わたしはかもめ2011年鴎の便り(3月)

便

3月24日

ロッテ急ピッチでQVC準備、セの利用にも協力[スポニチ]

ロッテの本拠・QVCマリンで当面の間、ナイターを自粛する方針を決定済み。また大量の電力を消費する大型ビジョンの使用も控える。

またセ球団が代替球場としてQVCマリンを使用するとの案にも協力的だ。石川晃球団運営本部長は「(球場所有者の)千葉市と協議することになるが、この状況下だから空いていれば問題ない」としている。一方、下水管の破損や液状化現象に対応すべく急ピッチで準備を進めている。

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渡辺俊、貫禄の5回1失点も里崎は辛口「68点」[スポニチ]

◇練習試合:ロッテ3−2楽天(ほっと神戸)

123456789R
千葉ロッテ1000200003
東北楽天0001000012

ロッテの渡辺俊が、今季実戦初先発で5回4安打1失点と貫禄を見せた。

4回に失策が絡んで失点したが、持ち味の緩急を生かした投球を披露した。東日本大震災の影響もあり、チームのオープン戦は12球団最少の7試合。ようやくの先発に「ムダ球も多かったし、ちょっと細工しすぎた。(捕手の里崎に)68点と言われました」と振り返った。西村監督は「色々な事情で先発機会がなかった。しっかり投げてくれた」と納得顔だった。

◇ロッテ“開幕予行”岩隈から効率よく3点!

ロッテが開幕戦で対戦が濃厚な岩隈から3点を奪った。初回1死三塁から井口の右犠飛で先制すると、5回は里崎の中前2点打など3連打で2点を追加。少ないチャンスを生かした攻撃に西村監督は「初回から点が取れたのは良かった。順調にきている」とうなずいた。23日に左ふくらはぎ肉離れから復帰した今江も岩隈からの右翼線二塁打を含む2安打。「前の試合より状態も良かった。自分のタイミングで打てた」と手応えを口にしていた。

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吉見が義援金100万円[ニッカン]

ロッテ吉見祐治投手(32)が24日、東日本大震災の被災者に義援金100万円を送った。吉見は東北福祉大出身で大学時代を仙台ですごしており「仙台は私にとって第2の故郷。少しでも皆様のお役に立てればいいと思い、わずかではありますが、義援金を送らせていただきます」とコメントした。

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巨人が折れた、再延期4・12セパ同時開幕[ニッカン]

セ・リーグが、パ・リーグに足並みをそろえて4月12日に同時開幕することになった。セ臨時理事会が24日、都内で開かれ、29日に決めていた開幕日を再延期して、パと同じ4月12日に変更することが決まった。ナイターと延長戦の取り扱いも、全てパに準じることになった。プロ野球は、2度にわたり文科省から東京電力、東北電力管内でナイター開催を自粛するよう節電要請されていた。さらに選手会の要望と世論の反発に配慮した形でようやく着地し、26日のオーナー会議で最終決定する。

午後2時に始まったセ・リーグ理事会は1時間余りで終了した。22日に2度目の文科省からのナイター自粛要請後、23日までに各球団が協議。この日結論を持ち寄った結果、セ、パ同時となる「4・12」で合意に達した。一部理事からは、土曜日開幕となる「4月9日はどうか」という案も出た。同時進行で理事会を行っていたパ・リーグと連絡を取り合ったところ、すでに前売り券を払い戻し、12日より前に開幕することは難しいとの事情などから却下され、同時開幕で着地した。

理事会終了後、理事長のヤクルト新常務取締役が決定事項を発表した。

(1)
選手の気持ちをくみ4月12日開幕とする。
(2)
文科省のあらためての要望については、4月中の東京電力、東北電力管轄内でのナイターを全て自粛する。
(3)
延長戦については交流戦を考慮し、3時間半を超えて新しいイニングに入らないというパ・リーグと同じルールに変更する。
(4)
4月中の東京ドームの巨人戦(6試合)はナイターだけでなくデーゲームも中止する。

強硬な姿勢を見せていたセ・リーグの方針転換は、実は22日の3省庁訪問後から始まっていた。NPBと各球団は文科省の要請と、選手会の反対、世論の反発を重く受け止め、同日夕方から水面下で協議。選手会が主張する4月12日開幕のほかに、4月9日セ、パ同時開幕案も出た。

23日までに阪神、横浜、中日、ヤクルトが「開幕再延期やむなし」の方針を固めた。そして、選手会の窓口である選手関係委員の巨人清武代表もついに動いた。23日夜に、選手会長の阪神新井が滞在している広島へ移動。新井会長と会談し、選手会が12月になっても試合をやることをあらためて確認した。清武代表は「日程が過密になればダブルヘッダーも辞さず、たとえ日程が12月にずれ込んでもやると約束してもらった。これが(開幕延期の)大きな要因」と話した。

10月29日開幕の日本シリーズを1〜2週間遅らせることが可能となり、レギュラーシーズン144試合消化が確実となった。これが決め手となり、日程を主導的に決めてきた巨人も選手会が主張していたセ、パ同時開幕を受け入れた形となった。

二転三転したセ・リーグがようやくスタートラインを見つけた。

◇どうなる日程−シリーズずらさないと無理

セ・リーグが、パ・リーグに足並みをそろえて4月12日に同時開幕することになった。セ臨時理事会が24日、都内で開かれ、29日に決めていた開幕日を再延期して、パと同じ4月12日に変更することが決まった。ナイターと延長戦の取り扱いも、全てパに準じることになった。

開幕延期により、今季の日程は大幅にずれ込むことが濃厚となった。3月25日〜4月10日の全89試合は、すでに発表されている日程(セ=9月25日、パ=10月4日)の後に追加することが基本線となる。交流戦(5月17日〜6月19日)、オールスター戦(7月22〜24日)の変更はないとみられる。

