ロッテは0−1の2回、先頭のサブローが同点本塁打。さらに2死満塁から角中の二塁打で2点を勝ち越した。唐川は6回1/3を7安打2失点と粘り益田、薮田とつないで逃げ切った。西武は犠飛による2点しか奪えず、10敗目を喫した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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埼玉西武 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 |
千葉ロッテ | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 3 |
唐川が苦しみながらも6回1/3を7安打2失点に抑え、今季3勝目を挙げた。西武戦は昨年から5連勝。それでも「いいボールと悪いボールがはっきりしていた。試合をつくったかもしれないが、僕が求めているのはそこじゃない」と、微妙な制球ミスに不満げだった。前回登板したソフトバンク戦でもサブローから2安打1打点で援護されたことに、「サブローさんにはいつも助けられています」と表情が緩んだ。
右ひざ関節の鏡視下手術を受けた2軍調整中のロッテ荻野貴司外野手(26)が21日、イースタン・リーグのロッテ対西武戦(浦和)に「1番中堅」で復帰した。先発で3打数無安打、守備機会は3度あった。「1年ぶりの試合で緊張しましたが、楽しくプレーできました。ひざの不安は多少ありましたが、問題なくプレーできてホッとしている。野球ができる喜びを感じました」と話した。西村監督は「2軍と連携を取りながら状態がよくなれば。(復帰が)5月になるか、6月になるかは状態次第」と慎重に話した。
ぜいたくを言えばライトスタンドが良かった。「ロッテ愛」にあふれるサブロー外野手(35)の復帰1号は、残念ながら西武ファンで埋まった左翼席に吸い込まれた。1点を追う2回先頭。最も得意とする真ん中外寄りに来たスライダーを捉え、11年4月27日オリックス戦以来の本拠地でのアーチをかけた。「本当はマリーンズファンがいるライトスタンドに放り込みたかったけど。難しいね」と振り返った。
昨年6月にトレードで巨人へ移籍。短期間ではあったが、伝統ある球団で経験したことは財産になったという。原監督からは走り込み不足を指摘され「お前を老け込ませたくない。もっと走れ」とハッパをかけられた。それ以来始めた外野での走り込みは、今でもアーリーワークとして続けている。「全員4番」のような巨人打線の中にあって、自分の立ち位置も明確になった。「間違いなく僕は長距離砲じゃないから、できることをやるだけです」と吹っ切れた。
一皮むけたサブローを4番起用してからチームは4勝2敗。連敗を2で止めた西村監督は「サブローはグラウンドできっちりした仕事をしてくれている。あの1発で勢いに乗った」とたたえた。帰ってきた男が好調ロッテの中心にいる。
ロッテ・唐川が7回途中2失点で、リーグトップタイの3勝目を挙げた。7安打3四死球の内容に「スッキリしない投球ですみません。いい球と悪い球がはっきりして…。最低限の仕事はできたが、いいところは全然なかった」とお立ち台で頭を下げた。「試合はつくれたけど、自分が求めているのはそこじゃない」と右のエースとしての自覚をうかがわせた。
ロッテの唐川が6回1/3を2失点でハーラートップタイの3勝目。自身は西武戦6連勝で、チームの連敗を2で止めた。7回2死まで完全投球だった前回14日のソフトバンク戦(ヤフードーム)から一転してピンチの連続。初回に先制を許すと、4回まで毎回得点圏に走者を背負った。それでも4回2死一、二塁で二塁走者を牽制で刺すなど要所を締めた。
「野手が守ってくれて試合をつくれたけど、求めるところはそこじゃない」。右のエースとしての自覚から、1度はヒーローインタビューを断った。関係者に促されて上がったお立ち台では「次は気持ちの良い勝ち方をします」とファンに快投を約束した。
西武の栗山が中飛で二塁からタッチアップして生還する好走塁を見せた。初回1死二塁、中島の右中間への大飛球を中堅・岡田がフェンスに激突しながら好捕。「岡田選手なら捕るだろうと思った。最初からタッチアップに入るつもりだった」。
昨年ゴールデングラブ賞を獲得した名手の守備力を頭に入れ、ハーフウエーではなく、二塁ベースから約3メートル地点で打球の行方を見ていた。岡田はカバーに入った右翼の清田にすぐにトス。ロッテの中継プレーに無駄はなかったが、間一髪のクロスプレーで栗山の足が勝ち、中島に珍しい「中犠飛」が記録された。
帰ってきた背番号3は、心地良さそうに「サブロー」コールを全身で受け止めた。1点ビハインドの2回。甘いスライダーを左翼席へ運んだ。「これだけのファンの中で復帰第1号を打てたことがうれしい。本当なら右翼スタンドに放り込みたかったけどね」。巨人から復帰したサブローにとって、ロッテでの一発は昨年4月27日のオリックス戦(QVC)以来の今季1号同点弾だった。
またも“弟子”を救った。唐川は初回に1失点。だが、4番の一発で同点に追いつくと、さらに3安打で2点を追加。今季初の逆転勝ちで、22歳右腕に3勝目を贈った。14日のソフトバンク戦(ヤフーD)でも「侑己(唐川)を男にしてやりたい」と先制打で白星をアシストしており、唐川は「いつも助けられてますね」と頭を下げた。
オフに石垣島で行う自主トレに、初めて唐川を参加させた。唐川は「プロになって厳しく言ってくれる人はそういない。ありがたいですよ」。厳しい“師匠”も「ボクらもいつも助けてもらっている。助け合えるのがいいチームだからね」と最後には親心も見せた。
ロッテのサブローが復帰後初の本塁打を放った。0−1の2回、先頭打者で甘いスライダーを左翼席に運んだ。観客席を沸かせ「久々に振ったなという感じ。打った瞬間、入ると思った」と、にこやかに話した。
サブローの本塁打で追いついたチームは今季初めて逆転勝ちし、3連敗を阻止。4番に入るチームリーダーは「先制されると負けていた。追いつき、勝ち越し、守りきったパターンは初めて。これは大きい」と満足そうだった。
ロッテの角中が今季初の1番での起用に応え、2回2死満塁で右中間に勝ち越し二塁打を放った。野上のスライダーを打ち返して走者2人を迎え入れ「バットの先に当たったが、感触で落ちると思った」と振り返った。
左翼の守備でも3回2死一、二塁で嶋の浅い飛球を好捕。14日に登録され、4試合目の出場だが攻守両面でアピールし「とにかく必死です」と顔を引き締めた。
ロッテが1点差を守りきり、連敗を2で止めた。7回途中2失点で降板した先発唐川に代わってリリーフした益田が、西武の強力クリーンアップを打ち取り1回2/3を無安打無失点に仕留めた。西村徳文監督(52)は「益田がナイスピッチングでした。開幕からルーキーとは思えない働きをしてくれている」とたたえた。
ロッテの4番サブロー外野手(35)が、ロッテ復帰1号の同点ソロをマークした。1点を追う2回先頭で、西武野上の125キロスライダーを左翼席へ運んだ。「内からど真ん中に入ってきたね。甘いボールをうまくとらえることが出来た。これだけのファンの中で復帰1号を打てたのが嬉しいね。本当ならマリーンズファンのいるライトスタンドへ放り込みたかったけど…。それは難しいね」とご機嫌だった。
ロッテの角中勝也外野手(24)が追撃の2点適時二塁打をマークした。同点で迎えた2回、2死満塁から127キロ低めスライダーをとらえ、右中間を破る二塁打とした。「今年はファームでもチャンスで打てているので、自信を持って打席に入った。積極的に打ちにいった結果がタイムリーにつながりました。とにかく必死です」と振り返った。