日本ハムが逃げ切った。4回2死一、二塁から稲葉の飛球を荻野貴が落球し、さらに悪送球もあって2点を先取。継投でリードを守った。吉川は6回1失点で自身初の10勝目。ロッテは成瀬が好投したが、打線が好機を生かせなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
北海道日本ハム | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 2 |
日本ハムは、今回のロッテ3連戦では過去の試合で使用したユニホームなどを再利用して作製したものを着用。黒が基調で、ロッテのビジター用と似ていた。その影響が“悲劇”を生んだのか。4回、荻野貴が無人の一塁に送球してしまったのは、日本ハム一塁ベースコーチの三木内野守備コーチをロッテ一塁手の青野と勘違いした可能性も…。投の主役が吉川なら、攻撃のヒーローはユニホームだった?!
成瀬は7回を自責点0も、味方の失策による2失点で6敗目。4回2死一、二塁で荻野貴が飛球を落球したうえ無人の一塁へ返球、ボールがファウルゾーンを転々とする間に2人の走者がかえった。リーグ単独トップの12勝目がお預けとなったエースは「正直、何と言っていいのか分からない」と放心状態。チームも4位ソフトバンクに0.5差に詰め寄られた。
両軍ベンチ、スタンドが一様に目を疑った。
真夏の珍事ともいえるプレーが起きたのは4回2死一、二塁。稲葉の浅い飛球を捕球体勢に入りながらロッテの中堅・荻野貴がまさかの落球。これで二塁走者が生還。さらに一、二塁間にいた稲葉を刺そうと味方のいない一塁に返球し、ボールがファウルゾーンを転々。その間に2人目の走者も生還した。
その時、ロッテの一塁手・青野はカットプレーに備えてマウンド付近にいた。ならば、なぜ荻野貴は一塁へ投げたのか…。
この日、日本ハムナインは、選手が過去に試合や練習で使用したユニホームを再利用して作製した「エコユニホーム」を着用して試合に臨んだ。ただ、再原料化の工程で様々な色の素材が混じり合い、出来上がりがまだら色になることから黒が基調。これがロッテのビジター用ユニホームと酷似しているとあって、事前の申し入れで今回は札幌ドームの試合にもかかわらずロッテがホーム用のユニホームを着用することになっていた。
栗山監督も試合前「このユニホームで得点したら、ロッテファンが喜んでくれそうだね」と冗談交じりに話していたが、現実に「錯覚」が起こった。問題の場面では、一塁付近には日本ハムの三木ベースコーチがおり、稲葉に走塁の指示を出して手を挙げていた。同コーチは「もし(ロッテの一塁手と)間違えたのだとしたら申し訳ない。でも、こちらはコーチとしての仕事をしていただけだし…」と複雑な表情を見せた。
幸運なこの2点だけで逃げ切った日本ハム。一方のロッテはエース成瀬で敗れて3連敗。まさに白と黒のコントラストだった。
打線の援護に恵まれず、味方守備にも足を引っ張られたロッテ・成瀬が6敗目を喫した。
4回の荻野貴の落球と悪送球による2失点以外は、7回まで5安打と要所を締めたが「何と言ったらいいのか…。いい投球をしても勝てない。これも野球」と言葉をのみ込んだ。最近3試合連続で守備の乱れから失点しているだけに、西村監督も「成瀬は打たれた訳でない。打線にもう少し頑張ってもらわないと」とエースをかばっていた。
ロッテの荻野貴が4回に失策を重ねて2点を与えた。2死一、二塁で稲葉の浅い飛球を捕球態勢に入りながら落球し、二塁走者が生還。さらに一、二塁間にいた稲葉を刺そうと味方のいない一塁に返球し、ボールがファウルゾーンを転々とする間に2人目の走者もかえした。2失策を記録し「やってしまった。一塁手がいると思った」と話した。
ロッテの成瀬は7回を自責点0で投げたが、味方の失策による2失点で6敗目を喫した。直球が走り、変化球も低めに集めて3回まではパーフェクト。だが、初安打を許した4回に荻野貴の2失策で失点した。
好投しながら援護に恵まれず、リーグ単独トップの12勝目はお預けになった。「正直、何と言っていいのか分からない」と放心状態だった。
ロッテの荻野貴が4回に失策を重ねて2点を与えた。2死一、二塁で稲葉の浅い飛球を捕球態勢に入りながら落球し、二塁走者が生還。さらに一、二塁間にいた稲葉を刺そうと味方のいない一塁に返球し、ボールがファウルゾーンを転々とする間に2人目の走者もかえした。
2失策を記録し「やってしまった。一塁手がいると思った」と元気がなかった。この2失点でチームも敗れ、痛恨のプレーとなった。
ロッテ成瀬善久投手(26)が好投したがハーラー単独トップの12勝目はならなかった。2戦連続6失点中で迎えた一戦だったが、リズムよく3回まで完全投球。4回2死からの連打と荻野貴の失策で2点を許したが、その後は追加点を許さず7回2失点に抑えた。敗戦投手となったが「こういう投球をすれば競った試合ができるという感覚を取り戻せた」と話した。
ロッテ西村徳文監督(52)が冷静なプレーを求めた。4回2死一、二塁から荻野貴が中飛を落球。さらに無人の一塁へ悪送球し、一挙に2点を献上してしまった。「ここ何試合か(他の選手も)ミスが目立っている。そういうことを受け止めて反省しないと。1つ落球しても次のプレーに入るときに周りを見とかないといけない」と苦言を呈した。
ロッテ角中勝也外野手(25)が1カ月ぶりの猛打賞を放った。パ・リーグ屈指の左腕、吉川が相手だったが、4回に投手強襲安打、6回に右前打、8回には増井から中前打で7月17日の楽天戦以来の3安打をマークした。「スピードガンよりも球が遅く感じたので、今日は行けるのかなと思った。ラッキーな面もあったけど、結果が大事なので」と話した。