CS開幕はセが10月15日、パが同14日からを予定していたが、横浜笹川取締役は「余裕をもってCSに入るために最低でも2週間は必要。日本シリーズをずらさないと無理」という見解は、12球団で一致している。過去に最も遅く日本シリーズが開催されたのは、50年の毎日−松竹戦で11月22〜28日に行われた。

厳しい電力事情を受け、巨人や西武はホームとビジターを入れ替える作業を進める。ドーム球場が少ないセは天候不良の影響を受けやすく、予備日や移動日、月曜日を活用して、既存の日程の間に組み込む必要が出てくる。横浜、マリナーズでプレーした佐々木主浩氏(本紙評論家)は、「20連戦も珍しくない大リーグは前日移動が基本。カードの最終戦をデーゲームにしてその日のうちに移動可能にすれば、選手の肉体的負担は軽くなり、パフォーマンスも落ちない」と今後は、日程変更の調整が必要だとした。今後も震災余波などで先行き不透明な部分が多い。各球団が日程の組み直しに苦慮し、選手の負担も避けられそうにない。

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「12月でもやる」新井会長執念実り涙[ニッカン]

セ・リーグが、パ・リーグに足並みをそろえて4月12日に同時開幕することになった。セ臨時理事会が24日、都内で開かれ、29日に決めていた開幕日を再延期して、パと同じ4月12日に変更することが決まった。

選手会の主張が通った。労組プロ野球選手会会長の阪神新井貴浩内野手(34)が、万感の涙を浮かべた。遠征先の広島市内のホテルで4月12日のセ・パ同時開幕の決定を受けて会見し、両リーグに感謝した上で「12球団が同じスタートラインに立てた」と喜んだ。8日間で5度という執念の開幕延期要望が実を結んだ。

新井は、両目を赤く染めて宙を見つめた。15日に最初の延期要望を出してから10日目の決着。多忙だった期間の感想を求められて、8秒間沈黙。そして言葉につまりながら話し始めた。

新井
「被災者の方々のことを思うと…。僕のことは何ともないことだと思います。まあ、あの、色々ありましたけど、これからは12球団の選手とセ・パ両リーグの方、また野球に携わる全ての方々と協力して、前へ進んでいきたい。」

野球界一体を求める執念だった。8日間で5度の延期要望を出して、22日には省庁で蓮舫節電啓発担当相らに直談判。「セ・リーグも、パ・リーグもないんですよ!12球団なんですよ」と声も荒らげた。再三にわたる12球団への聞き取り、事務局との打ち合わせ。携帯電話のバッテリーが気になる日々。「常に充電…、どこでも充電」と疲れた表情だった。深夜になって翌朝の練習開始時間に気がつく時もあった。この日の決定は、選手会の要望を全面的に受け入れた形だ。

新井
「選手会の声、ファンの声が届いたんじゃないかと。セ・パ両リーグともすごく大きな決断だったと思う。感謝します。これから12球団が同じスタートラインに立てた。4月12日の開幕に向かって、しっかりやっていくということです。」

ただ要求するだけではなかった。球団経営の観点を配慮して、全日程消化に協力する姿勢を打ち出した。統一契約書は11月30日が期限となっており、12月以降のプレーは契約の外。新井は選手に負担を強いる全日程消化に向けて、2度にわたる意思確認を行った。

新井
「選手会の総意。万が一、12月になってもやり抜く覚悟が選手会にある。144試合、クライマックスシリーズ、日本シリーズを絶対にやり遂げる。」

セ、パが同条件で行われる11年シーズン。

新井
「僕達プロ野球選手ができること、やらなければいけないこと、というのは真剣に野球をする姿を見せることだと思っています。真剣に野球をすることによって、少しでも被災者の方々に勇気をもってもらえるように、笑顔になってもらえるように、頑張っていきたいと思います。」

最後は強い口調で会見を締めくくった。

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決定セも4・12!巨人、初の地方開幕[サンスポ]

セ・リーグは24日、都内で緊急理事会を開き、公式戦の開幕を4月12日に再延期することを決めた。東日本大震災の影響で、延期とセ、パ同時開幕を訴えた日本プロ野球選手会(新井貴浩会長=阪神)に配慮したもの。また政府から東京電力・東北電力管内でのナイター自粛要請を受け、同管内では計画停電が予定される4月中はナイターを行わず、東京ドーム、西武ドームではデーゲームも実施しないことも決まった。

ようやく、プロ野球が今シーズンへ向かう姿勢が固まった。東日本大震災の影響を受けて、最初の緊急実行委員会が開かれた15日から、10日間のすったもんだの末、4月12日にセ、パ同時開幕することで決着した。

再延期だった。セは17日に予定通りの25日に開幕するとし、監督官庁の文科省から節電要請を受けた19日に29日への延期を決めた。だが減灯ナイターなどの対策も、22日に政府から全否定され、日程を白紙撤回せざるをえなくなった。

「選手の気持ちもくんで、早く決めなくてはいけなかった」とセ理事長のヤクルト・新球団常務。4月12日開幕のほか、管内でのナイター、ドーム使用の完全自粛も受け入れた。また延長戦の取り扱いも、パの「3時間30分を超えて新たな回に入らない」ことを受け入れた。完全譲歩で、12球団一致をアピールした。

