ロッテの新人藤岡が、球威のある直球主体で1回を三者凡退に抑えた。先発候補の渡辺俊は、4回3失点と不安を残した。ソフトバンクは帆足が2回3安打無失点とまずまず。内川がソロ本塁打を含む2安打と順調な調整ぶりを示した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 |
福岡ソフトバンク | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | x | 4 |
大歓声も気にならなかった。ロッテのドラフト1位、藤岡貴裕投手(22=東洋大)は5回、2番手でマウンドに上がると、直球を投げ続けた。10球全てストレートで細川を中飛に打ち取ると、本多は144キロ直球で見逃し三振。明石を投ゴロに抑えて、3者凡退に抑えた。上々のオープン戦デビューに「大観衆でしたが、敵なので意識しないように投げました。粘られたけど、四球を出さずに3人で抑えられてよかった」と笑みをこぼした。
調整の中で、直球の質が良くなってきている。この日も「スピードは出ていませんが、指にかかる感じはだいぶ上がってきている」と手ごたえを感じた。10日の楽天戦(倉敷)での先発に向けて、いい調整ができた。西本投手コーチも「1イニングだけだけど、あれなら大丈夫」と太鼓判を押した。
課題は変化球で空振りを奪うことだ。「プロでやってないので分かりませんが、アマの時は空振りが取れたんで」。この日は空振りを1つも奪えなかった。それがプロの壁なのか、藤岡の状態がもう1ランク上がれば解消するのかは分からないが、クリアしなければならない課題。「先発ローテを勝ち取れるよう頑張りたい」と口元を引き締めた。
押した。押しまくった。オープン戦初登板。ロッテのドラフト1位・藤岡は、これでもかと真っすぐを投げた。1イニングを3者凡退。スライダー以外の変化球を封印し、全18球中14球が直球だった。 「粘られても四球を出さず、先頭打者を打ち取れた。制球は少しアバウトだったけど、3人で抑えられ良かった」。
10球続けて同じ握りで腕を振った。5回、先頭の細川にオール直球勝負を挑んだ。3ボール1ストライクから5球連続でファウル。最後は中飛に仕留めた。続く本多をこの日最速の144キロで見逃し三振。明石への3球目、142キロは地面を叩くワンバウンドとなった。まさにアドレナリン全開。気合で昨季の日本一打線を抑え込んだ。
メンタル面も合格だった。この日の敵地・ヤフードームには2万6719人の観客。2月28日の西武との練習試合(春野)は観衆3000人だった。約9倍の視線が注がれる中で「大観衆といっても敵なので。意識せずに投げた」と打者に対して集中。西村監督は「こういうところで投げさせたかった。この雰囲気の中でゼロは次につながる」とうなずいた。
直球で押しまくりながら、一方で空振りはゼロ。最速153キロ左腕とすれば物足りない。「もう少し空振りが取れたら良かった。まだベストではない。徐々に挙げていかないと」。次回は10日の楽天戦(倉敷)に先発する左腕の理想は、まだまだ上にある。
ロッテの根元が遊撃争いで一歩リードした。
2番に座って3安打1打点。広角に打球を飛ばし「自分の間合いで打席に入ることができている。この状態を維持できるようにしたい」とうなずいた。西岡がツインズに移籍した昨季、遊撃手は8人が先発するなど固定できなかった。西村監督は「ここのところずっと調子がいい。1番で試すことも考える」とした。
“ポスト西岡”へ根元がバットで魅了した。0−4の7回1死一、二塁から、カストロの直球をはじき返し右前適時打。この日3本目の安打で反撃の口火を切った。これで練習試合を通じて16打数7安打、打率4割3分8厘の大暴れ。昨季は8人が起用された遊撃の、レギュラー最有力候補に躍り出た。
流した汗の多さが結果となって表れた。石垣島キャンプでは休日返上で自主トレ。打ち急ぐ癖を克服しようと、打撃練習のフォームをビデオで録画して研究を重ねた。キャンプ最後のオフこそ西村監督の休養指令が出たが、実質“皆勤賞”だ。「今は自分の間合いで打席に入れている」と研究の成果を口にした。
西岡がツインズに移籍以降、不在だった正遊撃手。根元の好調ぶりに西村監督も口ぶりが滑らかだ。昨季は主に下位を打たせたが、この日は2番で起用。「(2番は)これからも考えられる」としながら、「今は1番の出塁率が低いから試したい」とリードオフマン抜てきも示唆した。昨季は68試合で打率2割2分8厘に沈んだだけに、根元は「オープン戦、シーズン関係なく、アピールし続けないと」と、貪欲。中堅に突入する7年目。甘いマスクの目の色が、確かに変わっている。
ロッテのドラフト1位・藤岡貴裕投手(22)=東洋大=が、球威のある直球主体で1回を三者凡退に抑えた。先発候補の渡辺俊は、4回3失点と不安を残した。
藤岡は、直球主体の投球で三者凡退に抑え込んだ。5回、先頭の細川を全球直球で攻めた。3ボール1ストライクから、5球連続でファウルされたが、最後も速球で中飛に仕留めた。「粘られたが四球を出さず、先頭打者を打ち取れたのがよかった」と、ほっとした表情だ。
本多へは、この日最速の144キロを低めいっぱいに決め、見逃し三振。「(球速の)数字は出ていないが、指の感覚は上がっている。開幕ローテーション入りを勝ち取りたい」と意欲的だ。
ロッテの根元が3安打を放ち、遊撃の定位置争いでリードを固めた。右前に適時打を含む2本、左中間に二塁打と打ち分け「自分の間合いで打席に入ることができている。この状態を続けたい」と、うなずいた。
西岡が大リーグ、ツインズに移籍した昨季、チームは遊撃を固定できなかった。根元はこの日、2番で起用されたが、1、2番もまだ流動的だ。西村監督は「打順を1番で試すこともある」と期待していた。
ロッテのドラフト1位藤岡貴裕投手(22=東洋大)が5回、2番手として登板し、3者凡退に仕留めた。練習試合などでの登板は経験したが、オープン戦は初登板。大観衆の前だったが、動じなかった。「大観衆でしたが、敵だったので意識せずに投げた」と藤岡。本拠地で大歓声を受けるのが待ち遠しそうだった。
ロッテ渡辺俊介投手(35)は4回3失点と結果を残せなかった。3回にわたって先頭打者を出塁させ、リズムに乗れず、盗塁も3度許すなど不安を残した。「今日は内容が良くなかった。左打者のインコースにスライダーを試せたのが唯一の収穫です」と自嘲気味に話した。
張本勲氏がロッテ岡田幸文外野手(27)に「喝!」を出した。4日、TBS系テレビ「サンデーモーニング」に出演。キャンプのユニーク練習のコーナーで、同外野手が目を閉じて、打球音だけで打球方向を判断するトレーニングを紹介。「喝だっ!座頭市じゃないんだから、しっかり目を開けてスタートを切る練習をしなきゃ。何の意味があるのか。もっと実戦的な練習をして磨きをかけて欲しい」とバッサリと切り捨てた。岡田外野手は昨季、好プレーを連発しゴールデングラブ賞に輝いた名手。10日に台湾代表と戦う「侍ジャパン」(日本代表)のメンバーにも選ばれている。