ロッテが快勝し、3カード連続の勝ち越し。1回にサブローの適時打で先制し、2回には清田の1号2ランなどで3点。3回にも2点を加え、序盤で主導権を握った。唐川は7回2失点で3連勝。西武は引き分けを挟んで初の6連敗。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 1 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 8 |
埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 |
ロッテの金泰均が体調不良で欠場した。練習中に訴え、東京都立川市内の病院で検査を受けた後、宿舎で静養した。
ロッテに「恐怖の9番打者」が誕生した。ドラフト1位ルーキー伊志嶺翔大外野手(22)がプロ初スタメンで3安打猛打賞1得点。自慢の俊足を生かしてプロ初盗塁も決め、1番岡田、2番荻野貴とともに足でかき回して勝利に貢献した。チームは3カード連続の勝ち越しで貯金を今季最多の3とした。
開幕から19試合目。ようやく巡ってきたチャンスで、伊志嶺が持ち味を余すところなく発揮した。2回の第1打席。追い込まれてからの変化球に必死に食らい付いて中前打を放った。この1本で緊張がほぐれた。「行けたら行け、のサイン。狙っていこうと思った」直後の初球。思い切りよくスタートを切り二盗を成功させ、岡田の右前適時打で生還した。3安打の固め打ちに「宮古島の家族にいい報告ができます」と喜んだ。
伊志嶺が9番に座る効果は絶大だった。1番岡田、2番荻野貴とともに50メートル走5秒台の「快足トリオ」が完成。2回までにこの3人で計4盗塁を成功させ、相手に揺さぶりをかけた。荻野貴は「伊志嶺が走ると相乗効果で自分達も走れる。相手の嫌がる攻撃をどんどんやっていきたい」と、意気込んだ。
新人の起用がズバリはまった西村監督は「伊志嶺を9番に置くと下位から上位へと打線がうまくつながる。相手にプレッシャーや恐怖感を与えられる」と、今後は先発起用が増えることを示唆。好調ロッテに、フレッシュで強力な武器が加わった。
また1人“ハンカチ世代”にスター誕生だ! ロッテのドラフト1位・伊志嶺翔大外野手(22)=東海大=が4日、西武5回戦(西武ドーム)で「9番・左翼」でプロ初スタメン。4打数3安打で猛打賞デビューを飾り、8−2の快勝劇に貢献した。日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22)=早大=らとの学生日本代表で主将を任された男が、プロでもエンジン全開だ。
売り出し中のルーキーの勢いは止まらない。伊志嶺のバットが快音を発し続けた。
まずは2回、西武先発・石井一から中前打。二塁へプロ初盗塁も決め勢いに乗ると、5回に2番手・藤原から中前打を放ち、7回も3番手・岩崎から右前打。初スタメンで早速4打数3安打(1死球)の固め打ちだ。「ほどよい緊張感がありました。1本目のヒットを打てたことで気持ちが楽になりましたね。固め打ちはたまたま。これからもコンスタントに成績を残していきたい」。
新人でただ1人開幕1軍を果たし、公式戦デビューの4月14日の楽天3回戦(QVCマリン)では初打席で右中間三塁打。そしてスタメンデビュー戦では猛打賞と、同学年の日本ハム・斎藤に負けない“持っている男”ぶりだ。
沖縄・宮古島に住む両親は、息子の雄姿を見たさに野球中継のCS局と今年から契約。「これでいい報告ができます」と笑う孝行息子に、西村監督も「初スタメンでこれだけの結果を残してくれたのだから十分。明日も(先発)かもしれない」と評価した。
これで9番・伊志嶺から1番・岡田、2番・荻野貴と、50メートル走5秒台の快足トリオが並ぶオーダーも完成。現役時代に4度の盗塁王に輝いた西村監督は「相手に恐怖感を与えることができる」と満足気だ。
チームは6年ぶりの西武戦5連勝で、貯金は今季最多の「3」に。“伊志嶺効果”を得て、昨季の日本一球団が疾走開始だ。
08年のロッテD1位・唐川(成田高)は、7回7安打2失点。“高校ビッグ3”で同期入団のヤクルト・由規に負けじと、3連勝(1敗)だ。防御率は1.48となったがリーグトップの座はキープ。「まだ4試合しかやってないですしね。(暫定トップは)記念ですよ」。4回には打球を右ひざ内側に受けたが、投球を続行。試合後も「大丈夫です」と影響なしを強調した。