最後まで早期開幕にこだわった巨人が、予想以上の世論の反発を受けて前日23日に方針転換を決めた。デーゲームでの東京ドーム使用も自粛する。「ベストでもベターでもないが、選手の気持ち、政府の指導に沿う道をとるべきだ。選手会は日程が12月にずれ込んでも協力すると約束してくれた。これは今までなかったこと。その覚悟があるなら応えようと」と巨人・清武球団代表。4月12日の開幕戦は、山口・宇部になる。1952年のフランチャイズ制導入以降、球団史上初めて地方開幕という苦渋の決断で12球団がまとまった。

パもこの日、理事会を開き、セ、パともに公式戦144試合、クライマックスシリーズ、日本シリーズの全日程消化を確認。日本プロ野球選手会が試合消化に全面協力を表明していることもあり、10月29日開幕と発表されている日本シリーズを2週間以上先延ばしする方向で、日程再編成に入った。

今後は対戦カードごとに当該球団が協議し主催試合の振り替えなどを模索する。さらに被災した楽天と節電要請を受けた首都圏5球団に対し、残る6球団は球場の貸し出しなど、積極的に応じることも確認しあった。来週にも復興支援慈善試合を実施。利害をこえて、ようやく12球団の足並みがそろいはじめた。

「12球団が一致して、選手会とも協調して野球をしていこう。震災の被害を受けたり、被災地でがんばっている方々に野球の力で励ましたい」。パ理事長の楽天・井上オーナー代行は力を込めた。日程編成は容易ではなく、夏には大規模な電力供給不足に見舞われる可能性がある。それでも、プロ野球はシーズンを全うする。これから、その「覚悟」が問われることになる。

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セ開幕再延期に、阪神・新井「感謝感謝」[サンスポ]

涙の感謝−。労組・プロ野球選手会の会長を務める阪神・新井貴浩内野手(34)は24日、広島市内のホテルで会見を開き、4月12日への開幕延期を決めたセ・リーグに対し、感謝の気持ちを表した。選手会として、今季の144試合、クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズ全てを消化することを約束した。

広島との練習試合を終え、ユニホーム姿のまま会見場に現れた。選手会の声、ファンの声が背中を押した4月12日のセ・パ同時開幕へ。新井は険しかった表情を少しだけ緩めると、プロ野球選手の代表として、確固たる決意を示した。「大変大きな決断をしていただき、選手会の意志をご理解いただき感謝しています。両リーグの方には、144試合、クライマックスシリーズ、日本シリーズを必ずやり遂げます、協力しますと伝えています。僕達プロ野球選手が真剣に野球をする姿を被災者の方に見てもらって、少しでも勇気づけられるように頑張りたい」。

納得できる答えが届いた。24日のセ・リーグ緊急理事会で「4・12」開幕が決定。会見の冒頭に「(東日本大震災で)大変なときにプロ野球の開幕時期の問題でお騒がせしてしまい申し訳ない」と頭を下げると、プロ野球選手の責務を貫く姿勢を示した。

開幕延期が決まり、東北電力、東京電力管内では4月中のナイターを自粛する。消化できない15試合がシーズン後半に組み込まれ、日程は厳しくなるが、選手側は協力は惜しまない。日本シリーズが12月まで長引く可能性もあるが「万が一そうなっても、やり抜く覚悟はできている。両リーグの決めたことに、最大限の協力をしていきたい」と話し、両リーグに伝えたことも明かした。

二転三転した末にようやく決まった開幕へ。これで新井自身も前に進んでいける。「被災者の方のことを思えば何ともない」と言葉に詰まりながら目を潤ませた。会長としての心労からか、最近の実戦形式で16打席無安打。調子の悪さが目立っていた。この日の広島との練習試合では18打席安打なしで迎えた6回無死一、三塁で、篠田から右翼へ先制犠飛。4番の仕事をようやく果たした。

スタートラインが決まった。まだクリアすべき問題はあるが、やるべきことはハッキリとした。開幕へ向けて、全ての準備を始めていく。

◇蓮舫氏「新井選手会長の努力素晴らしい」

蓮舫節電啓発担当相は25日午前の記者会見で、プロ野球のセ・リーグが開幕日をパ・リーグと同じ4月12日に再延期したことに関し、「節電という意味でありがたい」と述べた。セパ同時開催を主張していた日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(阪神)に関し「お上と言うよりも、ファンや選手の声をしっかり聞いた結果で、新井会長の努力は素晴らしかった」と評価した。

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26日に臨時オーナー会議[サンスポ]

セ、パは今回の決定を26日の臨時オーナー会議に諮り、日本シリーズ延期などの協議を要請する。オーナー会議では日程変更に伴う経営問題などのほか、「復興支援のためのキャンペーン活動なども話し合うことになるだろう」(関係者)。すでに今季の全試合を東日本大震災の復興支援試合とすることが決まっているが、球界一体のアピールを検討する。

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セ・リーグ白旗、巨人軟化で4・12セ、パ同時開幕[スポニチ]

セ・リーグが完全に降伏。4・12セ、パ同時開幕が決まった。政府からナイター自粛と開幕日の再延期を求められていたセは24日、都内で臨時理事会を開き、4月12日への開幕再延期と東京電力管内で4月中のナイター自粛を決定。延長規定も9回打ち切りをパ・リーグ同様3時間30分を超えて新しいイニングに入らないと変更した。

日程は26日の臨時オーナー会議でパとともに承認を得る。強行派の巨人が軟化し、選手会の要望を全面的に受け入れてセの開幕問題は決着した。

会見に臨んだセ6球団の理事の表情は一様に険しかった。迷走の末の4・12セ、パ同時開幕。11日に起きた東日本大震災から2週間、本来なら開幕前日のはずだったこの日にたどり着いたのは苦渋の結論だった。

