阪神が序盤のリードで逃げ切った。1回はブラゼルが3点二塁打。2回は四球で走者をため金本、新井貴、ブラゼルが3連打。先発全員で今季最多16安打を放った。ロッテは角中が4打点の活躍だったが、終盤の好機を生かせず3連敗。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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阪神 | 3 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 |
千葉ロッテ | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 5 |
ロッテの6年ぶり交流戦優勝への道は絶たれた。執念は最後まで示した。9回2死から3連打と押し出し死球で、サブローに1発出ればサヨナラという場面をつくった。だが最後は遊ゴロで終戦。「(交流戦Vの)そのためにやっている訳じゃない」。西村徳文監督(52)は語気を強め、シーズンを戦っていることを強調した。
3回までに8失点。重光昭夫オーナー代行が今季2度目の観戦に訪れ、試合前は「いい戦いができている」と期待を寄せていた。だが序盤で試合が壊れ、開始約1時間で球場を後にするほど完敗ムードが漂った。
だが粘り腰を見せた。打点を挙げた試合で14戦不敗中だった5番角中勝也外野手(25)が2回に2号ソロ、4回にレフト越えの2点適時二塁打、6回に右中間突破の適時二塁打と、プロ入り初の4打点。6月に入り、月間打率が2割1分9厘と低調だったが、この日からバットの構える位置を投手寄りに移動した。「バットが視界に入るぐらいにした。後だと(ミートまで)距離がありすぎてミスショットが多かった」。微妙なメンテナンスが結果に直結した。不敗神話は15戦目で途切れたが「最後まで続くと思っていない」と、心残りはなかった。
交流戦優勝は巨人の手中となった。エース成瀬は1度目の対戦後に「強打者だけでなく、今年は小技のできる選手もいるし、村田さんも場面に応じて簡単に犠牲フライを打つ。やっかいな打線だと思った」と変貌を感じた。だが巨人に2勝2敗と肉薄した数少ないチームでもあった。
「あと1発でサヨナラというところまで行った。明日は何とかしてくれると思う」(西村監督)。まずは3連敗を止め、真のゴールであるシーズン優勝へ再出発する。
ロッテ岡田幸文外野手(27)の連続守備機会無失策が602で途切れた。2回2死二塁からブラゼルの中前打を本塁へ送球。クロスプレーとなったが、バウンドした送球を里崎が後逸し、その間にブラゼルが二塁へ進み、失策がついた。小関(元西武)が持つパ・リーグ外野手の連続守備機会無失策658の更新も近づいていたが、不運な形で記録が終わった。「あの失策は受け止めないと。でもエラーを恐れて攻めるプレーをしないのはダメ。記録はすごいことじゃない」と冷静だった。
ロッテは、3回までに8失点、今季2度目の3連敗で、ナイターの巨人、日本ハムの結果を待たず交流戦優勝が消滅した。「そこが目標ではない。リーグ優勝、日本一に向けてやっている」と西村監督。2回の2号ソロを含む4打点の角中は、打点を挙げた試合の連続勝利が「14」で途切れ「元々最後まで続くとは思っていなかった」と苦笑いだった。
打点を挙げた試合は今季14戦無敗(13勝1分け)だったロッテ・角中が4打点したものの、阪神に5−8で敗れ終戦。ナイターの巨人戦の結果を待たずに交流戦Vは消滅した。
しかし、西村監督は「その(交流戦優勝)ためにやっているのではない。リーグ優勝のためにやっている」と強い口調で話した。今季2度目の観戦に訪れた重光昭夫オーナー代行も「いい成績で行ってくれたら」と05年以来7年ぶりのリーグ優勝に気持ちを切り替えた。
