9月17日9月17日ロッテが3連勝で楽天と入れ替わって4位に浮上した。1回に6長短打で4点を先行するなど今季最多に並ぶ16安打で11点を奪った。グライシンガーは8回3失点で3年ぶりの2桁勝利。楽天は投手陣が踏ん張れず連勝が4で止まった。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 千葉ロッテ | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 0 | 0 | 11 |
| 東北楽天 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 |
3連勝で4位浮上。先発のロッテ・グライシンガーが8回3失点（自責点2）で10勝目を挙げた。ヤクルト、巨人時代に続いて4度目の2ケタ勝利だ。外国人では、3球団での2けた勝利はパウエル（近鉄など）以来史上2人目、両リーグでの2ケタ勝利は同4人目の快挙だ。右腕は「プレーオフに出場できるか瀬戸際なので、チームの勝利を優先したい」と冷静だった。
個人記録は二の次だった。ロッテ・セス・グライシンガー投手（37）の視線はチームに向いていた。「確かに気分はいい。でも今はCSに出られるかの瀬戸際。しっかりチームのことを考えないといけない」。2ケタ勝利への到達より、ビジター連敗を10で止め、4位に浮上させたことに喜びを感じていた。
巨人時代は阿部との息が合わず、専属捕手がつくなど自己中心的なイメージもあった。だがチームへの愛情は深い。08年、巨人1年目には母国米国から北京五輪代表選出の内定を受けた。五輪後に野球が競技から除外されることを考えれば、貴重な機会だった。
球団に相談すると残留を希望された上で判断を委ねられた。銅メダルを獲得した96年アトランタ五輪に続く出場は望めば、かなえられた。だが、「巨人のためにも考えて辞退した」。五輪期間中もローテを守り、阪神との最大13ゲーム差を逆転した「メークレジェンド」に大きく貢献した。
9連戦中で救援陣の登板がかさむ。11日の日本ハム戦は敗れたが完投し、中5日のこの日も8回を投げた。全てはCS出場のため、そしてその先には古巣との対戦の可能性も広がる。「巨人は素晴らしいチーム力がある。CSを勝ち抜いて対戦したいね」。チーム愛で、Aクラスへと押し上げる。
グライシンガーがヤクルト時代の07年16勝、巨人時代の08年17勝、09年13勝に次ぐ4度目の2ケタ勝利。セ、パ両リーグで2ケタ勝利を記録した外国人投手はミンチー（広島、ロッテ）パウエル（近鉄、オリックス、巨人）ホールトン（ソフトバンク、巨人）に次いで4人目。3球団以上で2ケタ勝利は野村収（4球団で記録）ら史上12人目で、外国人ではパウエルに次ぐ2人目。
金本に続き、また1人…。03年、05年に阪神をリーグ優勝に導いたロッテ今岡誠内野手兼任コーチ（38）が今季限りで現役引退することが17日、明らかになった。03年に首位打者、05年打点王に輝くなど、猛虎の黄金時代を支えてきた好打者が、完全燃焼でユニホームを脱ぐ。
また1人、猛虎の黄金時代を築いた名プレーヤーがバットを置く。ロッテ今岡がユニホームを脱ぐ決意を固めた。今季は兼任コーチに就いたが、当初から球団と話し合い、試合に出場せずに若手の指導に専念するスタンスだった。プレーヤーとしての引き際を悟っていた。
「去年も戦力として代打要員でも上（1軍）にいなかった。そういう面でも心の整理はついていた。結果が出なければ、やりたくてもできない。今年で一区切りという思いがあった」。
阪神では03年に1番打者で打率3割4分をマーク。05年は5番を打ち、ポイントゲッターとして147打点を記録した。12日に現役引退を表明したばかりの金本らと03、05年のリーグ優勝の立役者になった。鉄人と歩んだ道のりは今岡の財産になった。
プロ入り当初から理想像があった。「プロは一匹狼で群れずに、無駄口をたたかず、己の目標に向かっていく」。孤高のプレーヤーとして一時代を築いた。そんな全盛期の頃、納会で金本から諭されたことがある。「イマハン（今岡）な。給料稼いで上に立つ人間はな。こうやって若い選手とメシを食べて、色んな話をしたる。それも先輩の仕事やで」。その後、若手と密に意思疎通を図るようになった。一流としての自覚、そして人間としての深みを学んだ瞬間だった。今岡は言う。