冒頭、新純生理事長(ヤクルト球団常務)は「球界一体で144試合の支援試合を行うために決めた」と前置きして

(1)
選手の気持ちを酌んで開幕は4月12日
(2)
文部科学省の再要請に従って東京電力・東北電力管内での4月中のナイター自粛
(3)
交流戦も含めてパと一致させるため試合時間3時間30分を超えて新しいイニングに入らない

を発表。新理事長は「6球団一致した意見になった」と付け加えたが、それはかたくなに同調を拒んできたパの開幕延期日と節電策(17日発表)と同じだった。

セは本拠地6球場に被害がなく「やれる試合はやろう」の理念から17日に予定通り25日開幕を発表。そこから批判が殺到し、18日に文科省のナイター自粛要請が届く。19日に決めた29日への開幕延期と「減灯ナイター」などの節電策は、文科省幹部とすり合わせたはずなのに、21日に蓮舫節電啓発担当相らにダメ出しを食った。選手会も4・12同時開幕を要求。ファンの声は高まり、高木文科相に「国民の理解を得られない」と言われた。強行姿勢を貫く巨人も再延期に同意せざるを得ない状況だったのだ。

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パ、同時開幕歓迎「12球団一緒にやり抜く」[スポニチ]

パ・リーグも都内で臨時理事会を開き、調整が必要な日程などを再確認した。会見した井上智治理事長(楽天オーナー代行)は開口一番、セ・リーグとの4・12同時開幕を歓迎。「パ・リーグの理事の皆さんも、球場事情とかある中で、セ・リーグの皆さんが英断してくれたと非常に喜んでます」と明かした。

今後は日程面でリーグを横断した調整が必要となることが予想される。「144試合と球宴、クライマックスと日本シリーズ。12球団一緒にやり抜くという思いを、パもセも同じで強く持ってます」と一致団結を強調。楽天や西武、ロッテなど代替球場が必要な球団も抱え「セ・リーグさんの方が球場事情は苦しいだろうが、12球団それぞれの球場で協力していこうということです」と両リーグの力を集結し、難局を乗り切る考えだ。

ソフトバンク・高田浩一郎取締役
「セ・リーグの決定について報告を受けました。一度は別々だったが、こうして歩調を合わせることは野球界にとっていいことだと思います。」
西武・飯田則昭専務取締役
「セ・リーグにはセ・リーグの色々な事情があると思う。西武は埼玉がホームなので、埼玉で試合をしたいという思いは変わらない。でも電力事情を考えた時に埼玉県内で試合をやるのは難しい。」
ロッテ・石川晃球団運営本部長
「これから細かい作業に入るけど、セ、パ一緒にやっていこうということです。パ・リーグは基本的に変わりはないですけど。」
日本ハム・大社啓二オーナー
「社会全体がプロ野球に期待していたことになって、結果的に良かったと思う。各企業が賢明な判断をしたのでしょう。」
日本ハム・島田利正球団代表
「セ、パで足並みがそろったことはよかった。ただ、解決したのは日程だけ。節電や電力の問題について12球団でどうするのか。被災者に対して何ができるのか。今後の問題はまだ山積み。」
オリックス・村山良雄球団本部長
「セとしても悩まれたと思うが、非常に重い決断をしてもらった。12球団で日程調整ができるので、いい試合をして野球の素晴らしさを見せたい。」
楽天・井上智治オーナー代行(パ・リーグ理事長)
「セ・リーグの皆さんは球場事情が厳しい中でも英断を下された。東北地方を元気づける意味で色んなことを配慮していただいた。選手会にも感謝している。」

◇監督達も“セパ同時開催”歓迎「良かった」

中日・落合監督
「26日だろ」、オーナー会議は。それが終わるまでは何も言えないよ。」
阪神・真弓監督
「そこへ合わせてやっていくだけ。(調整の難しさに)開幕1試合で終わる訳じゃない。」
巨人・原監督
「誰も経験したことがない未曽有の出来事を前に、今回の決定にいたるまでにご尽力いただいた多くの方々に感謝します。開幕の日程も正式に決まり、目標も明確になりました。これからはプロとしてファンの皆さまを喜ばせるため、しっかりと準備をするとともに、心を新たに、戦いに向かっていきます。」
ヤクルト・小川監督
「4月12日ということがはっきりしたことは、選手の調整や日程の組み方もできるので良かったと思う。」
広島・野村監督
「体調を整えるのはとても難しい。決まったからにはそこに向かっていく。どこも一緒。」
横浜・尾花監督
「セ・パ同時開幕ということで、球界が1つになってファンに喜んでもらえるようにしたい。100%の形で戦える準備を進めていくだけです。」
ソフトバンク・秋山監督
「交流戦もあるから、同じルールの中でやれるのはいい。それ(4月12日の開幕)に向かってやるしかない。」
ソフトバンク・王球団会長
「色々な意見はあるだろうが、これで騒ぎは一段落する。選手も気持ちの整理をして、4月12日に調整できるんじゃないかな。」
西武・渡辺監督
「良かった。選手会も求めていたし、選手もモチベーション高くやれるんじゃないかな。」
ロッテ・西村監督
「両リーグそろって開幕できるのは良かったと思います。」
日本ハム・梨田監督
「こんな緊急事態なので色々な考えがあって当たり前。本当に4月12日が1番なのかも分からない。ただダルビッシュも話していたが、これからは我々が元気を与えていかないと。」
オリックス・岡田監督
「当然よ。今季からボールも統一球に変わって、審判もセ、パが一緒になるのに、開幕日だけ違うっていうのはな。常識よ。最初から(同時開幕に)しとかな。」
楽天・星野監督
「1番は選手会がホッとしているだろ。これで新井も気楽になってヒットが出るやろ。うちは開幕が4月12日に決まっていたから(同時開幕も)違和感はない。(セも3時間30分は)ルールは同じ方がいいだろう。」