西村ロッテに快足トリオが誕生した。ドラフト1位の伊志嶺翔大外野手(22)が4日、西武戦に「9番・左翼」でプロ初のスタメン出場。3安打1盗塁と鮮烈なインパクトを残した。岡田幸文外野手(26)、荻野貴司内野手(25)の1、2番と3人で計4盗塁。また1人スピードスターが加わり、機動力を前面に出したチームは14安打8点で快勝。貯金を今季最多の3とした。
流れるような攻撃だ。2回1死から9番の伊志嶺が中前打し、初球にすかさず二盗。1番・岡田が右前適時打で伊志嶺を還すと、荻野貴も左前打で続いて3連打。1死一、二塁から今度は岡田と荻野貴がノーサインで重盗を決めた。50メートル5秒台を誇る快足トリオが縦横無尽にダイヤモンドを疾駆。これこそが、現役時代に4年連続盗塁王に輝いた西村監督が追い求めるスピード野球だった。「若手の活躍が目立った。伊志嶺がいいものを見せてくれた。9番に置くことで下位からつなげるし、足も使える」。
2回までに4盗塁。機動力野球をスケールアップさせたのが、9番でプロ初スタメンを果たした伊志嶺だ。50メートル5秒7の俊足で初盗塁。3回は死球、5回は中前打、7回は右前打と、初の猛打賞を含む4度出塁し「ほど良い緊張感の中でやれた。(盗塁は)初球から行けたら行く気だった。少し自信になったし、家族にいい報告ができる」と笑顔を見せた。
走攻守そろった即戦力ルーキー。沖縄・宮古島出身で「小さい頃は海で魚を捕ったり、砂浜を走ったりしていた。だから、脚力がついたのでは」と笑う。春季キャンプでは西村監督から走塁の心得を伝授された。実演を交えての指導にうなずきながら反復練習を繰り返した。「離塁、帰塁やメンタルの話を聞いた。牽制が入る中でいかに速くスタートを切るか勉強になった」。セールスポイントを前面にアピールする活躍で、西村監督は5日の西武戦(西武ドーム)のスタメン出場の可能性も示唆した。
試合前までチーム12盗塁は岡田、荻野貴の2人だけで稼いでいた。伊志嶺が9番に入ることで、スピード自慢が3人続く打線は相手投手にとっては大きな脅威となる。岡田が「相手も嫌がるのでスキがあればどんどん行こうと思った」と胸を張れば、2盗塁を決め両リーグ最速タイで10盗塁に到達した荻野貴も「(伊志嶺は)凄いですね。相乗効果で走れるような気がする」と喜んだ。
80年代には大洋(現横浜)の高木豊、加藤博一、屋鋪要の「スーパーカートリオ」が話題を呼んだが、それに負けない俊足トリオ。異次元のスピードで駆け回る「幕張リニア」が2年連続日本一を狙うロッテの新たな武器となる。
ロッテは荻野貴(2盗塁)、伊志嶺、岡田で2回までに4盗塁。チーム盗塁数は16個となり、ソフトバンク、楽天と両リーグ最多で並んだ。今季盗塁をイニング別に分けると初回6、2回4と2回までに10盗塁。うち5盗塁が得点につながっており序盤の積極走塁が功を奏している。なお、ロッテの1試合4盗塁は昨年7月1日のソフトバンク戦以来。この日のように2回までに4盗塁は、85年9月22日の阪急戦で初回に横田、リー、2回に西村(現監督)、横田でマークして以来26年ぶりだ。
ロッテ先発の唐川は7回2失点で3連勝。3回以外は毎回走者を出したが要所を締めた。7回に2失点したところで降板となり「100球もいかなくて代わったので、もう少し投げないといけない」と反省。
それでも防御率1.48はリーグ1位をキープした。3日には成瀬も3連勝を飾り、エースの翌日に唐川で連勝するパターンが確立。西村監督は「本人の自覚でしょうね。成瀬の次に投げさせているんだから」とうなずいた。
敵地のドームを揺らす「伊志嶺コール」に両手を突き上げて応えた。プロ初スタメンで3安打をマークした伊志嶺は「チャンスを生かして頑張っていきます。自信になりました」と、初のヒーローインタビューで興奮気味にまくし立てた。黄金世代と言われる88年生まれのドラ1ルーキーが、同級生に負けない活躍でスポットライトを浴びた。
50メートル5秒7を誇る自慢の俊足でもアピールだ。2回1死から中前安打で出塁すると、続く岡田への初球でプロ初盗塁となる二盗をマーク。「行けたら行けのサインで初球から狙っていた」と、一発で決めて抜群のセンスを証明した。さらに岡田の右前適時打で一気に生還するなど、チャンスを生かす働きでプロ初の猛打賞も記録だ。