「優勝した03、05年は絶対に忘れない。これは誇りだし、金本さんにものすごく影響を受けて、シーズン中も色んなことを教えてくれた。ロッテに来てからも、ものすごく選手と交流した。これも金本さんの影響だね。言葉は間違っているかもしれないけど、金本さんと一緒の年に引退できるのは嬉しい」。
09年、愛する阪神を戦力外になり、新天地ロッテで恵まれた日々を過ごした。「阪神で終わっていたら、悔いが残った。この3年間はものすごく財産になった。日本一になって、優勝もして、タイトルもとって、指導者の目も持っている。現役中にこれだけ終えていて達成感というより、また夢と希望を持てる」。指導者としての視点も養い、野球人として経験値を高めた。
「09年のとき、嫁が『やめないで』と言っていなかったら、やめていたかもしれん。全て人との縁。人から影響を受けて、色々積み重ねていくのかな」。
人との絆と共に年輪を重ねていく。梨恵夫人、長男稜さんら家族の支えも今岡のパワーだった。指導者として再びユニホームを着る夢もあるが、今後は野球評論家としてグラウンドの外から野球を学ぶ。一本気に駆け抜けた野球道。勝負師が歩む先は、まだまだ真っ直ぐに延びている。
3年ぶりの2桁勝利を挙げたロッテのグライシンガーが、古巣との対戦を熱望した。巨人の3年ぶりのリーグ制覇が目前に迫っている中、「（巨人は）打力も投手力も素晴らしい。ロッテはプレーオフ（CS）に進出できるかどうかの瀬戸際だが（日本シリーズまで）勝ち抜いて対戦したい」。
最近2年は右肘の故障に苦しんだが、今季は7月に背筋痛を訴えた以外は、ローテーションを守ってきた。この日も中5日で8回を4安打3失点。3回は守備の乱れも重なって3点を奪われたが、なおも1死満塁のピンチでは得意のチェンジアップで銀次を三飛、草野を一ゴロに仕留めた。チームは3連勝で4位に浮上した。「これくらいはやってくれると思っていた」と西村監督。順調ならば助っ人の先発はあと3度。3戦全勝が逆転CS進出への条件ともいえる。
ロッテ・今岡誠内野手（38）が、今季限りで現役を引退することが17日、決定的となった。複数の関係者への取材で明らかになった。今季から2軍の打撃・守備コーチを兼任し、1、2軍ともに出場機会はなかった。
今岡は大阪・PL学園高から東洋大を経て、1996年のドラフト1位で阪神に入団。バットコントロールにたけ、03年には打率3割4分で首位打者を獲得し、85年以来18年ぶりのリーグ優勝に貢献。05年には全146試合に出場し、147打点で打点王に輝いた。
09年オフに阪神から戦力外通告を受け、10年からロッテでプレーしていた。
ロッテのグライシンガーが巨人時代の2009年以来となる2桁勝利を挙げた。ここ2年は右肘の故障に苦しんだが、復活のシーズンとなった。
打者のタイミングを外し、打たせて取る投球術がさえ、8回4安打3失点。持ち味を発揮したが「個人的な目標は設定していない。今はチームのクライマックスシリーズ進出に集中している」と冷静に話した。
昨季まで在籍した巨人はリーグ優勝を目前にしている。セ・リーグで最多勝2度の右腕は「日本シリーズで巨人と対戦したいね」と期待を込めた。
ロッテは大勝で4位に上がったが、8点リードの9回に失策が続いて失点するなど後味の悪さが残った。西村監督は「最後の2点が余計だった。1つ1つのプレーをしっかりやらないと」と苦言を呈した。
クライマックスシリーズへの自力進出が消滅する可能性のある状況が続く。3連勝で粘っているが、首脳陣は一様に硬い表情だった。
ロッテのセス・グライシンガー（37）が巨人時代の2009年以来となる2桁勝利を挙げた。ここ2年は右肘の故障に苦しんだが、復活のシーズンとなった。
打者のタイミングを外し、打たせて取る投球術がさえ、8回4安打3失点。持ち味を発揮したが「個人的な目標は設定していない。今はチームのクライマックスシリーズ進出に集中している」と冷静に話した。