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28日に12球団の日程会議が開催予定[スポニチ]

パ・リーグの営業担当者会議が都内で行われ、日程変更の細部の確認作業を行った。

元の日程をできる限り動かさないことをベースに日程調整。それでもナイターができない西武、ロッテの日程変更が増えるという。関係者は「CS開催に影響が出ないように公式戦終了が大幅にずれないように工夫している。特に屋外球場の試合消化が課題」と説明。また28日に12球団の日程会議が開催される予定で、交流戦期間に同一リーグの試合開催の可否などについても話し合われる。

◇高木文科相、セパ同時開催に「今回の決定を評価する」

高木義明文部科学相は24日、セ・リーグが緊急理事会で公式戦開幕を再延期し、パ・リーグと足並みをそろえたことについて「節電への協力をお願いしていた。今回の決定を評価する」と述べた。その上で高木文科相は「選手の頑張りが被災者の励ましになればと思っている。これからも一体となって頑張ってもらいたい」と、プロ野球選手にエールを送った。国会内で記者団に語った。

◇経済的損失、電力…セパ同時開催決定も難題山積

セ・リーグがパ・リーグに同調し落着した日程問題だが、セ・パともに解消すべき課題は多い。

東北電力、東京電力管内での4月中のナイターを自粛するが、5月再開のメドは立っていない。文科省の要請は「少なくとも4月中」と以後の電力事情も見えていないからだ。

特にデーゲームでも同量の電力を消費する東京ドームで5月以降試合が開催できるのか。電力の消費量が急激に上がる夏場はどうだ。あるセ球団幹部は「東京ドームで試合ができないとなると、相当な経済的損失。巨人だけでなく球界全体の問題だ」と危機感を表した。

セは先に「減灯」や冷暖房不使用など4割の節電策を発表したが、電力事情や国民感情が開催を認めるかどうか。事情は西武ドームも同様で、代替開催など対応を急ぐ。

屋根のない神宮、横浜、QVCマリン、Kスタ宮城では原発放射性物質漏れへの対応も迫られる。

セ・パともに予定のレギュラーシーズン144試合、クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズを全て行う方針で、日本プロ野球選手会も「どんな厳しい日程でもやり遂げる」(新井貴浩会長)と了解した。延期した18日間、計89試合(セ45、パ44)は原日程の合間や10月以降に組み入れる。終盤は連戦やダブルヘッダーなどの過密日程となる。セ・リーグの新純生理事長(ヤクルト球団常務)は「セ・パ一体となって検討する」と、28日に12球団合同の日程編成会議を開く。

◇ 清武代表「選手会の覚悟に応えようということ」

巨人・清武英利球団代表
「ベストとかベターな選択ではないかもしれないけど、解決に至る唯一の策だとしたらそれをとる。彼ら(選手会)が大きく譲歩した。これまで12月までやると言ったことはなかったんじゃないか。そういう覚悟があるんだったらその覚悟に応えようということ。」
広島・鈴木清明球団本部長
「スタンスはあるが、監督官庁の指示があればそれに従うと言ってきた。選手会の気持ちもくまなければいけない。」
巨人・滝鼻卓雄オーナー
「報告は聞いた。いずれにしろ、明後日のオーナー会議で全部言いますから。」

◇なぜ同時開幕に…「阪神が方針を変えたのが大きかった」

セ関係者は「阪神が方針を変えたのが大きかった」と言う。

19日の理事会で長期間の延期を最後まで主張したのはヤクルトだけ。それが政府から再要請を受け、ナイター開催を蓮舫担当相に「商業主義ととられますよ」と叱責されて風向きが変わった。

国民感情、ファンと選手の声…。ヤクルトに続き阪神、横浜、中日が延期派に回った。阪神から同調を求められた巨人は、この日までに内部調整を完了。逆風への抵抗は限界だった。

◇巨人、苦肉の策で東京ドームの試合数維持

会見の席で巨人・清武英利球団代表は選手関係委員長の立場から「選手会と協議を重ね、過密日程にもダブルヘッダー、12月にずれ込んでも日本シリーズまで協力するとの約束を得た」と説明。前夜に新井選手会長に直接電話して了承を得られたことが再延期決定の大きな要因ともなった。

デーゲームの自粛も求められた東京ドームでの試合は4月中の2カード6試合(12日以降)は6月以降の同じ相手の主催試合と入れ替えることで調整。東京ドームでの試合数は減らさない苦肉の策だ。紆余曲折を経てセ、パ同時に球音を告げることになった。

◇日程が変わるにしても「球場事情はセの方が苦しい」

セ・リーグがパ・リーグに同調し落着した日程問題だが、セ・パともに解消すべき課題は多い。既に11月29日までの球場事情の調査は終えた。オフの行事などで使用が制限される。パ・リーグの井上智治理事長(楽天オーナー代行)も「球場事情はセの方が苦しい。協力し合う」と話す。

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新井会長ファン思い涙「12月になってもやり抜く」[スポニチ]

魂の叫びが届き、願いは通じた。セ・パ同時開幕。日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(34=阪神)の目は潤み、何度も言葉を詰まらせた。「まずは(東日本大震災の)大変な時期に、プロ野球の開幕問題でお騒がせしたことをお詫び申し上げたいです」。

セ・リーグ臨時理事会の開幕再延期の決定を受けて広島市内で会見した新井会長は冒頭で深々と頭を下げた。ここまで混迷を深めたことは未曽有の災害に苦しむ人々の気持ちを考慮すれば、本意ではなかった。だからこそ、最初に謝罪の言葉が口をついた。その上で、こう続けた。

