ソフトバンクは同点の6回、代打の内川の犠飛で勝ち越し。ロッテも1点を追う7回、代打の福浦が右中間へ適時二塁打を放ち、追いついた。その後は両チームとも救援投手が走者を出しながらも無得点に抑え、延長10回で引き分けた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 |
ロッテ益田直也投手(22)が新人セットアッパーとしての勲章を手に入れた。ソフトバンク戦で2回無失点に抑え、今季34ホールド目。09年のソフトバンク摂津の記録に並んだ。すでに自分で記録を調べ、ホールド数、最多登板(71試合)の新人記録は頭に入れてある。開口一番に「知ってました!」と胸を張ったが「試合中は意識していなかった。1回を抑えて、あと1回という気持ちだった」と夢中だった。
8回を抑え、9回も続投。苦手の回またぎだった。「いいイメージがない」。今季5度のケースで2度、失点した。前回の6月17日阪神戦で自身ワーストタイの4失点。だが「いいイメージをしよう」と気持ちを切り替え「抑えて味方が点を取れば(プロ初)勝利がつく」とプラス思考を働かせた。結局2回1安打2奪三振と役割を完遂。10カード連続の勝ち越しなしとなったが、ドローという最低限の結果をもたらした。
試合前は球宴で知り合ったペーニャと談笑。「何言ってるのか分からない」と言いながらも片言の英語で巨漢助っ人を笑わせるあたりは、マウンド度胸に表れている。ドラフト4位の無印ルーキーだが、ここまで来たらビッグタイトルへの欲もある。「新人王は一生に1度。(楽天)釜田や美馬さんもいるけど取りたいですね」。新人王級の活躍はチームの再上昇につながる。
ロッテが9回裏に時間稼ぎでドローを狙って失敗も、結果的には延長10回で引き分けに終わった。9回2死で打席に入ったロッテ里崎智也捕手(36)はベンチに時間を使うように指示を受け、1球ごとに打席の周囲を歩き回って間を取った。結局、規定の3時間半まで残り5秒で空振り三振し、延長戦に突入した。西村監督は「勝てれば1番だけど負けないことも大事。(時間稼ぎは)あれ以上、見え見えのことはできない」と意図を説明した。
引き分けたものの、D4位・益田(関西国際大)が同点の8回から2回を無失点に抑え、2009年にソフトバンク・摂津が作ったプロ野球新人記録の34ホールドに並んだ。「6勝の釜田(楽天)がいますけど、新人王は一生に1度だから獲りたいです」と意気込んだ。西村監督は右腕を「新人ながらよく頑張って、チームに貢献している」と絶賛した。
積み上げた数字の大きさが勲章だった。新人セットアッパー・益田が同点の8回から4番手で登板し、2回を1安打無失点。登板56試合目でリーグ2位の34ホールドをマーク。09年のソフトバンク・摂津がマークした新人最多ホールド記録に並んだ。「今日みたいに、しんどい展開を抑えて積み重ねた結果。自信になる」と胸を張った。
前半戦終盤にプロ初黒星を喫し、調子を落としたこともあった。「あの時は投げたくないと思うこともあった」。それでも投球時にタメをつくり、投球フォームに微修正を加えながら乗り越えた。「今は毎日でも投げたい」。そして胸の内にはもう1つ野望がある。「新人王を取りたい。1試合ずつ投げ続けたらついてくると思う」。同期で“最下位”のドラフト4位男が大志を抱き、右腕を振り続ける。
ロッテの新人・益田が4番手で同点の8、9回を無失点に抑え、09年のソフトバンク・摂津に並ぶ新人最多タイの34ホールド。延長10回ドローの中で、きっちり仕事を果たした。
「記録は知っていた。しんどい思いを積み重ねた結果だから自信を持っていいかなと思う」。一時は考えすぎて調子を崩したが、今は「打者を見て間合いを考えてる」という。新人王争いには「そこに目を向けると駄目。一戦一戦抑えたい」。チームは10カード連続勝ち越しなしでも、謙虚な右腕に西村監督は「新人なのに大したもの」と絶賛した。
試合時間が3時間半を超えた場合、延長の新たなイニングには突入しないという規定を巡って、やや「せこい」攻防が繰り広げられた。
3時間半が間近の9回2死、ロッテの里崎は引き分けを狙った時間稼ぎか、1球ごとに打席の周囲を歩き回る。しかし、フルカウントから三振。残り5秒で延長戦に突入した。西村監督は「あれ以上、見え見えのことはできない」。一方、ソフトバンクの秋山監督は「(時間稼ぎは)ファンも望んでいない」と批判まじりだった。
試合時間が3時間半を超えた場合、延長の新たなイニングには突入しないという規定をめぐって、やや“せこい”攻防が繰り広げられた。3時間半が間近の9回2死、ロッテの打者は里崎。引き分けを狙った時間稼ぎか、1球ごとに打席の周囲を歩き回る。しかし、フルカウントから三振。残り5秒で延長戦に突入した。詰めの甘いロッテだが、西村監督は「あれ以上、見え見えのことはできない」。一方、ソフトバンクの秋山監督は「(時間稼ぎは)ファンも望んでいない」と批判まじりだった。
約3ヶ月ぶりの勝利を目指したロッテの藤岡だが、2−0の5回に3長短打を浴び、リードをふいにした。5回で107球を投じ「球数が多く、リズムの悪い投球で流れを崩してしまった」と反省の弁を口にした。
1軍復帰後2度目の先発だったが、西村監督は「この前より悪い。よく5回2失点で済んだ」と厳しかった。
ロッテ福浦和也内野手(36)が貴重なドロー打を放った。7回2死二塁で、3回に先制適時三塁打を打っていた岡田に代わって登場。ソフトバンク森福の高めのスライダーをとらえて右中間へ運んだ。「打ったのはスライダー。今日先制タイムリーを打っている岡田の代打だったから、いいプレッシャーがあったよ。とにかく、自分でランナーを返そうとか力まずに、次につなぐ気持ち。追い込まれていたので、必死にバットに当てた。高めのボールだったから、外野の上を越えてくれたね」と振り返った。
ロッテ岡田幸文外野手(28)が先制の適時三塁打を放った。3回1死二塁から低めの直球を右中間へ、はじき返し、快走を飛ばして一気に三塁へ到達。井口の犠飛では2点目のホームを踏んだ。「今江さんのヒットで球場がいい雰囲気になっていたので、自分もその雰囲気に乗っていきました。藤岡も何とか粘って投げているので、いい先制点が取れて良かった。ランナーを返す気持ちで、最悪でも進めるバッティングを心掛けました。今日はセカンドで転ばずに、三塁までいけました(笑い)。とにかく、自分の出来ることをしっかりするだけです」と話した。
ロッテ西本聖投手コーチ(56)が4回まで3安打無失点と好投している先発藤岡について好評価した。「いいね。2回3回とピンチもいい意味で開き直って投げているように見える。打てるもんなら打ってみろというようなね。ファームに落ちる前の藤岡ならフォアボールやヒットを打たれていたかもしれないね。前回の札幌のピッチングにしても一皮むけたのかなと思う」と話した。