー選手が『これほど腹を割って話せる監督は初めて』と言っていました。プロの監督が1人1人の選手に時間を割くのはとても難しい。だから選手の心の中に『監督のために』という思いが強くあったのでは。『和』は基本中の基本だけれども、忘れてしまいやすい。ロッテから何か学ぶとすれば、常に基本を忘れるなということでしょう」と語る。

西村監督は負けが続いてもベンチに暗い空気を作らなかった、とも指摘する。「日本シリーズ進出をかけた試合でも、ソフトバンクは調子が悪くなると元気をなくした感じがしたが、ロッテはリードされてもベンチが必死に声を出し、1つ1つのプレーに一喜一憂していた。監督やコーチが諦めない雰囲気を作り、選手もそれに同調する信頼関係を感じました」。

一方「バレンタイン前監督の功績が大きい」との意見も。大のプロ野球ファンで、作家の辻原登さんは「バレンタイン監督時代の05年に日本一になりましたが、西岡剛選手や今江敏晃選手らも当時まだ若く、お山の大将みたいになった。そして監督の統制がきかなくなり、低迷した。組織というのはそういうもので、頂点を維持するのはすごく難しい」という。

とは言っても、元々力のある選手達。「前監督が育てたチーム力がうまく稼働しなくなっていたところ、ヘッドコーチとしてチームを熟知していた西村監督が調整したら再びうまく稼働し出した。西岡選手をキャプテンにしたことが大きい。その結果、チーム全体が引き締まり、チーム力がアップしました」。

西村監督は、前監督の「日替わり打線」を廃して打順を固定し「脱バレンタイン」と言われた。しかし辻原さんは「日替わり打線は試合では機能しなくなっていたが、様々な打順を経験させることで確実に選手の力を高めた。日替わりの経験も必要だった。全ての結果は前段階によって生まれる」と見る。

注目度が低く、地上波テレビで全国中継されない試合すらあった日本シリーズだが、「最終戦で視聴率20%を超えたのは、すごい。何が起きるか分からん野球を生み出す力、それが『和』です」と金田さん。

「和」の力は侮れない。

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