逆転勝利を、そして逆転優勝を信じる右翼席の歓声が、その瞬間、ため息へと変化した。4点ビハインドで迎えた最終回、2死から3連打と押し出し死球で3点差に詰め寄った。一発なら逆転サヨナラのチャンスだったが、4番・サブローが遊ゴロに倒れて、4月28日以来の3連敗で終戦した。
「可能性がある限り頑張らないと」。逆転での交流戦Vへ、西村監督が執念を見せた負けられない一戦だった。だが、期待に反するように、先発マウンドを託された香月が立ち上がりから大乱調。5つの四球を与えて2回持たずにKO。続く松本も4連打を許すなど流れを断ち切れず、2回まで2人で計7失点を喫した。指揮官が「あの2回の4失点が痛かった」と振り返ったように、角中の4打点で追い上げただけに、序盤の大量失点の代償は大きかった。
ナイターで行われた巨人戦の結果次第では優勝の可能性もあった。しかし、試合後の西村監督は「リーグ優勝に向けてやっていく、そういうことです」と悔しさを押し込めるように、次なる目標を見定めた。
ロッテは序盤の大量失点が痛かった。先発の香月が2回途中で5四球と荒れ、救援した左腕松本も球威不足で4連打を浴びた。2回で7失点では、好調の打線でも荷が重すぎた。今季2度目の先発だった香月について、西村監督は「ヨーイドンで、ああなると最後まで響く。ストライクが入らないのでは、ちょっと投手としてねえ…」と渋い表情だった。
ロッテ西村徳文監督(52)が阪神に完敗し、険しい表情で言葉を振り絞った。「ヨーイドンでああなると厳しい。香月は登板間隔が空いていたが、ストライクが入らないと、投手としては…。打たれるのはいいが」と、1回2/3、5失点KOの香月に苦言を呈した。2回2死走者なしから連続四球でピンチを広げ、その直後に交代した松本が3連続適時打を浴びた。「2回の4点が大きかった」と敗因を口にした。これで6年ぶり交流戦の優勝がなくなった。「そのためにやっている訳じゃない」とサバサバと話した。
ロッテ角中勝也外野手(25)が、3−8で迎えた6回、1死二塁から右中間フェンス直撃の適時二塁打を放った。カウント1−1から、メッセンジャーの低め145キロ直球をシンで捕らえた。「今日の3本の中で1番感触、手応えが良かった。理想の打撃が出来ました」と、自画自賛の一打を振り返った。2回に2号ソロ、4回に2点適時二塁打と、1人で4得点をたたき出した。
ロッテ角中勝也外野手(25)が、4回に2点適時二塁打をマークした。1−8で迎えたこの回、無死一、二塁からメッセンジャーの外角高め、145キロ直球を捕らえた。「レフトフライかと思ったけど、よく伸びてくれました。結果的に2点取れて良かった。まだまだ取り返さないと」と話した。
ロッテ角中勝也外野手(25)が2回に2号ソロをマークした。7点を追うこの回、1死走者なしからメッセンジャーの146キロ内角直球を右翼席へ運んだ。「ストレート1本に絞って打ちに行った。狙ったボールが甘く入ってきたので完璧に打つことができた」と話した。
ロッテ香月良仁投手(28)が1回2/3を5失点でKOされた。負ければ、交流戦優勝の無くなる大事な一戦。「初回が全てです。相手に流れ、勢いをつけてしまい、申し訳ないです。それしか言葉がないです。すいません…」と、うな垂れるしかなかった。
ロッテ・サブロー外野手(36)が福島市内の少年野球チームの小学生30人を招待し、試合前に子供達と記念撮影を行い、ロッテのお菓子をプレゼントした。サブローと唐川が企画している招待シート「319シート」で観戦予定。サブローは「雨が降っているけど、風邪をひかないよう気を付けて楽しんで下さい」と挨拶した。
日本生命セ・パ交流戦は、優勝へのマジックナンバーを1としていた巨人が初優勝を果たした。2005年から始まり、今年が8年目の交流戦でセ・リーグの球団が制するのは初めて。
巨人は初戦から7連勝して首位を快走。通算成績を17勝6敗とし、チームの最終戦を待たずに勝率1位が確定し、優勝賞金5000万円を獲得した。
交流戦は19日が最終日の予定で、全日程終了後に優勝チームから最優秀選手(MVP)が選出される。リーグ戦は22日から再開する。