「セ・パ両リーグの方に大変、大きな決断をしていただき感謝しています。一致団結してくれた。ファンの声、選手の声が届いたと思います」。ようやく、選手会が望んだ「英断」が下された。

セが17日に3月25日の強行開幕を決めたことで、世論は反発。「選手会の声はファンの声」と信じ、新井は先頭に立ってNPB側に再考を訴え続けた。22日には文科省を訪れる重責も担った。同時に、一選手としてグラウンドにも立ち続けた。実直で、思い詰める性格でもあるだけに、眠れない日々が続いたことは想像に難くない。それでも、「被災者の方達のことを考えたら、僕のことなんて何ともない」と多くを語らなかった。

開幕日が当初から3週間近くずれ込むことで、開幕以降はタイトなスケジュールを強いられる。ただ、新井会長は追加の要望は出さない方針で、「144試合、クライマックス、日本シリーズを絶対にやり遂げます。それは(NPB側に)伝えていますし、12球団の選手会長に再確認した総意です」。野球協約上、12月1日から翌年1月31日までは参稼報酬期間に含まれないが、「万が一、12月になってもやり抜くということです」と、選手会の意思をあらためて強調した。

参稼期間
参稼報酬(年俸)支払いの対象となる稼働期間のことで、野球協約第87条の(1)に毎年2月1日から11月30日までの10カ月間と定められている。そのため選手は通常12月1日から1月31日の2カ月間は「オフシーズン」が保証されている。

◇涙の新井会長「やはり声が届いたんだと思う」

≫セ・パ同時開幕になりましたが?
新井
「(広島との練習)試合の後に報告を受けました。12球団の選手が一致団結して、意思表示し続けてきたことが大きかったと思う。」
≫最終的に同時開幕に至った要因は?
新井
「やはり選手会の声、ファンの声が届いたんだと思う。」
≫4・12開幕までにできることは?
新井
「義援金、救援物資の搬送…。チャリティー試合とかみんなで協力してやっていきたい。」
≫今からNPBに再び要望を伝えることはあるか?
新井
「もうない。12球団が同じスタートラインに立つことができたし、4月12日に向けてしっかりとやっていくこと。両リーグが決めたことに対して最大限の協力をしていきたい。」

◇選手達は団結「全員で一体となってやっていきたい」

ヤクルト・宮本
「どれが正しいとか非常に難しい問題だったと思う。(選手会会長の阪神)新井がヒアリングをしっかりやってくれた。日本のプロ野球が一体となって開幕する。それに合わせて全員で一体となってやっていきたい。野球をやらせていただけることに感謝したい。」
ヤクルト選手会長・石川
「4月12日に合わせてベストの状態に持っていきたい。被災されている方達もたくさんいる。公式戦をやらせていただけるという気持ちが強い。(過密日程による)調整どうこうなどは大したことではない。」
ロッテ選手会長・サブロー
「4月12日がいい時期かは分からないけれど、12球団の足並みがそろったことは良かったし、嬉しく思う。12球団一致団結して、被災者の方に勇気、プロ野球ファンの方には喜んでもらえるようなプレー、行動をしていきたい。」
楽天選手会長・嶋
「新井さんが野球界のことを思って、親身に(球団側に)話してくれた。実現して良かった。こういう日本の状況で、セ、パが同時に開幕して、みんなで盛り上げていければいい。」
巨人選手会長・内海
「開幕日がはっきりと決まったことで、これからしっかりとコンディションを整えて、そこに向かって行きます。今年はシーズンを通して、被災地への思いを胸にプレーをしたいと思います。」
中日選手会長・森野
「妥協してくれた訳ですから、協力してやっていきたい。過密日程になるのはしようがない。特別な1年ですから。」
広島選手会長・石原
「選手の要望を理解していただいたと思っています。(厳しい日程)条件はどこも一緒。それについては、どうこう思うことはない。」
日本ハム選手会長・田中
「選手やファンの思いが通じてよかったし、開幕できたら選手全員が精一杯プレーしていきたい。」
ソフトバンク選手会長・川崎
「ほっとした。12球団一緒に野球ができることで、モチベーションが高まる。セ・リーグはいい決断をしてくれたと思う。」

◇視点は早くも次へ、新井会長「肩の荷が下りたとは思いません」

選手会では4月3日にパ6球団が3球場で予定している慈善試合をセも合同で行いたい意向で、これ以外にも開幕までに支援策を検討したいという。

「(セ・パ同時開幕が決定したことで)肩の荷が下りたとは思いません。僕達にできる次のことを考えています。真剣にプレーする姿を見せることで被災者の方に少しでも勇気や笑顔を届けたい」。この男がいたからこそ、プロ野球界はファンから見放されないで済んだ。

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根回しできていたはず…想定外だった政府の自粛要請[スポニチ]

◇[記者の目]

セ・リーグがパ・リーグに屈し、再延期を決めたことに、巨人球団代表・清武英利は「2つの要因」をあげた。「電力事情であらためて(政府の)自粛要請を受けたこと。4月12日の件で言えば、選手達の心ですね」

感情はやはり大きな問題だった。だから選手会との窓口、選手関係委員長でもある清武は「心」を強調した。「選手会=世間」。世情の後押し、セへの逆風は強かった。

わずか4日間の延期を決めた際は文科相・高木義明から「国民の理解を得られていない」と切られた。巨人・読売を通じて、根回しできていたはずの政府筋から差し戻しをくったのは想定外だった。コミッショナー・加藤良三も「どうなっているんだ」といら立ったほどだ。目には見えない心を読めず、国民感情を無視した強引さがあった。