昨季まで在籍した巨人はリーグ優勝を目前にしている。セ・リーグで最多勝2度の右腕は「日本シリーズで巨人と対戦したいね」と期待を込めた。
ロッテ西村徳文監督（52）が、勝ってかぶとの緒を締めた。打線が今季最多タイの16安打を放ち、11得点の猛攻。だが最終回に守備固めで二塁手として起用した早坂が2失策で2失点を招くなど、後味の悪さが残った。指揮官は「最後の2点が余計。明日のゲームがあるんだから、1つ1つしっかりやらないといけない」と厳しい表情を見せた。
ロッテ清田育宏外野手（26）が流れを変えた。1点リードの6回2死一、二塁、楽天加藤の直球をセンターオーバーの二塁打で走者2人を返した。序盤の4点リードが3回の3失点で追い上げられムードだっただけに、打線を再点火させる一打となった。「ツーアウトだったのでストレートに的を絞って打ちました。追加点が欲しい所だったので、いいヒットが打てました」と満足していた。
ロッテ角中勝也外野手（25）が2点目となる適時三塁打を放った。初回2死一塁から外角低めのフォークを左中間へ低空ライナーではじき返し、一塁走者のサブローを一気に生還させた。「サブさんがヒットを打ってくれたので楽に打席に入れました。ボールだと思ったがうまく体がついて来てくれました」と振り返った。
ロッテ井口資仁内野手（37）が3点目の適時二塁打を放った。初回2死三塁で2ボールからファーストストライクを右中間へはじき返した。「ツーボールでバッティングカウントだったから、打てるボールを絞って狙いました。うまく引き付けてたたくことができた。いい流れの中で打つことができたね」と話した。
ロッテ里崎智也捕手（36）がビッグイニングを完成させた。初回2死一、二塁から低めの143キロをライト前へ運んだ。この回、4点目となる適時打で楽天美馬を意気消沈させた。「打ったのはシュートです。自分で止めなくて良かったです。2死からみんながつないでくれたチャンス。しっかり得点に結び付けられて良かった。これでセス（グライシンガー）も気分よく投げてくれるでしょう」と話した。
ロッテ・サブロー外野手（36）が先制打を放った。初回2死三塁から楽天美馬の低めの球をセンター前へはじき返した。無死一、二塁で直前の根元がニゴロ併殺打に終わっていただけにカバーする一打。「打ったのはシュート。ツーアウトになったから、打って返すしかなかったが、力まずにコンパクトに弾き返しました。昨日は初回のチャンスで打つことができなかったから、打てて良かったわ」と話した。
来春のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）の日本代表監督の選定作業が、難航していることが17日に分かった。WBC特別顧問を務めるソフトバンク王会長はこの日、福岡ヤフードームで「今年が1番難航しているんじゃない」と発言した。
NPB加藤コミッショナーや王会長らは、今月上旬に選手会が不参加撤回を決めた後から、監督人選を本格化。王会長が7日に「現場の12人は絶対に断ると思う」と現役監督は困難という見方を示すなど、NPBサイドは元広島監督の山本浩二氏（65）を軸に、調整を続けていた。
しかし、山本氏が現場から7年離れていることに慎重論が出ている模様だ。この日、王会長は「現役の12人はやらないというか、できないと聞いているみたいだけど、OBってのもなかなか…」と話すなど、これまでの発言とは微妙にニュアンスが変化。OBを軸にした選定作業が難航し、再び現役監督の兼任案も含めて熟慮中であることをほのめかした。
王会長は「色んな（候補者が）あーだ、こーだというのが出てきて独り歩きしちゃっている。4回目、5回目もこうならないように、こういう形で決めるという方針が固まれば」と発言。今回の具体的な人選と共に、次回以降の監督選びに何らかのルールを設けたい意向を示した。
コミッショナー特別顧問を務めるソフトバンクの王貞治会長はこの日、WBCの監督問題についてあらためて言及した。「（現役監督の）12人はできないというのは（コミッショナーのところに話が）来ているみたいだが、だからOB（監督）でというのもなかなかね…」と渋い表情。さらに「（監督問題は）10月まで回せる話ではない。急がないと」と話した。