前日(3日)の西武戦で9回に中前安打を放ち、打撃の調子の良さから西村監督は「9番・左翼」に抜てきした。指揮官は「どこかで使いたかったが、(外野手の層が厚く)なかなかチャンスがなかった。9番に伊志嶺を置くことで下位から上位へつながって、相手にプレッシャーや恐怖感を与えられる」と絶賛。機動力野球のキーマンとして、レギュラー候補に急浮上する勢いだ。
2月の春季キャンプは、金森打撃コーチに弟子入りし、毎朝の早出特打で猛特訓。打撃向上へひたすら振り込んだ。日本ハム・斎藤を筆頭に活躍する同級生の話題には、「こっちもやってやろう、という気持ちになる。焦りはない」と刺激に変えてきた。沖縄・宮古島の実家にいる両親は、入団後にプロ野球中継を見るためCSのスポーツ専門チャンネルを契約したという。孝行息子は「宮古島の家にいい報告ができますね」と定位置取りへの励みにしている。
リーグトップタイの3勝目を挙げた唐川が、リーグ1位の防御率1.48と“2冠”だ。7回を7安打2失点の好投で、「防御率トップ?まだ4試合しかやってないですから。(3勝は)早いといえば早いですね」と控えめに喜んだ。
キレのあるスライダーを武器にテンポの良い投球で、完封した20日の西武戦(QVC)に続いて相手打線を翻弄した。制球が甘くなった7回に2失点して95球で交代し、「100球もいかなくて代わってしまったので、もう少し投げないといけない」と反省も忘れなかった。
開幕から安定した投球を続けている右腕は、新たに今季から登板の間にウエートトレに取り組む。「去年のことがあったんで、けがの防止のために肩とかひじとか本格的にやり始めました」。昨年9月に右ひじ痛でチームに迷惑をかけてしまい、より練習に力を入れる意識が高まった。
エース・成瀬に並ぶ3勝は、ローテの柱として大きく貢献している証しだ。西村監督は「本人の自覚でしょうね。成瀬の次に投げさせているんですから」と成長に目を細めた。
ロッテの唐川は3回以外、毎回走者を出しながらも、安定した投球を続け3連勝。大量リードの7回に2点を失い「100球もいかなくて代わったので、もう少し投げないと」と反省を口にしたが、7回2失点は先発として十分の内容だった。
リーグトップの防御率を誇る21歳に、西村監督は「成瀬の次に投げている訳だから、自覚してやってくれている」と全幅の信頼を置く。左のエースとの競い合いも、良い効果を生み出しているようだ。
ロッテは好調の打線が序盤から猛攻。西武先発の石井一を3回途中でKOすると、その後も着実に追加点を挙げて快勝した。先発の唐川も7回を投げ2失点に抑える好投。自身3連勝でチームの連勝に貢献した。
ロッテは初回、死球で出塁した荻野貴が二盗、さらに送球がそれる間に一気に三塁に進塁。井口が四球で歩いた後、サブローが左前に適時打を放ち1点を先制した。
2回表に清田の2ランなどで3点、3回表には今岡の適時二塁打などで2点を追加し、西武・石井一をKO。5回表、6回表にも着実に加点し、先発・唐川を援護した。
序盤から大量援護をもらった唐川は、7回裏に集中打を浴びて2点を失ったが、ほかは危なげない投球で西武打線を翻弄。打たせて取るピッチングで7回を2失点に抑え、自身3連勝で今季3勝目を挙げた。
また、ドラフト1位のルーキー、伊志嶺がプロ初スタメンで3安打の大当たり。「9番・左翼」で先発出場し、2回裏の第1打席、5回裏の第3打席でともに中前打、7回裏の第4打席でも右前に安打を放ち、猛打賞の活躍だった。
ロッテ唐川侑己投手(21)にとっては、不完全燃焼の3勝目となった。6回までは4安打無失点とほぼ完璧な投球を見せたが、7回に2失点してリリーフにマウンドを譲った。95球で降板した唐川は「もうちょっと投げなければいけなかったですね」と反省。西村監督も「加減したのかな、あいつ。最後まで投げることを考えて」と冗談交じりに振り返った。
ロッテ清田育宏外野手(25)が今季初アーチを放った。2回無死一塁。高めの直球を豪快なスイングで左翼席へ運んだ。「打った瞬間は上がりすぎかなと思いましたが、ボールに思いが伝わりました。送りバントではなく打たせてもらったので、絶対に何とかしたかった」とコメント。ロッテ打線は3回までに8安打で6点を奪い、西武先発の石井一をKOした。