DeNAは新球団名を「横浜DeNAベイスターズ」として、日本野球機構(NPB)に加盟申請した。
自ら球団オーナーとなる春田真会長(42)会長は、チーム強化に向け「まずGMをお招きしたい」と明言した。
春田会長はGM招聘について「中期的に強くしていくために骨格から考えないと」とし、優れたチーム編成力を持ち合わせた人物を置く方針で、前ヤクルト監督の高田繁氏(66)を候補の1人としてリストアップしている。高田氏は05年に日本ハムGMに就任。翌06年にはチームを日本一に導いた実績を持つ。
水面下でチーム体制の構築に動いているDeNAだが、承認作業がスムーズにいくかは不透明だ。今後は9日の実行委でヒアリングなど参入審査の手順を決め、12月1日のオーナー会議で承認されれば正式に球界参入が決まる。しかしパ・リーグの一部球団には長期的な球団保有を不安視する声があり、承認には不透明な部分が残っており、今後も予断を許さない。
たくさんの報道陣に囲まれたDeNAの春田会長は、球界参入の思いを切々と語った。
巨人の渡辺恒雄球団会長(85)は、DeNAへの球団譲渡の正式決定について多くを語らなかった。
「まだモガベー(モバゲー)か。もう、いいかげんにしてくれよモガベーは」と第一声。今後についても「分からん。まあ、モガベーはもう関心ないよ」と話すにとどまった。また、この日は原監督にシーズン報告を受けたが、コーチ人事についても「何の報告も聞いてない。俺に報告なしに勝手にコーチ人事をいじくるってのはそんなのあり得るのかね。俺は知らん」と不満げだった。
横浜市内の球団事務所で行われた臨時取締役会で球団譲渡が承認されると、加地隆雄球団社長は「決着したんだなあ、と。安堵と、これからどうなるのかという複雑な思いがある」と心境を吐露した。
DeNA社に対する期待は高く「一生懸命やって長期保有してもらえると信じている」。自身を含めたフロント、監督、コーチ人事に関してまだ同社から連絡はないとしたが、早ければ週明けにも動きがありそうだ。
TBSホールディングス(HD)と交流サイト運営大手のディー・エヌ・エー(DeNA)は4日、プロ野球横浜ベイスターズの譲渡で正式に合意し、発表した。DeNAは新球団名を「横浜DeNAベイスターズ」として、日本野球機構(NPB)に加盟申請した。NPBへの預かり保証金などの30億円を含めた取得総額は95億円となる。
TBSHDとDeNAはそれぞれ、取締役会で譲渡を承認した。TBSHDは保有している株式69.23%のうち2.31%を残し65億円で売却する。昨年から球団売却交渉が表面化していたTBSHDは2002年に140億円で取得した球団の運営から撤退する。
DeNAは当初、自社が運営する携帯電話向けソーシャルゲームサイト「MobaGe(モバゲー)」の名称を球団名に入れる意向だったが、広告宣伝目的になるとして巨人などが難色を示したことで撤回。引き続き本拠地となる横浜への密着を掲げ、長期保有を前提とした申請であることを強調している。
DeNAの春田真会長(42)は「あらためて野球のすごさ、力を感じている。責任感を持ち、やらせていただけるのであればしっかりやっていきたいと思っており、次世代につなげていけるように運営していきたい」と話した。
球団譲渡にはプロ野球の実行委員会とオーナー会議での承認が必要。一部球団には経営の安定性などを問題視する声がある。オーナー会議での承認には4分の3以上の賛成を得なければならない。承認されれば、04年オフにソフトバンクが福岡ダイエーホークスを買収して以来となる。
TBSホールディングス(HD)の神成尚史取締役は4日の決算記者会見で、横浜ベイスターズの売却先をディー・エヌ・エー(DeNA)に決めた理由について「ベイスターズだけでなく野球界全体に対する情熱や、長期保有の強い意思などが申し分ないと考えたからだ」と話した。
DeNA側は横浜市で球団を長期保有する方針を示したという。
売却額は65億円で、TBSが取得した際の140億円を大幅に下回る。年間20億円前後の赤字補?も本体の経営を圧迫してきたが「(ベイスターズ保有は)投資とは考えておらず、球団やスポーツ界全体への貢献と考えてきた」と強調。今後も試合中継などを通じ、ベイスターズの活動を支援していく考えを明らかにした。