ロッテが逆転勝ち。0−1の7回に四球と安打で無死一、三塁とし、今江が左越えに8号3ランを放った。7回1失点と粘った大谷が3勝目。ソフトバンクは好投の和田が一発に沈み、約1ヶ月ぶりの連敗で10カードぶりの負け越し。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 |
福岡ソフトバンク | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
ロッテ今江敏晃内野手(27)が一振りで試合を決めた。1点を追う7回無死一、三塁、和田から起死回生の逆転3ランを左翼席にたたき込んだ。「興奮している」。バットを振り抜いたままの姿勢でスタンドに吸い込まれる打球を確認すると、ベンチを向いてニッコリと笑った。
本能で打った1発だ。内角の厳しいスライダーに、自然とバットが出た。「うまく体が反応して、完璧に打つことができた」。前の2打席では変化球に全くといっていいほどタイミングがあっていなかったが、チャンスで集中力が研ぎ澄まされた。理屈ではなく、本能で結果を出す男。「僕はきた球を打つタイプだからね。あの場面でも狙い球はなかった」。派手な仕事にもかかわらず、平然と振り返った。
統一球の影響もあり、今季はなかなか波に乗れなかった。好調が持続せず、前半戦の終盤には「どうしたら打てるんやろう」と弱音を漏らすこともあった。だが、この日の1発でスランプともお別れ。「やっと普通の状態に戻ってきた。これが自分の姿」と大きくうなずいた。これが8月3本目のアーチ。日本一連覇に欠かせない男が、完全復調を宣言だ。
ロッテ・今江が和田を打ち砕いた。0−1の7回無死一、三塁で逆転の左越え3ラン。2球目の外角スライダーにタイミングが合わずファウルすると「腰が引けていると感じた。踏み込んでいこうと思った」と即座に修正。2ボール1ストライクから内角スライダーを完璧に左翼席へ運んだ。
6回まで2安打に抑えられていた左腕をとらえて「体がうまく反応した。あのファウルがあったから、本塁打があった」と会心の笑み。チームは連勝で40勝に到達。8月に入って3本塁打と好調な今江がチームを加速させている。
6回まで2安打に抑えられていたソフトバンク・和田を、一振りで沈めた。0−1の7回無死一、三塁で今江が逆転の8号3ラン。「完璧でした。体が反応して打つことができた」と笑顔をみせた。7試合連続安打で、本塁打は今月3本目。不調に苦しんだ前半戦から一転し「今までが打てなさすぎた。これが(本来の)と頼もしかった。
ロッテの大谷が早大の先輩の和田に投げ勝った。7回1失点で3勝目を挙げ「素晴らしい投手。こうやってプロで投げ合えて、勝てたことがすごいプラス」と顔をほころばせた。
2回に先制のソロ本塁打を浴びた。ただ、4〜7回と毎回安打を許しながらも得点は許さない。要所では低めに集め「投げている中で、勝つためのポイントが分かってきた」と手応えを口にした。
ロッテは10日、内が9日に千葉県船橋市内の病院で「右肘関節鏡視下手術」を受けたと発表した。全治は未定。10日に退院し、11日からリハビリを開始する。内は右肘痛で7月2日に出場選手登録を外れていた。今季は主に勝ち試合の終盤を任され、21試合に登板し、1勝1敗、防御率2.19だった。
ロッテ大谷智久投手(26)が早大の先輩ソフトバンク和田に投げ勝った。7回1失点で3勝目。2回にオーティズのソロで先制点を許したが、その後の追加点を許さなかった。「最近は投げている中で試合のポイントが分かるようになってきた。相手が和田さんという意識はあったし、プロで投げ合い、勝てたのはプラスです」。粘りの投球を満足そうに振り返った。
敵地で首位ソフトバンクに連勝。貴重な1勝にもロッテ西村徳文監督(51)は冷静だった。「うちはまだ借金がある。また明日が大事。いつも言っているように、1つ1つをしっかりと戦っていくだけです」。それでも、先発の大谷が粘りの投球を繰り広げ、打線が少ないチャンスをきっちり決めた。監督いわく「内容的には勝ち負けが逆になっていてもおかしくない試合」を制し、チームが勢いづいたのは間違いない。
労組・日本プロ野球選手会とワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を主催する「WBCI」が10日、13年の第3回大会の参加条件について都内で協議した。選手会は代表のスポンサー権などの日本への帰属が認められない限り、大会には参加しない方針を打ち出している。WBCIはこの要求に対して「応じられない」と回答。交渉は物別れに終わった。
WBCIは交渉の席で別の提案を行った。13%にとどまった前回大会の日本への収益分配率が結果的にアップするような仕組みとみられる。その上で参加するか否かを9月30日までに決めるよう通告。他の招待チームを探す姿勢もちらつかせた。
ジム・スモールMLBアジア副社長はWBCIを代表して「どちらにしても13年に必ず大会はやる」と強気なコメント。選手会の松原事務局長は「このままでは参加したくても出られない」と話した。この日は日本野球機構(NPB)とWBCIの協議も行われた。「デッドライン(9月30日)を過ぎてからが本当の交渉の始まり」(関係者)との声もあり、交渉の長期化も予想される。