背景に金の損得勘定があった。セ各球団は腹の内で早期開幕や東京ドーム開催での収益を見込んでいた。赤字で身売りの危険性にさらされる球団は多い。確かに清武が言った「経済活動を停止したら日本は沈没する」は一理ある。広島や阪神も「やれる所はやる」と主張していた。広島球団本部長・鈴木清明はこの日「道理が通らぬ」と不満ながらに出席した。

だが、節電啓発担当相・蓮舫はずばり「商業主義ととられますよ」と警告、見透かされた。有事に「金で買えない」心が勝ったこの結果は、捨てたものではない。

清武の「2つの要因」に加え、あるセ首脳は「阪神の寝返りが大きい」と言った。近年の躍進で発言力の増した阪神は世情を悟り、18日頃から強行派の巨人に譲歩への説得を行っていた。セの強行姿勢を牽引していた巨人も「このままではセは見放される」との警告を聞き入れた。

「問題は巨人・読売の内部調整だった」との証言がある。巨人オーナー・滝鼻卓雄が前夜漏らした「オーナーは1人」は自らかたくなな社内上層部を黙らせる決意表明に聞こえた、とも聞いた。

二転三転したセの失態でファン離れが案じられる。だが問題点が浮き彫りとなり、「球界一丸」を打ち出せた点に救いを見たい。=敬称略=
(編集委員・内田雅也)

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「人気のセ」のはずが…プロ野球人として大事なものを失った[スポニチ]

◇[記者の目]

未曽有の震災が起こってから2週間。セ・リーグが開幕日を確定するまでに失ったのは時間だけではない。プロ野球人として最も大事なものを失ったのではないか。

15日の実行委。パ・リーグがいち早く延期を打ち出したのに、強行したいセ側が発表を拒んだという。結局、両リーグの調整はつかず17日に分離開幕を発表。セはその日から猛烈な逆風にさらされた。厳しい電力事情の中でナイター実施。NPB事務局には1日400件を超える批判の電話が入り、セの6球団も同様だった。批判はNPBのパートナー企業にまで及んだ。「こんな中でナイターやるのか!」。それはファンの、そして国民の声でもあった。

なぜ、セが早期開幕とナイターにこだわったのか。本拠地6球場は被害がなく、3球場は東京電力・東北電力管外。試合を行える環境にあった。プロ野球は興行。東京ドームで1試合流せば損失は数億円に上る。しかも注目される開幕カード。各球団にとって収入減は球団経営に直結する。巨人・清武球団代表は「できるところから野球をやるのは選手、球団の責務であり本能」と言った。経営者の立場からは当然の考え方だろう。しかし、そうした経営理念すら通らなくなるほど日本が震災で受けたダメージは大きかった。

パは素早い対応で4月12日への延期とナイター自粛を決めた。セとは対照的だ。それがセへの批判を強めたが、楽天の本拠地が被災して25日開幕など実質的に無理という事情もあった。こうした状況下でこそ球界全体を見渡し、指導力を発揮すべきなのが加藤良三コミッショナー。その球界トップが経営者の意向を酌んでしまったのも混乱を助長した。政府からナイター自粛要請を受けても具体的な方向性を示すことなく、選手の意向を酌んで問題が決着したこの日も対応はなかった。

開幕再延期でセの営業面でのマイナスは確かに痛い。でも、リーグ誕生61年で作り上げた財産を失った方がもっと痛いはずだ。「人気のセ」はもはや死語なのか。
(専門委員・秋村誠人)

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セ、パと「4・12」同時開幕…4月は東京ドーム使わず[報知]

セ・リーグは24日、東京・内幸町の日本野球機構(NPB)で臨時の理事会を開き、29日に予定していた公式戦開幕を再延期して、4月12日にパ・リーグと同時に開幕する方針を固めた。26日のオーナー会議で正式に決定する。節電対策も足並みをそろえ、4月中の東京・東北電力管内でのナイターを自粛し、3時間半を超えて新しいイニングに入らない(最大12回)ことも決めた。東京ドームの巨人戦は昼夜を問わず4月中は中止とした。

セの日程問題が、ついに決着した。臨時理事会後、セ・リーグの新純生理事長(ヤクルト)は「選手の方々の気持ち、選手のコンディションも考慮して、開幕を4月12日とします」と会見し、首都圏でのナイターを4月いっぱい中止すると決めた。文科省からの節電要請にも、セ・パ同時開幕を求めていた日本プロ野球選手会の要望にも応えた。球界首脳が文科省へ報告する予定もないという。これ以上、開幕問題が紛糾することはないだろう。

会議は1時間余りで「すんなり決まった」(中日・西脇代表)。セ・パ同時開幕となった背景には、日本プロ野球選手会の姿勢もあった。「選手会が『144試合やる。クライマックスシリーズも日本シリーズもやる。ダブルヘッダーも辞さず』と約束されたのが(解決の)要因です。心意気に応える意味でも、こういう選択肢でよかったのではないか」。巨人・清武球団代表はNPBの選手関係委員長として説明。「選手会が大きく譲歩して、(試合を)12月までやる、と言ったことはなかったんじゃないか。その覚悟に応えようということ」と補足した。

今後、両リーグは日程を再編成する作業に取りかかる。新理事長は「代替球場のこともあるので12球団で一体となってやらないと」と難航をうかがわせた。広島の鈴木球団本部長が「(経営の損害は)どの球団もある。観客動員をかけるしかない。11月には(全シーズンを)終わらせたい」としたように、ポストシーズンの試合を遅らせて、日本シリーズを11月下旬にずらす考えもある。仮に11月中の消化が不可能となっても、選手会が野球協約で定められた2月1日〜11月30日の参稼報酬期間外でも試合の消化に協力する意向を示しており、支障はない。

