ともに投手陣が踏ん張り、延長10回で引き分けた。ロッテは8回途中まで1失点の渡辺俊からロサ、薮田とつないだ。オリックスも中山が7回途中まで1失点と粘り、そこから3投手の継投。両チームとも8回以降は無安打だった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | |
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オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
渡辺俊は8回途中まで1点に抑えた。奪った23個のアウトは4三振とライナーが1つ、18のフライで、ゴロのアウトはなし。「球がうまく浮き上がってくれた」と言うように、風を生かした。本来はゴロを打たせるのが持ち味の右腕が、前回の登板に続いて飛球で打ち取った。「打者がゴロを打たないようにしてくるので、こういう結果になっている」と涼しい顔だった。
ゴロで打たせて取るとは言っても、フライで打たせて取るとはあまり耳にしない。しかし、サブマリンことロッテ・渡辺俊ならそれも可能だ。7回2/3を3安打1失点。23アウトのうち、4三振を除く19アウトは全てフライ(ライナー1つを含む)。ゴロアウトは1つもなかった。
「前半の風はちょうどいい感じで吹いてくれて直球が浮き上がってくれた」。下手投げ特有の軌道。QVCマリン特有の海風も生かした。中堅方向からグラウンドに吹き、その風はバックネットではね返って投手には向かい風となる。試合中盤まで常時4、5メートル。直球はさらに浮き上がり、ことごとく球の下を叩かせる。直球で打ち取ったフライは14個を数えた。
直球を多投した要因はそれだけではない。オリックス打線のシンカー狙いを見抜いたからだ。「シンカーをすくい上げてゴロを打たない打撃」と渡辺俊。シンカーは直球と同じ軌道から沈ませる球。渡辺俊の最大の武器でゴロを打たせる球だ。近年はシンカーを対戦相手に研究され、狙われる傾向が強い。それを逆手に取り、フライでアウトを稼ぐ投球に徹した。
ロッテは延長10回を戦って今季6度目の引き分けに終わった西村監督は「渡辺俊もリリーフ陣もよく抑えてくれたんだけど、攻撃陣が何とか点を取ってあげないとね」と嘆いた。
3回に井口の右前打で挙げた1点だけ。渡辺俊を好リードした里崎だが、打撃では7回2死満塁など3度の得点圏で全て凡退した。11残塁の拙攻に、指揮官は「明日は打ってくれます」と祈るように話した。
ロッテの渡辺俊は8回途中まで1点に抑えた。奪った23個のアウトは4三振と1つのライナー、18のフライで、ゴロのアウトはなし。「球がうまく浮き上がってくれた」と言うように、風を生かした。
1失点は1−0の7回1死一塁でバルディリスに浴びた適時二塁打。「ちょっと球が弱くなってしまった」と悔やんだ。本来はゴロを打たせるのが持ち味の右腕が、前回の登板に続いて飛球で打ち取った。「打者がゴロを打たないようにしてくるので、こういう結果になっている」と涼しい顔だった。
ロッテの井口が3回に先制打を放った。前日の5日は零敗を喫しただけに「昨日もこういう展開で先制点を取ることができなかった。今日は試合を優位に進めたいと思っていた」と3番打者は喜んだ。
外角のカーブを捉え、一、二塁間を破った。このところ、36歳は不振脱出へ早出でバットを振り込んでいる。その効果が出たような、井口らしいコースに逆らわない先制打だった。
ロッテが勝利とともに珍記録も逃した。この日、先発した渡辺俊介投手(34)が23アウトを19個のフライと4三振で切り抜け、リリーフしたカルロス・ロサ投手(24)も8回終了時まで補殺0。しかし、9回、最初の打者だったT−岡田に遊ゴロを許した。補殺1は数多くあるが、0だと過去セ・リーグで1度あるだけの珍記録だった。渡辺俊は「そんな記録もあるんですね。でも補殺0は無理でしょ」。フライの山を築いたものの、勝利には結びつかなかった。
ロッテ井口資仁内野手(36)が3回、先制適時打を放った。外角のカーブにバットを合わせて右前へ。「伊志嶺がしっかり送ってくれたので、何とか点に結びつけたかった。昨日もこういう展開で先制点を取れなかったから、今日は先に取って優位に進めたいと思っていた。俊介もいいリズムで投げてるから、この先制点は大きいね。もっと援護できるように次も頑張るよ」と、さらにやる気を見せた。