いったん公式戦を9回打ち切りとしていたセは、節電策の一環としてパに足並みをそろえ、3時間30分を超えて新しいイニングには入らないと決めた(最大12回まで)。26日には12球団による臨時のオーナー会議を開いて、ポストシーズン試合の延期などを話し合う。セ・パの足並みをそろえ、プロ野球はようやく開幕へ動き出す。

◇神宮は六大学&東都が優先

ヤクルトは

(1)
東京六大学
(2)
東都

と共同で神宮球場を使用している。土、日曜の昼に行う(1)は4月9日開幕予定。同12日に開幕予定で、主に毎週火曜から昼に行う(2)は、30日の理事会・監督会で開催の可否を含めて協議する。球場の使用は大学野球が優先され、デーゲームにする場合、ヤクルトは(1〉(2)両連盟、神宮球場に使用許可を得る必要がある。

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新井選手会会長「全ての試合やり遂げる」…セ・リーグ開幕延期決定[報知]

セ・リーグは24日、東京・内幸町の日本野球機構(NPB)で臨時の理事会を開き、29日に予定していた公式戦開幕を再延期して、4月12日にパ・リーグと同時に開幕する方針を固めた。26日のオーナー会議で正式に決定する。節電対策も足並みをそろえ、4月中の東京・東北電力管内でのナイターを自粛し、3時間半を超えて新しいイニングに入らない(最大12回)ことも決めた。

日本プロ野球選手会会長の阪神・新井貴浩内野手(34)は24日、広島市内で行われた会見の冒頭で、ファンに謝罪した。「まずは大変な時に、プロ野球の開幕問題のことでお騒がせして、この場を借りてお詫び申し上げます」。

15日の12球団臨時実行委員会で開幕延期を主張してから、10日間が経過した。この日、広島との合同実戦練習(マツダ)が終了後、セ・パ同時開幕の一報を聞いた。「セ・パ両リーグの方には、大きな決断をしていただいた。選手会の意思をご理解していただき、感謝しています。セ・パで一致団結してくれているんだなと思います。4月12日の開幕に向かって、しっかりやっていく」。両リーグが足並みをそろえたことを歓迎した。

統一契約書では、参稼報酬を伴う労働契約期間は2月1日〜11月30日だが、「(公式戦)144試合、クライマックスシリーズ、日本シリーズを必ずやり遂げます。それは選手会の総意」と、オフの12月にずれ込んでもプレーする覚悟をあらためて示した。さらに、開幕までの約3週間で、オールスターのチャリティーマッチ開催などを実施するプランを披露した。

多忙な日々が1つの終わりを告げた。「被災者の方のことを思うと、僕のことは何ともないと思います。肩の荷が下りたというか、次のことを見据えています」と涙をこらえた。被災地の復興へ球音で励ます日を迎えるまで、新井会長はリーダーシップをとり続けていく。

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パ各球団は決断を評価、楽天は感謝の言葉[サンスポ]

二転三転の末に12球団の足並みがそろい、パ・リーグからはセの決断を評価する声が上がった。

パの理事長を務める楽天の井上オーナー代行は「(セが)英断を下され、12球団一致して野球に取り組むことができる」と歓迎した。東日本大震災の被災地を本拠とするだけに「東北地方を元気づけるという意味で、色んなことを配慮していただいた」と各球団への感謝を述べた。

ソフトバンクの高田取締役は「野球界にとっていいこと」と話し、オリックスの村山球団本部長は「非常に重い決断をしてもらって、12球団で日程調整ができる」。日程の組み替えなどまだクリアすべき問題は多いが、大きな山は越えた。

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新井選手会長、セ・リーグの決断に感謝![サンスポ]

日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(阪神)は24日、セ・リーグ緊急理事会の開幕延期の決定を受けて広島市内で記者会見し、選手会の要望が通ったこともあり「大変な決断をしていただき感謝しています」と決定を受け入れた。

追加の要望は出さない方針で「万が一、12月になったとしても、144試合とクライマックスシリーズ、日本シリーズを必ずやり遂げる」と、選手会の意思をあらためて強調した。

ただし、会見冒頭は「大変な時期に開幕の問題でお騒がせしてファンの方にお詫びしたい」と神妙な面持ちで話しだし、終始笑顔はなかった。22日には選手会長として文部科学省を訪れるなど重責を背負ったが「被災者の方達のことを思うと、僕のことは何でもない」と、言葉に詰まりながら目を潤ませた。

今後は慈善試合の実施など支援を検討したいという。「12球団の選手と両リーグの方、野球に携わる全ての方と協力していきたい。真剣に野球をする姿で、被災者の方々を少しでも勇気づけられるようにしたい」と、新たな決意を口にした。

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文科相、セ開幕4月12日に延期「評価」[サンスポ]

東日本大震災でプロ野球セ・リーグのシーズン開幕が4月12日に延期になったことについて、高木義明文部科学相は24日、「評価をする」と述べ、記者団に対して歓迎の意向を示した。

ナイターは4月中、行われない見通しだが、ドームの試合はデーゲームでも空調や照明が必要となるため、高木文科相は「節電に十分配慮して欲しい」と述べた。

プロ野球は、震災を受けてパ・リーグが4月12日に延期を決定したが、セ・リーグは当初、3月25日の予定通り開催を方針を示したため、文科省側が延期を求めるなどしていた。

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パ144試合、CS完全消化、理事会で確認[サンスポ]

パ・リーグは24日、セ・リーグの緊急理事会と並行して理事会を開き、144試合とCS(クライマックスシリーズ)を完全消化することを確認した。日本シリーズについては、すでに発表していた10月29日開幕から、2週間以上ずらす方向で協議を進めることになった。シーズン終了は11月下旬から12月になる可能性もある。

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